地獄へのお土産話



<オープニング>


 葵桂の霊査士・アイ(a90289)がテーブルにつく。
 腕の鎖がこすれあい音をたてた。アイは白い指先で襟元を直し、黒髪をなでつけ後れ毛をかすかに気にしている。かと思えばまた、襟のホックをしめなおしていた。日ごろの彼女を知るものであれば、今朝のアイがいささか居心地が悪そうなのに気づくかもしれない。
 それでも冒険者たちがあつまってくるのを見ると、アイは背筋をしゃんとのばして応対する。彼女がふだんといくらか様相がことなる理由は、彼女自身が語ってくれよう。
「ご存じかもしれないが、われわれ霊査士の霊視能力も他の大陸にまではおよばない。これから説明する依頼は地獄のことゆえ……本件については、あくまで聞いた話を中心としてすすめさせていただく。不確かな部分があることも了承してほしい」
「つまり伝言ゲームというわけですね」
 これをどう理解したのか、はじまりは・プルミエール(a90091)はフンフンと納得してみせた。
「いや、ゲームじゃないから」
 アイはたしなめてつづける。
「地獄の第一階層、エルヴォーグのある地域に小規模な村落がある」
 裕福とはいえないもののなんとか安定をたもっているこの村だったが、ちかごろその周辺に、大型アンデッドを中心とした白骨の集団が徘徊し安全を脅かしているという。
「いまのところアンデッド集団が村に入ってくることはないが、わずかずつ近づいて来ているそうで、住民の不安は日に日に高まっているという」
 集団の中心となる大型アンデッドは異様なフォルムをしているという話だ。白骨が地に伏せ、肋骨を伸ばしこれで歩いているような姿だと伝わっている。しかし残念ながらその正確な様相はあきらかではない。黒いガスを吐き出すといわれるものの、これがどんな危険性をもつかも不明だ。
「この大型アンデッド以外は、粗末な武装をした人間型の骸骨らしいな。数が多いということまではわかっている。しかれどもその規模がどれほどなのかはわからないのだ。どういう規模であっても対応できるよう心構えをしておきたい」
 集団は連日目撃されており、住民たちは不安のあまり神経が高ぶっているようだ。
「いい状態とはいえまいな。ちょっとしたきっかけでもあれば恐慌に陥るかもしれん。もしアンデッドたちが村に侵入すれば、たやすくその餌食になりかねまい。とりわけ、この村には子どもが多いそうなので、不幸な犠牲がでないか心配だ」
「うーん」プルミエールは口もとに指をやる。「だとすれば早々にアンデッドを退治して、村の子どもたちに『もう恐くないよ〜』っていって安心させてあげないといけませんね」
「おお、さすがプルミー、わかっているようだな」
「えへへ、私は子どもの味方ですから。そもそも自分自身が子どもちゃんですので〜」
 ニコニコ顔のプルミーなのだ。
「戦闘後は、いくらか村の子どもたちの相手もしてあげてくれまいか。子どもたちは地上の話をとても聞きたがっているらしい。娯楽の乏しい環境だ。諸君らの話なら、どんなことであれ熱心に耳をかたむけるのではないかな。遊びを教えてあげるのもいいかもしれない」
「地獄へのお土産は地上の話というわけですね。よござんす。ベロベロに酔ったアイさんが私にチューをしてきた話をバラまいておきます」
「いや、そんなことしてないから! デマだから! ていうか地上の話といえるのかそれ!?」
 なんともはや、天真爛漫なプルミエールを相手にしているうちに、アイも調子を取りもどしているようである。
「忘れてはならないのは地獄という地域の特殊性だ。かの地では、倒したアンデッドがしばらくするとまたアンデッド化することがままある。そのため倒した敵はできるだけ細かく砕き破壊しておいたほうがいいぞ」
「ほーい」
 という朗らかなプルミエールとともに、冒険者たちは地獄の地を目指すこととなった。
 敵を粉砕して村落を守り、そこの子どもたちと交流をもつ、それが今回の使命だ。


