レイメイの誕生日〜第1回大食い大会?〜



<オープニング>


「春から初夏にかけての美味しいもので、大食い大会なのなぁ〜ん♪」
 幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)は冒険者の酒場へと入ってくるなり、そう言った。
 どうやら近くの町で、町おこしを兼ねて、胃に自信のある人を募って、大食い大会を行うのだとか。
「使われる食材は、春から初夏にかけて収穫できるものらしいなぁ〜ん。もちろん、おかず、といえるものから、お菓子の類まで、何でもござれ、らしいなぁ〜んよ」
 思わず涎を垂らしそうになってしまったレイメイは慌てて、ハンドタオルでそれを拭った。
「私は胃に自信は……なくはないのなぁ〜ん。だから、参加してみようかなぁんと思うのだけれど、皆も行くなぁん?」
 1人で参加は淋しいからと、酒場に集まった冒険者たちを誘うレイメイであった。


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参加者
NPC:幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)



<リプレイ>

●旬の味、求めて
 ある者は大食いの王者の名を求めて、ある者はいくら食べても尽きなさそうな食べ物の数々を求めて……。
 それぞれの思いを胸に、冒険者たちはある町の大食い大会の会場へと来ていた。

「実を言うと、大食い大会って一度チャレンジしてみたかったんですよね」
 蒼き激流の舞闘士・ニルギン(a55447)はそう言いながら、ペースを乱さないようにしながら、且つ、後半になって他の者のペースが落ちるようであれば徐々に追い上げるような食べ方をしていく。
「……はっ!」
 時折、他の者の食べっぷりに見とれてしまい、ずれた眼鏡をかけ直してから自分もまた食べ始める、ということが何度かあった。
「誕生日おめでとうございますなぁ〜ん♪」
 残飯処理レイヴン・キリア(a71164)は幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)へと祝いの言葉を述べながら、リンゴ飴を渡した。
「ありがとうなのなぁ〜ん」
 レイメイはそのリンゴ飴を受け取り、微笑む。
「残飯処理と無尽蔵の胃(自称)の名とヒトノソ本能に懸けて勝つなぁ〜ん!」
 キリアは対抗心を向けるレイメイへとそう告げて、大会へと挑む。
 タケノコご飯に、ジャガバターなど旬の食材を使った料理の味を楽しみながら、前半はペースを落とさないようにし、後半に近付くにつれ、ペースを上げてより多くの料理を食べていった。
「本日の主役とはいえ、レイメイさんには負けませんよぉ〜!」
 癒されたい医術士・チユ(a72290)もレイメイへと対抗心を向けつつ、食べ放題気分で臨んだ。この日に備えて、彼女は空腹状態で来たらしい。
 偏食であることを気にしながらも自身が食べれるものを食べていく。
「レイメイさんお誕生日おめでとうですぅ〜むにゃむにゃ……」
 そして、お腹いっぱいになったチユは気付けば、会場の片隅で、転寝をしてしまっていた。
 瑠璃の音色・アイギール(a65468)は大会に参加するももともと多く食べられるわけではないので、旬の味覚を楽しんだ後、早々にダウンして、観客席に回っていた。
「食べすぎでしょうか……どれも美味しかったですものね」
 丘紫の歌姫・セラ(a60002)はそんな彼女を介抱しながら、いくつか食べてみた料理を思い出す。
「身体の右側を下にして休むといいそうですわ」
 セラはそう言って、アイギールを横にさせた。
「レイメイ、その小柄な体のどこに食べ物が入っていくのだろうな」
 まだ大会に参加中のレイメイたちを見て、アイギールは驚きを隠せない。セラも同じように驚き、呆然と眺めながら、不意にアイギールの方を見ると彼女と目が合い、微笑みあった。
「いっただだだきむわぁーーーーしゅ!!」
 勢い良くそう言って食べ始めたのは都牟刈の姫巫女・ティルミー(a05625)だ。
 さよりや白魚、ニシン、アジ、初カツオなど旬の魚の刺身やアサリやハマグリの磯焼き、野菜の煮物や焼いたものなどを次々と小皿に取って食べていく。デザートも果物などを使ったものが多く、目移りしながら食べるものを選んだ。
「僕はこのバットに誓うっ! レイメイさんのお誕生日であるけれどこの勝利、頂きます!」
 八尺瓊の武士・ハヤタケ(a14378)はそう言いながら、何処からともなく取り出したバットを掲げる。そして、いろいろな料理を小皿へと取り、食べていった。アスパラや春野菜とチーズがたっぷり載ったピザを見つけて、期待通りだと嬉しそうだ。
「……きっとあのお腹の中はマリンキングボスの胃袋につながってるに違いない……」
 姉であるティルミーの様子を窺いながら、ハヤタケはぽつりと呟いた。
 始まる前から涎を垂らさんばかりの勢いで、料理を眺めていた彼女は、彼の倍以上の速さで料理を平らげていた。その様子に負けていられない、とハヤタケもペースを徐々に上げていく。
「おめでとう!」
 気の利いた言葉は思いつかない。だからこそシンプルに、レイメイへと誕生日の祝辞を告げた気まぐれ郵便屋・シオン(a72874)は、早速大会へと参加する。好き嫌いもないため、胃が限界を訴えるまでは食べるつもりでいる。もちろん、誕生日であるレイメイを楽しませるために彼女が限界そうならリタイアするつもりなのだが、レイメイはその小さな身体の何処に入っていくのかというほど、食べていた。
