決戦ブックドミネーター 〜旧ソルレオン領周辺調査依頼〜



<オープニング>


●旧ソルレオン領周辺調査依頼
 ユリシアです。
 ドラゴンロード・ブックドミネーターとの決戦、お疲れ様でした。
 皆様の勝利がなければ、ランドアース大陸に第2第3のヴァラケウス、或いは他の強大な敵が出現していたに違いありません。
 それを阻止し、ランドアース大陸の平和を勝ち得た事は、本当に喜ばしい事だと思います。

 ただ、第3作戦の選択により、旧ソルレオン王国周辺で少なからぬ混乱が起こっているようです。
 蒼氷のヴァラケウスの自爆によって削られた旧ソルレオン領の台地が元に戻ったという連絡や、光輝の武都ディグガードが復興しているとの連絡……他にも、ヴァラケウスのドラゴン界が出現した際に消滅したドラゴンズゲート『カダスフィアフォート』が、再びその姿を取り戻したとの連絡も寄せられているのです。

 ドラゴンロード・ブックドミネーターとの戦いが終わったばかりで、申し訳ありませんが、この異変の調査をお願いできないでしょうか。
 もし、ソルレオンの方の存在が確認された場合、今度は平和裏に話をすすめられればと思います。
 それ以外にも、カダスフィアフォートや周辺の様子、樹上都市レルヴァをはじめとした西方ドリアッド王国の様子など、確認すべき事は多くあると思います。

 現時点では判らない事ばかりで、何を調査すれば良いのかもわかりません。
 ですが、ドラゴンロード・ブックドミネーターを倒した皆さんならば、正しく状況を把握し、正しい判断ができると思います。
 是非、よろしくお願いしますね。

 それでは、皆様からの吉報、心よりお待ちしております。


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参加者
NPC:紫電の虹・リアージュ(a90131)



<リプレイ>

 ドラゴンロード・ブックドミネーター戦の後、ソルレオン領に起きた異変。
 その調査に赴いた冒険者達は、ランドアース大陸の各地に散った。
 それは、かつて大陸中央部において最大勢力を保ったソルレオンという種族が滅亡したことが、その後の歴史に対してどれだけ大きな影響力を持っていたかを示していただろう。

 再び現れた、ソルレオン領とその住民達を調査する旅路は、すなわち、あり得たかも知れないもう一つの歴史の在り様を、確認する旅路でもあった。


●正義の防壁マルティアス
 リザードマン領の最も西に位置するカディス地域をさらに西に向かえば、ソルレオン領との国境線に辿り着く。ここを越えれば、ソルレオン領の東部を守る護衛士団、正義の城壁マルティアスの守備範囲だ。
 このマルティアスを経由して北西方向に進むのは、ソルレオンの聖域、光輝の武都ディグガードに赴くための最短ルートでもある。
 本来の歴史ではモンスター化したソルレオン達によって滅びたマルティアス城砦に辿り着いた冒険者達は、そこに、ありし日と同じ街の姿を見ることになった。

「……いるね、ソルレオン」
 街の中を覗き込み、天照・ムツミ(a28021)が目を細めた。
 本来の歴史において、レルヴァ大遠征の渦中で滅びた獅子頭の種族、ソルレオン。
 だが、街の中には当然のように彼らの姿があり、街の人達もそれに違和感を感じている様子は見受けられない。
「これもブックドミネーターを倒した影響の一つ……ということでしょうか」
「とりあえず、城砦に行ってみようか」
 ソルレオンは、その頑固さで知られた種族だ。
 予め調査の許可などを求めておかなければ、まずい事になるかも知れないと考え、帰ってきた卓袱台聖人・マージュ(a04820)をはじめとする者達が護衛士団本部だった城砦に向かう。
 だが、城砦に向かうにつれ、彼らは違和感を感じ始めていた。
「……人気が少ないな」
「そうですね、なんだか、誰もいないみたい……」
 深淵の騎士・ホレイト(a65543)の言葉に、深淵に守護されし蒼璧の神竜姫・ミナルディア(a64280)が頷く。
 城下町の喧騒と城砦の規模に比べ、城砦はいかにも人気に欠けていた。
 最大時には300人が詰められるだけの規模を持つマルティアス城砦だけに、その空虚さは一層強く感じられる。
 だが入り口に近付くと、そこにあった詰め所にはソルレオンが待機していた。
 そのことにどこか安堵を感じつつ、マージュが代表して声をかける。
「失礼。同盟諸国より依頼を受け、この地における先日の戦の影響を調査しに参った者です」
「調査……?」
 怪訝な顔をするソルレオンに、紫艶なる戦姫・フィオリナ(a19921)が続けて告げた。
「よければ、団長さんに話を聞きたいんだけど……」
「メロスと言います。都合が悪いようでしたら、待ちますが、どれ位で戻られますか?」
 贄花・メロス(a38133)の問いに、再びソルレオンは首を傾げる。
「団長……ディオン殿の事かい? あの人ならディグガードだよ。俺も城砦が荒れないよう、管理は引き受けてるが……」
「ディグガードに?」
 護衛士団長がディグガードに行くなど、よほど大きい事件でもあったのか。
 そう考えた冒険者達の疑問を、続く言葉があっさりと否定する。
「いや、そういうわけじゃないさ。あんたらも知ってるだろ? マルティアス護衛士団は……」
 大仰に肩をすくめ、ソルレオンは続ける。
「あんた達に負けた、そのすぐに解散したからな。団長殿も、今は普通の冒険者だ」


