これはこれで大変つらい依頼



   


<オープニング>


 よいしょ、と声をだし、葵桂の霊査士・アイ(a90289)はテーブルの上にあるものをひっぱりあげた。
「まずはこれを見てほしい」
 大きなぬいぐるみだった。なかには人間が入れるようになっている。いわゆる着ぐるみというやつである。オレンジに似たまん丸い胴体に、ふにゅ〜っとした冗談のような顔が描いてある。偽物のひょろ長い手がついているが、本物の手は着ぐるみの外には出せない。足だけはちゃんとあるが、これも胴にくらべると妙に細く短く、なんだかとてもアンバランスだ。
 はじまりは・プルミエール(a90091)はこれを見て目を輝かせた。
「かわいーっ☆」
「可愛いかなあ」
 アイは疑問である。それというのもこの着ぐるみ、大きな目と口をしているが、どことなく挙動不審者のような顔つきでもあるのだ。
「それはともかくとして、プルミーはこれを着たいか?」
「もちろんでーす。暖かそうだし」
 いいながらもうプルミエールは、着ぐるみのなかにもそもそともぐりこんでいる。
「ぉー」
 ひょこんと立ち上がる。着ぐるみのなかからくぐもった声でプルミーはいった。
「あったかですし、なんかオレンジみたいな良い香りがしますよん♪ これけっこう分厚いですね。転んでも痛くなさそうです」
「転ぶくらいですめばいいのだが……」
 アイはいう。今度の依頼は、これを着て活動することだという。
「その村ではな、毎年この時期になると、一年間のストレスを解消すべく、これを着た人をぶってぶってぶちまくるという祭があるのだ」
「伝統のお祭なんですね」
「そうらしいな」
「この着ぐるみさんはなんていう名前なんですか?」
「『ブッテちゃん』」
「伝統……?」
 もちろん武器は禁止、それに、たいていの人は軽くポンポンと叩くくらいだそうだ。しかしごく一部、シャレにならないくらい本気でかかってくる集団があるという。
「嫁入り前の娘はこれで厄を落とすと良い結婚相手が見つかるという言い伝えがあるそうで、大抵のものがものすごい勢いで突進し、殴って蹴ってしてくるそうだ。なかにはエキサイトして関節技をかけてくるようなのもいるらしい。最近はこれをやるためだけに近隣地域からも若い女性が大勢あつまってくると聞く」
「うお」
 その勢い、毎年すさまじさを増し、とうとうブッテちゃんに入ろうとする者がいなくなったという。それはそうだろう。相手はうら若き女性とはいえ、集団で集中的にボコボコにされればただではすまない。
 もうこれでわかったと思う。依頼というのはこのブッテちゃんに入って祭の日の午後一杯、娘たちの攻撃を耐えしのぐことである。逃げまわってもかまわないが、村から出るのは禁止だ。
「だがいくらかは叩かせてやらねばなるまい。また、子どもや、主旨がわかっている男性にたいしては縁起ものなので打たれておくように。かれらは本気じゃないだろうから安心していい。わかっていると思うが、どんなにひどい目にあわされても反撃して怪我などさせてはならないぞ。最悪、時間いっぱいまでボコられつづけてもよしとする」
「よしとする、じゃないですよー!」
 ブッテちゃん一号(背中に数字が書いてある)と化したプルミーがいう。さすがにボコられつづけるのはやめておいたほうがいいだろう。
 でもプルミーはこの依頼にたいして前向きな気持ちだ。なぜって、この着ぐるみが気に入ったからである。……なので、さっきからぜんぜん脱ごうとしないのだ。
「あと、ブッテちゃんは村の守り神らしいので、この祭に乗じて犯罪行為をしようとする者などがいたらつかまえてほしい。コソドロやスリの類が毎年でるそうなのでな」
 その守り神を追いかけ回して殴る蹴るするのはどうなんだ? という疑問はここでは心にしまっておいてほしい。
 命をかけて戦うような話ではないが、これはこれで大変つらいことになりそうだ。

