助けて! カボチャマン!! 〜芸術的ほうれん草アタック!!〜



<オープニング>


●芸術的ほうれん草アタック!!
 正義の使者・カボチャマン。
 カボチャマスクを被った正義の味方がフィーネの街に現れるようになってから――早二年超。
 フィーネの街に危機が訪れるたび何処からともなく数十人単位のカボチャマンが押し寄せて、怒涛の如く街を救って去っていく。その光景は最早フィーネの街の名物でもあった。
 だが、それでも街にはびこる悪が消え去ることはない。寧ろ近隣から押し寄せてくる始末。
 この冬もまた、まるでそれがお約束であると言わんばかりに――フィーネの街に危機が訪れた。

 事の起こりは、そう、フィーネの街に雪が降ったことである。
 今冬の雪は昨冬の大雪とは異なり、まるで粉砂糖を振り掛けるような淡く優しい雪であったという。厚く積もることはなかったが、淡い雪は静かにフィーネを覆い、街に美しい純白の雪化粧を施した。
 花嫁のヴェールを思わせる楚々とした雪景色に街の人々はいたく感激し、早速『雪景色管理委員会』が設置される。しもやけで療養中の町長に代わって『代理雪景色管理委員長』に就任したヨハン爺と、即刻『雪景色鑑賞ツアー』を企画した辣腕商人エティゴ屋のもと、フィーネの人々は美しい雪景色鑑賞に酔い痴れた。自分達の住む街を美しく感じられるのは、実に幸せなことである。
 が。そんなある日のこと。
 新雪で真白に染め上げられた朝の広場に、鮮やかな緑色をした何かがぶちまけられるという事件が発生した。報告を受け広場に向かったヨハン爺がその『緑色をした何か』を手に取った、瞬間。
「はーっはっはっはっは!」
「な、何奴!?」
 突如響いた声に振り返れば、広場近くの店の屋根に全身緑づくめの怪しい男達が立っていた!
「我ら『芸術的ほうれん草の会』! この街にほうれん草芸術を咲かせるためにやって来た!!」
「鮮緑こそが最上の美! 南瓜などという下品な色の野菜をありがたがるとは笑止千万、喰らえ!」
 吼えると同時に白い街に鮮やかな緑色がぶちまけられる!
 そう、それはくたくたに茹でてべちょべちょにしたほうれん草であったのだ!!
 街中いたるところで芸術活動を開始した『芸術的ほうれん草の会』は、街の人々を一瞬で阿鼻叫喚の渦へと叩き込んだ。「洗濯物にほうれん草を塗られた」「カボチャセーターをほうれん草まみれにされた」「屋根にどろどろほうれん草でヘンな絵を描かれた」「『正義のカボチャ亭』の看板を『正義のほうれん草亭』に書き換えられた」という被害報告が次々ヨハン爺のもとに寄せられる。
 そしてついに――
「お、お代官様! 手前どものエティゴ屋看板が『ほうれん草ギャラリー☆エティゴ屋』に……!」
「な、何じゃとー!?」
 息を切らせて駆け込んできたエティゴ屋に、流石のお代官様ことヨハン爺も驚愕の声を上げる。
 ちなみに『代理雪景色管理委員長』略して『代官』、今は当て字などという些細なことを気にしている場合ではない! っていうか『ほうれん草ギャラリー☆』って何だ。
「説明しよう! 『ほうれん草ギャラリー☆』とは、ほうれん草芸術を扱う画廊のことを言う!」
 突如現れた『芸術的ほうれん草の会』が解説を入れた!
「貴様の店は今日からほうれん草芸術作品を売る店になるのだ! ありがたく思え!!」
「な、何ですとー!!??」
 そして疾風の如くエティゴ屋を拉致って行った!!
 後にはただ、真白な雪の上にべちょりと垂れた鮮緑のほうれん草が残るのみ。
「い、いかん! ほうれん草芸術の街・フィーネとかいう異名が付かんうちに彼らを呼ぶんじゃあ!」
 我に返ったヨハン爺の叫びに、ひとりの少女が強く頷いた。

●助けて! カボチャマン!!
『フィーネのまちに 芸術的ほうれん草の会が やってきました
 芸術的ほうれん草の会は カボチャの色は 下品だと 言って
 まちの あちこちで ほうれん草げいじゅつとかいう らくがきを はじめました
 そして エティゴ屋さんを さらって
 かってにかいぞうした 『ほうれん草ギャラリー☆エティゴ屋』で はたらかせて います
 たすけて! カボチャマン!!
 芸術的ほうれん草の会をやっつけて また へいわなフィーネのまちに もどしてください』

