<リプレイ>
●A班:遺跡 「未知のゲート……、不謹慎やも知れぬが、ワクワクしてしまうの」 緊張した様子で辺りを見回しながら、光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)が遺跡の中に入っていく。 遺跡の中は外観の印象と比べて整然としており、造られてからしばらく経っているようだ。 「……此処にどんな秘密があるのか楽しみね」 含みのある笑みを浮かべながら、蒼く揺れる月・エクセル(a12276)がゆっくりと辺りを見回した。 薄汚れた壁に、色褪せた赤絨毯。 そして、擦り切れた装飾。 どれを見ても今まで接した、どの文化とも異なるものだった。 「見た事のない文字にゃね。何て書いてあるのか、分からにゃいけど、この遺跡がフラウウインド大陸と関係がある事は間違いないにゃ」 壁に書かれた文字を眺めながら、蒼首輪の猫・ルバルク(a10582)が口を開く。 どんな内容が書かれているのか分からなかったが、壁の文字はまるで絵のようにも見えるため、フラウウインド大陸で使っていた独特な文字なのかも知れない。 「やはりドラゴンズゲートのようでござるな」 目の前にパワーポイントがあったため、野牛・コジロー(a49459)がボソリと呟いた。 しかし、遺跡から漏れていた光源が、どこにあるのか分からない。 とにかくより多くの情報を得るため、遺跡の中をもう少し調べた方が良さそうだ。
●B班:トラップ 「……世の中には、不思議な事が一杯あるだナァ……。一番奥に何が待ち受けているのか、もうすんごい楽しみ!」 興奮した様子で辺りを見回しながら、裏山の百鬼夜行・タクミ(a52755)がニコリと笑う。 ドラゴンズゲートの内部は入り組んでいるため、護衛士達はバラバラになって行動する事になった。 「さいはて山脈のDGはルシールが見つけたから『ルシール=クァル神殿』。だったらここは『ルシュド海底神殿』って事でいいよね?」 満面の笑みを浮かべながら、震角・ルシュド(a28710)が仲間達に確認する。 しかし、仲間達はドラゴンズゲートを調査するのに夢中で、彼の話をまったく聞いていない。 そのため、壁にデカデカと文字を書いておこうと思ったが、後でドツキ倒される事が目に見えていたのでやめておく。 「さて……、漸く調査まで辿り着けました……。悔いだけは残さぬよう……しっかりと調査させて頂きましょうか……。フラウウインド大陸は……、チキンレッグさん達の祖先が住んでいた……と言われています。何かしらの痕跡が……見つかるといいんですが……」 何も聞こえなかったふりをしながら、貧乳様の巫女・イチカ(a04121)が周囲の壁や床を調べていった。 その途中で文字の書かれた床板を見つけ、驚いた様子でアホ毛を揺らす。 床板には色がついており、いかにも何かありそうな雰囲気だ。 「単なる罠か。それとも……」 険しい表情を浮かべながら、蒼き雷閃・ヴォルス(a65536)が床板を睨む。 床板の近くには天井まで伸びる柱を挟むようにして、何故か中華風の石像が置かれていた。
●C班:敵 「……この感触、船上生活の身には、揺れぬ地を歩いて探索出来るのは嬉しき限り」 クリスタルインセクトを先行させ、カイゼル・エーリッヒ(a21527)が通路を進んでいく。 いまのところ七柱の剣に関する手掛かりはなく、無駄に時間ばかりが過ぎていった。 「やれやれ、どうやらお客のようだな」 異様な気配を感じ取り、悪を断つ竜巻・ルシール(a00044)が陣形を組む。 それと同時にモンスター達がピョンピョンと飛び跳ね、護衛士達の前に立ち塞がった。 「なんじゃ、あれは! アンデッドなのか!?」 方位磁石を握り締め、勝手にティーンエイジャー・アヤ(a66727)が汗を流す。 そのモンスターは中国風の道服を着た可愛らしい少女で、表情は虚ろで生気が無く肌が異様に青白かった。 「……でも、やるしかないようですね」 モンスターが一斉に襲いかかってきたため、楓華牙狩人・シノブ(a45994)が攻撃を避けて横に飛ぶ。 次の瞬間、モンスター達が逃げ道を塞ぐようにして、護衛士達に襲いかかってくるのであった。