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参加者
ストライダーの牙狩人・ジースリー(a03415)
紅桜の不老少女・エメロード(a12883)
リリカル武闘少女・ミオ(a36452)
手のひらの鼓動・アールコート(a57343)
東風吹く神社の不思議な巫女・ヤエ(a59213)
プーカの武道家・シャルロッテ(a59846)
太陽と大地の狭間に・ミシャエラ(a66246)
紅炎炎舞・エル(a69304)
朔望月・ノッテ(a69822)

NPC:はじまりは・プルミエール(a90091)



<リプレイ>

 ぽってぽって。
 ぺたんぺたん。
 ぺたぺた。
 三匹のヘンテコ着ぐるみその名も「ブッテちゃん」が町をねり歩く。
「あ、ブッテちゃんだ」
「ぶたせて〜」
 幼児や老人、おじさんたち、いずれも笑顔でブッテちゃんの背中にふれたり、顔にあたる部分をなでる。和気あいあい、心なごむ光景であった。
「あはは、なんだか楽しい♪」
 朔望月・ノッテ(a69822)は小声で笑った。なんのことはない平和な祭りではないか。しかしいまの彼女はノッテであってノッテにあらず、みかんに似た着ぐるみを着こむ「ブッテちゃん拾(十)号」なのである。したがって外にだす声は、あらかじめきめておいた鳴き声とする。
「ぷにー♪」
「ぶにー」
 ブッテちゃん陸(六)号こと、自称転生巫女成長中・ヤエ(a59213)が応じる。ヤエはノッテに身を寄せてささやいた。
「そも、この祭りの原型となったのは、『ぶるて』という山の神に起因してのぅ。諍いの仲裁の折双方から殴られて和を成したという伝承からなのじゃ。それゆえ山にはおおきな『ぶるて』像が……」
 ふんふんとうなずくノッテであるが、じつはこれすべてヤエが考えた話なので注意。
 それはともかくストライダーの牙狩人・ジースリー(a03415)も、
「……」
 無口なブッテちゃん(ちなみに弐号)と化し悠然と歩を進めていた。なにもいわずともそこはジースリー、事前に会場地域の下調べはしてある。ゆえに不測の事態があったとしても、すぐ対応できる心構えである。
 それにしても、「ぶみー」「ぷみー」と愛想よい同伴の二人にくらべ、終始無言のせいかいささか人気のないブッテちゃん弐号であった。こればっかりは偶然なのだが、かれがまとう着ぐるみも、他にくらべると怒ったような表情をしており、子どもたちも弐号のことは遠巻きに見ている。
「……」
 ジースリーはなにもいわないが、もしかしたらちょっと、寂しがっているかもしれない。

 さてそんな平和な光景はどこでも同じかといえば、けっしてそんなことはない。むしろ真逆の一角もある。
 町の別の箇所に目を移そう。はじまりは・プルミエール(a90091)たちは修羅場に置かれていた!
「ぷみぃー!!」
 逃げるプルミー(こと『ブッテちゃん壱号』)の背後から、狂気の大集団が追いかけてくる。タックルするもの、スライディングをかけてくるもの、足を引っかけてこようとするものチョップするもの、それすべて一人でやろうとするもの、膨大甚大、数え切れない! しかもその暴徒が全部女性なのだ!
 お祭り終わったら、私も叩いて厄払いでもしようかなー、と思っていたブッテちゃん参号、こと紅桜の不老少女・エメロード(a12883)であるが
(「……無事に大地に立ってたらの話だけど……」)
 と考えを新たにするほかはなかった。それほどに強烈な攻撃なのである。そうこうしてる間にエメロードも転ばされてしまう。
「ぶにゃー!」
 エメロードは必死で避けた。なぜって真上から数人の女性が連続でフライングボディプレスをかましてきたからだ! べそをかいているような表情の着ぐるみだが、中身のエメロードはまだまだくじけてはいられない。
 リリカル武闘少女・ミオ(a36452)はゴロゴロと地面をころがり、その上でタコ殴りにあうという悲惨な目に遭遇しつつも前向きに考えていた。
(「む、村のみんなに喜んでもらえるように頑張るなぁ〜んね」)
 息苦しいがしょせんは一般人の攻撃、ダメージはたいしたことがないのが幸いだ。ちなみにミオの背にあるは「肆(四)」の文字である。
「ぶにーなぁ〜ん!」
 まだまだやれる、とミオはがんばるのだ。
 プーカの武道家・シャルロッテ(a59846)もすさまじい洗礼に面食らっていた。
「ひゃあああ……じゃなくて、ぶみー! ぶみー!」
 なんとかプルミーたち三人とはぐれないようにするだけで精一杯だ。
 シャルロッテは「漆(七)号」にあたる。彼女にとっての助けは、その召喚獣がいいつけをよく守り、けっして姿をあらわさないところだった。
(「一般人に多少……いや、かなり殴られてもそれは戦闘に入らないから! といっておいてよかった……」)
 しかしキツいな、とポカポカ殴られつつシャルロッテは思った。逃げ回るほかあるまい。