「……うちにこんな手紙が届いたんです」
 そう言って藍深き霊査士・テフィン(a90155)を訪ねてきたのは、毎度お馴染みの旅芸人一座の座長であった。カボチャマンとはこの一座の人気芝居の主人公。カボチャランタンを模したマスクを被った男が世にはびこる悪を斬る――つまり勧善懲悪モノのヒーローなのである。
「何だか大変っぽいですよね……」
「ええ、また冒険者様にカボチャマンになって頂くよう、お願いしますの」
「めちゃめちゃ由々しき事態やもんね」
 ちゃっかり霊査士の隣に座って話に混じっている湖畔のマダム・アデイラ(a90274)を発見し、蜂蜜カボチャマンことハニーハンター・ボギー(a90182)が首を傾げた。
「何でアデイラさんがいるんですか?」
「や、何や知らんまにカボチャマン長官にされとったから、あたしもおらんとあかんのかと思って」
「……」
「…………や、あたしはマスク被らへんよ! 長官やもん!!」
「あ、はい、了解なのです!」
 何を了解したのかは謎だが、兎に角蜂蜜カボチャマンはカボチャマン長官にびしっと敬礼する。
「ええと……まぁ、そういうわけですので、カボチャマンの活躍に期待させて頂きますの」
「お任せなのです! 必ずや芸術的ほうれん草の会を駆逐して、平和を取り戻してきますのです!」
 無理矢理纏めに入った霊査士にも敬礼し、蜂蜜カボチャマンは今日も元気に飛び出して行った。

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参加者
NPC:ハニーハンター・ボギー(a90182)



<リプレイ>

●ほうれん草ギャラリー☆エティゴ屋
 煉瓦と石で造られた街並みに、薄ら施された雪化粧。
 淡い冬の陽射しの中、フィーネの街は美しい白銀に煌いている――はずだった。
 だが街は茹ですぎべちょべちょのほうれん草を塗りたくられて、禍々しいまでに鮮やかな緑に蹂躙されている。だが、如何な悪にも必ず滅びの時はやってくるのだ!
「エティゴ屋さん、今助けに行くからね!」
 雪の白とほうれん草の緑で斑に染まった街をカボチャマン・ジェイドことナタクが疾駆する。目指すは『ほうれん草ギャラリー☆』に改造されたエティゴ屋店舗、まずはそこで強制労働させられているはずのエティゴ屋亭主を救わねば! ――と、思いきや。
「ほうれん草といえど半端な陳列は認めませんぞー!」
「エティゴ屋さん何やってんのー!!」
 眼前に現れたエティゴ屋のあまりにいきいきした働きっぷりにナタクは思いっきりつんのめった。長年の性で思わず商人魂を発揮してしまったらしい彼の姿につい手伝いを申し出そうになった――瞬間。
「黒魔女てるみー華麗に参上! 『ほうれん草ギャラリー☆』のほうれん草は、我ら『美食的ほうれん草の会』が根こそぎ調理してしまいます!」
「ぎゃー!?」
 街のあちこちでほうれん草の会を従えて来た、黒魔女てるみーことテルミエールが『ほうれん草ギャラリー☆エティゴ屋』に襲いかかった。おひたしでもバターソテーでもどんと来い、料理もまた芸術の心で次々ほうれん草を調理していく!
「ホホホホホ! これでフィーネはほうれん草料理の街ですわ!」
「そうは行きません!」
「な、何奴!?」