●街道を行く
 マルティアス方面から赴いた者、カダスフィアフォートへのゲート転送を利用してソルレオン領内に入った者……いずれにせよ、ソルレオン領の内に踏み込んだ者は、すぐにソルレオンと遭遇する事となった。
 多くの冒険者達はソルレオンとの遭遇が即座に戦闘に直結する可能性すら懸念していたが、幸いなことにそれは実現しなかったのである。
 街道を行くソルレオン達は、冒険者達の姿を特別なものとは思っていない様子だった。
 滅亡前の彼らと友好関係にあったドリアッドやプーカは勿論のこと、他の種族であっても見咎められることなく、通行出来ている。
 遭遇したソルレオン冒険者にいきなりバナナの皮を踏ませたバナナん王子・ロア(a59124)が追われたりはしていたが、それとてお説教で済んだ位だ。
 なお、説教の内容はロアの右耳から左耳に抜けて行ったので、実質被害は無いと言っていい。

 そして、幾人かの冒険者達は、出会う端からソルレオンに対して積極的に質問を行っていた。
「私はエンジェルの冒険者、イフンケ。ヒト族の方は私の御義父さんニドムです。私達は悪のドラゴンが起こした時間変異の影響を懸念し、調査のために馳せ参じました」
 【レラチセ】の未熟な紋章術士・イフンケ(a32947)も、出会ったソルレオンにそう話しかける。
 流石に突拍子も無さ過ぎたのか、ソルレオン達は時間改変について真剣に受け取ってはくれなかったが、話す過程で分かって来たのは、彼らが同盟諸国の冒険者達を仲間であると思っているということだ。
 緑閃撃崩・クロゥンド(a02542)や碧澪瀑布・オカミ(a05622)ら、ソルレオン領の外周を巡るように移動していた【おさんぽ】の冒険者達も、一つの結論に至りつつあった。

 すなわち、『ソルレオンは既に同盟諸国の一員である』と、彼らソルレオンは認識している。

「世の中そう言う事もある……」
 話を聞いていたソルレオンに礼を言って別れた後、漢・アナボリック(a00210)は、思わずそう呟いていた。
「……都合良過ぎですね」
 自分達が自分の精一杯でやった行為を無にしたようなものだと、嫌悪するかのような表情で月紅風穢・アコナイト(a03039)が呟く。
「真偽はともかく、同盟諸国とソルレオンが、最低でも友好関係にあるのは間違いないですね」
 村人達から話を聞いていた楽風の・ニューラ(a00126)や紅獅子姫・ラミア(a01420)達も、困惑の表情を隠せない。
「ドラゴンとの戦いの中で同盟諸国入りした……という事でしたが」
 想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)は、ソルレオンから聞いた話を反芻する。
 やはりと言うべきか、復活を果たしたソルレオン領の内部は、同盟諸国の冒険者達が知る本来の歴史とは異なる道を辿ったことが、調査の過程で分かって来ていた。
 冒険者達が調べを進める中で、その影響も散見される。
「こちらの街道に同盟冒険者が来た事はあまり無いようだな」
「ディグガードが滅びなければ、メインの街道が使えたから、かな」
 西へ通じる街道を行く誇り高き白鱗・ゴードィ(a07849)は、たまたま同道することになった暁に誓う・アルム(a12387)とそう話をしていた。
 かつて、レルヴァ大遠征での敗北の後に、同盟諸国の冒険者達はソルレオン王国の南部を西に横断する街道を奪還し、トロウルの手に落ちたレルヴァの道を切り開いた。
 だが、トロウルによってソルレオンが滅びなければ、この街道を利用する必然性は薄い。
「まぁ、いずれにしても『こっち』でソルレオンと同盟諸国は良好な関係……という事か」
 大地を歩みゆく者・ラング(a50721)が確信を口にする。
 ソルレオン領、ひいてはディグガードが滅びていない事は、白暁の武人・シャオルン(a20829)や蒼空の歌姫・セレーネ(a40522)が街道沿いの村々で行った調査によっても裏付けられていた。
「ですが、詳しい事はさすがに一般の方々はご存じないようですね」
 一般人が知る事と言えば、ソルレオンと同盟諸国の仲が良いこと位だ。
「同盟諸国とソルレオンが、敵対していないだけでも幸いとは言えるが……その辺りはディグガードに行った人達に任せるしかない、か」
 言って、シャオルンは台地中央の方角へと視線を向ける。
 そちらにあるのはソルレオン王国の首都にして誠実のグリモアを擁する大都市、光輝の武都ディグガードだ。