●B班:スイッチ 「どうしますか? 皆さんが来るまで……、待ちますか?」 周囲のマッピングを終え、イチカが仲間達に確認を取る。 一応、クリスタルインセクトを偵察に向かわせているのだが、辺りにモンスターがウロついているため、仲間達を待っているだけの余裕はなかった。 本当なら仲間達の到着を待ってから床板の仕掛けを調べてみたかったのだが、パワーポイントまで距離がある上、自分達のいる場所が行き止まりになっているため、モンスターに襲われた場合は袋叩きになってしまう。 「……そうだな。試してみよう。仲間達も敵と遭遇したようだしな」 ランタンで床板を照らしながら、ヴォルスが思い切って上に乗る。 それと同時に石像が消え去り、代わりに台座が現われた。 どうやら床板のスイッチはそれぞれ置物に対応しているらしく、踏むたび変化していくようだ。 「これで台座を出現させれば、先に進む事が出来そうだね」 ホッとした表情を浮かべながら、ルシュドが台座を踏んでいく。 床板を踏むたび石像や柱が出現し、最後には台座が三つ並んで道になる。 しかも、新しく出来た道の先には、パワーポイントもあった。 「それじゃ、この事をみんなに連絡しておくね」 タスクリーダーを発動させ、タクミが床板のスイッチを仲間達に伝えておく。 これで仲間達も床板のスイッチを作動させ、先に進む事が出来るようになった。
●A班:獣の門 「こ、これは……、いかにもなにかありそうにゃね」 クリスタルインセクトを先行させ、ルバルクが扉の前に立つ。 その扉は虎が口を開けているような形をしており、左右には石像と台座が置かれている。 しかし、扉には鍵穴らしきものが一切なく、何かの仕掛けで開く仕組みになっているようだ。 「きっと、どこかにスイッチがあるはずよ。この扉を開けるための床板が……」 警戒した様子で辺りを見回しながら、エクセルが扉を開けるための床板を捜す。 案の定、左右の仕掛けに対応した色のついた床板があり、踏むたびに扉の左右にある置物が代わっていく。 「そう言えば、先程もこれと同じ扉があったのぉ……。確かその時にあったのは……柱じゃ!」 頭の中で何か閃いたのか、プラチナが床板を何度か踏んでいく。 そして、左右のある置物が柱に代わった瞬間、今までビクともしなかった扉が開き、中からモンスターが飛び出してきた。 「ふ、不意打ちとは卑怯な……。だが、こちらもここで引き下がるわけにはいかんでござる」 すぐさまモンスターの頭を射貫き、コジローがキッパリと言い放つ。 だが、モンスター達は怯む事なく、護衛士達に攻撃を仕掛けてくるのであった……。
●C班:子供の人形 「はぁはぁ……、さっきは酷い目にあったのぉ。じゃが、これでようやく安心する事が出来そうじゃ」 荒く息を吐きながら、アヤが今までと同じように床板を踏む。 次の瞬間、彼女の姿が消え失せ、仲間達が唖然とした表情を浮かべて汗を流す。 「パッと見た感じは先程の床と同じようだが……」 険しい表情を浮かべながら、ルシールが床板を調べる。 床板には古代の紋様らしきものが書かれており、その近くには子供の石像が置かれていた。 しかし、これだけでは何が起こったのか分からなかったため、ルシールも彼女と同じようにして床板を踏む。 それと同時に辺りの景色が一瞬にして変わり、自分達が別の場所にワープした事を理解した。 そこには突然いなくなったアヤの姿があり、床には沢山の『の』の字が書かれている。 「と、とりあえず大丈夫なようね」 乾いた笑いを響かせながら、シノブが彼女に手を差し伸べた。 どうやら彼女の話では通路の先に見上げるほど大きな銅鑼があるらしく、いかにも鳴らしてくれと言わんばかりの雰囲気を漂わせていたらしい。 「……罠のような気もするが、あまり慎重になっているわけにもいかんな。とにかく、その銅鑼を見せてくれ」 覚悟を決めた様子で彼女に案内して貰い、エーリッヒが銅鑼の前に立つ。 その銅鑼は豪華な装飾が散りばめられていたが、かなり年季が入っているため、ところどころ亀裂が入っていた。 その銅鑼をジロリと睨みつけ、気合いを入れて叩き鳴らす。 次の瞬間、どこかで扉の開く音が響き渡るのであった……。
