モチツキペッタン



<オープニング>


●モチツキペッタン
 チキンレッグ領の辺境地域で、ウサギ型のモンスターが確認された。
 このモンスターは巨大な杵型のハンマーを持っており、あらゆるものを叩き潰そうとするらしい。
 モンスターの名前は、モチツキペッタン。
 モチツキペッタンは獲物を見つけると飛びあがり、ハンマーを振り下ろしてペッタンコにしてしまう。
 そのため、街道を行き交うチキンレッグの冒険商人が被害に遭っており、ペッタンコにされた死体がグドンによって美味しく頂かれているようだ。
 モチツキペッタンによって潰された死体は、柔らかくてとても食べやすい。
 そのため、冬場になって食料が不足したグドン達にとっては御馳走だ。
 このままでは結果的にモチツキペッタンが、グドンを引き連れていく形で、チキンレッグ領内を荒らし回る事になる。
 そんな事になれば安心して新年を迎える事が出来ないから、村人達のためにもモチツキペッタンを退治して欲しい。

マスターからのコメントを見る

参加者
悪辣な獣・ジン(a08625)
ソニックハウンド・カリウス(a19832)
暁月夜の幻影・ルシエル(a36207)
チキンレッグを愛して・オルミナ(a42606)
嵐を呼ぶ風雲児・ミミュ(a42672)
吟遊詩人・アカネ(a43373)
湛盧之剣・アセレア(a50809)
鋼の戦乙女・カレン(a62590)
金翼の紋章術士・リュカリナ(a66079)
世界の果てを探しに・フェイディ(a67339)
着せ替え武人・タリム(a68968)
風に祈る楽師・ルウティア(a70638)
NPC:特定医療食・ラルフ(a90213)



