<リプレイ>
●福箱を買おう! 花車の霊査士・ヴァルナ(a90183)の呼びかけに答え、一行は福箱の売られている雑貨屋へと足を運んでいた。 「まあまあですね……」 早速、中くらいの福箱を購入した金翼の紋章術士・リュカリナ(a66079)は箱の蓋を開けて、表情も変えず呟いた。 中に入っていたのは、小さな短剣の意匠がトップにあしらわれた首飾りである。 入っているといいなと思ったものではなかったけれど、手に入れて困るものではなかったため、リュカリナはそれをしまい込んで、店内を見回した。 「うおおおお! 今年一番の運試しなのねー! 僕の今年の全運をかけて良い物を引き当てるのっ」 常時自動誤字スキルは集う・ラキア(a12872)は、福箱を前に声をあげた。 謙虚に小さな箱を……と小さな箱の並んでいるコーナーに手を伸ばす。けれど、一瞬考えて、中くらいの箱の方を選ぶことにした。 目に付いた箱を一つ一つ手に取ってみて、大きさを確かめる。あまり軽すぎないものを選ぶと、その箱の蓋を開けてみた。 中に入っていたのは、花模様のレースのリボンであった。 「嬉しいのねー♪」 知り合いの女の子にあげたいと思っていたため、春向けの可愛らしいそのリボンを手に、ラキアはそこら中を跳ね回った。 「こういうものは御神籤と同じ様なものだろう。良い物が出ればその年は幸運だと言われている。反面、大した物が出なくても今年はそれ以上運が悪くならないらしい……ともかく物は試しと言うことか」 緋色の神弓・リューナ(a60885)は、ぽつりと呟き、小さめの箱の中から一つ選ぶと、それの蓋を開けた。 箱の中には、箱――いや、小物入れのような箱が入っていた。それを恐る恐る取り出して、リューナは中を確認する。 中には凝った意匠の指輪が入っていた。 「こんな物が出るとは思わなかった……私には似合わないかもしれないが御守りとして付けておくか……」 そう言って、小物入れから指輪を取り出すと、リューナは嵌めてみるのであった。 「福箱、中身が何か分からないドキドキ感がええねぇ」 蒼嵐・アス(a70540)は、そう言いながら中くらいの箱を手に取る。そして、蓋を開けてみると、中にはハート型のトップを使用したシルバーのネックレスであった。 「ええのが当たったー♪ 多分こう言うのが似合うと思うんよ、うちには」 ネックレスを取り出し、正面や裏など、じっくりと確認する。 そして、ヴァルナの元へ行き、彼女はどんなものが当たったのか訊ねた。 「こう言うのって、見せ合いっこするんが楽しみの一つやろ?」 「そうだね。僕は、小さめの箱を選んだら、ガーベラ模様の凝った感じの腕輪が入ってたよ」 頷きながら、箱の中身を見せるヴァルナに「良かったねぇ」とアスは応える。 それから、2人して、他の人たちの様子も見て回った。 「はわ、可愛い物がいっぱいですね〜♪」 清吟霽月・ギルバート(a64966)は店に入るなり、店内に並ぶ品々を見て、声を上げた。機嫌が良いのか、尻尾が揺れている。 「福袋、ならぬ福箱で運試しですね」 彼の傍に寄り添う幻想の旋律者・シエラ(a59476)が福箱の並ぶコーナーに足を運びながら呟いた。 2人とも小さな箱の中から、気になる一つを選び、手に取る。それぞれどんなものが当たったら嬉しいか話しながら、蓋を開けてみた。 「わー♪」 ギルバートは箱を開けるなり、感嘆の声を上げた。 箱の中で、小さな猫のマスコットがちょこんと座っている。 「えへへっ♪ やったー♪」 猫をモチーフにしたものが好きな彼にとってはとても嬉しいもので、尻尾が感情を隠せず、勢い良く振られている。 「私は、残念でした……」 小さな手鏡を箱の中から取り出すシエラ。欲しいとは思ってなかったものなので、少々がっかりしていた。 「これは、なかなか良い物が手に入りましたね」 翔炎の騎士・アッシュ(a69484)は中くらいの箱を開けて、口元を綻ばせた。 中に入っていたのは、模様が拙いながらも細工物のしおりである。使い道がないわけではないし、贈る相手がなくても自分自身で使えるものだ。 「可愛い箱がいっぱいです。これならきっと福箱の中身も可愛いに違いないです」 尻尾を隠し、ヒトに見えるように振舞っている猫的幻想曲・ティセ(a68887)は、店内の様子を見てから、福箱への期待を膨らませた。 「む〜、昔話の通りなら小さい箱ですけど、中ぐらいの葛篭って聞いたことないですよ」 小さい頃に聞いた御伽噺を思い出し、3種類の大きさの福箱を見比べる。周りの皆が選び終える中、なかなか決められずティセは焦っていた。 「ヴァルナさ〜ん、お願いします、代わりに決めて貰えませんか?」 「えぇっ!? んー……それじゃあ、僕もいいものが見つかった、小さな箱、かな」 ティセはヴァルナに大きさを決めてもらい、その中から可愛らしい模様の箱を選ぶ。 