貴方に捧ぐドレス・再び



<オープニング>


「先日、絹の仕入れを手伝ったお店から、冒険者の皆さんもフォーナの夜に新しい礼服はいかがですか? ってお誘いが来たの」
 冒険者の酒場にて、花車の霊査士・ヴァルナ(a90183)が訪れている冒険者に声をかけた。
「ドレスやタキシードなんかをオーダーメイドで作ってくれるそうよ。もちろん、既製品もあるらしいから、わざわざオーダーメイドじゃなくてもいいって人もその既製品を選ぶことが出来るんじゃないかな?」
 「どう?」とヴァルナは、冒険者たちに訊ねて回るのであった。

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参加者
NPC:花車の霊査士・ヴァルナ(a90183)



<リプレイ>

●出発前の酒場にて
「ドレスを作ってくれるそうだ、大人の嗜みとしてどうだ?」
 酒場に居たレイメイに、黒曜の邪竜導士・デスペル(a28255)が声をかけた。
「作ってもらっても着ていくところなんて、ないのなぁ〜ん」
「そう言わずにさ、ほら」
 デスペルは、行かない理由を並べようとするレイメイの手を強引に引っ張り、座っていた椅子から立たせると、そのまま抱きかかえて、仕立て屋へと赴く花車の霊査士・ヴァルナ(a90183)たち一行の後を追うのであった。

●貴方に捧ぐドレス
(「せっかくのフォーナ祭だ……楽しまなければ損だろう……少々恥ずかしいのはこの際仕方ないな」)
 自分自身に、ドレスといったものは合わないだろうかと思っていたけれど、漆黒の神弓・リューナ(a60885)は、店を訪れると店員に声をかけた。
「フォーナ祭は夜に始まるからな、そこで……月の光を生かしたものを作ってもらいたいのだが……出来るだろうか?」
 リューナの話を聞き、店員は快く引き受けてくれる。作業に入る店員を見送って、リューナは店内を改めて見回した。
 そこに、見知った顔が居ることに気付く。
「リリスもドレスを探しに来ていたのか……いいものは見つかっただろうか?」
「リューナ? 私はね、自分でデザインしたドレスを作ってもらおうと思ってるんだよ」
 リューナの声に、振り向いた彩華の音色を奏でる真紅の狐・リリス(a67469)は、ドレスのデザイン画を見せた。山吹色のふんわりとしたドレスが紙に描かれている。
「えへへ、喜んでくれるかな?」
「きっと喜んでくれるだろう」
 店員にそのデザイン画を見てもらい、細かいところなどを話し合った後、嬉しそうに言うリリスに、リューナは頷いた。

「リーゼの好きな赤が映えるような、白銀色のドレスを注文したいんにゃ」
 希望の灯を抱く乙女・アルトリーゼ(a53231)は、店員を捕まえて、そう言った。
「イメージとかはございますか?」
「いつか出会う一番な人に見せるために作るものなのにゃ。そう言った思いを込めたいと思ってるんにゃ」
 訊ねる店員に、アルトリーゼはそう答えた。
「分かりました。お客様のその思いをきちんと込められるよう、作成いたしますね」
 アルトリーゼに一礼し、店員は早速、デザイン画から書き始めた。

「せっかくオーダーメイドがあるし、私も新しいのをオーダーメイドしようかなと思いますわね」
 紅色の剣術士・アムール(a47706)は、赤を基調としたドレスを頼みたいと店員に話す。
 良家の子女が着そうな、ふんわりとしたお嬢様系のドレスを選んで、このような感じと示しながら、新調したいドレスの案を店員と話し合った。

「皆様まるで宝石のようですね……」
 ほぅっと吐息を漏らし、誠実なす飛翔・パフィシェ(a17629)は感嘆の言葉を呟いた。
「仕立てが良いと定番のものでも映えて素敵ですね。飽きが来ないというか」
 求めるドレスと似たデザインのドレスを試着しながら、パフィシェは店員にそう言った。
「ありがとうございます」
 店員は嬉しそうに礼を言う。
「それでは、こちらのドレスを基調に、お客様の尻尾が生えるよう仕立てますね」
「お願いします」
 店員の言葉に、パフィシェは頷いた。
「この様な機会、何年振りでしょう……冒険者となった頃には思ってもみませんでした。服が全てではないけれど……あの方の隣に相応しい女性でありたいものです……」
 小粒の水晶を手に取り、胸元で握り締めるとパフィシェは微かに頬を染めながら、微笑んだ。

「一緒に選んで貰えますか?」
 蒼穹に舞う風・ミリィ(a37592)は、連れてこられたまま店の片隅で皆の様子を見ていたレイメイへと声をかけた。
「そういうことなら、喜んでなのなぁ〜ん」
 レイメイは微笑んで、ミリィの誘いを承諾する。
 半ばレイメイはミリィに無理やり感があったけれど、2人していろいろなドレスを試着して回った。
 けれど、ミリィは最後にはオーダーメイドで、ダンスパーティに最適そうなデザインのドレスをお願いする。
「これなら……喜んでくれるかな……?」
 ミリィの呟きに、レイメイは「喜んでもらえると良いなぁ〜んね」と微笑みかけるのだった。

「婚約した人とフォーナ祭にお出掛けするとき用なんだ♪」
 嬉しそうに話す煌蒼の癒風・キララ(a45410)に、店員も一緒になって嬉しそうに微笑む。
「星凛祭で結婚の約束をしたんだ……だから、あの人にも素敵だねって言ってもらえる様なドレスにしたいな♪」
 そう言いながら、店員の描くデザイン画とにらめっこしつつ、細かいところに注文をつけていくキララ。デザインが決まり、布の裁断や縫製へと入ると、その様子をわくわくと楽しみにしながら、キララは眺めているのであった。

