今年も色々ありました。



<オープニング>


 ……それは。
「今年は色んな人にお世話になったのです。新年も皆の御多幸をお祈りする為に、おみくじでもしようと思うのですよ!」
 またしても、シリィの突発的な思いつきに引き摺られて始まった。

●御神籤(おみくじ)……もどき。
「……それではクーニャさん。おねいさんの後に続けて繰り返すのですよ?」
「了解! 任せて下さいなぁ〜ん!」
 年末から年始に掛かる時節の、忙しない修練場の一角。キリングナビゲータ・シリィ(a90304)が。ヒトノソ忍者・クーニャ(a90310)が。
 白衣に朱袴という妙に特徴的な格好で、大事に胸に抱いていた六角の木筒を掲げて、しゃんしゃんと振り始める。
「はらいたまえー。きよめたまえー」
「はらいっぱいー。ゆめいっぱいー」
「はんにゃーはんにゃー。しきそくぜくうー」
「ごろにゃーごろなぁ〜ん。すぐ即喰うー」
 ……なんだろう。この、初めて聞くのに色々間違っているのがあからさまにわかる謎の呪文は。
「というか何の儀式だ……?」
 縁側の霊査士・テスリア(a90293)がこめかみを押さえる前で、筒を振る事二度三度。クーニャの持つ筒の下部に開いた穴からするりと細長い笹の葉が滑り落ちた。……何故笹の葉なのだろうか。
 シリィの事だから星凛祭あたりとごっちゃなのかもしれないが、それはともかく。テスリアが手にした笹の葉には、こう文字が記されていた。『微凶』。
(「……微凶?」)
「それがテスリア殿の来年の総合運なぁ〜ん♪」
 何ともコメントに困るくじ結果に、テスリアは沈黙する。──と、こういう時だけ無駄に目敏いシリィいわく。
「むむ? さてはキャラ通りに悪いくじを引いてしまったのですね? にゅふふ」
「なぁん!? ……あ、でもくじを木の枝に結ぶと良いらしいですなぁ〜ん」
「うむうむ。諸説あるものの、このおみくじでは結果が良かろうが悪かろうが木に結ぶと良いのです。おねいさんがそう決めたのですよ」
 二人の台詞を耳に、テスリアは周囲をぐるんと見回した。
「いや、でも何故か樹がどこにも……」
 テスリアの視界が45°ほど上を向いた地点でぴたりと止まる。
 ……最初に目に飛び込んできたのは壁。いや、壁ではなく見上げる程高い30m程の切り立った崖か。で、その中腹、だいたい下から20mぐらいの位置に一本の松が突き出ている。
「……まさかあれに結んでこいと?」
「困難なものに結んだほうが効果が高いと相場が決まってるのですよ!」
 くじの結果以前に、一歩間違ったら新年は大凶スタートの予感がひしひしと。そんな彼を見かねたのか、クーニャがくいくいと袖を引いた。
「テスリア殿。もしあれが難しかったら別の樹もあるなぁ〜ん」
 クーニャが差し伸ばした救いの指先には、ちょっとした規模の池。
 ……あれだ。水没林とか埋没林の小規模版とでも言うか。その冷たい水の底に、一本の杉がゆらゆらと揺れているのが見えた。
「……潜ってあれに結べと?」
 水温は氷点下に限りなく近かろう。心臓が役目を放棄しかねない冷たさである。助け舟を出したつもりなのか、クーニャが誉めて欲しそうににこにこしているのが実に泣きたくなる。
 さて。今まさにクーニャの前に並んでおみくじをしようという次の犠牲者を止めるべきかどうか。テスリアは今年最後のため息をゆっくりと吐き出した。

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参加者
NPC:ヒトノソ忍者・クーニャ(a90310)