●光輝の武都ディグガード
 首都であるディグガード方面に向かうにつれて、ソルレオンの数はますます多くなっていた。
 マルティアスはともかくとして、流石にディグガードの護衛士団は解散していないと見え、護衛士団の徽章をつけているソルレオンの姿も見受けられている。
 冒険者達が近付くにつれて、ディグガードの賑わいは次第に明らかとなる。
 本来の歴史では、ザウスの雷によってソルレオンと共に滅び去ったこの都市は、しかし今、冒険者達の前にランドアース最堅とも言われた姿をそのままに見せていた。

「本物なぁ〜ん? 足あるなぁ〜ん?」
 とことこと近付いた南風に舞う淡雪・メロディ(a14800)が、ディグガード入り口に立つ門番のソルレオンの足をぺたぺたと触っている。
 困惑した様子の門番に、さらに喜びの飛びつきをかまそうとした狂月兎・ナディア(a26028)の首根っこが、別の冒険者達によって押さえつけられた。
「生きててくれて良かったぜなぁ〜……もごっ」
 話がややこしそうになるのが阻止されるのを横目で見つつ、チーム【獅心】のリーダーである希望の腕・サータリア(a65361)は、城門の警備をしているソルレオンに話しかける。
「失礼します、先日の戦いの調査に来たのですが……」
「先日の……?」
 首を傾げるソルレオン達の反応も、冒険者達にとっては既に見慣れたものだった。
 ともあれ、冒険者であれば自由に通行して構わないと言われ、調査隊の面々はディグガードを囲む防壁の内部へと通された。
 壁の内側に広がるのは、ランドアース最強と言われた列強種族の都に相応しい、人通りで賑わう城下町だ。
「……平和、ですね」
 風来の冒険者・ルーク(a06668)はどこか眩しげに目を細める。
 人通りで賑わう通りから視線を上に向けた三賞太夫・ツァド(a51649)は、城壁の一部が新しい事を見て取っていた。
「どうやら、一度壊れた部分を修復したらしいが……そう古いもんじゃないな」
 だが、ドラゴンウォリアーの力によるものではない。
 歴史がいかなる形に改変されたのか……それを知る一つの手がかりにはなりそうだった。

 冒険者達がディグガード中に散って情報の収集に当たる中、灰色の貴人・ハルト(a00681)は、一人、まっすぐに聖域でもある王城へと向かった。
 かつて所属していたノルグランド傭兵大隊で世話になったソルレオンの武官、イリュードへの取次ぎを頼むと、ややあってイリュードが顔を見せる。
 自分を見た瞬間に顔を強張らせたイリュードに、ハルトは落ち着いて声をかけた。
「……久しぶりだね」
「ああ……息災のようだな」
 顔を引きつらせたままに答えたイリュードは、手を差し出し、握手を求めて来た。
 応じたハルトの手を強く握り、さらには脈まで取ってから手を離したイリュードは、困惑の混じった表情でハルトを見やる。
「どうやら、ノスフェラトゥが死体を操っているわけでも無さそうだな。……貴様、何故生きている? 私は貴様達の葬儀にも立ち会ったんだぞ?」
「……それを説明すると長いんだけどね……」
 どうやら、『こちらの歴史』ではノルグランド傭兵大隊は完全に死んだものとして扱われているらしい。どこから説明したものかと思いつつ、内心の溜息を噛み殺すと、ハルトはゆっくりと口を開いた。

●もう一つの歴史
 しばらくして、ディグガードの調査に訪れた冒険者達は、王城の大会議室に通されていた。
 チームを組みながらも、実質個別に散らばって調査を行っていた冒険者達だったが、事態を把握したソルレオン側が急遽彼らを呼び寄せたのだ。
 当初、ソルレオン達はドラゴンロード・ブックドミネーターと、その能力である歴史改変について妄言としか捉えていなかったのだが、死んだはずの者に生きて出て来られては、流石に信じないわけにも行かなかったらしい。
 冒険者達が呼ばれた理由は、同盟諸国の者達が認識している『本来の歴史』と、ソルレオン達の認識している『もう一つの歴史』との比較照合を行うためだ。
「我らがどの様に歴史を認識しているのか、既に調べてはおるのだろう?」
 ソルレオンの王、日輪王マグナ・アグサスの問いかけに、冒険者達は首肯を返す。
 ソルレオン達の認識する歴史……それはすなわち、フリージング・タイム・ゲートの影響によって生まれた『もう一つの歴史』のことを差す。
 ディグガードにおいて、それに街道を進む間にも行われた調査の中で、冒険者達もおおよその調べをつけていた。
 ソルレオン達に促され、冒険者達は自分達の調べた、『ソルレオンの認識している歴史』について順に語り出す。

