【ミュントス五番勝負!】だが人よ、名を問うなかれ。ご奉仕に生まれご奉仕に消える。それがメイドのさだめなのだ



<オープニング>


 黒薔薇の髪飾りを指先で弄ぶ。彼女は、ストライダーの霊査士・レピア。
「また、バカンス的な依頼なのだけど……いいかしら?」
 集まった冒険者たちにレピアは問うた。
「ミュントスには変わった村があるわね。バニーガール村に、ドジッ子ナース村……これまでに比べると、今回のは馴染みがあるかも知れないわ」
 めいどさん、なの、とレピアは吐息のように呟く。
 その村の住人はメイドばかりである。期待を裏切る事はないだろう、何れも若く、美しいメイド達だ。といっても、これまでのカオスぶりに比べれば多少は見慣れた光景かもしれない。
「ただな、ここには一風変わった習慣があるみたいだ」
 と言いながら顕れたのは幻奏猟兵・ギャロ、彼は顎の無精髭を擦りながら告げる。
「絶妙に異文化が混じり込んでいるというか……譬えば、舞台となるのは大きな邸宅だが、これは『屋敷』ではなく『舘』と呼ばれる。ここで歓待される側を希望すると、呼称は自動的に『お舘様』となるわけだ。まあ、クラシックに『ご主人様』と呼ばれたいなら希望しておけばいいだけの事と思うがね。そういえばこの舘、大抵の部屋は畳敷きだ」
 奇妙な風習はまだある。『舘』で働くメイドの身分が上中下の三つに分かれていると云う事である。
 先ず「下メイド」は見習いの身である。所謂普通のメイドに近く、掃除洗濯洗い物を主とする下働き的な業務が多い。「お舘様」に直に話しかけることは許されず、お舘様が側を通る時は三つ指突いて床に畏まり、その間一言も口をきかないよう教育されているという。たとえその間、お舘様からどのような扱いを受けてもじっと耐えなければならない。
 次に「中メイド」はお世話係である。お舘様の給仕や送り迎えなどに活躍する。どういう意図があるのか諜報部員としての性質も併せ持ち、物音を立てずに歩く、情報蒐集する等の技能を鍛えてもいる。中メイドとなればお舘様と口をきく事も許される。
 そして「上メイド」は、下・中メイドの上司であり、これを統括し鍛える立場にある。また、お舘様の執事的な役割、お話し相手、添い寝等の業務も任されている為、別名を「御伽衆」と云うそうだ。あらゆるメイドの技術に精通した者だけがこの身分に辿り着けるという。
「頼みたいのは、ここで一日、メイドなりお舘様なり、好きな立場で過ごすことだ。お舘様になって豪奢な一日を楽しむも善し、上メイドになって後進をビシビシ鍛えるも善し、中メイドや下メイドとして鍛えられるのも悪くはないな」
 ここで発言主はレピアに戻った。
「……勿論、霊視しておいたわ。やはり安全、この情報に間違いは無さそうね。だから」
 レピアはどこか気怠げな、されど蠱惑的な微笑を浮かべた。
「楽しんできて頂戴、今回もそれが唯一のミッション」
 行くが佳い、体験するが佳い……お舘様とメイドの織りなす、めくるめくご奉仕の世界へ!


マスターからのコメントを見る

参加者
紫月姫・シュビレ(a31087)
リリカル武闘少女・ミオ(a36452)
故意の奴隷・ネンヤ(a36532)
綾なす火炎の小獅子・スゥベル(a64211)
白薔薇の紋章術士・ベルローズ(a64429)
えきぞちっくますこっと・トミィ(a64965)
白銀煌・レンシア(a67271)
機甲革命・シロウ(a71022)
吟遊詩人・ヒロミ(a72098)
太陽の牙・エル(a72117)
歌姫修行中・マナヤ(a72408)
湖夢・オルファリエ(a72583)