「ドレスは冒険に出たときに大半を家に置いてきてしまったからな。この機会に新調するかな」
 瑠璃の音色・アイギール(a65468)は呟き、まずは店内の既製品を見て回る。
「どのようなものをお求めで?」
「どうもあたしは男性に見間違われるからな。それを払拭できるような大胆なドレスがいいんだが……」
 アイギールの求めるものを聞いた店員が、いくつかのドレスを持ってきた。その中から、スタイルに自信がなければ着こなせないような、そして背中の大きく開いたデザインのドレスを手にとってみる。
「これなら大人の女性に見えるだろうか?」
 様子を見に来ていたヴァルナに、アイギールは訊ねてみた。
「……うんっ! きっと、アイギールさんを素敵な大人の女性に、見せてくれると思うんだ」
 アイギールが手にとったドレスと彼女自身とを見比べて、ヴァルナは頷きながら答える。
「そ、そうか。ありがとう」
 ヴァルナの言葉に、アイギールは赤面し、そのドレスを基調として仕立ててもらえるよう、店員へと話し始めた。

「これなんかいいんじゃねぇか? な?」
 店の片隅で、どうしたものかと佇むレイメイに、デスペルは取ってきた1着のドレスを彼女の胸の辺りに押し付けた。子どもっぽくなく、布地は少し厚めのライトブルーのイブニングドレスである。
「こ、こんなの似合うかなぁん?」
「似合う、似合わないなんて、着てみないと分からないだろ? ほら、試着してきてみなよ」
 渡されたドレスを見て、戸惑うレイメイをデスペルは試着室へと手を引いていく。
「それじゃあ、着てみてくるなぁ〜んね」
 やはり戸惑いながらもレイメイは試着室へと入った。そして、そのドレスを着てみて、試着室を出てくる。
「ど、どうかなぁん?」
「よく似合ってるぜ。このまま会場までエスコートしようか?」
 デスペルはいたずらっぽく微笑んで言う。
「何だか、恥ずかしいのなぁ〜んっ」
 その言葉に、レイメイは頬を染めた。
 デスペルは店員を捕まえると、そのドレスをレイメイに合わせて仕立てるよう、お願いした。

「綺麗な光沢の絹ですね。この光沢を生かしたらきれいなドレスができそうですね」
 陽春の微笑媛・エレアノーラ(a01907)は、生地の方を見て、そう感想を述べた。
「趣味で舞踏もしているので動いてもこの光沢が生える形のドレスでお願いします」
 デザイン画を描いていく店員に、細かい部分の注文を忘れずに行う。
「もしよかったら、仕立てを見学してもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
 作業に入ろうとした店員に、エレアノーラが訊ねると、店員は快く、承諾してくれた。
(「シャンパンゴールド色のグラデーションが印象的に見えるようにした綺麗なドレスに仕上がるといいな」)
 注文したところが上手い具合に仕上がることを願いながら、エレアノーラは店員の作業を見学するのであった。

「私は自分のものを選ぶのに……クレスさんのは本当にいいの?」
 風に流れる詩・フィーリア(a64073)はドレスを見て回りながら、隣で一緒にドレスを選んでくれる緋閃・クレス(a35740)へと訊ねた。
「俺はいいのいいの! 正装とか動き辛くて苦手だしさ」
 クレスはそう答えながら、笑みを零す。
「それより、フィーリアはどんな感じのドレスが好き? って、あまりに遅い誕生日プレゼントだけど……」
「そうね……昔絵本で読んだお姫様みたなドレスがいいな♪ ……ちょっと子供っぽいかしら?」
 訊ね返すクレスに、フィーリアは昔読んだ絵本の挿絵などを思い出しながら答える。
「あはは、やっぱ女の子ってお姫様に憧れるよな。俺は可愛らしいと思うぜ」
 笑いながらもクレスは頷く。
「じゃあ裾がふんわり広がってるラインがいいのかな? 清楚な感じで花の刺繍とか入ってるのも綺麗かもな……」
 ドレスを見て回りながら、クレスは呟く。その様子に、フィーリアは彼の優しげなところなどを兄の面影と重ね合わせ、似ているな、と感じていた。
「何だかフォーナでドレスを着たフィーリアの姿を見るのが楽しみだな」
「え、あ、うん。楽しみにしててね」
 頷いて、素敵なドレスを選ぼうと2人して見て回るのであった。

「これが虫の作り出した材質というのが、いつでも神秘を感じさせられますわ」
 様々な生地を見ながら幾穣望・イングリド(a03908)は呟く。
 作ってもらいたいドレスと似たようなドレスを選んで、細かい辺りを店員へと伝えた。
「ラインの出るものだし、着られなくならないよう注意しないといけませんね」
「そうですね。ご馳走を食べ過ぎたりなどして、着られなくなっては大変ですよ」
 イングリドの言葉に、デザイン画を考えていた店員が苦笑しつつ、答える。
「良ければ手入れの方法も教えていただきたいわ」
「はい、ではこのように……」
 デザイン画を仕上げてから、店員はドレスの手入れの方法を説明し始めた。

 ヴァルナは義姉へと贈るドレスを選んでいた。
 それから、その日中に出来上がったドレスはそれぞれ発注した冒険者の手に、間に合わなかったドレスは後日、フォーナの夜までに届くよう手配を済ませ、ヴァルナたち一行は、仕立て屋を後にするのであった。

終。


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参加者:13人
作成日:2007/12/21
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