 炎帝の抱擁・エル(a69304)と禁呪領域・トール(a68949)は、デザートばかりを集めて、小皿に取って来た。
「王道といえば、苺大福ですよね」
 トールは、大福のような菓子を食べたことがないというエルのために、苺大福を探してみる。
「どんなお菓子が出てくるのか、ワクワクしちゃうな♪」
 季節の果物をふんだんに使ったケーキやタルトを集めて、先にテーブルへとついたエルは、トールが来るのを待つ。
「お待たせしました。これは中にまるまる苺が入っているのですよ」
 そう言って、トールがフォークで半分にした菓子は薄い餅のような生地に包まれた餡の中心に苺が一つ、ヘタをとっただけのそのままの姿で入っている菓子だ。
「美味しそうだねっ♪」
 エルはそう言って、それぞれが取って来た菓子を半分ずつに分け合い食べる。
 途中トールがリタイアし、残りの菓子はエルが食べきった。
「エルさんと食べた中で一番美味しかったケーキをお勧めしたいと思います」
 少し休憩した後で、トールとエルは、ケーキを一つ小皿に載せ、レイメイへと差し出した。
「お誕生日おめでとうございます」
「お誕生日おめでとう」
 2人の言葉が重なる。レイメイは嬉しそうに差し出されたケーキを受け取った。
「レイメイ、誕生日おめでとう。料理しかできんから、腕を振るう」
 そう言って寡黙な守護者・アクシオン(a68250)は水色のエプロンをつけて、料理する側に回った。
「こういう大会は初めてだからな、要領が分からん」
 言いながらも出される料理は全て口に詰め込んで、光の聖皇剣神・ジン(a73068)は呟いた。
「そこの御飯乃人〜、さっさと料理持って来〜い!!」
 目の前の料理が無くなったのでジンはレイメイへと料理を振舞っていたアクシオンへと声をかけた。
「さあ食え、遠慮無く!」
 レイメイへも振舞っていた射銛を使った料理をアクシオンはジンへと持っていくと、無理やり口を開かせて、捩じ込んだ。
「うぐぐ……っん。不味いな、これ……」
 無理やり捩じ込まれた料理を嚥下して、ジンは言う。アクシオンがこっそり刻んだマリモが料理の中に紛れていたのだが、ジンはその一言で済ませた。
「何だ? もう終わりか?」
「いや、もっと持って来い!」
 アクシオンの言葉に、ジンは答え、彼に給仕させるのであった。
「レイメイさん、お誕生日おめでとうございます!」
 緋威の・ソフィア(a65286)はそう言って、イブニングドレスを彼女へと渡す。そして、持ってきた小麦粉やラズベリー、クランベリーで作ったジャム、春キャベツに自家製ソースを用いて、ワッフルとホットケーキとキャベツ入りのパンケーキを作り上げた。
「おいしそうに食べてくれる人って、見ているだけでも嬉しいですね♪」
 作る傍から、料理を持って行き、食べてくれる大会参加者の様子に、ソフィアは嬉しそうに微笑む。
 多めに焼き上げ、調理具を片付けると彼女自身も大会へと参加するべく、料理を小皿に取り分けて回った。
「嫁を質にいれてでもってくらいだ、コレを外すことはできまいっ!」
 緑閃撃崩・クロゥンド(a02542)はそう言いながら、初カツオの藁焼きタタキを小皿に取り分けた。
「食い放題というのだから何かの食材の名産地な気もしてきたな……」
 変わった食材を使った料理もあるのだろうかと探し回り、クロゥンドは大会を楽しむ。
「……あの唐変木、温泉でせっかく良い雰囲気になったのに……どこの何と何を見比べていやがりましたかにゃっ!」
 油断してしまうと出てしまう口調になってしまいながらも真経津の姫巫女・トゥシェ(a05627)は、大会へと参加する。
 先日の温泉での出来事を思い出しつつ、彼女が手にしたのはフォークとナイフ。きらりとそれぞれの先が妖しく光る。
「……じゃんっじゃんっもってくるにゃーーー! 食べて食べて、付けるものつけるにゃっまずはそれからなのにゃ!!」
 叫び、トゥシェは運ばれるがままに料理を食べ始めた。
「レイメイ様、お誕生日おめでとうございますぅ♪ 今日はお祝いに楽しく食べましょうねぇ♪」
 底無し飽食姫・イヴリン(a50404)は、レイメイへとそう挨拶をして、彼女の傍で食べ始める。大会だけれど、順位など気にしない。
 イヴリンは、食べ物がなくなる心配をせずに食事を出来るという、夢のようなこの大会に、うっとりとしながら料理を堪能している。
「おかわり、もっとおかわり持ってきて下さぁ〜い……♪」
 お腹がはちきれそうなくらい食べた後もそのお腹をぽんぽんと叩きながら、幸せそうにおかわりを要求するのであった。
「なんてこったい……そういうことだったんだっ」
 観客席の物陰からトゥシェの様子を覗いているのは、青き雷鷹・ヴェック(a19321)だ。けれど、彼女が誤解をしてしまっていることに気付き、思わず身を乗り出す。
「誤解だっトゥシェちゃんっ! そんな食べ方したら、体が受け付けないっ! 君は君のままでいいんだよっ君は君の良さがあるからでっ例え……」
 そこまで言って、ヴェックは言葉に詰まる。次の言葉を理解されてしまったかどうかは不明であるが、自分が発しようとした言葉に思わず鼻血を噴出しながら、倒れこんだ。
 気付いているのか居ないのか。我を忘れて食べ続けるトゥシェの様子に、ヴェックはゆっくりと起き上がる。
「分かった……君の覚悟はそれほどなんだね……。俺も参加するぜ! 途中参加だから規定外だろうけど、苦楽を分かち合わせてくれ! そして夏の浜辺で一緒にブートキャンプしよう!」
 そう言って、ヴェックも途中から、大会へと参加した。