 早まった勝利宣言をしたテルミエールが振り返れば、あでやかに翻るカボチャマントが目に入る!
「カボチャマン・エレガント参上! この神速の剣戟、捉えられるものなら捉えてみなさい!」
 蒼に煌く刃が優雅に舞えばたちまちテルミエールは戦意を奪われて、何で毎回いいところで邪魔が入るのよーと悔しがりつつもカボチャマン・エレガントことアスティアの前に屈服した。
「流石! 流石カボチャマンですぞー!!」
 街の人々やエティゴ屋の歓声が湧き上がる中、快闘パンプキンヘッドことアリュナスが残ったほうれん草達を紅蓮の雄叫びで地道に捕縛していく。カボチャマンでも悪役でもない者は目立つのが難しいというのがフィーネのお約束、地味に正義を貫いた彼はそのままひっそり姿を消した。
 ――が、その瞬間に新たな悪が現れる!
「はーっはっはっは! ほうれん草の芸術を理解できん愚か者どもめ!」
 鮮やかに射し込めた緑の光に振り返れば、エティゴ屋の屋根に聖なる光を掲げた黒尽くめのグレッグストンの姿! 悪役のステイタスたる漆黒のマントを翻し、黒衣の怪人が華麗に跳んだ!
「俺こそは黒衣の怪人こと、芸術的ほうれん草の会会長代理補佐心得見ならぬわああああっ!?」
「この世にはびこる悪を討つッ! カボチャマン参ッ上おおぉおぉぉおっ!?」
 しかしそこで新たに駆けつけた南瓜ネーム募集中のカボチャマン、シャオの鮮やかな頭突きがクリティカルヒット! 実は街路に撒かれたほうれん草に足を滑らせただけのシャオは即座に体勢を立て直し、続々と集ってきたほうれん草達を鮮烈な疾風の如く薙ぎ倒していく。その隙に何とかダメージから立ち直ったグレッグストンが身を起こすが――
「く、くそ、この卑怯もぬわああああっ!?」
「うわー! シャオ姐さん置いてかないで下さいよー!!」
 シャオより一拍遅れて現場に到着したカボチャマンのオランジュに容赦なく踏み潰された!
「それでは今からカボチャマンの歴史についての講義を行います! 日暮れまで!!」
「最初の講義は『蜂蜜カボチャマンの本体はクマ』! クマには正義の力が蓄えられているのです!」
 実に天晴れな正義の勝利に人々が沸き立つ中、カボチャマンパープルことラーズとカボチャマンライトブルーことクゥによる正義の講義が始まる。シャオに薙ぎ倒されオランジュに踏まれた悪党達に更に蜘蛛糸を浴びせかけ、身体の自由を奪ったところで南瓜の素晴らしさを延々と語り出した。
 だが講義の序盤で早くも時間切れとなった蜘蛛糸が消滅し、ほうれん草達の縛めが解かれてしまう!
「喰らえ! ほうれん草アタック!!」
「ちょっと待ったあああ!!」
 が!
 こっそり彼らの背後を取った新たなカボチャマンが鮮やかな蜘蛛糸捌きで悪を絡めとり、二つに割ったカボチャで思いっきりほうれん草達の頭を挟み込んだ。
 それは――茹でたてほやほやの熱々カボチャ!!
「これがボギーの呪い・カボチャメット!」
「ぎゃー! 何でそこでボギーが出てくるんですかー!!」
「熱いだろう、重いだろう……これがお前達の罪の重さだ!!」
 蜂蜜カボチャマンことハニーハンター・ボギー(a90182)の抗議をさらりと流し、ワスプが熱いカボチャの威厳をもって断罪すれば、ほうれん草達も次々と己が非を悔いて屈服した!