「ええと……まず、レルヴァ大遠征の中で、同盟諸国は西方ドリアッドからの救援要請に応じて、樹上都市レルヴァに援軍を送ると見せかけて……一気にディグガードを制圧しました」
 氷鏡紫藤・リアラマ(a66139)がおずおずとそう口にした。
 この事件が、自分達の歴史認識と、ソルレオン達の歴史認識の、最初の分岐点だ。
 ブックドミネーターとの戦いの中で、フリージング・タイム・ゲートが冒険者達の前に示した歴史の転換点の一つでもある。
「我らはそう認識しているが、そなた達の言う『歴史的事実』は、違うのだな」
「ああ、そうだ。詳しい事は、後でこいつを見てくれや」
 マグナ王の問いに、大樹の護符や当時の作戦指令書を提示しながらストライダーの武人・カラート(a73596)が言う。
「誇リ高いソルレオン達を失いたくはナカッタ。アノ攻撃は裏切りではナく同盟の苦渋ノ決断。ドウカ俺達の話をモットキイテ欲しい」
「誇り高き方々…俺達は、あなた方がグリモアの加護を失ってしまう事だけは避けたかったのです」
 銀刻ノ灰狼・ズィヴェン(a59254)、それに二振りの剣・マイシャ(a46800)がそう説明するのに、過去を欠ける追憶の戦風・ロスト(a18816)も続く。
「謝って済むことではないかも知れないけれど……え?」
 何故かソルレオン達が苦笑する気配に気付き、冒険者達は思わず言葉を止める。
 その反応に気付いたのか、マグナ王は軽く手を振った。
「許せ。皆、そなたらを悪く思っているわけではないのだ。我らはそなたらの言が事実だと知り、加えて『我らの歴史において、一度それを許している』からな。今更、そなたらに与える罰を我らは持たぬ」
「しかし、それでは……」
 自分達の気が済まない、と言いかけた冒険者達に、マグナ王は厳かに告げた。
「我らソルレオンから、今のそなた達に与えるべき罰は無い。だが、そなた達が『偽りの歴史』において我らを討ったことに罪を、呵責を感じるならば、それがそなた達への罰だ」

 罪悪感のある限り、罰が終わることで、人は己の罪が終わった事を知る。
 罰されなかった罪は、永遠にそこに残り続け、棘のように己の心を苛むのだ。
 結果的に正解であったとしても、それが偽りの歴史の中であったとしても、ソルレオンを討ったことに呵責を感じるのであれば、彼らはそれを感じ続けなければならないのだろう。

「罪の在り処を忘れるな。力持つ列強種族の冒険者には、それだけの責任が伴う……とはいえ、これも一度はそなたらに負けた種族の王の戯言よ。……さて、話が逸れたな。続きを頼む」
 表情を緩めたマグナ王に促され、今度は山茶花賛歌・イロハ(a44667)と守護者・クリス(a73696)が自分達の調査結果を口にする。
「ディグガードを奪取した同盟諸国は、北部戦線を突破して奇襲をかけて来たトロウル神官団を壊滅に追い込んだのね。その後……」
「その場に集結させていた戦力を投入して、樹上都市レルヴァを奪還した」
 同盟諸国がレルヴァ大遠征に用いた戦力を投入すれば可能であったかも知れない手順。
 複雑なものを抱きつつ続きを口にしたのは、瑰麗な十日夜の金鏡・ラジシャン(a31988)だ。
「誠実のグリモアが同盟諸国のものとなったことで強化されたソルレオン達の力もあり、西方ドリアッドは……樹上都市レルヴァは、戦力の大半を損耗しながら、この時点で保たれていました」
 失われた戦力の中には、その戦いに参加した唯一の同盟冒険者であったノルグランド傭兵大隊も含まれていた。
「そして残存勢力が聖域に立てこもり、防衛戦を行っていたところで……同盟諸国が、全軍でトロウルの後背をついたわけですね」
「神官団に続いて、レルヴァに攻撃を仕掛けていた軍までもが大幅に戦力を失い、トロウル達は撤退することになった……こんなとこか」
 今宵も諍う蒼黒狐・ヒュウガ(a53116)が、その戦争の流れについて、そう締めくくる。
 『もう一つの歴史』におけるレルヴァ大遠征……トロウルと同盟諸国の最初の戦いは、同盟諸国の勝利に終わっていた。
 それはソルレオンとの間に禍根を残すことになったが、大量のモンスターを生み出す結末は避けられたのである。


「その後の歴史は、本来の歴史と大きな違いはありませんね。ソルレオンの皆さんと、同盟諸国との争いはあったようですが……」
「むしろ、ソルレオンが滅びなず、新たなモンスター地域が生まれなかった事で、全体的な進軍は早まったと言えるかも知れない」
 ソルレオンの王で、ディグガードの戦いで敗北したマグナ王が生存している事を考えても、両国の間に大きな戦いが無かった事は察された。
 大陸制覇の野望を捨てないトロウルに対抗するべく、同盟諸国は大陸北部へと侵攻。
 やがてはザウス大祭阻止とトロウル最終決戦を経て剛力の聖域オグヴに攻め込み、大神ザウスと対面する。
「そして、『神との戦い』で大神ザウスを倒し……」
「それと同時に、カダスフィアフォートにドラゴンロード・ヴァラケウスのドラゴン界が出現するわけですね」
 もう一つの歴史においても、ドラゴンとの戦いは起こった。
 ドラゴン界の出現地域となったソルレオン領が、侵略機動で多大な被害を受けたのも同じだ。
 だが、ドラゴンとの激しい戦いの中で、ある意味で最も大きな転換が起こる。
「ソルレオンの皆さんが認識する歴史の中で、ソルレオンが同盟諸国に加入したのはここだね」
「然り。ドラゴンと戦うドラゴンウォリアーに助力すべく、我らも同盟諸国に加わった」
 確認するように問うた白楽天・ヤマ(a07630)に、マグナ王が首肯を寄越す。
 そして、ソルレオンを加えた同盟諸国は、ヴァラケウスを討ち果たしたことで、ランドアース大陸には平和が戻ったのだという。