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参加者
空炎の盾・エファ(a11158)
清浄なる茉莉花の風・エルノアーレ(a39852)
楓華牙狩人・シノブ(a45994)
其の地平に詩を灯しに・リミエーナ(a51164)
プーカの武道家・シャルロッテ(a59846)
贖罪の御子・アクアオーラ(a67266)
真夜中の太陽・ハロウィン(a68100)
朔望月・ノッテ(a69822)
ルーエの英雄の我狼剣士・ノア(a71976)
重鎧・トビー(a72634)
NPC:はじまりは・プルミエール(a90091)



<リプレイ>

●ホネタイジ
 村近辺につくなり一行は、白骨アンデッド集団に遭遇した。中央に巨大アンデッドをいただく骨の軍団、ボス除く規模は五十体といったところか、カタカタとアゴを鳴らし土煙あげ、冒険者たちに迫りくる。
「ホネホネうひゃー! すっごいいるですよぅ!」
 もしかして嬉しいのか? はじまりは・プルミエール(a90091)は敵に手をかざした。
 其の地平に詩を灯しに・リミエーナ(a51164) は、敵を前にしても不思議と緊張しない自分に気づいていた。むしろ彼女はこの戦いを、現実を知る機会だと考えている。これまでリミエーナにとって他の世界とは、なにか漠然とした、架空の物語のようだった。しかし今日この瞬間からは、そうでなくなるにちがいない。
 リミエーナはいった。
「それにしてもプルミエールさんって」
「はいな?」
「とても朗らかなかたなんですのね。微笑が素敵というのは、うらやましいですわ」
「いやー、そんなに褒めるとなにか出ますよ?」
「なにが出るっていうんだいっ」
 普通そこは「なにも出ませんよ?」だろ、とプーカの武道家・シャルロッテ(a59846)が思わずつっこんでいる。されどプルミーはニコニコ顔だ。
「褒められて芽が出ます♪ 褒める教育」 
「なんかうまいこといってるようなダマされてるような……」
 シャルロッテは腕を組んでムーとうなった。
 自称狼の美少女剣士・ノア(a71976)はそんなやりとりを見つつ思う。
(「プルミーちゃんて、ちっちゃなおにゃの子みたいでカワイイなぁ、ほんとに二一歳なのかしら〜♪」)
 しかし敵は眼前、ふやけている場合ではないと、ノアは気を取り直し戦闘モード、マスターソードをすらりと抜いて、初依頼の初戦闘、初地獄の戦いに備える。
(「それにしても、傭兵時代は討伐なんて……冒険者が来たらお払い箱だったものよねぇ」)
 いまはその冒険者の立場かと思うと感慨ぶかい。
 清浄なる茉莉花の風・エルノアーレ(a39852)はチームの司令塔、後方からメンバーに指示を出す。
「敵軍を包囲殲滅する構えに入ります。相手は多勢なれど哀れな亡者、冷静さを失わなければ負けはしません」
 エルノアーレの声にしたがい十一人、鶴翼に散開し迎撃姿勢をとった。
 朔望月・ノッテ(a69822)の行動も速い。
「私一人の力、たかが知れているけど……」
 ノッテは片腕を天につきあげた。呼吸を整える。希望のグリモアよ、この身に力を貸したまえ!
「……お力になれるよう、精一杯がんばります!」
 ノッテは勢いよく腕を振りおろす。とたん、ノッテたちの周囲、地獄の大地が鈍く輝き、幸運の力があふれだしたのだ。不浄なる存在よ畏れるがいい、これがヘブンズフィールドだ!
 楓華牙狩人・シノブ(a45994)は きりりと弓弦を引く。引いて引いて力をためて、目指すは必殺爆炎攻撃!
「この地域も、ノスフェラトゥさんがいた頃にはなんとかなっていたらしいのですが、いないとなれば冒険者たるアタシたちの出番なのですね……とにかくやってみせるですよー」