●芸術的ベジタブルアタック!!
 だが、街には朗々たる悪の声が響き渡る!
「今日こそ拙者の前に跪かせてやるでござるなぁんよカボチャマン。さぁ、勝負でござるなぁん!」
「って、何やってんだトウナス仮面」
 悪の気配を感じて駆けつけたアイガモハイパーカボチャマンことクリスが発見したのは、ほうれん草混じりの雪だるまに埋められたトウナス仮面ことノリソンだった。拙者こそフィーネの支配者、とほうれん草達を退治しようとした所、弱点であるノソリンを人質に取られて返り討ちにあったらしい。
「と言う訳で、ここから出して欲しいでござる」
「ふっ、悪はそのまま滅びてこそ美しいわ! チャンスよクリスっ!!」
 しかし反対側から現れたカボチャマンレディことマーガレットが彼の訴えを華麗に黙殺!
「よっしゃあ! 緑のカボチャは割れば橙、ほうれん草は外側も緑! 同じ緑に貴賎はない! カボチャマンリターンズ・アイガモハイパーカボチャマンクリス! 参上!」
「え、いや、拙者ほうれん草と違」
「あはは、ゴメンねっ! 台詞と技が長いせいでさっきから敵に逃げられてばっかりでさー。てな訳で! フィーネに蔓延る悪は、このカボチャマンレディが許さないわ!」
 説明しよう!
 今日のカボチャマンリターンズの必殺技は3ターンを要する大技である。
 つまり、普通の敵相手では途中で逃げられてしまうという非常に使い所が限られた技なのだ!!
「「必殺! 緑黄色野菜アタック――シャイン・パンプキン・イリュージョン!!」」
「なっ! 拙者手も足も出ないで……ぐはあぁああっ!」
 こうしてまたひとつの悪が華々しく散った。だがしかし!
「そこまでだ! カボチャの戦士!」
 殺気を感じて跳び退ったカボチャマンリターンズ達が見た物は、石畳に突き立つ魔力の矢。振り仰げば民家の屋根の上にはキャベツの様なマスクを被った何者かが立っていた。
「クラウトマスク参上! カボチャさんは好きじゃないので、やっつけるのにゃ!」
 名乗りを上げたクラウトマスクことラージスは再び弓に矢を番えたが、そこに「待て!」と声がかかる。向かいの屋根の上に現れたのは――やはり我らがカボチャマン!
「風が、水が、空が呼ぶ。気高き正義の使者、カボチャマン・キバ!」
 天を指差しポーズを決めて、カボチャマン・キバことネレッセは「とう!」と勇ましくクラウトマスクに飛びかかる。だが「カボチャマン頑張ってー!」と街の人々が屋根の上の戦いに気を取られた隙を付き、路地裏から数多のほうれん草達が現れた。
「喰らえ! ほうれん草アタック!!」
「何やってるんですかーーーーー!!」
 しかしここでフィーネの人々を守れぬカボチャマンではない!
 身を挺してほうれん草アタックから人々を庇い、ユリアは「大丈夫」と笑顔で皆を振り返った。
 たとえマスクで見えずとも、正義の心は皆に必ず伝わるのだ。
「と言う訳で! カボチャを迫害するのも許せませんが食べ物粗末にするのはもっと許しませんよ僕! 勿体無いオバ――もといッ! カボチャマン・シード! 只今参上!!」
 すかさず弓に番えられるのは桃色の矢。ここでカボチャマン・シードの必殺技が炸裂する!
「どーん・of・かぼちゃー!!」
 数多のほうれん草達の真ん中で魅了の力が盛大に爆ぜた。その爆発に紛れて現れたリッケは、通りかかったボギーを捕まえクマさんアップリケ付マントを靡かせる。
「カボチャマンベア〜参上! 蜂蜜カボチャマンさんはその本体を僕に下さいな」
「ぎゃー!?」
 一応蜘蛛糸でほうれん草達を捕縛しながらもボギーのテディベアを取り上げる非情なリッケ!
 だが、事態はそう単純ではなかった!!
「あれ? このクマ偽物!?」
「その通り! クマを偽物とすりかえてボギーの動力切れを観察しようかと思ったんだけど」
「うわあああん! パークさんのいじめっ子ー!」
 そう、クマはパークの手によって事前にすりかえられていたのである。
 ならば本物のクマは何処にと皆が思った瞬間、街に女神の歌声が響き渡った!
「こ、この声は!?」
 振り返った視線の先に佇むのは、何処か神々しい雰囲気を纏った二人の女性。
「アテクシの名はセニョリータ・エスピナカ! 食べても塗ってもよいほうれん草、その素晴らしさを理解する者は、女神の祝福が受けられますわよーッ!」
 高らかな笑声を響かせたセニョリータ・エスピナカことリーナが傍らの女性が纏うヴェールを取り払う。ヴェールの下から現れたのは――ほうれん草達が愛してやまない艶やかな緑色の髪!!
「私はディオサ・エスピナカ……さぁ、ほうれん草の会の皆様に祝福を」
「貴女がほうれん草の女神か!」
 二人がかりの凱歌で何とか蜘蛛糸から抜け出したほうれん草達は、ディオサ・エスピナカを名乗るドリアッド女性にあっさり恭順した。エスピナカ達の背後からはべちょべちょほうれん草を抱えた土塊の下僕がわらわらと現れ、リーナのディバインヒールによってほうれん草の緑が鮮やかさを増す!
 不利を悟ったボギーが慌てて逃げ出そうとした、刹那。
「甘いぞボギー! カボチャマン・シュバルツ。我が相棒のカボチャマン・クマ君を伴い只今参上!」
 マスクに刻まれた一筋の流れ星を煌かせ、カボチャマン・シュバルツことシュウが現れた!
「って本物のクマはそこですかー!!」
「問答無用!!!」
「「きゃああぁあぁあっ!?」」
 紅蓮の雄叫び一喝でボギーごと悪を封じ、シュウは怒りのお仕置きでこぴん十連打を炸裂させる!
 悪の断末魔が街に響き渡ったところで、それまでのんびり観戦していたルリアが天を仰いだ。
「……今日もフィーネは平和ですねぇ」
 晴れ渡る冬空の下、ついに街は平和を取り戻したのである。