<リプレイ>

●おみくじ引いていきません?
 明けましておめでとうの挨拶も眩しい新年。行く年暮れて来る年明けて、これから始まるのは年の初めの運試し。
「すなわち生きて結べたら吉! 死して沈んだら凶なぁん!」
「せ、せめて怪我か風邪の二択ぐらいにしといて下さい!」
 辞世の句に白装束と武士道すぎるモモンガの二択にラズロの悲鳴が響く修練場で、ベルローズは確認の呟きを漏らしていた。
「確か引いた籤を木に結ぶんですよね。崖の松とか池の杉とか」
「その通りー。きっとシリィおねいさんは『胸が大きくなる』とか入れてるから気合入れて引かねば! こう、ふんぬーと!」
「ひんぬーじゃと!? それは願掛け巫女装束にしたのに『小胸』と出たわしへの挑戦か!」
 ミサオの言葉を聞き違えたウラの気持ちもわからなくはない。読みは同じでも小凶より切ない籤を見るに妙な物は多数含まれているらしい。彼女達を宥めセンも籤に手を伸ばした。
「まぁまぁ御神籤には教訓が書かれてるんだから、何これなんて言わない様に」
 結果は『得吉』。
「何これ」
「それは足りないので私が追加した御神籤ですね。他に『結べるまでおやつ抜き』等も」
 ミヤクサの言葉にぴたり身を震わせたノソ一人。弟を連れたアリエーテはそれに目敏く気付くと手を振った。
「着いてくるでござるよ弟。今回は水遁の修行……お、クーニャ姉者殿ー!」
 姉に今年は振り回されませんようと祈るアクアーリオに幸あれ。ついでに、
「テスリアも六角の木筒を掲げるとOK! 巫女衣装で」
 『池で頭を冷やすと吉』とかトロンさんに当たりますように。一瞬テスリアがそう思ったのは言うまでもない。
「服はともかく結ぶのはテスリアさん達も参加ですよね? 焚き火焼き芋準備しておきますよ」
「いや全く。一つの種族を弄ぶ者には報いを受けさせねば」
 相槌にキールが振り向く。そこには謎のフワリンが鎮座していた。
「……イルハさん?」
「後ろを覗き込まないように。あいむひとのそりん。おーけー?」
 そんな事を話す内に御神籤を引く人も減ってきたようだ。「弁当弁当〜なぁん……べんとらだっけなぁん?」と籤を引くモイモイが「ぐっどらっく」と親指を立てたのに頷きながら、クーカは崖へ赤い瞳を向けた。
 崖の挟間の暗闇に〜キラリと光る怒りの目〜♪
 安らぎ捨てて、全てを捨て〜て崖を登って、また降りる〜♪
「御神籤に己の未来を託す男、クーカ出陣!」

●崖に突き出た松
 連れてきた犬達の応援が耳に届く。指天殺の勢いで崖肌に手を突き刺しポーラリスは呟いた。
「人が増える前に急ぐべきか」
 崖の中腹に突き出た一本の松。それはまるで幸は容易く掴めぬと知らしめるかのように、ヴェルの上に絶望的にそびえていた。
「むきー、何ゆえ頭を垂れるが如き枝が無いのじゃ!」
「姫、可愛……じゃなくてそんな跳ねると崩れるよー!?」
「妾はそれ程重くないわー!」
 背が低いと不利。ぴょこぴょこ跳ねる少女を見守るミルッヒが視線をずらすと、そこには本日の主犯が立っていた。
「にゅふふ。皆苦戦しているのですね」
「あ、一年お世話になりましたおねいさん。私はノッテさんに籤を結んで貰う作戦です」
「な、何故斧を構え……っ!?」
 『勿論ぼーっと浮いて貰って凧揚げの要領で』との微笑に泣きたいノッテ。
 必死にぼんやりしようとする彼女を見て、ビスクドールを抱えたトールは深く頷いた。
「確かにこの程度の高さ敵ではないのです。同じくボーっと……」
 結ぼうと意識した瞬間落ちるんですけどね?