 シノブとならんで真夜中の太陽・ハロウィン(a68100)も弓を構える。
「力無き人を護るという使命は、どこにいようと変わらないということですね! ならば、やるべきことは一つっ!」
 きっ、と眉をあげ肘を引くハロウィン、普段はキュートなカボチャ娘も、真剣になれば凛々しき闘士だ。
「人々をバッチリ守ってそれから楽しく遊ぶのですっ! ……あれ、これだと二つ?」
 ちと首をひねったがしかし手元狂わず、ハロウィンは矢を放射す。
 シノブとハロウィンが放った矢はナパームアロー、敵後衛に着弾し、猛然火焔を噴き上げた。
 そして白骨軍の剣先も、冒険者たちに接触する!
 ガッ、と激突音、ヒトの重騎士・トビー(a72634)は盾で敵の剣をしのいだ。フレイルを握る手に力がこもる。
 トビーもこれが初陣、しかしこちらが初心者だろうと、敵が加減してくれるはずもない。甘えは禁物、この戦いには自分の命だけでなく、村の子どもたちの未来がかかっているのだから。
(「自分のように不幸な子どもを増やしたくない……!」)
 かれは孤児であった。そのためこれまでの半生、けっして幸せとはいいきれなかった。しかしそれゆえトビーは子どもたちの幸せを、大切に思う心が人一倍強いのだ。振りあげ振りおろし砕く! トビーのフレイルが骸骨兵を砕く!
 空炎の盾・エファ(a11158)はまずトビーに、つづけてプルミーに鎧聖降臨をかけ援護する。
「プルミエールさん、がんばって!」
「うほーい、勇気百倍!」
 プルミーは、本当に勇気百倍した様子で敵につっこんでゆく。戦いの最中ではあるが、エファは微笑ましい気分になりやる気が増した。
(「プルミエールさんって、私より年上なんですよね。でもかわいい」)
 このときエファはふと思う。もしかしたら自分のほうも、プルミーに勇気をもらったのではないかと。
 巨大髑髏は見あげるほどの大きさだ。手足はなく肋骨で歩き回る姿はあまりに奇怪でおぞましい。しかもこの邪髑髏は、口から毒ガスを吐き散らすのだ。
「っ!」
 ノアは咳きこんだ。黒いガスを吸いこんでしまったのだ。体が痺れてくる。
 けれど心配は無用、このチームには、贖罪の御子・アクアオーラ(a67266)という心強い味方がいる。
「ノアさん、大変なの、でも毒消しの風で治すの、なの」
 はうあうと不安げな面持ちながら、アクアオーラは清涼なる風を喚び、ノアの麻痺を消し去った。
 初撃のナパームアローならびに戦闘の状況から、シャルロッテはアンデッド兵の実力をほぼ解析していた。
「この程度なら大暴れして問題なし!」
 がっつん闘気を解放し、デンジャラスデンジャラスぶん回す。たちまち発生空気の渦は、敵を巻きこみ巻きあげ粉砕した。武道家シャルロッテの力恐るべしである。
 トビーもまた確実に兵たちを破壊している。
「陣形を守りつつ攻め、かつ敵の散開を防ぐ」
「トビーさん、挟み撃ちにしましょう!」
 ウェポンオーバーロードで武器をドでかくしたプルミーも、敵をはさんでトビーの反対側から攻めの一手だ。
 大軍なれど敵は、組織的な行動がとれなくなっている。前方は冒険者前衛陣の包囲作戦に追い立てられ、後方はといえば、
「これぞ絨毯爆撃、。砕いた骨が、粉になるまで焼きまくるですよ」
 と撃つシノブ、そして
「レクイエムを聴かせてやるぜっ、爆音って名前のねっ!」
 と発射するハロウィン、二人の射手によるナパームアローに間断なく焼かれているからだ。
 その上リミエーナの歌もある。
 死は確実、とリミエーナは歌い。生の不確かさを嘆ず。
 そしてリミエーナの歌詞は死のもたらす幸せを説くのだ。死せることを拒否する骸たちに。
 ――歌はファナティックソングとなり、哀れな骸骨たちを惑い狂わす。