●助けて! カボチャマン!!
 平和を取り戻したフィーネの街角で、一人のカボチャマンが子供達に取り巻かれていた。
 ファンサービスを怠らないマサキは彼らにランララ聖花祭に纏わる逸話を語って聞かせている。
 女神の伝説に容赦無い試練の話、そして、試練を乗り越えた先で結ばれる――恋人達の絆……?
 しまったと思ったときにはもう、何時もの少女にロックオンされていた!
「ほうれん草の試練を乗り越え、私達の絆も結ばれたのね……」
「空を舞う鳥……そうか! あの鳥の向かう方に、まだ悪が居るのか!!」
 鮮やかにマントを翻し、マサキは空行く鳥を追って駆けて行く。
 そう、あの先にはきっと、まだまだ悪が潜んでいるのだ――!!
「……と言う訳で、こっそり隠れてても無駄だから」
「びくう!!」
 路地裏に潜伏していたほうれん草達が突如降ってきた声の主を振り仰ぐ。
 煉瓦造りの建物の上から彼らを見下ろすのは――正義の使者・カボチャマン!
「……お前達は……この街の者の平穏を奪い……食べ物を粗末にした。……お前達に……芸術を語る資格は無い!!」
 カボチャマン・フォックステイル……只今参上! と名乗りを上げると同時に、アルムは頭部を眩く発光させた。麻痺したほうれん草達をてきぱき縛り上げていく彼に「頑張れよー」と声をかけ、カボチャマスクを被ったガイアスは広場を目指して駆けて行く。
 彼の狙いは偽カボチャマンとして皆を油断させ、その隙にアデイラ長官を叩くというものだ!
「ってな訳で、長官覚悟ー!!」
「いやぁ〜! あたしの蜂蜜南瓜パフェがー!!」
 広場に面したオープンカフェでお茶にしていた長官に危機が迫る!
 が!!
「シリアスー!!!」
 長官に飛び掛ったガイアスは意味不明な紅蓮の雄叫びに撃墜された。
 グランスティードを駆り颯爽と現れたカボチャマンシリアスことセイガは、実は単に長官に挨拶しに来ただけということはおくびにも出さず、きらりと歯を輝かせて勝利のポーズを決める。麻痺から回復したガイアスは逃走を試みようとしたが……
「悪い子はこれに包まれているがいいなぁん♪」
「ぎゃー!?」
 ほうれん草染めの布ロープを使う機会を窺っていたカボチャマン・フェザーナースことフィーユにぐるぐる巻きにされた。
「ほう、ほうれん草の草木染は黄色に染まるのか……はっ! あれは!?」
 偶々広場に居合わせて豆知識を得たナサロークは、蜂蜜南瓜パフェに釣られて現れたボギーを発見する。飛んで火に入る夏の虫とはこのことかとニヒルに笑んで、ナサロークは彼の前に立ち塞がった。
「君かな、ボギー君というのは? 是非一戦死合ってくれぬかな? 我が相棒と共にね!」
 語りながらおもむろに懐から取り出すのは、女の子を模したぬいぐるみ!
「彼女は君のクマとは訳が違うよ。さあ行け! 我が最強薔薇真紅ぬいぐるみよ!!」
 だが、最強・薔薇・真紅の属性を備えた(らしい)ぬいぐるみが彼の手から離れようとした、刹那!
「……子供達の笑顔の為、今こそ立ち上がらせて頂こう!」
 街の子供を引き連れたコウヨク達が最後のカボチャマンとして現れた!
「我はカボチャマン義兄弟が長兄、カボチャマン・チョウケイ! フィーネの住人よ、力を!」
「我はカボチャマン義兄弟が末弟、カボチャマン・マッテイ! フィーネの住人よ、力を!」
 正々堂々と名乗りを上げるショウやシュチに「頑張れ! カボチャマン義兄弟!」と子供達が声援を送る! カボチャマン三人に囲まれたナサロークの表情に焦燥の色が滲んだ!!
「もはやこれまでか! だが他の戦線で戦う仲間達のため、一人でも多く此方に引き付けてくれるわ!」
 だが哀しいかな、今日の敵は彼で最後である。
「「と言う訳で! 世のため人のため、我らは立ち上がろうぞ!」」
 生まれた日は異なれども、死す時は同じ日、同じ時を。
 固く誓い合ったカボチャマン義兄弟が最強薔薇真紅ぬいぐるみ(及びナサローク)を撃破する!
 こうして遂に、街から全ての悪が潰えたのであった。

 ありがとうカボチャマン!
 街の平和と美観を守った君達の活躍を、フィーネの人々は決して忘れない!!


マスター:藍鳶カナン 紹介ページ
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作成日:2008/02/22
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