<リプレイ>
●熊狩りじゃー じゃっ! 何かを探るように歩く大きな影……熊グドンに気の刃がめり込んだ! 「さぁ、一匹も逃さないように頑張りましょう!」 言いつつ踏み出す我は破滅を断つツルギなり・ルビナス(a57547)は視線を巡らせ、木々の影に潜む敵の位置を確認していた。 冒険者たちはこの周囲の熊グドンを退治すべくこの地を訪れたのである。手分けして森を進み、それぞれが熊グドンを追い立てながら進んでいた。 「おし、頑張りますか」 集まってきた熊グドンの群れにヒトの武人・サイ(a68179)は紅蓮の雄叫びを浴びせかける! 何匹かの熊グドンが立ち竦むようにマヒするが、効かなかった奴が爪を振り下ろしてくる! ざっ、と爪が腕を切り裂き血が流れ出す。もう一体が横手から迫るが、そちらは鋼鉄の重戦騎・トビー(a72634)が大型盾でがきんと受け止めた。 「鎧を着込んではいるが、油断無く参ろう」 そのまま相手の爪を弾き、流水撃で薙ぎ払ってゆく。その間に炎牙の赤虎・アヤ(a65400)は血の覚醒を発動させ、自らの力を高めてゆく。 「楽しみ邪魔されんのは困るから、早いとこちゃっちゃとやっちまおうか!」 どくん、と破壊の衝動と共に力が高まり、熱く血が巡ってゆく。それを確かめるようにアヤは巨大剣を握り締めて構えた。 進行と共にルビナスは熊グドンの脇腹にサーベルを突き刺し、そのまま振り切って打ち倒す。幾つかの班に分かれた冒険者たちは川に向かって追い立てるよう打ち合わせていたのだ。敵を倒してゆくことも勿論だが、合流も目指さねばなるまい。 逃がさないようにサイは紅蓮の雄叫びで仲間達のサポートに努め、動きの止まった敵をトビーが流水撃で薙ぎ払ってゆく。 「悪いな、これも人生だ」 熊グドンをパワーブレードで叩き伏せ、アヤは小さく呟く。冒険者たちは熊グドンを逃がさないように倒しつつ、川の方へと進んでゆくのであった。
「まぁ何にせよ早くに発見できたのは僥倖じゃ」 じゃり、と川原の小石を踏み締めて玄鱗屠竜道士・バジヤベル(a08014)はニードルスピアをばら撒いていた。この班は川の周辺に到達し、川で魚を採っていた熊グドンたちとの交戦に突入したのである。 無双華・リョウコ(a90264)はデンジャラスタイフーンの闘気を放って攻撃する。 「数が多いですね……突っ込んだりしてはダメです」 川で魚を狙うグドンは多いのか、見た感じだけでも多くの熊グドンがうろついているようだった。黒舞・ハクヤ(a50554)は仲間達に呼びかけながら長剣を構えた。 がっ! 襲ってくる熊グドンの爪を剣で捌こうとするも上手く捌き切れず、ハクヤの肩が爪で傷付く。ぎりっと小さく唇を噛んで耐えながら、ハクヤは流水撃を解き放った。 「ふむ……多いか」 川に到達するまでの疲労もある。仲間達の傷を癒すべくバジヤベルはヒーリングウェーブの光を振り撒いた。 「でもここで確実に数を減らしておけば、後が楽になるわ」 ぐ、と全身の闘気を集め、烈風のように打ち出すリョウコ。デンジャラスタイフーンが過ぎ去った後に、一歩だけハクヤが踏み出す。ぱしゃんと川の水が小さく跳ねた。 「落ち着いて、足手纏いにならないように……!」 ざざざざっ! 流れるように刃を振り、倒れなかった熊グドンを斬り裂いてゆく。ハクヤは慎重に辺りを確認しながら戦闘を続けて行った。