●B班:最深部 「ふぅ……、ようやく最深部のようだね」 いくつもの障害を乗り越え、タクミ達がようやく最深部に辿り着く。 そこはまるで祭壇のような造りになっており、勢いよく燃えた炎が立ち昇っている。 だが、遺跡の外まで漏れていた光の正体とは異なり、何やら禍々しい雰囲気が漂っていた。 「あ、あれは炎じゃない!」 ハッとした表情を浮かべ、ヴォルスが体当たりを浴びせる。 それと同時に炎が勢いよく燃え上がり、凄まじい闘気が辺りに解き放たれた。 モンスターは胸や肩や足に顔がついており、八本の腕にはそれぞれ武器が握られている。 そして、護衛士達の姿を追うようにして眼球をギョロギョロさせ、ケモノのような唸り声を上げて襲いかかってきた。 その姿は、まさに闘神。 殺らなければ、殺られてしまう。 「いきなり攻撃を仕掛けてくるとは、随分と乱暴だな」 モンスターの振り下ろした剣を受け止め、ルシュドがグッと唇を噛み締める。 しかし、モンスターが残った腕を使って槍を繰り出して来たため、すぐに攻撃を避ける事が出来なかった。 それどころか続け様に如意棒の突きを食らい、今にも倒れそうになっている。 「……仕方がありませんよ。私達は……、お客ではなく……侵入者なのですから……」 高らかな凱歌を発動させながら、イチカがモンスターを睨む。 それと同時に背後から複数の足音が響き渡るのであった……。
●C班:遺跡の番人 「……無事かっ!」 仲間達の無事を確認しながら、ルシールがウェポン・オーバードライブを発動させる。 それに合わせてモンスターが槍を放ち、護衛士達に攻撃を仕掛けていく。 しかし、C班が加勢した事によって立場が逆転し、今度は徐々にモンスターが押されていった。 「それじゃ、みんなを可愛がってくれたお礼をしないとね」 少しずつ間合いを取りながら、シノブがホーミングアローを撃ち込んだ。 その一撃を食らってモンスターの右腕が吹っ飛び、持っていた剣がゴトリと落ちる。 それでもモンスターは戦う事を止めず、盾を構えて護衛士達に迫っていく。 「まさか、そんなもので私達を止めるつもりじゃないだろうな」 一瞬の隙をついてモンスターの背後に回り込み、エーリッヒがスピードラッシュを叩き込む。 続け様に攻撃を食らった事でモンスターの防御が崩れ、唸り声を上げて床に膝をついた。 だが、モンスターの戦意は全く削がれておらず、床の落ちていた剣をガシィッと掴む。 「残念じゃったのぉ……。これで……、終わりじゃ!」 次の瞬間、アヤの放ったデンジャラスタイフーンが炸裂し、モンスターの身体が切り刻まれていく。 そして、モンスターが崩れ落ちたのと同時に、全身から吹き出していた炎が消え去った。
●A班:遺跡の謎 「はぁ……、一足遅かったようじゃな。妾も見たかったのぉ。遺跡の番人とやらを……」 残念そうに溜息をつきながら、プラチナがその場にペタンと座る。 ……彼女達の班は散々だった。 ようやくモンスターを倒したと思いきや、今度はパンダのロボットに襲われ、ヘトヘトになったところで、ようやく仲間達と合流する事が出来たらしい。 そのため、遺跡の番人であったモンスターの姿を拝む事も出来ず、ションボリとした表情を浮かべている。 「しかし、ここがドラゴンズゲートであった事は紛れもない事実。これでひとつ手土産が出来たではござらんか」 苦笑いを浮かべながら、コジローが答えを返す。 ここに来るまで様々な敵と戦いを繰り広げたため、遺跡の番人と戦っていたら間違いなくやられていた。 それだけ多くの戦闘を繰り広げていたので、遺跡の番人とやらにも興味がない。 「でも、困ったわ。どこかに剣が刺さっていると思ったけど……。この遺跡の中にそれらしきモノはない。それどころかフラウウインド大陸を浮上させる仕掛けさえ見つからなかったんだから……。それとも、まさか……」 険しい表情を浮かべながら、エクセルが辺りの壁を調べていく。 しかし、仕掛けらしきモノは発見する事が出来ず、辺りには諦めムードが漂っている。 「そんなに落ち込む事はないにゃ。ここからランドアース大陸に帰る事が出来るようにゃし、みんなに協力して貰えば、きっと謎を解く事が出来ると思うにゃ」 仲間達を励ましながら、ルバルクがニコリと微笑んだ。 そして、護衛士達は冒険者の協力を得るため、インフィニティゲートへの転送機能を作動させるのであった。

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参加者:12人
作成日:2008/04/17
得票数:冒険活劇24
ミステリ3
コメディ4
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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