 混乱するアンデッドたちを砂礫衝で蹴散らし、エファは大型アンデッドに急迫した。
「肋骨でわしゃわしゃ移動って、台所の黒いのみたいで怖いかもです」
 そのわしゃわしゃ肋骨が襲ってくるが、エファの大盾はがっちりとこれを防ぐのだ。
 エルノアーレの右手の先に、白く輝く光の槍が生まれる。
「普通のアンデッドは減ってきましたね……ならば、大型にもご退場願いましょう」
 エルノアーレが生み出せしは慈悲の聖槍、投じたその一撃、大型アンデッドの頭蓋をつき崩す。
 エファに注意を集中している大型白骨は、背後が丸空きの状態だ。この機を逃さずノアは
「カラミティ、行くわよ!」
 と自身の召喚中に呼びかけ、紋章の力を呪痕撃として具現化した。
「集いし呪印よ成したまへ、鋭き漆黒の矛へと……そして刻め! 痛魂の証を!!」
 紋章は禍々しい呪痕を刻み、巨大敵の背骨は粉塵あげて折れた。   
 そしてもう一本とどめとばかり、聖槍が敵に突き刺さる。
「安らかなる眠りをもたらす祈りを力にっ!」
 ノッテの追撃である。巨大頭蓋にたちまち亀裂が走り、ついに轟音あげて砕け散った。 
 このときアクアオーラがいなければ、どのような危険があったか知れない。
「き、気をつけてなの! 大きな骨、様子が変なの!」
 敵の掃討はほぼ達成されていたが、アクアオーラは緊張を解いていなかった。そのためすぐ気づいたのである。意図的か苦し紛れか、倒壊する巨大アンデッドが、残る肋骨を八方に向けたことに。
 アクアオーラの声に気づき仲間たちは反射的に行動した。同時に肋骨であったものが勢い鋭く発射される。シャルロッテは盾でこれを防ぎ、シノブは
「そういう突破、しかけてきますか」
 と射る。見事、シノブは飛来する骨を撃墜した。
 エルノアーレにまで部位は到達したが、彼女はなんなくこれを回避している。
 結局肋骨全弾発射も冒険者にせいぜい軽傷しか負わせることができず、雑魚敵を巻きこんだのみで地に落ち砕けたのである。
「アクアオーラさん、助かりましたー♪」
 プルミーが彼女の両手をとってぴょんぴょんと飛び跳ねる。アクアオーラは照れていた。
「あ、えっと……ど、どういたしまして、なの」

 敵は全滅したが油断はできない。
「こいつらが復活できないよう、砕いておこうか」
 乾燥した骨をノアが踏んでまわる。リミエーナも、
「白骨化したアンデッドだけだったのは不幸中の幸いでしたわよね……」
 と、骨の山を踏んで細かくしておくのである。
 戦闘は終了したが、それからもしばらく、骨砕く音がつづいた。

●お土産話と遊びと歌と
 解放した村にて、冒険者が受けた歓迎は予想以上のものだった。
「正義のヒロインたるもの、戦う場所は選びませんことよ。助けを求める人々がいるなら喜んで馳せ参じますわ♪」
 口々に礼をのべる人たちに、エルノアーレはかく告げた。
 村を見回しトビーは、子ども、それも幼児の割合が本当に多いことに気づいた。かれは思う。
(「子どもたちの明日、護ることができたようだ」)

「それではボクがお話しますのは、でっかい大陸のでっかい話っ」
 ハロウィンの周囲には子どもたちが集まっている。彼女のお土産話は、ワイルドファイアの見聞録だ。身ぶり手ぶりつかい面白おかしく聞かせる。目を輝かせる子どもたちに、ハロウィンの熱演にもますます身が入ろうというもの。
 つづいてはアクアオーラだ。
「……あ、えっと、わ、私もまだ地上に降りてそ、そんなに経ってないけど、地上のお話するの、なの」
 朴訥とした口ぶりながら、みなが熱心にきいてくれるのが嬉しい。楽しいことを聞かせて、といわれアクアオーラはにっこりした。
「えっとね、地上ではねお友達とピクニックに行ったりして、遊んだり、好きな人と恋の冒険するみたいなの! いっぱい罠仕掛けて楽しいの」
 罠? 子どもたちは目を丸くした。楽しい罠ってどんな罠だろう。想像はつきない。