●日が暮れる頃……
 昼前から続いた大食い大会も日の沈む頃には料理がなくなり、また大会参加者たちも根をあげ始め、終了となる。
 大会を開いたという町の代表が、広場の中央に出てきて、今大会の様子を皆に伝えた。そして、表彰すべき参加者たちを選んでいく。
 量を食べた者として、イヴリンが選ばれた。
 その後は、大会開催者から見た視点で、町の料理を楽しそうに、美味しそうに食べてくれた者たちが選ばれていく。冒険者たちの中にも選ばれた者が居た。
 表彰式が終われば、自然と解散の流れになっていく。
「レイメイさん、いつもありがとうございます。これからの一年、素敵なことがたくさんありますように」
「レイメイ、誕生日おめでとう。そしていつもありがとうな」
 去り際に、セラとアイギールがレイメイへと挨拶しに来た。
「最高に楽しい誕生日会に参加させてくれてありがとう」
 満腹で動けないながらもレイメイの傍へとやって来たシオンは、彼女に礼を言う。
 ニルギンがレイメイの元にやって来て、送っていくと申し出た。レイメイは笑みを向けて、その厚意に感謝する。
「レイメイさん。今度私の手料理を食べてくださいね。腕によりをかけて作りますから」
「楽しみにしているのなぁ〜ん♪」
 帰路に着きながら、ニルギンが頬を赤く染めて発した言葉に、レイメイは微笑みながら答えた。


 終。


マスター:暁ゆか 紹介ページ
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作成日:2008/05/22
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シュヴァルツェ・キリア(a71164)  2010年06月27日 03時  通報
リンゴ飴は受け取ってくれて嬉しそうで良かったなぁ〜ん。
負けぬ気で行ったけど流石に優勝者さんには敵わないなぁ〜ん。

…今なら勝てる気がすると思うけどなぁん!