<リプレイ>

●お舘三兄弟の帰還!
 三人のお舘様のご帰還だ! 舘の門中にはずらり、メイド達が整列してお出迎えの体勢。いずれ劣らぬ大勢の美女達が、メイド服で侍している。
「ゆっくりしていってね! ……じゃなくて、お帰りなさいませ。ごゆっくりおくつろぎ下さい」
 白薔薇の紋章術士・ベルローズ(a64429)が口上を述べた。ブルー基調のメイド服、泡雪色のエプロンも優美なり、楚々と頭上のカチューシャ揺らし、ベルローズはお舘様に近づく。
「お耳を拝借して宜しいですか?」
 頷くは黒い太陽・エル(a72117)である。
「おう。旦那三兄弟、とでも歌って呉れや」
 本当に歌ったら載せられなくなるので勘弁。エルの出で立ちは、兜を被り刀は腰、然れども下は浴衣という不思議なる姿である。
 ベルローズは耳打ちする。
 機甲革命・シロウ(a71022)は次男だ。義兄に問う。
「どのようなお話で?」
 エルは意味ありげに笑いて曰く。
「あの娘ら『中メイド』の仕事は情報蒐集、『好みの外見からスリーサイズまで、お舘様のお好みを調べて御用だてます』とさ。嬉しいねえ」
「何と、オーダー『メイド』というやつですか!」
 シロウは唾を飲む!
 さて三男坊、正確にはシロウの双子(という設定)は吟遊詩人・ヒロミ(a72098)である。彼は下メイドが気になるお年頃(?)、玄関先に平伏する彼女らの慎ましさに惑う。
「そういえば、さっきから何故そんな……」
 下メイドが無言、微動だにせぬ事に疑問を抱くもすぐ気づく。彼女ら下メイドは、触られようが舐められようがお舘様に服従と無抵抗を貫くという話ではないか!
「くっ……いけない……彼女達はあくまで……しかし……っ」
 こんな境遇に耐えている彼女達を労ってあげたい。ていうか可愛がってあげたい。
「顔を見せてよ」
 栗色の髪した少女を見ようと、声かけてヒロミはのけぞった。
「……(やっとねんがんのメイド服をてにいれたぞ!)」
 声には出さねど気持ちは喜びでいっぱい、彼女は歌姫修行中・マナヤ(a72408)である。フリフリのエプロンドレス、スカートはミニでタイトに決めている。明るい白のカチューシャも含めて最高の愛らしさ。目が輝いている。
 マナヤの邪気なき瞳に、ヒロミのヨコシマ気分は浄化されてゆく。
「わ、私の心はなんて汚れていたんでしょう!」
 と言うなり目を潤ませ舘に飛びこんでいった!

 視点を長男・次男に戻そう。
 音もせず忽然、だしぬけに湖夢・オルファリエ(a72583)が二人の前に出現した。接近の気配は全く感じられなかった。
「お舘様、オルファリエ、参上しました」
 オルファリエは中メイド、諜報部員らしさをを強調する衣装である。スカートの丈は思い切って短く、ぴったりしたドレスやストッキング、カチューシャを含め黒基調の配色、但し谷間を強調する胸元の開き具合など、妖しい魅力も盛り込まれている。
「忍びっぽい能力を要す仕事と聞きましたので」
 オルファリエは艶然と述べた。
「あぁ……はぁ、レンシアも、参上……はあ、はあ」
 つづいて白騎士・レンシア(a67271)が走り来る。息が荒い。レンシアが纏うは、肩周りの大きく開いたエプロンドレスだ。スカートには魅惑的な深いスリットが走り、白いガータストッキングも目に眩しい。しかも首輪まで付けている!
「あ、下メイドってお舘様に口をきいてはいけないのでした! ご無礼を!」
 慌てて平伏せしレンシア、見ると息ばかりではなく着衣にも乱れがある。服には最前まで捲られていたような皺があり、ブラのバンド迄見えているではないか。首筋に小さな朱い痣も散見された。
 そんなレンシアを横目で見て、オルファリエはくすりと微笑する。するとレンシアは「ら、らめぇ」と呟いて紅潮するのだ。さっきまで彼女達は物陰で何事かしていたようである。何があったのだろう?
 