「ただ、その後の歴史については大きく違うようですね」
「ドラゴンロード・ブックドミネーターの事は、ソルレオンの皆様はご存知ないのでしょう?」
 破壊するもの・ソニア(a04986)が問うのに、ソルレオン達は知らないと応じる。
 ソルレオン達の認識する歴史に、欠けているのがブックドミネーターとの戦いだ。
 ソルレオン達が記憶しているドラゴンとの戦いは、ヴァラケウスとその配下を相手にしたもののみで、ブックドミネーターの存在を彼らは知らなかった。
「蒼氷のドラゴン達についても、現れていないわけですよね」
「そうだな。お前達の言うように、ソルレオン領が消滅したりもしていない」
 ソルレオン達の歴史において、ブックドミネーターはその姿を現していなかったという。
 蒼氷のヴァラケウスによってソルレオン領が失われることもなく、ソルレオン達は『もう一つの歴史』において『同盟諸国の一員として』存在していたのだ。
 フリージング・タイム・ゲートの中にあった異なる歴史……それは、ブックドミネーターが作り出したもの。かの保身に長けたドラゴンロードは、自分が倒される可能性を作り出した歴史の中から排除していたのかもしれなかったが、全ては推測に留まった。

「現象的には、本来の歴史の中に、『異なる歴史』の記憶を持ったソルレオン達が入って来た……ということになるのかな」
「ブックドミネーターによってフリージング・タイム・ゲートの中で再現されたかどうか、が関わっているのかも知れないね」
 長い会議を経て、冒険者とソルレオン達は、そう結論付けていた。
 ソルレオン領の復活後も、本来の歴史においてレルヴァ大遠征の渦中で死んだ同盟諸国の冒険者が蘇ったりはしていない。
 その現象に理屈をつけるならば、それが最も適切だっただろう。
 フリージング・タイム・ゲートは、冒険者達にとって味方とな存在を再現していなかったのだ。

 一通り歴史認識の違いについても話し終えると、残る問題はただ一つだった。
 はたして、ソルレオン達は同盟諸国とどのような関係を望んでいるのか?
 獅子の魂を継ぎし者・ディラン(a17462)が伝法な口調で言う。
「……で、どうすんだ? オレ達は、アンタ達と一緒に、より良き未来を築きたいと思ってる。たとえ、ここがあんた達の生きていた歴史とは違ったとしても、な」
「誰かが犠牲にな歴史はもう嫌です。無茶苦茶なのはわかってます。でも……ただ、民のために同盟と友好関係を結んでください」
 緑青の剣・ライカ(a65864)の率直な願いに、マグナ王は微笑すると口を開いた。
「たとえ歴史が書き換わろうとも、我らが同盟諸国の一員であるという事実は変わらぬ。そなた達がそうと認識するならば……希望のグリモアは、ソルレオンの力をそなた達に与えるだろう」
「それじゃぁ……!」
「私の認識では二度目となるが、再び宣言すべきだろう。ソルレオンは、今日この日より同盟諸国の一員であると!」
 それが、ソルレオンが同盟諸国の一員となった瞬間だった。

 後に判明したことだが、誠実のグリモアは、この時点で既に希望のグリモアの影響下にあったという。
 グリモアは、口にされるよりも早く、冒険者達の意志を反映していたのかも知れなかった。


