≪百門の大商都バーレル≫対外洋航海用潜水服



<オープニング>


●潜水服
 海底に沈んだフラウウィンド大陸に沈んだ7柱の剣。
 この存在を明らかにするためには、チキンレッグの技術の結晶である潜水服になる。
 しかし、今まで使用していた潜水服では、そこまでの深さに対応していない。
 そのため、我々の持てる限りの技術力を結集して、新たな潜水服を作る事になった。
 潜水服の素材にワイルドファイア産ウレタンの木を使用して軽量化。
 磨いた石を袋に詰め、おもり(バラスト)代わりにする事や、渋柿やゴム製ウェットスーツ、海獣の毛皮、水鳥の羽毛を詰めたキルティングの肌着(気密性がある事が前提)などを使って耐水性の強化案などが考えられている。
 そのうちいくつかの試作品を製作し、近海でテストを行おうと思う。
 ただし、テストする事が出来るのは、3種類まで。
 その中で一番効果のある物を潜水服として採用し、早くて一週間以内にフラウウィンド大陸に向けて外洋航海に出発だ。


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参加者
貧乳様の巫女・イチカ(a04121)
ヒューマンフェンサー・ライル(a04324)
蒼首輪の猫・ルバルク(a10582)
蒼く揺れる月・エクセル(a12276)
ランドー・ルシュド(a28710)
蒼海の水面・キュール(a36040)
小さな探究者・シルス(a38751)
光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)
裏山の百鬼夜行・タクミ(a52755)
蒼鱗の雷光・ヴォルス(a65536)
圧殺運命・アヤ(a66727)
大波濤・アウグスト(a69088)
NPC:特定医療食・ラルフ(a90213)



<リプレイ>

●円筒形パーツ
「……命を預ける潜水服だからね。頑丈なやつを作りましょう?」
 新たな潜水服のテストを行うため、蒼く揺れる月・エクセル(a12276)達がバランの大渦付近にやってきた。
 今回行うテストは『円筒形パーツ』『関節部保護』『チューブ強化』の3点。
 その中で最も良い結果を残した物を、新たな潜水服として採用する事になった。
 もちろん、結果次第では三種混合型もアリである。
「とりあえず、これが試作品だ。現時点で最高レベルの物を使っているが、だからといって油断はするな」
 警告混じりに呟きながら、凶っ風・ライル(a04324)が潜水服を配っていく。
 彼らが着用するのは、バラストとゴム製のウェットスーツ。
 バラストは石を詰めた物と、頑丈な水筒を利用した2点で、ウェットスーツは全身を覆うフルスーツタイプ。
 コスト面などを考えた場合、安価で済む事が利点である。
「……安心して。試作品だからと言って手抜きはしてないわ。この潜水服を作るために、最高の技師を集めたんだもの……」