「熊は、木登りも得意と聞き及んでおります」 三班に分かれた最後の一つでは、樹霊・シフィル(a64372)がエンブレムシャワーを解き放っていた。無数の光が空を進み、木上で寝ていた熊グドンを貫いて落とす。 「おっしゃいくぜ! とっかーん!」 白朱ノ狂神士・エア(a63093)は血の覚醒を発動させ、目前の熊グドンへと襲い掛かる。我が道をゆく白きサザンクロス・シュトーカ(a70658)は流水撃を繰り出していった。 「悪いが、こっちは通行止めだぜ!」 逃さぬように敵を倒しながら進む冒険者たちであったが、木陰から一つの巨大な影が姿を現した。 ざくっ! 突き出された白い槍。いや、それは異常に発達した腕を持つピルグリムグドンの鋭い骨であった。不意に突き出された一撃がシュトーカの腹部を刺し、えぐる。 「がっ……合図を!」 何とか骨から体を抜いて地面に着地し、シュトーカは声を上げる。傷口からはどぷりと血が流れ出るが、その間にエアがピルグリムグドンと遭遇したと仲間達に伝えるべく合図を出していた。 シフィルは気高き銀狼を放つが、ピルグリムグドンは腕の一振りでそれを叩き落し防御する。 「テメーが親玉だな、ぶっ飛ばす!」 踏み込み、デストロイブレードを振り下ろすエア。闘気の込もった一撃がピルグリムグドンの胸を打ち炸裂する。シュトーカも傷口を押さえつつ、牽制になればと武器を向けていた。 『グル……』 ピルグリムグドンは低く唸った。ダメージを受けているのか、それとも相手を威嚇しているのか……どちらかは分からない。だが確実に言える事は、その眼に殺気が宿り、腕にはまだまだ力が残っているということだ! 「なっ!?」 突き出された骨が右の肩口に突き刺さる。びくんとエアの体が痛みで一瞬強張るも、すぐに引き抜くべく力を込めて地面を蹴った。そうして何とかそこからは抜け出すも、横手から熊グドンが襲ってくる。 ごん。 棍棒を振り下ろす熊グドン。エアの額からたらりと赤い滴が落ちた。 まだ周囲に熊グドンたちも残っていたのだ。ダメージを受けている所にシュトーカも背後から強襲を受け、辛うじて避けている。ピルグリムグドンと遭遇した場合、その相手をしようと考える者しかこの班には居なかったようである。そのため周囲の雑魚はそのまま放置され、自由に動けたのだ。 「ピルグリムグドンさえ止めれば……」 その拘束が最優先。シフィルは術手袋で素早く紋章を描き、気高き銀狼を解き放つ。ペインヴァイパーの力を宿す銀狼がピルグリムグドンの喉元に絡み付き、組み伏せて動きを封じ込めた。 「ヤバい相手ほど……燃えるってな!」 エアの巨大剣『斬龍』の刃に闘気が凝縮されてゆく。それは負傷時に更に威力を増す一撃、デストロイブレード! どぉぉん! 叩き込まれる闘気が炸裂し、エアは小さく息を吐く。 「ならこっちは任せろ、レディの背には指一本も触れさせねぇ」 複数を攻撃できるからとシュトーカは流水撃を放ち、周囲の熊グドン達を薙ぎ払ってゆく。仲間達の背を傷つけさせぬために、自身の傷の痛みに耐えて武器を振り切った。
「ふむ、間に合ったようじゃな」 声と同時に無数の針が駆け抜けて、熊グドン達を貫き穿ってゆく。合図に応えて駆けつけたバジヤベルたちが到着したのである。それでシフィルは急ぎヒーリングウェーブを発動させ、仲間達の傷を塞いでゆく。 「雑魚は任せてよ」 響き渡る紅蓮の雄叫びはサイが放ったものだった。サイたちもちょうど到達したらしく、周囲からシュトーカたちを狙う熊グドンたちの動きを封じ込めてゆく。 「足止めしておく、今だ」 アヤの紅蓮の雄叫びが響き……トビーが重そうな鎧に負けず、フレイルと共に走り抜けてゆく。 「最後まできっちり、後始末といこう」 流水撃を次々に打ち込んで、熊グドン達を打ち倒して行った。 辛うじて生き残り、動きを取り戻した者も居た様子だったが、そちらにはハクヤが立ち塞がる。 「この舞いからは逃しません」 地を蹴って両の長剣を舞うように振るって行く。流水の如く斬撃は見事に熊グドンを斬り払っていった。