<リプレイ>

●冒険商人
「杵を持ったウサギ型モンスターが旅のチキンレッグを襲い、グドンがその死体を美味しくいただくと……。何だか、うまい事ローテーションが出来上がっているのね。でも、こいつの行く先々でこんな惨劇が起こるのなら、放置するわけにはいかないからね」
 冒険商人から寄せられた被害報告書を読みながら、愛の戦士・タリム(a68968)がモチツキペッタンの現われた現場にむかう。
 モチツキペッタンによって襲われた冒険商人は多数。
 そのうち、何人かはモチツキペッタンから逃げてきたようだが、精神的なショックから外に出る事が出来なくなっているらしい。
 それほどモチツキペッタンの攻撃方法は残虐で、生き残った冒険商人達の心にトラウマを植え付けた。
「柔らかくてとても食べやすいチキンレッグって、一瞬だけど美味しそうだと思ってしまったんだよ」
 餅のようになったチキンレッグを思い浮かべ、鋼の戦乙女・カレン(a62590)がヨダレを拭う。
 一応、モチツキペッタンによって潰されたチキンレッグは、グドン達にとっては御馳走であるのだが、だからと言って食べたいとは思わない。
「なんと言うか……ひどいモンスターですわね。グドンも食べなくては生きていけないのでしょうけど……、黙って食べられる訳にはいきませんわ」
 凄惨な場面が脳裏を過ぎり、金翼の紋章術士・リュカリナ(a66079)が表情を強張らせた。
 グドン達も厳しい冬を乗り越えるためには食糧が必要なため、近隣の村々を襲って略奪行為を行っている。
 そのため、チキンレッグ領内でグドンの退治依頼が増えているのだが、繁殖力が半端ではないので絶滅させる事は不可能であった。
「ふむ、ウサギ型モンスターか。子供の頃は月にウサギが居て餅を搗いているような話を聞かされたような覚えがあるが、そんなメルヘンな話とはかけ離れているようだな……と言うか、むしろスプラッターだ。これ以上の犠牲が増える前に倒してしまわねば、正月に餅が食えなくなりそうな気分だな。……そうなったらこいつらのせいだ」
 しみじみとした表情を浮かべながら、ソニックハウンド・カリウス(a19832)が深い溜め息を漏らす。
 実際にモチツキペッタンの被害にあった関係者は、餅を食べる事が出来なくなっているらしい。
「ところでモチツキペッタンって、可愛い感じの魔物ですかね?」
 モチツキペッタンがウサギ型のモンスターである事を思い出し、気高き孤高の翔剣士・アセレア(a50809)が不思議そうに首を傾げる。
 ウサギ型のモンスターという事で可愛らしいイメージが浮かぶのだが、冒険商人達の返り血を浴びている事を考えるとその可能性は低そうだ。
「毛がふかふかで瞳がキラキラで『かわいいー♪』ウサギの姿をルウは想像したわ。実物はゴワゴワしてて血生臭くて『かわいくなーい』らしいけど……」
 熱心に報告書を読みながら、天陽に瞬く竪琴・ルウティア(a70638)が答えを返す。
 生き残った冒険商人から聞き込みをしている限りでは、オオカミのような眼をした劇画タッチのウサギらしい。
「……名前の通り、人じゃなくてお餅をついていれば良いと思うんだよね。……兎も角、そんな(色んな意味で)けしからん敵はさっさと倒してしまわないと被害が増える一方だ。取り敢えず、周囲のグドンを何とかしないとね」
 引きつった笑みを浮かべながら、暁月夜の幻影・ルシエル(a36207)が汗を流す。
 グドンの群れはモチツキペッタンを守るようにして陣取っているため、何とかして両者を引き離しておく必要がありそうだ。
「私の村でも餅つきは大切な年中行事です、なのに……。まぁ……、とにかくグドンの群れから何とかしましょうか。モチツキペッタンという可愛らしい響きと真逆の残虐行為……。それにつられるグドン達も絶対に許せません!」
 モチツキペッタンに対して怒りを感じながら、世界の果てを探しに・フェイディ(a67339)が拳を震わせた。
 このままではウサギが苦手になってしまいそうなので、早めに解決したいと思っている。
「……さすがのラルフも今回ばかりはミンチにされたら無事じゃぁ済まないだろうしな。囮とは言っても多少は気遣って……、ラルフゥゥゥゥゥ!! あの依頼に参加しなかったお前を恨むぞぉぉぉぉぉぉ!!」
 いきなり特定医療食・ラルフ(a90213)の胸倉を掴み、地祇なる静寂の獣・ジン(a08625)が怒りをぶちまけた。
 いままでの恨みが蓄積されているため、とうとう歯止めが利かなくなってしまったようである。
「生活苦の難民である盗賊の依頼の時、避難していたペット達を乗せていた船がサメの海獣に襲われた時、そして何より、ドラゴン界が旧ソルレオン王国を破壊し続けたあの時々に、何故かあの場にいなかった貴方を思い出す。そう、貴方がいれば、無用な痛みがなかった」
 ラルフに対して冷たい視線を送りながら、吟遊詩人・アカネ(a43373)がキッパリと言い放つ。
 そのため、ラルフは訳も分からず、大きなハテナマークを浮かべている。
「つーか、俺は関係ないだろ……、多分」
 だんだん自信がなくなってきたのか、ラルフが申し訳なさそうに口を開く。
 それと同時にモチツキペッタンが茂みから飛び出し、ラルフめがけて巨大なハンマーを振り下ろす。
「行くなぁ〜ん! 下僕達!!」
 すぐさま土塊の下僕を召喚し、嵐を呼ぶ風雲児・ミミュ(a42672)がラルフの援護にいく。
 しかし、ラルフはパニックに陥っているせいで冷静な判断が出来ず、悲鳴を上げてグドンの群れに突っ込んでいった。