 お舘様達は舘に入った。それを確認して指導タイム突入!
「お前達、甘い、甘いぞ!」
 門のメイド達を監督するは、綾なす火炎の小獅子・スゥベル(a64211)だ。本日も扇子片手、おなじみの登場姿勢それは仁王立ち!
「ビシバシいくよ!」
 髪は結い上げてメイド帽、黒い長袖ワンピース、エプロンと白手袋は必須品、足首も隠れる長いスカートも含め超正統派のスタイル。スゥベルは一喝した。
「奉仕の基本は『ありがとう』っつー感謝の気持ち、お舘様相手は勿論のこと、家事をするならその対象に心でお辞儀!」
 仕事が出来ない奴はドジっこメイドじゃない、ダメイドだ! 斯くスゥベルは断言する。

●メイド、奮戦
 下メイド達は家事仕事に大わらわだ。これを監督する上メイドは、紫月姫・シュビレ(a31087)。シュビレの衣装はこの舘のメイドとしては至極シンプル、ロングスカートのメイド服、花のようなリボンもまた古風である。所作には全く無駄がなく、背筋伸ばして音立てず行動する様、メイドの鑑と云って良い。
「あらあら、文句は受け付けませんわ。努力をできない子には容赦なくお仕置きしますから精進しましょうね♪」
 笑顔で恐い事を言っているシュビレなのだ。
 リリカル武闘少女・ミオ(a36452)も又、忙しく立ち働くメイドの一人だった。爽やかな藤色の小袖に白の割烹着を重ね、頭に三角巾という楓華風メイドスタイル。
(「メイドさんって可愛いのに何でもできてかっこいいのなぁ〜ん☆ ミオもそんなメイドさんになりたいなぁ〜ん!」)
 憧れの気持ち胸に抱きつつミオは、パッカンパッカンと薪割り中。待てよ、よく見ると薪のみならず、薪割りの台まで割っている!
 そんなミオにシュビレが命じる。
「ええと……では、お風呂のお水を汲んできてくださいな」
「かしこまりましてございますですのでござるなぁ〜ん」
 しゅびっ、と敬礼して走る。何だかミオの口調は変だが、シュビレはその背を厳しくも暖かく見送るのだった。

 舘の内部でヒロミは道に迷っていた。なにせ広い。外敵の侵入に備えてか、妙に入り組んだ構造なのも弱った。
「困りましたね。誰かいませんか……」
「御用で御座いますか?」
 出し抜けに返答があったので仰天! いつの間に侍していたのか、えきぞちっくますこっと・トミィ(a64965)が伺候していたのだ。
 トミィは本日もキュートで過激、茨に似たトゲを無数に生やしたゴシックロリータ風メイド服、スカートもまた扇情的なミニで、色っぽいおみ足もちらちら、バニー以来のトミィの姿に、ヒロミのハートはどっきんばくばくといった次第。
「お疲れですか?」トミィは笑みを浮かべた。「でしたらこちらのお部屋で」
 と案内すると、 
「それでは失礼します」
 裾をつまんで軽く腰を折り会釈して、トミィはふっと存在を消した。名残惜しや。

 舘の巡回をしつつ、メイド達の指導にあたるは三人目の上メイド、故意の奴隷・ネンヤ(a36532)。彼女はレンシアを指導しているところだ。
「メイドの心得三箇条、そのいち! お舘様と上司には絶対服従!」
「はぅ……優しくしてください」
 レンシアはびくびくと、されども何処か嬉しそうに平伏した。その三つ指姿勢は完璧である。
 ネンヤのメイド服はクラシカルなツートンカラーにロングスカートだ。どうやらこの舘では、上メイドの衣装は古典型が定番らしい。
(「おや?」)
 ネンヤは目を光らせた。一室にスゥベルが消えてゆく。
(「お舘様の御寝所……」)
 こうはしていられない。ネンヤは後を追う。
 説明しよう! この舘に於いて上メイドは、お舘様の寵愛を受けるべく競いあっている、という設定なのである!