「片付けるわよ!」 リョウコがデンジャラスタイフーンの闘気を放ちピルグリムグドンと周囲のグドンを攻撃する。その援護を受けながら、ルビナスはサーベル『エルダーアーク』を振り上げる。 「我が大剣が生み出す光の軌跡、存分に味わいなさい!」 ごっ! 振り下ろされると同時にソニックウェーブが駆け抜ける! 衝撃波がピルグリムグドンを貫き、がくがくと身を大きく震わせた。 「俺の必殺技、受けて見やがれー!」 シュトーカの放つサンダークラッシュが突き刺さり、雷撃がばちばちと体を巡ってゆく。その後を追ってエアは巨大剣を振り上げていた。 『グルァ!』 だが直前でピルグリムグドンが動き出し、尖った骨を突き出してくる! びっと頬を攻撃が掠めるが……エアは怯まずデストロイブレードを振り下ろした! 「負け……ねぇっ!」 脳天にぶち込まれる一撃、叩き潰すと同時に闘気が炸裂した。ざっとエアが着地した後に一瞬遅れ、ピルグリムグドンは大地にずしんと倒れ伏すのであった。
こうしてピルグリムグドンを倒し、合流を果たした冒険者たちは念のためもう一度周囲の探索を行い、熊グドン達の殲滅を完了したのであった。
●川遊びじゃー まだ川には魚も残っているらしく、バジヤベルはその様子を見ながらのんびり釣りを始めていた。 「釣りすぎは厳禁じゃな。コイが悠々と川を登って、より大きく育つのを期待しておくかのぅ」 周辺の熊グドンを退治できて良かった。あのままでは魚も捕り尽くされてしまったかもしれないとバジヤベルは安堵の息を吐く。 「釣りかー、昔はよくやってたなー」 水着姿でエアも釣りを始めていた。たまにはのんびりした気分を味わうのも良いだろうと、さらさらと流れる音に耳を傾ける。 「全身鎧を着込んでいると蒸れるんでな……」 ふぅと鎧を外して釣りをするのはトビーだ。エアの水着をチラリと見るものの、丁度その時に竿に当たりが来る。 「おっと」 ぱしゃんと水飛沫を上げて釣り上げられた一匹のコイ。おぉーと見物していた仲間達からも歓声が上がった。 「くそっ、こっちはまだまだだってのによ!」 悔しがるアヤを焦ることも無いだろうとバジヤベルがなだめる。
「ふふふ、水の冷たさが心地良うございますね」 まだ水遊びは早いかと、川に足をつけるシフィル。涼むにはいいものだと微かに微笑む。 「これが正しい川遊びだぜ!」 どぼーんっ! 豪快に川に飛び込むのはシュトーカだ。盛大に上がる水飛沫に、皆も一緒に遊ぼうとサイも続く。 「どっちも楽しむよ!」 「魚なら、素手でとってくればいいじゃない」 川へ飛び込むエアにリョウコも魚手づかみを目指す。そんな賑やかな様子を眺めながら、ハクヤはゆっくりと笛を奏でていた。 「ふふ、この美しい風景を絵に描いて皆に見せようっと」 音も残せないのが残念だと言いながらルビナスは筆を取った。絵に残すのもそうだが、水の冷たさと笛の音と、森から流れる風のにおいと……自分達が守った命の感触を忘れないようにと、冒険者たちはひと時の安らぎをゆっくり楽しんだのであった。
(おわり)

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参加者:9人
作成日:2008/05/11
得票数:冒険活劇7
戦闘13
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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