 ウレタンの木を円筒形にくりぬいた物を用意し、蒼海の水面・キュール(a36040)が着脱しやすいかどうか試してみた。
 しかし、潜水服の着脱しやすくすると、すぐに脱げてしまう事もあるため、出来るだけ個人の体型に合わせて設計する必要がある。
 そのため、何らかの事情で潜水服を破壊された場合に、予備がないという事を覚悟しておく必要があった。
「それにしても、異様なほど静かでござるな」
 警戒した様子で辺りを見回しながら、金剛を目指す・ヒイラギ(a49737)が遠眼鏡を覗き込む。
 冒険者達の活躍によって海獣が駆逐されつつあるため、バランの大渦付近の海は平和そのものであった。
「でも、その方がいいんじゃないのかな? 下手にここで戦闘があると、テストどころじゃなくなるし……」
 苦笑いを浮かべて特定医療食・ラルフ(a90213)の腕を掴み、震角・ルシュド(a28710)が黄色と黒チェックの印をつけていく。
 その間中、ラルフが微妙な表情を浮かべていたが、身の危険を感じているのか全く抵抗はしなかった。
「それじゃ、行くわよ」
 精神統一して呼吸と心拍数を落ち着かせ、エクセルが錘のついた長いロープを伝って海に入っていく。
 バラストは石を使った方が早く上昇する事が出来たのだが、何度も使用する事を考えると水筒の方が使いやすかった。
『今のところ問題ありません』
 タスクリーダーで連絡を取りながら、滝を駆ける兎・プレスト(a17802)がロープを掴む。
 水漏れを防ぐためにシャドウロックで継ぎ目を塞いでおいたため、潜水服にもこれといった異常が見つからない。
(「だが、それはモンスターがいない状況に限ってだな」)
 険しい表情を浮かべながら、ライルがアビリティの確認に移る。
 まずはゴージャスオーラ。
 念のため、武器を持っていなくとも物体が切れるか試してみたが、やはり武器を持っていた方が確実なようである。
 続いてホーリーライト。
 効果範囲は半径30メートル。
 やり方次第では色を変化させる事によって、水上への信号として使う事が出来そうだ。
 そして、最後はスーパースポットライト。
 複数発動させた場合は、より後で使用したキャラクターが注目されるようである。
(「とりあえず潜水服を着たまま、戦闘を行うのは自殺行為みたいね」)
 残念そうに首を振りながら、キュールが深い溜息を漏らす。
 潜水服を着たままでの戦闘は、空気チューブが邪魔をしているため、まったく話にならなかった。
 もちろん、無理をすればモンスターと戦う事も可能だが、その途中で空気チューブが切れるような事があれば、最悪の場合に死を覚悟しなければならないだろう。
(「潜水服の基本性能を上げる事が出来ても戦闘は無理か。……となると怪獣が現われた時にどうすべきか、話し合っておく必要がありそうだな」)
 潜水服の性能を試しながら、ルシュドがロープを伝って海上にむかう。
 以前の物と比べて確実に軽くて動きやすく機密性が増しているのだが、未だに問題が山積みになっているため、何らかの手段を講じておく必要がありそうだ。