●ご奉仕、天国と地獄
 エルはホクホク、メイド達のご奉仕を受けるべく大広間へ。酒宴の用意がなされていた。
「エロいご奉仕でもエロくないご奉仕でもウェルカムだ。さぁ御世話しやがれ!」
 お大尽な感じで手を伸ばすと、
「此方に」
 と、瞬く間に出現したオルファリエが、さっと扇をその手に握らせた。
「気がきくねぇ、ご褒美にチューしてあげ……お?」
 エルが横を向いたときには、もうオルファリエは姿を消している。
 その横ではシロウもワクワク、ベルローズが悩ましい姿で近づいてきてくれたからだ。
「お舘様、情報蒐集能力でお舘様のご趣味のものを選んで参りました。ご賞味下さいませ」
(「俺の趣味はベルローズクン、君だ! ということはもしや」)
 そういえば隣の部屋は寝所である。……想像する。『お舘様、私を自由にして下さいませ』なんていってベルローズが半裸で迫ってくれたりしたら、もう……!
 期待でヨダレがこぼれそうになるシロウに、ベルローズが渡してくれたのは一揃えの靴だった。
「お舘様のご趣味に合わせ選んだお靴です。好みの外見かと思います。長さ、幅、深さのスリーサイズもお気に召すかと」
 ガク。
 だが諦めない! シロウはベルローズの肩を抱こうとするも、
「こんなところに糸屑が」
 と身をかがめて躱され、さらに覆い被さろうとして
「糸屑、取れました」
 と身を起こした彼女の頭突きを喰らいノックアウトされる!
「あとは土塊の下僕メイドがお相手致します。可愛がってあげて下さいまし」
 微笑と共にベルローズは去っていった。
 入れ替わりに、音もなくトミィが出現した。
「戯事をお楽しみになられるのですね?」
 トミィはぞくぞくするほど色っぽい笑みを見せると、気を失っているシロウを別室に運び、土塊の下僕メイドと同じ布団に入れてあげた。もそもそと土塊が抱きついてくる……。
「ここから先はお通しできません。お引き取り願います」
 と、暫く部屋を護る所存のトミィである。襖の向こうから悲鳴が聞こえた気がした。

 ミオの奮闘タイム!
「メイドさんらしくお菓子を作ってみるなぁ〜ん」  
 消し炭の山が出来た。
「綺麗にお掃除をするなぁ〜ん!」
 庭木まで全部刈り取って庭をクリーンにしてしまう!
 そういう意味ではマナヤの奮闘も負けてはいない!
「じゃあ僕はメインの料理を作るよ!」
 砂糖を山盛りで入れる……カレーライスに。
「次は洗濯だぁ!」
 洗濯物をボロ雑巾になるまで洗い、落としかけたバケツはレシーブして大空に打ちあげる!
 ここがシュビレの腕の見せ所、
「あらあら」
 と慈母のようにミオ、マナヤをたしなめて言った。
「メイド道も大変なものですわね。それなのにお二人とも、よく頑張っていますわ。もうこちらは結構ですので、親方様のご様子を伺ってきなさいな」
 ミオはにっこりとして、
「褒められたなぁ〜ん。もっと仕事するなぁ〜ん」
 といい、同様にマナヤも
「ボクだってまだまだいけるよ」
 と笑うのだが、シュビレは笑顔を張りつかせたまま、同じ言葉をゆっくりと繰り返した。
 ゴゴゴゴゴ……という効果音が何処からともなく聞こえてくる。オーラめいた陽炎がシュビレの背後で揺らめいていた。
「ひえー! 堪忍してくださいなぁ〜ん!」
「ボ、ボクもお舘様に座興を見せるよー!」
 疾風迅雷で二人は従った。
 というわけで、洗濯の担当はレンシアになったのだった。
「ふふ、お洗濯って何だか楽しいですね」
 泡を吹いてシャボン玉にして、レンシアは幸せそうに目を細めた。