●影響の不在
 ディグガードにおいて、まさに『歴史的』な会談が為されている頃。
 かつてのレルヴァ大遠征で、戦場となった樹上都市レルヴァは、端的に言えば混乱していた。
「まぁ、死んだはずの人達が生きて戻って来たら、確かに大変な騒ぎになりますも」
 大きな調査部隊の一つ、【翠】の発起人にして隊長たる翠玉の祈花・リアンシェ(a22889)は、レルヴァの様子を見下ろしながらそう呟く。
 夜明の使者・クラトス(a71069)など、冒険者達の調査によれば、西方ドリアッド領では、ディグガードで死んだはずのソルレオンやモンスター化して涙ながらに倒されたソルレオンが突然尋ねて来て、それを見た者が卒倒する、といった事態が散見されているらしい。
「レルヴァ以外でも、同じような事は起こってるようだね」
「ソルレオンと西方ドリアッドの間でも、歴史認識の違いで大変だったみたいだけど……」
 調査に当たっていた【新緑】の鮮紅を纏いし者・ファーラ(a34245)達は、周辺住民や訪れたソルレオンから話を聞いていた。
 そうした中で、レルヴァを訪れた冒険者達も、ディグガードに行った者達と同様、ソルレオン達がいかなる状況にあるか理解しつつある。
 もっとも、彼らレルヴァの調査に当たった者達で確認する事が出来たのは、歴史改変による影響のうち、副次的なものだけだ。
「この辺りの歴史の流れは、本来の歴史と変わらないようですね」
「ソルレオン領にだけ別の歴史が割り込んだ、と見るのが適切かな」
 エンジェルの重騎士・メイフェア(a18529)に、暗闇の太陽・バド(a26283)が
「出来ればトロウルも……と思ったが、それはムシが良過ぎたか」
 バドは軽く首を振る。自分の考えに、自嘲気味の苦笑が浮かぶのを感じた。
「西方ドリアッドの冒険者達はドラゴンウォリアーだからそもそも歴史改変の影響を受けないし……一般人にも影響は無いようだね」
 森を見て回った翠影の木漏れ陽・ラズリオ(a26685)が言うのに、色持たぬ・ヨハン(a62570)がうなずく。
「レルヴァ大遠征以降の歴史についても、西方ドリアッド達の認識は本来の歴史のものを維持しているようですし……」
「トロウルによる誠実のグリモア奪取によって生まれたモンスター達も、西方ドリアッド領内を徘徊しているようだ」
 その点については幸いというべきか分からないが、と太陽ノ鴉・カコウ(a68855)は苦笑する。
「まぁ、変な影響がなくて何よりか」
「そうだな。フリージング・タイム・ゲートの中での選択のせいで、トロウルに支配されていたりしたらと思うと……」
「あっちじゃ、見捨てたと思ったからねぇ……」
 侍魂・トト(a09356)や流星撃・ジーン(a43783)が、安堵混じりの息をつく。
 多くの冒険者は最悪の場合、この調査において歴史の改変で復活したトロウル達との戦闘が発生することすら危惧していた。
 二番目に悪い予想は西方ドリアッドとソルレオンに襲われることだったが、そのいずれも外れた形になったわけだ。
 西方ドリアッド領は冒険者達の奮戦の痕跡を残している。
「……私達の戦い、無意味なんかじゃありませんでしたよね」
 靡ぶ銀縷・リモーネ(a08466)は、呟くようにそう告げる。
 かつて西方ドリアッドの人々を守るために戦った者達が植えた桜の木は、6月の陽光を浴びて、緑の葉を静かにそよがせていた。

 他方、ノルグランド傭兵大隊のメンバーを主とする【元大隊】の冒険者達や、四天裂く白花・シャスタ(a42693)、ドリアッドの牙狩人・ライオー(a74432)達は、西方ドリアッド領を経てプーカ領へと進んでいた。
 レルヴァ大遠征の主戦場から外れていたプーカ領にも、当然のように影響は無い。
「良く分かんないけど、ソルレオンのおっさん達が戻って来たんなら別にいいじゃん、気にする事無いって!」
「いや、確かにそうかも知れないけどね」
 事件の影響を確かめるべく声をかけたプーカにそう返され、青の天秤・ティン(a01467)は苦笑した。実に適当だが、それがプーカらしいと言えるのかも知れない。


●変わるもの、変わらないもの
「うーん、こちらには、あんまり影響なさそうですね」
「それも良いだろう。影響がなかったということが分かっただけでも良しとしないとな」
 サクラコの言に、ドライザムは苦笑ぎみに応じた。
 サクラコをはじめ、【城壁隊】の冒険者達は、ソルレオン領と同盟諸国領の東部国境線沿いを北上する形で調査を行っていた。
 双心の紋章術士・ゼロ(a60940)が国境線周辺の住民に聞いたところ、ブックドミネーター戦の直後……ちょうどドラゴンウォリアーが撃破した頃に、蒼氷のヴァラケウスによって消滅したソルレオン領の台地が突如として復活したらしい。
「まるで、そこにあるのが当然といった様子で……ですか」
 物理的な衝撃なども伴わず、発生が夜間であったために、翌朝に目覚めてようやく気付いた者もいる程だ。
「ですが、同盟諸国の住民の方には、歴史認識に関する異常は見られませんでしたね」
 大天使長・ホカゲ(a18714)の言葉に、樹霊・シフィル(a64372)が続ける。
「やっぱり、何か起こってるとすると、西側……ソルレオン領内なんでしょうか?」
「じきに、皆が戻って来れば分かることさ。あちらは」
 ソルレオンさんに会いたかったなぁ、と不服げに頬を膨らませるサクラコの頭を軽く叩き、ドライザムは帰路につくべく立ち上がった。