 地獄にあっても、少年少女の笑顔はまぶしいことをエファは再確認している。
「さあ、この紐をこうやって……ほら、橋ですよ」
 エファが披露しているのはあやとり、はじめてみる遊びにみんな夢中だ。ただの紐であろうと創意工夫があれば、何時間でも遊べるとエファは教えた。まだまだエファには伝えたい遊びがある。石取りゲームやおはじきも、きっと気に入ってもらえるだろう。
 もう少し年長の子どもたちに、シャルロッテとプルミーが組んで手品を披露している。
「このテーブルの上の石の塔、手を触れずに動かしてみせようじゃないか」
「ほうほう」
 じつはなにをするか聞かされていないので、プルミー自身とても楽しみにしている。
「種も仕掛けもないけれどあら不思議! それではご注目……はあっ!」
 シャルロッテが発動するは風のいたずら、すると石の塔じゃなくて、プルミーのスカートがまくれあがった!
「きゃー! なにするですか!」
 下着さらされまくってプルミーは真っ赤だ。わーい、と舌を出してシャルロッテは逃げていく。子どもたち、とりわけ男子には大好評で、すぐさまアンコールを求める声が満ちた。

 シノブは横笛をとりだしてひときしり吹いて見せた。
「楓華って場所、聞いたことがあるですか? この曲は、楓華のミナモ山という山に伝わるものなのです」
 音楽とともに、自分が育った土地の話を語ってきかせるシノブである。エキゾチックなその話はとても魅力的だった。 
 年長の子にとっては、冒険者の武装も興味の対象である。ノアはすらりと剣を抜き、
「こういう剣は傭兵もしばしば使うけれど、一般的に好まれるのは……」
 傭兵としての経験、ときに失敗談をまじえながら武器や鎧の話をきかせた。ノアの剣は男の子に、そして巫女服は女の子に好評のようだ。

 竪琴を手に腰かけたエルノアーレを少女たちが囲んでいる。
「ここには、こういう髪の人は住んでいるのかしら?」
 セイレーンを見たことのあるものはないようで、みな首を振った。
「ほんとうなら、わたくしの髪に触れてよいのは、血を分けた家族と愛する人だけですわ。でも、今日は皆様に、特別にさわらせて差し上げますわ」
 蒼く清らかなその髪に、少女たちは最初ためらったが、やがておそるおそる手をふれた。うっとりとするような手ざわりだ。この記憶はきっと、いつまでも残ることだろう。

 やがてリミエーナが音もなく立った。
「わたくしからは、ささやかながら歌を捧げますわ。まずは、勇猛果敢に脅威に立ちむかった人々の叙事詩、つぎに、この世界にいらっしゃった女神様の物語」
 澄んだ声で話すリミエーナの口調は、いつしか独唱へと変わっている。
「そして、即興ながら本日の戦いを歌にしてお伝えします」
 リミエーナの歌は水晶の洞窟からとどく風のよう。歌は幸せの運び手となる。
「さあ、ご一緒に」
 と呼びかけられたアクアオーラは、恥ずかしそうに、だけど綺麗な声で唱和した。
「アタシも笛で参加するですよー」
 シノブも微笑して横笛を唇にあて、明るく転調したリミエーナのテンポにあわせる。
「いい感じっす! それじゃギターを乗せるっすよ!」
 ハロウィンがギターの弦をつま弾く。エルノアーレも竪琴を奏ではじめた。
 さらに鈴の音、しゃららと色を添える。
「せっかくですから踊りません?」
 ノッテであった。軽快な音の源は、ノッテが手首と足首につけた鈴なのだ。
「さあさみなさん、プルミーさんも」
 ノッテが呼ぶとプルミーがワーイと飛びだし、多くの子どもがそれにつづいた。
 もじもじとこれを見ている子どもたちもいたが、
「手拍子で参加しませんか?」
 エファが呼びかけ手を叩くと、みな嬉しそうにこれにつづく。 
「老若男女……子供たちだけじゃなくて、大人も今日は盛り上がりましょうよ!」
 といってノアが踊る。シャルロッテも歌う。リミエーナはさらにカスタネットで華を添えた。

 仲間たちの様子を見つめながら、トビーは村の入り口を厳しく警護している。
 この楽しい空間、美しい時間を、最後まで護りとおすこと、それがいまのトビーの使命なのだ。

(終)


マスター:桂木京介 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2008/03/13
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