 やはり正攻法は中々厳しいか。登るエルを崖上から見下ろし、シルフィードとヴィカルは顔を見合わせた。
「下からが厳しいなら、ここは上からですね」
「命綱準備出来たなぁん!」
 立てた棒とロープの強度を確かめる二人を見ながらティルはため息をつく。
「ティル、筋肉質で重いから池がいいかなぁ〜ん……」
 シスさんはどうなぁん? と問われた少女は「これこそ忍びの本領発揮なぁ〜ん」と既に崖を降りていた。松まで後2m──突如飛来した鎖つき斧が松に引っ掛かったのは何の巡り合せだろうか。
「よし、一気に行く!」
 斧の主はナサローク。松を引き抜こうとする彼を見てフワリンの上で『絶凶』なる籤を握り締めたガマレイは、眠りの歌の為に息を吸う。
「チェインシュート、使ったら〜フワリン消えちゃうよ。でもそんなの関係……なくネェェェ!」
 絶叫。斧の衝撃、人の数と要因が化合する。嫌な予感と共にアンジェリカが振り仰ぐと……崖はゆっくり崩れ始めた。
「り、凌駕が役立ってしまいそうなのですよ〜!?」

 一分後。
 崖崩れ自体は小さかったのか周囲に殆ど影響は無かったらしい……数人の不幸な者を除き。
「ぶっちゃけこれイジメ?」
「ぎりぎりリオの足掴めたのも、日頃の行いだよな〜」
 蜘蛛糸で崖に宙ぶらりんの自分と右足にしがみつくハロルドにため息をつきつつ、リオネルは『世も末吉』の籤を握り締めた。見れば崩れた崖に剣を刺して耐えたらしきクラトスやウィズの姿が窺える。
「この程度でオレの燃える魂を消す事は出来ねぇ! 構わず先に行……ぐえ」
 これ以上の足場なしの勢いでハイヒールがウィズの背を踏む。『台凶:人に踏み台にされがち』との彼の御神籤を受け取りライカは呟いた。
「まるでこの世の命の在り方のようですわね……」
 なお、真っ先に結ぶ事が出来たセリアは後に秘訣をこう語る。
「落ち着いて迅速に判断しつつ(ゴージャスオーラ・チキンフォーメーション)巧みな脚捌き(イリュージョンステップ)で挑戦(凌駕)すれば何とか」
 割と力技。

●池に沈んだ杉
「来年も良い年になる事を願って!」
 雪山ビキニアーマーを経験した友の姿を脳裏に、がっと服の胸元に手を掛け。
「さぁ、いっくよーッ!」
 一気に脱ぎ捨てる。
 冷風に水着を晒したミカの行く手に立ち塞がるは凍てつく池。張った氷につるはしを振り下ろしたフォーティスが汗を拭う。
「まさに氷点下の水温だ……」
「おーれーの金運♪ マジ大凶〜♪ っと割れた割れた。やっぱサンダークラッシュはイイな!」
 ガキ大将的な鼻歌を口ずさむナオ(医術士)の開けた穴に挑むは果たしてどんな勇者か。潜れない人に代用を、とノリスが自作した青銅杉に逃げ込む者はいるのか。
 ラトレイアは、テスリアが嘆いた『妥凶』の籤を片手に水面に手を浸け……思わず引っ込めた。今度は尻尾……やっぱり冷たい。
「尻尾釣りなぁん? でも魚いな……ひっ!?」
 ラトレイアへ傾げた首をクーニャは後ろに向ける。そこには彼女の尻尾にしがみつく者達の姿が。
「木の色は緑。緑と言えばノソ尻尾。故に……尻尾貰ったあぁぁですぅ!」
「ふふふ……高度なミッションだったぜ!」
 逃げるルーシィとガランに、首をがしっと掴んだクーニャが贈ったのは、いい笑顔。
「きゃっち&りりーすなぁん……池に」

 占術吉凶、運勢にも色々あるが……イドゥナの籤には誰かが付け足したような文字が並んでいた。『健康運:後ろから刺されないよう注意』と。
「……気に留めん事にしよう」
 あのジュツカタめ。そんな表情を隠したイドゥナが「初対面の貴女に頼むのはとても心苦しいのですが」とクーニャに何事か告げる様を見て、グレイは唇の端を曲げる。
「ほう、来ますかクーニャさん。ですg」
 ──そこにラストのナパームアローが着弾した。
「し、しまった! 大丈夫ですか!?」
 嗚呼、果ては藻屑か魚の餌か。芸術的な入射角でグレイは池底の杉へと沈んでいく──そう、今まさに池へ疾走する重装鎧のように。
「アーイ・キャーン・ダァァァィブッ!」
 着弾。そう表現したい勢いで池に飛び込んだアロイと同じくツァドも池へ向かう。……足だけを突き出した格好で水面に浮かぶ絵が霊査できそうだが。
「その前にクーニャさんに鎧聖を。暖かい格好を思い浮かべて下さい」
 のそぐるみになった。