 今回、冒険者たちは三組にわかれているが、もっとも効率良く進んでいるのはのこる一集団かもしれない。
『村の娘さんたちが、つぎの塀の陰に伏せてるみたい。不意打ちされないように注意ね』
 タスクリーダーで告ぐるのは、りりしき眉をしたブッテちゃん捌(八)号、その正体は太陽と大地の狭間に・ミシャエラ(a66246)である。
「了解……ぶにー!」
 元気よく返事するのは「玖(九)号」こと炎帝の抱擁・エル(a69304)だ。ブッテちゃんの手はつくりもので挙げられないので、体を左右に振って返事する。玖号の表情は快活な笑顔だ。
「さぁ、ブッテブッテぶちまくるとイイんだぶにー♪」
 いいながらエルのステップは、敏捷かつ絶妙の動きであった。襲いかかってくる女性陣の攻撃をあえて、それも、できるだけ派手に見えるように喰らい、ダメージになりそうなものや転ばされそうなものはごくさりげなくかわしている。ミシャエラの誘導もあいまってエルの動作に寸分の無駄はなかった。これならば攻撃側もストレスがたまることはないし、かといってエルも損害はうけない。
 この三人組がうまくいっているのは、手のひらの鼓動・アールコート(a57343)のおかげも大きい。できるだけ視界の一部に他の二人を入れるようにし、仲間の死角を補うように移動している。こうやってサポートしあうならば、相手は統制のとれていない一般人、数こそ多かれ恐れる相手ではなかった。
 かくしてアールコートは安心してブッテちゃんプレーを楽しむことができている。
「ふもふもー☆」
 彼女は伍号、うっとりした表情のブッテちゃんなのだ。最低限の攻撃は受けるが悲惨な目にはあわない。ゆけゆけ、ハッピーブッテちゃん!