●グドンの群れ
「このままじゃ、ラルフお兄ちゃんがペッタンコにされてしまうわ」
 グドンの群れに追いかけ回されているラルフを見つめ、ルウティアが生暖かい視線を送って眠りの歌を歌う。
 その歌声によってグドンの群れが眠りにつき、ラルフに覆いかぶさるようにして倒れていった。
「僕の大切なヒト達を食べるんじゃないなぁ〜ん!!」
 次々とグドンの群れが襲いかかってきたため、チキンレッグを愛して・オルミナ(a42606)がデンジャラスタイフーンを発動させる。
 その一撃を食らってグドンの群れが宙を舞い、派手な音を立てて地面に落下した。
「あ、あれはっ………!!」
 ハッとした表情を浮かべながら、フェイディが流水撃でグドンを薙ぎ払う。
 どうやらモチツキペッタン達は冒険商人を追い回していたらしく、傷ついた仲間を連れたチキンレッグの姿があった。
 しかし、彼の連れている冒険商人は頭が潰れており、とても生きているとは思えない。
「ウッ……! は、話に聞いていた以上に酷い事になってない?」
 強烈な吐き気に襲われ、タリムが口元を押さえる。
 だが、グドンの群れにとっては御馳走にしか見えないため、躊躇う事無く冒険商人に襲いかかっていく。
「そっちに行くななぁ〜ん!」
 警告混じりに呟きながら、オルミナがワイルドキャノンを撃ち込んだ。
 それでもグドンの群れは諦めず、仲間達の死体を踏み越えて冒険商人を襲う。
「……纏めて葬る。逃げるなよ、グドンども」
 グドンの群れの行く手を阻み、ルシエルがエンブレムシャワーを放つ。
 そのため、グドンの群れが血反吐を吐き、断末魔を上げて倒れていく。
「あ、あり得ませんわ!」
 信じられない様子でモチツキペッタンを見つめ、リュカリナがしばらく言葉を失った。
 何とモチツキペッタンはハンマーを振り上げ、仲間であるはずのグドンまでペッコンコに潰している。
 だが、グドンの群れは躊躇う事無く、軟らかくなった肉を食べた。
「まったく……浅ましい事この上ない有様ですね……!」
 呆れた様子で溜め息をつきながら、フェイディがグドンにサンダークラッシュを叩き込む。
 その一撃を食らってグドンが派手に尻餅をつき、悲鳴を上げて散り散りに逃げていった。
「……遅れてごめんなぁ〜ん。早くここから避難するなぁ〜ん」
 負傷したボウケンショウニンヲグランスティードに乗せ、オルミナがグドンの群れから逃げていく。
 冒険商人は最後まで仲間の死体を連れて行きたいと言っていたが、モチツキペッタンの標的にされてしまうので諦めてもらう事にした。
「それじゃ、グドンの群れを片づけておくか。これ以上、罪もない犠牲者を出す訳にはいかないのでな。グドンにも生活がかかっているのは解るが、こちらにも事情がある。恨むなよ」
 険しい表情を浮かべながら、ルシエルがエンブレムシャワーを放つ。
 しかし、グドンの数が多過ぎるため、少しずつ押されていった。
「まずはこの状況を何とかしなきゃいけないわけね」
 最悪の結果が脳裏を過り、タリムがガッツソングを歌う。
 その間に仲間達が次々とグドンの群れに斬りかかっていく。
「ルウのとっておきの歌を聞かせてあげるね」
 仲間達の傷を癒すため、ルウティアが高らかな凱歌を歌い出す。
 そのおかげで仲間達が有利に戦いを進める事が出来たため、あっという間にグドンの群れを倒していった。
「このまま一気にグドンの群れを全滅させますわよ!」
 仲間達を励ましながら、リュカリナがエンブレムシャワーを放つ。
 例えグドンの群れがいくら攻撃を仕掛けようとも、仲間達がいれば必ず絶滅させる事が出来るはずだ。