 人形焼を用意するユーリが眺める前で次々池に飛び込む冒険者達。彼らに続き、ここにも一人己の勇気を証そうとするヒトノソがいた。名を、ラハイナ。
「それじゃあ行きますよー!」
 ティラシェルに投げられて、豪快に氷を叩き割った彼の体が水底へと沈んでいく。
 一分。応援するティラシェルとクーニャが心配を始めた頃、ラハイナは大切な何かを掴んだかのように水面に高々と拳を突き上げた。それはもう格好良く。
「ど、どうだなぁ〜ん!?」
「アレ、テスリアもヤるー? 俺、投げてもいいケド?」
「死んじゃう僕。僕死んじゃう」
 冗談ーv と笑うと、「命の抱擁用意しといてねェ」と首を鳴らしてダグマルは歩き出した。
「溺れた時はお願いしますねテスリア様。……私も弟の為、手は抜けません」
 小さくテスリアに囁いたアキュティリスを初め、潜る者達は石を重しに服を鎧聖で水中用に。
 ここは、水の中。
 氷に変わらんとする水を肌に染み込ませ、ファオは飲んできた熱いお茶の存在を確かめるように心臓を押さえた。
(「さ、寒さも気の持ちよう……」)
 彼女の灯した聖光が水越しの陽光と混じる。スイムスーツのリィリは静かに瞳を細めた。
(「ふわーっと見える……何だか不思議」)
(「水面も……なんて綺麗なのかしら。宝石のよう」)
 水を吸った羽を撫で、チグユーノが水底から見た空は陽光に煌く氷。氷の天蓋を持つ水底のベッドは──静かにウィーの眠気を誘う。
(「……ずっといたくなる、本当に」)
 彼の目に何が映っているのか。リィリとチグユーノの背を眺めながら、ローは音を用いぬアビの声で静かにウィーへと言葉を紡いだ。
(「惹かれるな……ウィー」)

「む、結ぶまで息持たなかった……」
 濡れた全身は寒いを通り越して痛い。
 苦しい程身を固めた鎧進化を解いて水中から這い上がったのはラムナ。もう一度なんて嫌すぎる、と倒れた彼の横を抜け、同じく一度潜っただけでは結び切る事ができなかったマリアはふらふらと歩き出した。
「結べれば結婚運も吉なのよね? なら行く……! 風邪をひいてもいいの。一縷の望みに縋りたい哀れな女と笑えばいいわ……」
「が、頑張ってなぁんマリア殿!」
「激辛……じゃなくて、温かいスープ用意しとくなぁ〜ん!」
 クーニャやフィフスの声に見送られる彼女に幸あれ。

●わたしカナヅチだもん山登り苦手だもん泳ぎとか無理だもん……なんて人は。
「ドリ狙いですな! くくく」
 怪しげな笑いそのままにゼオルは振り向いた。親と慕うドリアッドへと。
「突然ですがウィヴさん。熱いお茶と銘菓ふぁなてぃっく饅頭は如──かがっ!?」
「流石はウィヴ兄さん……」
 逆に饅頭を口に押し込まれて痙攣しているゼオルを見てルナシアは冷や汗を拭う。しかし。
「久遠に君を離さないウィヴおにーさま! とっても困ってたのありがとうだいすきらぶ!」
 と飛びつくチェリートと。
「嫌ですよね……ドリアッドに生まれた、それだけで狙われて。でも一年全てが決まると言っても過言じゃない御神籤……大好きなお義兄様以外に捧げられません! うるうる」
 自分でうるうるとか言わなければ完璧だったシュリ。
「この二人に掴まれては避けられまい!」
「甘い。反撃でリボンでも尻尾に飾ってあげますよ……!」