「はぁ、はぁ、はぁ……これでは警戒もなにも……ぶにゃー」
 参号エメロードは大汗をかいている。まともに女性の攻撃を受けていては体がもたない。逃げ回りかけずり回るが、それがゆえに怪しい人間の観察などままならなかった。
 漆号シャルロッテが追いつく。
「とにかく、体制をととのえるぶにー」
 ようやく女性の群れから逃れ、肩で呼吸する二人であった。隠しておいた水筒からストローで水を吸おうとするが、ここでエメロードは驚きのあまりこれを落としてしまった。
「ああっ、いけない……ぶにゃ!」
「ぶにー!?」
 シャルロッテの視線の先、そこには!
 巨大、まるで砦のような女性がいた。よく見りゃそこそこ愛嬌のある顔立ちなのだが、恰幅の良すぎるそのボディーゆえ威圧感もすさまじい。そればかりかヘルメットにプレートメールというプロテクターに身を包んで戦闘意欲まるだしだ。
「見つけたわよぅ、わーたーしーのーブッテちゃーん♪」
 フン、と吹き出すその鼻息! 殺(や)る気だ!
「今年こそあなたを踏みつぶして彼氏をつくってやるんだからー!」
「ぷみぃー!!」
 ブッテちゃん壱号ことプルミーはすくみあがった。なにかツッコミたかったがことばにならない! しかしここで肆号、すなわちミオが横合いから飛びだす。
(「ぷるみーちゃんは大切なせんゆー、殴るならミオをなぐ……」)
 ぼよん
 信じる乙女の狂気の強さか。あるいはブッテちゃん着ぐるみの不自由さゆえか。カットにでたミオだが簡単にあしらわれる。
「うひー……ぶにーなぁ〜ん!」
 ミオは倒れた。ちなみにこのブッテちゃん着ぐるみ、倒れると大変起きあがりづらい。そんな獲物に関節技をかけるべく、町で名うてのサブミッショナー(?)たちが大量に、ジャージ姿でミオに迫る!
 だがその危機は回避された。
 颯爽と……まあ、ブッテちゃんにできるかぎりの速度だから颯爽とした「感じ」で、ミオのそばに滑り込み、ムーディな舞踏をふむものがあったのだ。背中に踊るその文字は「陸」! ヤエだ!
「ぶに〜ぶにぶにに〜」
 訳すと「この華麗なる姿に目を奪われるが良い」になる言語を発してヤエは色っぽく舞った。そこにまた、めざましき舞いのパートナーが降臨する。
「ぷーにぷーにぷにぷにー!」
 こちらの訳は「歌って踊れる医術士の本領を見せます!」だ。まさしく本領発揮、ぶちゃいくな着ぐるみのなかにあって、ときとして蝶、ときとして蒟蒻(?)、たまに混合して蒟蒻蝶(??)となりて舞うはブッテちゃんのトリを飾る拾(十)号、すなわちノッテその人である。
 ジャージの女子たちもこれには思わず目を奪われた。その機を見るや、
「に、逃げますぷにー!」
 ノッテの一声、ヤエはミオを助け起こし、三人ならんで一目散。
「ぶにーぶにぶにー(のんきな祭りかと思っておったが考えちがいか!?)」
 とヤエ
「ヴァ、ヴァラケウスと戦った日よりも、足が震えてますぅ?」
 これはノッテ、
「あ、暑いなぁ〜ん…… ハッ! ぷるみーちゃんは!?」
 そしてこれはミオの言である。

 そのころプルミーは、頭上を跳び越されていた。
 誰に? それは、怒れる表情のブッテちゃん弐号、すなわちジースリーに。
 ジースリーはわざとプルミーを大きく跳び越して、砦のような女性の闘争心を煽るように小走りで駆けた。
 まんまとひっかかって巨躯のプロテクター女性はこれを追う。
「……」
 プルミーに一瞥を残し、ジースリーはクールに去るのだ。
 だが、
「!」
 ジースリーの足がとまった。眼前のはるか前方に、挙動不審の男を発見したのである。こそ泥だ。祭りを乱す悪いヤツ! さっそく仲間にタスクリーダーで伝えるジースリーであるが、
「!!」
 そのせいでうっかり、巨大女性に追いつかれてしまった。
「!!!」

(「おやおや、ジースリーさん、お疲れさま。悪漢は捕まえておいてあげるからね」)
 光るは「捌」の背番号、たとえブッテちゃんに入っていてもイイ女、それがミシャエラ、軽く跳躍して、
(「ほら、捕まえた」)
 くすりと微笑しスーパースポットライト。ミシャエラのはなった光は盗賊の目を直撃し、見事麻痺させ転倒させる。
 しかもこれを見て、色めき立って逃げ出す男が二人あった。賊の一味と見て良いだろう。
「ぷみぷみ?」
 捕縛用の荒縄を出しつつミシャエラは、すぐさまタスクリーダーでアールコートとエルにこれを伝える。ミシャエラのやることに抜かりはないのだ。
 飛んで火にいる、とはまさにこのこと、さっそくアールコートことブッテちゃん伍号の眼前に、いかにも悪人面の大男が駆け込んでくる。ここは冒険者の腕力を、いささか披露すべきポイント。だけどアールコートは、祭りの興をさまさぬよう気をつけている。まずは、自分をしたってついてきてくれた子どもたちに、
「ふもふも」
 はなれていてくださいね、という意味の声をかけた。こういうとき、子どもというものは天才である。いずれも瞬時にしてその意をさとり、アールコートの背後に隠れるのだった。そしてアールコートは、
「ふもーっ(えっと、逃がさないですよ♪)」
 ふわふわと、ただよう雲のように悪漢をとおせんぼする。
「ケッ、着ぐるみが!」
 ぎらり、男は物騒なものを抜いたが、アールコートは慌てない、恐れない。
「危ない! ブッテちゃん!」
「そいつワルモノだ!」
 とくにいま、彼女の背中から子どもたちが応援する声を聞いては、無様なところを見せられようか!
 だけどアールコートの見せた手段は暴力的なものではなかった。
「ふもふもっ☆」
 といいながら悪漢にじゃれつき、ごく自然に刃物を落とさせ、あれよあれよという間に無力化してしまったのだった。子どもたちは拍手喝采だ。
 そこへシャルロッテが駆け込んで、
「御用だ!」
 と、悪漢に縄をかける。ブッテちゃんのままで。(だから多少手間取った)