●間接部
「さて……、いよいよ目処の立ってきた外洋航海……。その要ともいうべき潜水服の最終テスト。……良い結果が出る様……最善を尽くしましょうか……」
 『破れ難く曲がり易く、動きを通しより冷たさを通さず』をコンセプトに、貧乳様の巫女・イチカ(a04121)が間接部に耐久耐圧製を加えた潜水服を用意した。
 だが、耐久性を重視すれば動きづらくなり、逆に柔軟性を重視すれば破れやすくなるため、試作品を完成するまで何度も失敗を重ねている。
 そのため、妥協点を見いだした上で、バランスを重視する事になった。
「……そういえば妾、数える程しか泳いだ事が無いのぅ。まさか夏ではなく、まだ寒いこの時期に海に入る事になるとはの」
 しみじみとした表情を浮かべながら、光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)が潜水服を装着する。
 一応、間接部を強化するため金属の輪を利用した蛇腹状の物や、ドラゴンの骨を利用した物を考えてみたのだが、コスト面で問題があるので技術者達の頭を悩ませた。
 それでも何とか折り合いをつけて、双方が納得するような形で、少しずつ強化していったようだ。
「でも、この試験でうまく潜水服が仕上がれば、次はいよいよフラウウィンドに出航だね。うーん。ワクワクしてきた!」
 興奮した様子で拳を握り締め、裏山の百鬼夜行・タクミ(a52755)が潜水服の状態を確かめる。
 潜水服の性質上、宙返りなどの派手な動きをすると、空気用のチューブに引っかかってしまうため、水中で最低限の作業が出来るレベルであった。
 それでも以前の物と比べて性能が格段にアップしているため、機密性などの問題点が改善されている。
「考えてみればフラウウィンドについては何も知らぬな。各所当たって調べたものの、ついにわからずじまいの部分もあって、少々不安もあるのじゃが……。とにかく今日の実験で極力対策を練っておくしかないのぅ」
 目盛りをつけた荒縄をゆっくりと下ろし、勝手にティーンエイジャー・アヤ(a66727)が石袋を掴んで真っ直ぐ潜っていく。
 未だに海水の温度が低くて凍りつくほど冷たいが、潜水服の内側に海獣の皮を使用しているおかげで寒さから身体を守っている。
『海底を調査するだけなら十分なレベルだけど、海獣が現われたら逃げる事を考えた方が良さそうだね』
 タスクリーダーで連絡を取りながら、タクミが防水布のチェックをし始めた。
 普通に作業している分には水漏れなどの心配はないが、海獣との戦闘で潜水服が傷ついた場合は、まさに棺桶状態。
 多少の傷でも命取りになってしまう可能性が高かった。
(「つまり限られた時間で、任務を遂行せねばならんという訳か」)
 チキンフォーメーションを展開しながら、アヤが困った様子で溜息を漏らす。
 タスクリーダーなどを使ってうまく連携を取れば、十分な時間を確保する事が出来そうだが、海獣が襲ってきた場合はシャレにならなかった。
 最悪の場合は誰かが捨て身の覚悟で、海獣を足止めしておくしか方法がない。
「……クリスタルインセクトを……、うまく利用する事が出来るといいのですが……」
 船上でクリスタルインセクトを召喚し、イチカが深呼吸をして精神を集中させる。
 それに合わせてクリスタルインセクトが海に沈み、海底に降り立ったのと同時に調査を開始した。
 ……調査可能な時間は数分間。
 それ以上は精神を集中する事が出来ない。
 また、潜水服を着た状態で重騎士の極意が発動しても、鎧強度が上昇するようである。
「問題は海獣が現われた場合ですね」
 エンブレムフィールドを展開しながら、白薔薇の紋章術士・ベルローズ(a64429)が遠眼鏡を覗き込む。
 調査を行う場合は最低限、遠眼鏡による安全確認、クリスタルインセクトによる安全の確保、潜水服による調査開始の順番で行く必要がありそうだ。
 もちろん、他にも方法があるのかも知れないが、現時点ではこれが最も無難な選択肢であった。
(「……やはり連絡を取るならタスクリーダーが有効的なようじゃな」)
 木の板と煉瓦くらいの硬さがある陶板などを用意し、プラチナが海中の中で文字を書いていく。
 しかし、水が濁っていた場合は文字を読む事が不可能なので、この方法はあまりにもリスクが多過ぎた。
(「それが駄目ならハンドサインにゃりね」)
 ハンドサインで連絡を取り合い、ナチュラルボーンワンダラー・ルチア(a02606)がニコリと微笑んだ。
 海中では色々と行動が制限されるため、途中でトラブルに遭った時の対象法を考えておく必要がある。
「とりあえず結果はまずまずのようですね。色々と課題が山積みですが、もう時間がありません。限られた時間の中で出来る限りの事をしておきましょう」
 自分自身に言い聞かせるようにしながら、蒼天の守護者・ツカサ(a30890)がゆっくりと辺りを見回した。
 ……残り時間はあとわずか。
 それまでに何か手を打たねばならない。