 一方で、ソルレオン領の北部からトロウル領にかけての地域でも、歴史改変による影響は見受けられなかった。
 と言うよりも、『本来の歴史』と『もう一つの歴史』を比較した際に、辿った経緯がほぼ同じと見るべきかもしれない。
「ボルテリオン城砦は、トロウル神官団が攻め寄せる過程で陥落していたからな……」
「『ソルレオンの認識している歴史』と『本来の歴史』の差が発生する前、ですね」
 ボルテリオンの護衛士であった散華疾風・リック(a35408)と芽吹き咲かせる・ミヤクサ(a33619)は、戦刃ボルテリオンの成立過程を思い出していた。本来の歴史においても、ボルテリオン城砦奪還戦が行われ、その後に護衛士団『日輪の戦刃ボルテリオン』が成立している。
 その過程は、時期のズレこそあったものの、『もう一つの歴史』も変わらなかったらしい。
「加えて言えば、現在では解散しているという点も同じみたいですね」
「トロウルがいなくなってしまえば、ボルテリオン護衛士団が継続している意味も無いからな」
 デタラメフォーチュンテラー・イルハ(a27190)と無限の流れ者・ヤミ(a13783)が、人の気配が絶えた城砦を見上げて呟く。

 レルヴァ大遠征以前に既にキマイラと化していた『悪の旗』の軍団……かつてボルテリオン城砦を拠点とし、ここでその最期を迎えた北部第四方面軍のヴァルゴン将軍に関しても、既に死亡していることに変わりはない事が、【渡り鳥】の行った調査の中で分かって来ていた。
「ヴァルゴン将軍は、トロウルを倒すために民を犠牲にする策を用いた……その末路がキマイラ化なのでしたね」
 旅人の篝火・マイト(a12506)は、終わりなき刻を行く蒼焔の翼・フォンティウス(a72821)と共に酒場で情報を収集して回った結果を思い返す。
 本来の歴史においても、ヴァルゴンはレルヴァ大遠征の時点で、既にキマイラとなっていた。
 『ソルレオン達の認識する歴史』においてもそれは変わらず、悪の旗印を背に現れた彼は、本来の歴史と同様、悪事を為して回ったらしい。
「当初は反同盟ゲリラと見られていたが、最終的にキマイラであることが露見。ソルレオンと同盟諸国の両方から攻撃を受け、ヴァルゴンは邪悪なるキマイラとして討伐された……ですか」
 勝利のために憎むべき悪……キマイラへと堕したヴァルゴンのことを思い、月のラメント・レム(a35189)はどこか憐憫の情が心中に生まれるのを感じずにはいられなかった。

 そして、ソルレオン領を離れたさらに北方……大陸北西部、トロウル領における影響を調査していた【蛍火】の冒険者達も、そこに歴史改変の影響を見出す事は出来ずにいた。
「フリージング・タイム・ゲートによって生じた『もう一つの歴史』では、バレジンさんはディグガード戦で死亡したんですけどね」
「私達の認識と住民の方々の認識に差が無いのですから、やはり影響は無いのでしょう」
 『ソルレオン達の認識する歴史』においては、剛力の聖域オグヴには同盟諸国が総力を挙げての攻撃を行うことになったという。
 だが、冒険者達は勿論、オグヴの住民達の知る事象は、剛力の聖域探索部隊が大神ザウスの元に潜入し、対面を果たした……本来の歴史のものだ。
 歴史改変によって直接の影響を受けたのは、ソルレオン領の内側のみであるという事実が、一層浮き彫りになったと言えただろう。


 歴史改変の影響は、ソルレオン領とソルレオン達の再出現、そしてソルレオンの同盟入りという形で結末を迎えた。

 とはいえ、本来の歴史において、ソルレオンが滅亡したという事実が消えるわけではない。
 蒼氷のヴァラケウスによって消滅したソルレオン領のあった場所が復元され、そこに異なる歴史の記憶を持ったソルレオン達、そして一般人達が出現した。
 その様に認識するのが妥当なのであろう。

 だが、彼らの理解において、例外となる場所が、一つだけ存在していた。
 ソルレオン領北西部に位置するドラゴンズゲート『カダスフィアフォート』である。


●カダスフィアフォート
 ソルレオン達の認識においても、カダスフィアフォートはドラゴンロード・ヴァラケウスのドラゴン界が出現したのと同時にこの世界から消滅した。
 男爵・クッカード(a21051)の調べによれば、『もう一つの歴史』においても女神フォーナは確かに降臨し、カダスフィアフォート跡でフォーナ感謝祭を執り行ったという。
「つまり、カダスフィアフォートが復活しているのは、ソルレオン達にとっても理解不能な現象……というわけだな」
 黒鴉韻帝・ルワ(a37117)は、仲間達を振り返ると号令の声を発した。
「行くぞ!」
 カダスフィアフォートへと赴いた冒険者達のうち、探索における主要な役目を果たしたのは彼ら【黒鴉】だった。
 実に探索に赴いた冒険者の半数以上を占める彼らは、人数を活かして効率よく敵を駆逐していく。