 のこる一人の悪漢は、ブッテちゃん玖号にやすやす追い抜かれて仰天した。
「な、何者だっ!」
 悪党は甲高い声で叫ぶ。
「何者、って、ブッテちゃん玖号だぶにー」
 エルは楽しそうに返事した。ブッテちゃんの着ぐるみも、中身のエルも心からの笑顔をうかべている。
 悪党は拳をつきだすが、そんなものエルにとっては、止まっているようにしか見えない。
「悪い子はブッテちゃんが許さないぶに!」
 というと、エルはひょいひょい、足と腰をつかってリズミカルにダンスをはじめたのである。その楽しそうなこと、幸せなこと、思わず悪者も我を忘れ、エルについて下手なダンシングをはじめた。これがフールダンス♪奥義であることはいうまでもなかろう。
「ぶにぶにぶに、はい♪」
 エルがステップして呼びかけると、
「ぶにぶにぶに、こうか!?」
 悪者もステップして応じる。どうもこやつ、楽しんでいるように見える。
 まあ祭りだし、いいか、とエルは思った。(あとで逮捕するけど)

 かくて祭りは楽しく安全に、大きな怪我人も盗難事件もないままフィナーレとなる。祭りの成功を祝い、そして人身御供に志願してくれたメンバーの労をねぎらう意を込めて、最後はブッテちゃんが一丸となって町を端から端までパレードする運びとなったのだった。
「さあ、全ブッテちゃん行進ですぶにゃー♪」
 エメロードの号令でずらりずらり、歩むブッテちゃんの楽しいことよ。
 ブッテちゃんの様相は同じではない。ズタボロのブッテちゃんもあれば、ほとんど無傷のものもいる。
 前者の代表格、ジースリーはやはりなにもいわないが、満足感といささかの疲労感でややぐったりしていた。
 エメロードもかなりボロボロだが、
「たまには、こういう依頼も楽しくていいですね〜♪」
 といって、シャルロッテブッテちゃんの背を叩く。
「たしかに」
 穴の開いたブッテちゃんの背から粉をふきつつ、シャルロッテは返事した。
「ういうい♪」
 プルミーもご機嫌のようだ。
 アールコートやミシャエラはほとんど汚れていない。
「はぅ、ちょっと疲れました……☆」
「うん、水浴びしたいわね」
 と明るく会話している。いい思い出になったろう。
「お疲れ様ぶに〜♪」
 エルはまだまだ元気ハツラツといったところで、ジャンプして愛嬌を振りまいた。
 ノッテもまた、
「ぷにー!」
 と明るく挨拶しているが、
(「でもわたし、百年以上独り身だってなのですよね……ブッテちゃんに厄払いしてもらいたい」)
 内心いささか複雑な気持ちだ。
「みんな喜んでくれてよかったなぁ〜ん☆」
 と笑うミオにはヤエが、
「そうそう知っておったか? この祭りは『ぶるて』という山の神に起因しておってのぅ」
 とオリジナル知識をささやくのであった。

 この日、会場のほとんど全員一致により、来年もこの行事の続行がきまったという。
 ブッテちゃん着ぐるみは十人の冒険者にプレゼントされたが、これってもしかして来年も……って意味、なのか?

(おしまい)


マスター:桂木京介 紹介ページ
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参加者:9人
作成日:2008/02/01
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手のひらの鼓動・アールコート(a57343)  2009年09月24日 01時  通報
ブッテちゃんフォーエバーです☆