●チューブ強化
「……新大陸、か。若輩者ではあるが己を卑下せず、精一杯やらせていただこう。そのための潜水服強化だ」
 空気を通すためのチューブがどの程度の深さまで伸ばせるか試すため、大波濤・アウグスト(a69088)が潜水服を身につけてゆっくりと沈んでいく。
 チューブを通して送られる空気は手動で供給されている事もあり、深度が増すにつれて十分に行き届かなくなってくる。
 その上、障害物などに引っかかった場合は、簡単にチューブが千切れてしまうため、最適のサイズを見つけ出すのに困難を極めていた。
 ここでチューブの長さを優先すれば、それだけ空気が供給されにくくなり、障害物などがあった場合に絡みやすくなる。
 逆にチューブを丈夫にした場合は、小回りが利きづらくなる上、あまり深くは潜れないという欠点があった。
「……解決しなきゃいけない問題が山積みだね」
 困った様子で溜息をつきながら、風牙・キフト(a59056)が問題点をピックアップする。
 空気用のチューブは船に積まれたポンプと直結しているせいで、あまり激しく動きすぎると船上で待機している仲間達を巻き込んでしまう。
 そのため、モンスターとの戦闘が不可能に近いため、船上で待機している者達が率先して動かねばならなかった。
「それじゃ、本当に調査しか出来ないって事になるんにゃね」
 残念そうに潜水服を手に取りながら、蒼首輪の猫・ルバルク(a10582)が防腐処理を施していく。
 もちろん、一度や二度の潜水で劣化する事はないのだが、後々の事を考えて手入れの仕方を確立しようとしているようだ。
「ええ……、無理をしてモンスターと戦えば、チューブ同士が絡まって大惨事を引き起こす可能性がありますからね」
 潜水服の保温性を確かめながら、小さな探究者・シルス(a38751)が答えを返す。
 海獣の皮を張り詰めたおかげで、保温性は十分に保たれているのだが、人間の体重よりも重さがあるので持ち運びに不便であった。
(「……潜水服にも限界があるか」)
 海中に潜って潜水服の具合を確かめながら、悪を断つ竜巻・ルシール(a00044)が溜息を漏らす。
 このまま納得がいくまで潜水服を強化していくという選択肢もあるが、それではいつになっても外洋航海には出発する事が出来ない。
 ならば、きちんと役割分担をした上で、海底調査を行った方が効率もいいはずである。
(「タスクリーダーとホーリーライトさえあれば、何とか連絡を取り合う事が出来そうですね。それと非常時に備えて鎧進化をさせておけば、海獣の攻撃も何とか耐えられるはず……」)
 何度も海に潜っていき、白衣の家政夫・ライト(a02311)が潜水服のチェックを繰り返す。
 三種類の潜水服には、それぞれメリットとデメリットがあるため、採用されるのは三種混合型になりそうだ。
 後はうまく連携さえ取る事が出来れば、潜水服のデメリットをカバーする事が出来る。
「……駄目だ。筆記用具は使い物ならないな」
 残念そうに首を振りながら、蒼き雷閃・ヴォルス(a65536)が鉛筆を放り投げた。
 水中で連絡を取り合うために筆記用具を持参してきたのだが、潜水服を着込んで文字を書くのは効率が悪く、無駄に時間ばかりが掛かってしまう。
「ああ……、それに海獣が襲ってきた場合に、船に乗っている仲間達と連絡が取れねば意味がない」
 スーパースポットライトを何度か光らせ、アウグストがさらさらとメモをつけていく。
 海中で最も見分けがつきやすかった色は赤で、逆に見分けがつきにくかったのは青だった。
 他にも黄色や緑も試してみたが、場所によって結果がまちまちなので、あまり実用的な色ではない。
 それに赤なら警告を意味する色なので、非常時の連絡にも使いやすかった。
「一応、遠距離系のアビリティを使えば、戦闘も可能なようにゃ。ただし、海獣を確実に仕留める事が出来なければ駄目にゃけど……」
 海中でいくつかのアビリティを試し、ルバルクが潜水服を脱ぎ捨てる。
 バランの大渦近辺の敵ならそれほど苦戦をする事がないため、遠距離系のアビリティさえ活性化していれば問題ない事が分かったものの、それがフラウウィンド大陸のあった場所でも通用するという保証がない。
「逆に言えば誰かが囮になって海獣を引きつける事が出来れば、十分な時間を稼ぐ事が出来ますね……」
 険しい表情を浮かべながら、シルスが非常用のウレタンボールを掴む。
 どんな道具を使ってもアビリティより効果がある物がないため、根本的に考え方を改めた方が良さそうだ。
 外洋調査で必要とされるのは、仲間達の連携と最低限のアビリティ。
 それさえあれば潜水服の性能をフルに引き出す事が出来る。
「……囮か。海獣が興味を引くようなダミーを用意する事が出来ればいいんだが……」
 ロープの先端についていた錘を回収し、ヴォルスがボソリと呟いた。
 例えどんな事があろうとも、ここで外洋航海を中止する事は出来ない。
 そのため、外洋船が出航する前にすべての準備を整えておかねばならなかった。


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作成日:2008/03/18
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