 寝室に入ったヒロミを、スゥベルが三つ指突いて迎えた。
「御舘様……どうぞスゥを抱き枕にしてお休み下さい」
 御伽衆ランクの技術炸裂、誘うスゥベルの色気は溢れそう。布団は一つ、枕は二つ! これから何が待つというのか!?
 ヒロミは悩む。だが逡巡する気持ちを、義兄であるエルが嘗て語った言葉が目覚めさせてくれる。
『案ずるな弟よ。転んでも偉い精霊さんが何とかしてくれようぞ。さぁ行くのだ!』
「わかりました! 義兄さん! 義兄さんの言っていることが言葉ではなく魂で!!」
 ヒロミは超高速で寝間着に着替え、スゥベルの両肩に手をかける。
「御舘様強引ですね……でもその男気が素敵」
「――というわけでいただきま」
 だがそのとき!
「お待ちなさい」
 と止める声あり、それはネンヤであった。
「スゥベルさん、同じ上メイドとはいえお舘様の独占は許されませんわ。わたくしのほうがお舘様に素晴らしい夢を見せられます。お代わりなさい」
「ほほう、それはどうかな。ならば互いの技術でこの座を競おう」
「望むところですわ」
 というが早いかネンヤとスゥベル、ともに一つの布団に入り、くんずほぐれつ上になったり下になったり、互いの添い寝テクニックの粋を競いはじめる。
「あぁ、うっ……や、やりますわね……」
「うくっ、そちらこそ、舌を入……はうぅ〜」
 放置される格好となったヒロミは、指をくわえてこれを眺むのみ。
「……私も混ぜてー」
 これはヒロミの心の叫びだ。ぽつねんとお預け、達人同士によるテクの応酬を見守るより他にないのである。ご奉仕を受けに来たはずが、何だか翻弄されている気分のヒロミであった。
 からり、そのとき襖が開いてオルファリエが登場、
「スゥちゃんの危機!? 助太刀するわよ」
 と参戦する。この瞬間、形成は二対一となった。オルファリエはスゥベルと二人、秘術を尽くす!
「ちょ、耳たぶは……わたくし、弱」
 ネンヤは喘ぐ他無い。そのとき壁の向こう側では、
「ミオはネンヤちゃんにちゅーせーを誓う身、及ばずながら盗聴するなぁん」
 ミオが壁に湯飲みを当てて盗聴を開始していた。行動は評価したい。それが助けになるかはともかく。
「あらまぁ。聞いちゃったなぁ〜ん、どうしようなぁ〜ん☆」
 ……なにが聞こえたのやら。ミオは頬を熱くした。

 上げ膳下げ膳、マッサージ、ご奉仕にエルは満悦、マナヤの舞にも手拍子して悦ぶ。
 風雅なマナヤの舞だ。短いスカートが恥ずかしいが、健康美を明るく楽しく披露した。
「天晴れ、褒めてつかわす、ってやつだなー」
 とエルが扇を振ると、マナヤはこくこくと頷いて感謝の意を表した。
「よしマナヤ、気に入ったぜ。つぎはおじさんがお布団の中で可愛がってやろー」
 ふるふる、マナヤは首を振った。
 まあそういわずに、と言うエルにシュビレが猫の如く柔らかに身を寄せた。シュビレの吐息は甘い。
「あらあら、お舘様、添い寝をご所望ならわたくしにお命じ下さい」
 シュビレが人差し指でエルの背をするり撫でると、それだけでエルは極上の気分になる。
 忽然とトミィが姿を見せた。
「こちらのお部屋へ」
 まるで完璧な古美術人形、トミィはずっとそこにいたのに気配を絶っていたのだ。
 トミィが案内した部屋にも、大きな布団と枕が二つ。トミィは微笑して気配を消した。
 然しシュビレは同じ部屋に入るかと思いきや、
「それではごゆっくり。お戯れが過ぎるといけませんわよ」
 とエルを布団に寝かしつけて襖を閉めて出ていってしまう。
「え? おい?」
 吃驚して起きようとしたエルの腕を、冷たくて泥臭いものが掴んだ。
 ベルローズのお手製、土塊の下僕メイドその二である。一応これでも上メイドらしい。
 悲鳴が聞こえた気がした。

 斯く更けゆく夜である。
 次の夢はまた、近いうちに。


マスター:桂木京介 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:12人
作成日:2008/04/28
得票数:ほのぼの2  コメディ10  えっち20 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。