「それじゃあ、開けますね」 見守っているヴァルナに一言そう言って、えいっと蓋を開けた。 中には更に小さなケースが入っていて、それの蓋を開けてみると、2頭のイルカが向き合った指輪が入っていた。瞳の部分に小さいながらも宝石がはめ込まれている。 「かっ、可愛いです。わーい♪」 早速その指輪をケースから抜き取り、ティセは指に嵌めて、喜ぶのであった。 麗しき剣士・シャルナ(a34468)は福箱以外の商品を見ながら、どの箱にしようか悩んでいた。他の商品を見終わった後、中くらいの箱を一つ一つ手に取り、選ぶ。 「これにしようかな」 一つを選ぶと、箱の蓋を開けてみた。 宝石の粒を使用して、十字架の形を模している意匠のついた黒い布製のチョーカーが小さなクッションの上に置かれている。 「あ……♪」 アクセサリー類が出たことが嬉しくて、そのチョーカーを手に取ると早速、身に着けてみた。 「シャルナさん、それ似合うね」 「ありがとう」 通りかかったヴァルナにそう言われ、シャルナは嬉しそうに微笑んだ。 「皆さん、良いものが当たっているようですね。それにしても……うーん、どれにしようか悩みますわね……」 小さい箱を手に取りながら、見据えるは未来・ラーフ(a70814)はどの箱にするか迷っていた。それでも何とか一つ選び、箱の蓋を開ける。 「あら、綺麗な物が出てきましたわ♪」 中から出てきた、月と星をモチーフにしたイヤリング1対を見て、ラーフは声を上げた。一番希望しているものではなかったけれど、迷いながら買うということを楽しみに来たラーフは満足そうに頷き、それを手に取ると早速、身に着けて鏡の前で似合うかどうか確認してみた。 大樹を愛でし白雪姫・モニカ(a37774)は今回は少し欲を出してみて、中くらいの箱を手に取ってみた。 良い香りが箱の中から少し香ってくる気がする。 どんなものが入っているか楽しみにしながら箱を開けてみると、果物や花の香りがふわりと広がった。中には香りのついたしおりが何枚かセットになって入っている。 傍を通りかかったヴァルナと一緒に、一つ一つ香りを確かめるように楽しむ。 「ヴァルナさんは、どの香りがいいと思いますか?」 一通り楽しむとモニカはヴァルナへと訊ねた。 「このオレンジの香りかな……柑橘の香りが、何だか落ち着くんだよ」 「私もです」 そう言いながら、オレンジの香りのしおりを手にして、モニカはそれをヴァルナに手渡した。 「香りメイトなヴァルナさんにプレゼントですよ」 「わぁ、ありがとうなんだよ」 ヴァルナはそのしおりを受け取りながら、モニカに笑顔を向けた。 「俺は中くらいの箱をもらおうかな?」 中くらいの箱を手に、破剣の・サンカイト(a69489)は呟く。 たくさんある箱の中から、一つを選ぶと早速蓋を開けてみた。 中から出てきたのは一枚の羽根をモチーフにしたブローチであった。 「あとで旅団の誰かと交換するかな……」 悪くはないけれど、入っていたら嬉しいと思うものでもなく、サンカイトは更にぽつりと呟くのであった。 「丁度、誕生日だったもんでな」 毒林檎・ヘルガ(a00829)はヴァルナにそう告げた。 「新しい一年に向け運試しってのも乙なモンだろうさ。四捨五入して三十路ってのは微妙だが、生きてるだけでも御の字だ」 そう言ったヘルガは、大きな箱を選ぶ。 傷つけないよう、慎重に気をつけて箱を開けると、中から出てきたのは目の覚めるような色合いのマグカップであった。実用できそうな物に、ヘルガはにやっと笑みを浮かべると、箱から取り出して目の高さまで上げると、中を覗いたり、ひっくり返して底を見てみたり、ぐるっと1周回して模様を確認したりした。 「今年のぅ、運試しぃ、なのですぅ。ヴァルナさぁん、ありがとうなのですぅ」 吟遊詩人・アカネ(a43373)はヴァルナに誘ってくれたことへの礼を告げ、それから箱を選び始めた。 欲しいものが出そうな小さな箱の中から一つ選ぶと、蓋を開けた。 「嬉しいのですぅ」 中から出てきたのはいくつかの宝石があしらわれたアンクレットであった。 出てきたら嬉しいと思うものが出て、アカネはその嬉しい気持ちを自慢したくて、早速身に着けてみるのであった。
皆が福箱を購入し、中身を確認した頃、ヴァルナが「帰ろっか」と声をかけ、皆、帰路に着くのであった。
終。

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参加者:14人
作成日:2008/01/14
得票数:ほのぼの19
コメディ1
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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