●モチツキペッタン
「早くモチツキペッタンを倒して、冒険商人さんを安心させてあげるんだよ」
 鎧聖降臨で仲間達の防御力をアップさせ、カレンがモチツキペッタンと対峙する。
 モチツキペッタンは興奮した様子でハンマーを振り上げ、凄まじい勢いで冒険者達に攻撃を仕掛けてきた。
「そ、それなら早く助けてくれ! このままじゃ、いくつ命があっても足らないぜ!」
 青ざめた表情を浮かべながら、ラルフがモチツキペッタンのハンマーを避ける。
 しかし、モチツキペッタンは執拗にラルフを追いかけ、狂ったようにハンマーを振り下ろす。
「……って、オイ! 俺に何か恨みでもあるのかよっ!? こっちにくるなあああああああああああああああ!」
 色々な意味で身の危険を感じ、ジンがラルフとは反対側の方向に逃げる。
 次の瞬間、勢い余ってバランスを崩し、そのまま茂みに突っ込んだ。
 モチツキペッタンはその隙を見逃さず、勢いをつけて飛びあがりハンマーを振り下ろす。
「高らかなぁ、凱歌をぉ、準備してありますのでぇ、いってください、なのですぅ」
 爽やかな笑みを浮かべながら、アカネが高らかな凱歌を歌う。
 だが、ふたりとも彼女の話を聞いている余裕がないため、命の危険を感じながらチョロチョロと逃げている。
「やれやれ、困った事になっているな」
 疲れた様子で溜め息をつきながら、カリウスがモチツキペッタンにコンフューズアローを放つ。
 それと同時にモチツキペッタンが混乱状態に陥り、手当たり次第にハンマーを振り下ろしてきた。
「……ぼやぼやしていると痛い目を見ますね」
 リングスラッシャーを召喚し、アセレアがモチツキペッタンの死角に回り込む。
 そのため、モチツキペッタンが攻撃を避けられず、アセレアの放ったミラージュアタックの餌食になった。
「秘儀! サンダークラッシュなぁ〜ん!!」
 土塊の下僕を盾代わりにしながら、ミミュがサンダークラッシュを叩き込む。
 その一撃を食らってモチツキペッタンがバランスを崩し、ハンマーを杖代わりにして膝をつく。
「いまのうちに逃げるんだっ!」
 すぐさま影縫いの矢を放ち、カリウスがモチツキペッタンの動きを封じ込める。
 その間にラルフとジンが我先にとばかりに相手を押し退け、自分だけモチツキペッタンから逃げようとした。
「こら、ラルフ! おまえがミンチになる分には問題ないが、その事に俺まで巻き込むんじゃねえ!」
 不機嫌な表情を浮かべながら、ジンがラルフに蹴りを入れる。
 ラルフに対する怒りが入り混じっていたせいか、彼の放った一撃がラルフの腹にクリティカルヒットし、モチツキペッタンの前まで転がっていく。
「覚えていろよ、ジィーン!!!!」
 そして、ラルフの断末魔と共に、モチツキペッタンの一撃が放たれる。
 溢れ出る涙を拭うジン。
 それは嬉し涙だったのかも知れないが、次の標的が自分である事に気づき、一瞬にして血の気が引いた。
「二人の犠牲を無駄にはしないんだよ!」
 再び辺りに悲鳴が響き渡ったため、カレンが覚悟を決めてモチツキペッタンの懐に潜り込む。
 そのため、モチツキペッタンがハンマーを振り上げてきたが、カレンは動揺する事なくホーリースマッシュを放つ。
「これでどうですっ!」
 一気に間合いを詰めながら、アセレアがソニックウェーブを放つ。
 その一撃を食らってモチツキペッタンがハンマーを落とし、大量の血を撒き散らして崩れ落ちる。
「ああっ、ラルフさん達がこんなに薄っぺらく……。空気を入れれば元に戻るのかなぁ〜ん?」
 ネタ重傷を負ったふたりに駆け寄り、ミミュが心配そうに声をかけた。
 しかし、ふたりとも意識を失っており、口から魂が抜けている。
「色々と後片付けをしないといけませんねぇ」
 辺りに散らばったグドンの死体を見つめ、アカネが困った様子で口を開く。
 グドンの死体は餅のように柔らかくなっているため、きちんと処理をしておかないと、他のモンスターが寄ってきそうである。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:12人
作成日:2007/12/28
得票数:戦闘7  ダーク1  ほのぼの1  コメディ8 
冒険結果:成功!
重傷者:特定医療食・ラルフ(a90213)(NPC)  悪辣な獣・ジン(a08625) 
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。