 一方、カダスフィアフォートの隣の山でも、ある重要な動きが起こりつつあった。
「ここだ!」
 悪を断つ竜巻・ルシール(a00044)が、後続の2人に向けて声を上げる。
「間違いない、ようですね……」
 零散夢掬・レイク(a00873)、砂漠の民〜風砂に煌く蒼星の刃・デューン(a34979)も、そこに記憶にある裂け目を見る。
 彼ら【雲燿】は、かつてヴァラケウスのドラゴン界が出現する現場に居合わせた者達だ。
 崩壊するドラゴンズゲートの中で出口を探した彼らは、崩れ落ちた壁の向こうに通路を発見し、命掛けでその通路を駆け抜けた。そして、走り抜けた末に辿り着いたのが、この裂け目だったのだ。
 その後もこの裂け目はドラゴン特務部隊がヴァラケウスのドラゴン界への侵入に用いるなど重要な働きをしていたのだが……問題は『壁の向こうに存在した通路』から繋がっているという点だ。
「つまり……この先には未探索領域が広がっている可能性が高い」
「未知のロードによるドラゴン界出現の予兆があるかも知れません。……気をつけましょう」
 デューンの推測の通りであれば、この先には間違いなく敵がいる。
 改めて危険を確認しあい、彼らは一度互いの拳を合わせると裂け目の中に潜り込んでいった。


 カダスフィアフォート内部では、クロックワークサーペントを倒した冒険者達が早速内部の調査に取り掛かりつつあった。
 主な調査の対象となっているのは、最下層にあるチェス盤だ。
「この……脇にある穴は、どこに繋がっているんだろう?」
 赫風・バーミリオン(a00184)が下方を覗き込む。
 この穴は明らかに自然のものではない。わざわざ穴だけ掘るとも思えないから、このカダスフィアフォートにさらなる下の階層が存在している可能性は高い。
 だが、その入り口はどこにあるのか。
 チェス盤の裏に入り込む事は出来ないか、特定の模様にする事で変化はないのか、奥の壁には何か存在するのでは無いか……。
 幾度もの試行錯誤が繰り返されるが、それらは徒労に終わった。
「……そういえば、白黒の床はここだけではありませんでしたね?」
 忍道・ハンゾー(a08367)が、ここに至るまでの過程を思い出して言う。
 第二層『白と黒』や第三層『歩み来る者達の廊下』にも、白黒に塗り分けられた床は存在している。
 それらについても調査を行うべきかも知れない……。
 彼らは来た道を戻ると、新たな調査に取り掛かる。
 そして、冒険者達が『白と黒』の調査をしていた時だった。
「うわっ……!?」
 冒険者達によって黒の正方形が作られた時、不意に音も無く、白いパネルの一枚が消失する。
 ちょうど上に乗っていたハンゾーは、そのまま下に転落する事となった。
「ハンゾー!?」
 仲間達の驚愕するような声は瞬く間に遠ざかり、体重が消えたような感覚が来る。
 だが、それも一瞬だった。
(「……照明!?」)
 眼下を見たハンゾーは、空中で態勢を整えると落下の衝撃に備える。
 受身の態勢のままに体が、ニ、三転するのを感じながら前を見たハンゾーは、そこに意外なものを見た。
「大丈夫か!?」
 声を掛けられ、上を見たハンゾーは思わず目を瞬かせる。彼の目に飛び込んで来たのは、自分を見下ろす【雲燿】の冒険者達の姿だったのである。

 どうやら、ここが当たりらしい。
 カダスフィアフォートの調査に当たった冒険者達は、そう結論づけた。
 別行動を取っていた【雲燿】と、内部調査を行っていた冒険者達が同じ場所に辿り着いたのは、偶然では無かった。
 ハンゾーの落下した先は、【雲燿】の求めていた通路と同じだったのだ。そして通路は、さらに下方……ドラゴン界に真っ先に飲み込まれたと思しき方角に向けて伸びている。

 その先から、奇妙な気配が漂って来ているのを、冒険者達の感覚は敏感に感じ取っていた。
「再びドラゴン界が出現する可能性もある。……探索の必要があるな」
 デューンは真剣な目で、通路の奥を見据える。
 果たして隠された通路の奥に何があるのか……それは、奥に進まねば分からない事であった


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玄天卿・クリス(a73696)  2011年11月22日 22時  通報
初めてプレイングを書いた依頼だったので手探り手探り。
しばらく後にソルレオン関連の依頼を読んで想像していた以上に難しい人達だったんだなぁと思っていたり。
ソルレオンが復活して……元々居たソルレオンではないかもしれないけど、
それでも本当に嬉しかったんだ。

希望の腕・サータリア(a65361)  2009年09月12日 19時  通報
ソルレオン様が過去に滅びたソルレオン様と同じ存在なのかはわかりませんが、
またソルレオン様の元で暮らせることは感無量です。
自分が何者か悩むお養父さんらを見ていると、後悔がないわけではないですが……

獅子の剣を鍛える者・ディラン(a17462)  2009年09月03日 18時  通報
…ブックドミネーターには、ある意味で感謝しなけりゃならねェな。フェルビリアでの悲願が、これでようやく達成できた訳だからな。