 籤は樹に結ぶなんて誰が決めたのだろうか。修練場は「な、何で僕に結ぶのかとー!」と叫ぶリッケのようなドリアッド達の悲鳴で溢れていた。
 中にはシュテのように「これがおみくじヘア! さようなら去年までのボク! こんにちは今年の新しいボク!」とむしろ喜んでいる者もいるが。
 ともあれ崖や池に挑むより楽は事実ということで、重傷のシャオリィも手近なドリアッドに魔手を伸ばす事に。
「おとなしい子を狙って……そこだ!」
「シャオリィはん、うちやうち〜!」
 どうやら鬘等でドリアッドに変装して近付くつもりが逆に間違われたらしい。髪に結ばれた御神籤を揺らして友に泣き付くカガリ。
「バーミリオンはん〜」
「ああ。後は任せて池から戻るファオの為に毛布でも用意しててくれ」
 崖崩れで楽になったしな、と仲間の籤まで握り締める彼を見つつ、ティセは傍らで御神籤ツリーと化していたシルスに向き直った。
「頼れる友達がいるのっていいなぁ……うー、変なの引いちゃったのでシルスさん結ばせてくれませんか?」
「ど、どうぞ……というか今まで結ばれたこれ、外しちゃ駄目なんでしょうか?」
 こうして見れば、ドリアッドの中には諦めた顔も多々。エスも「結ばせて下さいなぁ〜ん♪」と走ってきたミソのもちもちした頬を突つきつつ、テスリアに声を投げた。
「テスリアさんも私の髪に結んであげようか?」
「あ、ならこの子の籤もお願いしたく」
 テスリアが背中を押したのは「池怖いよ怖いよ池」とがたぶる震えて松に向かったはずのインドア。今度は「も、もう落ちるの、や……」となっている辺り、何があったのだろう。

「リカルツェン、ちょっと面貸せ……なの♪」
「俺におみくじを結びたいだと? そ、そう簡単にはむしゅばせんぞぉぉ!」
 リボンみたくかわいーくね? と籤を構えるレヴィアスと、誤字るほどにテンパリつつハリセンを構えたリカルツェンが修練場の片隅で対峙する。
「大変だな。大丈夫かリカルツェン?」
 と助ける振りをして彼の隙を狙うヴァイスに籤を手渡しながら、リカルは「あのね、話したい事たくさんありますの〜」と張りつくルイの頭を撫でるクーニャに苦笑いを向けた。
「ま、今度はちゃんと樹があるところにしような」
「いやいや駄目だったら今度は姉様が樹になればいいのです、なぁ〜ん! ほらこうして薔薇を飾れば……ああもう今すぐわたしの籤を結ん」
「ま、まだ結んで無い子が間違って寄ってきたらどうするなぁんスズリ殿!?」

 余談だがその頃。
 御神籤と一緒にクーニャが間違って渡した赤い糸が、ドリ(女限定)を追い回す一人の獣(具体的にはエッシ)を解き放っていた。
「赤い糸も結ばせろー!」
 そして、ついに一人の少女が魔手に掛かる。
「私ですか? ごりやく無いと思いますが」
「何ィ!? い、イクス!?」
 知り合い(9歳)でした。どうしよう。

●結ばれた籤は、後にスタッフが回収して再び送られます。
 ちなみにその後、籤の回収がどうなったかというと。
「んでは回収の担当は余った籤で決めるのですよ。悪かった方が水中で。あ、テスリアは崖確定なのです」
 結果。
 クーニャ『天中殺:尻尾と耳注意』
 シリィ『露出凶:鎧は着ましょう』
「「…………」」
「……よ、良かったら回収ワイも手伝うで? 怖い顔せんとシリィはこれでも飲むとええよ」
「籤を結ぶのも相当頑張りが必要だったが……ここは一つもうひと働きといくか」
 シリィへ酒を放り投げ、回収作業の最中に肉体を凌駕する覚悟を決めたシャルとケンハが立ち上がる。
 ともあれ、新年あけましておめでとうございます。今年も皆様に幸多からんことを。


マスター:麻生南 紹介ページ
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