花夜ばふ星、月呼ばふ風



   


<オープニング>


●ニンファエアの酔夜
 ――月の貌はうつろい、花の色ははかなく。

 見上げた空は曇天。太陽を覆う灰色の雲は千切れるように風に流されてゆく。
 結いあげた長い金糸の髪がゆるりと風に舞う。
 添えられた白い細腕に常の金鎖の腕輪はない。だが大気と空とが天を仰ぐ彼女に教えてくれる。
 目指す地の今宵の晴天を。
 あの透き通るように清廉な花弁たちが花ひらく頃には、きっと、星月夜が出迎えてくれると。

 ――星も、命も。風駆ける世界すらも、また。

「夜咲きの睡蓮を、一夜、眺めに行こうと思うのです」
 とある辺境、湿原に囲まれた森奥深くにニンファエアと呼ばれる郷と睡蓮が自生する水場があるのだとエルフの霊査士・ラクウェル(a90339)は語った。
 毎年この時期になるとひとり足を運んでいたのだという彼女が、どういった風のふきまわしか今年は、出発前に居合わせた冒険者達にこうして声を掛けていた。
「とりたてて理由などは無いのですが……。白と青の睡蓮と満月とが織りなす光景を皆さまにも是非お見せしたく思いまして」
 自分の一番の目的はこの時期ニンファエアの郷で出回り始める初夏の新酒なのですけれど、と。
 ほのかな照れと悪戯っ気を覗かせる笑みに頬をほころばせながらラクウェルは言い添えた。

 ――でも。たとえいずれ変わり果てようと。消え失せると分かっていたとしても。
 求める心を抑えられなどしない、でしょう?


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参加者
NPC:エルフの霊査士・ラクウェル(a90339)



<リプレイ>


「おや」
 グレイとガルスタは顔を見合わせ苦笑した。この時期だけの急場の店を含めても酒場の数は両手の指を越えない。自然、利き酒と洒落込んでいた者同士、今宵彼らは何度も鉢合わせていた。そういえばノリスが商人相手に得意げに何かを語る光景も何度か見掛けた。
 ラクウェルにも一度会った。グレイがおすすめの一本を選んだら祝い酒に又伺いますと告げれば、では私も返杯にとっておきの御用意をと返して来た。
「この時節に新酒が盛んに呑まれるのはやはり元々は初呑み切りの儀式から端を発するそうです」
 夏前に樽の呑口を開け今年分の出来を確かめる、蔵元にもグレイの様な愛飲家にも大切な行事。
「成る程……うむ、悪くない」
 ガルスタが舌鼓をうった生酒は爽やかな辛口。今年の出来は上々の様だ。


 水面に星は散りばめられ、睡蓮の花弁は空から浴びた月光をはじくようにして仄光り。
(……天地の花と言ったところでしょうか)
 花は咲き、そして散る。だが枯れ尽きぬ限りまた花は巡り来るだろう。天と地とに。
 夜に佇むベルローズ自身もまた一輪の花。八重咲きの花弁は白く柔らかに月の光を受けとめる。

 浴衣地には桔梗、髪の先には白百合が軽やかに揺れる。おめかしに力を入れ過ぎすっかり遅れたリリーナはようやく水際に物想う彼の姿を見つけた。
「フィー!」
 一寸した悪戯心。後ろからそっと近づいたリリーナがサクリフィアの腕に飛びついて声を掛ける。
 作戦通り、振り向いた青年が見せた驚き顔を、少女は満足げに見上げた。

 青い睡蓮を庭に咲かせようとした画家の話をヴァンアーブルは聞かせ始めた。そしてかつて守れなかったものに想い馳せる。だがそれももはや幾星霜……今の己にとって大切なのは貴女だけ。穏やかな夫の傍らで、今夜はむすりと顔を背け相槌の素振りすらも見せない妻。ヴァンアーブルは今更かもしれませんがと微笑しながら、
「私と此れからを作って頂けませんか?」
 返事は無い。だが頑と背けられた端正な横顔と裏腹、夜風にそよぐ背の白羽は何処か優しかった。

「カータンちゃん、あーそぼっ♪」
 ミルッヒからのお誘いにもじもじ思案した少年は森と睡蓮に惹かれ結局くっついて来た。無理させたのではと気遣いながら持参の菓子を手渡すミルッヒに、カタンは顔を真っ赤に染め慌てて否定した。
「……でもカタンはなんだか会うたびミルッヒさんからおやつ戴いている気がするのです」
 照れくさげにそう零して菓子を頬ばるカタンにミルッヒは思わず吹き出しそうになる。
「世の中には素敵なものが一杯あるからまた一緒に色んなトコへ冒険行こうね」
 睡蓮池にみとれながらミルッヒが口にした言葉。少年は目を輝かせ小さく頷くのだった。


 水場から戻ったヴィカルはラクウェルと共に店のテーブルを囲んでいた。
「すっごく綺麗でも、儚くって移ろって何だか寂しくなる光景とかもあるけど。その一瞬一瞬が輝いてたら、それは幸せな事だと思うなぁ〜ん」
 懸命に感じたままを伝えようとする少女の姿が目映い。ラクウェルの前にはヒヅキからの差し入れの酒肴、ヴィカルからチーズ。炙ったイカのが良かったなぁ〜ん? と純真な眼で問われた時にはさしもの霊査士も噎せかけたが。ソラからも誕生日プレゼント代わりにと心尽くしの一皿が置かれた。サンクが薦めた冷酒は店の名物で姫睡蓮の花弁が浮かぶ。杯中の花見を堪能したいが水場を荒らすのはと思案していた彼は大喜びで注文したそうだ。
 郷には笑顔いっぱいで。ヴィカル注文の、オレンジソースのライスプディングも運ばれてきて。
「美味しい物を、綺麗な物を、思いっきり満喫するなぁ〜ん♪」

 喧騒の中だからこそ沈思せずにはいられぬ者も居る。
 フラレはラクウェルへの祝杯に世辞とも口説きともつかぬいつもの台詞の数々を添え、にこやかに退席した。店を変え今は一人ひっそりと酒杯を傾ける。普段嗜む方ではないが今宵は呑みたい気分だった。先の戦争と改変とを思い返せば甘口の酒も何処か苦い。
「仕方ないと分かってはいるので……また明日からも頑張りましょう」
 命の水が又注ぎ込まれる。憂いの玉箒たれと。


 睡蓮は花開く瞬間、音を立てると云う。
 ハジはじっと心を澄ませる。浮かんでくるのは、憧れの人と共に還る事が叶わなかったあの日の事。花はいつか散り月光も朝には消えるからこそ、こんなにも綺麗で優しいのかもしれない。
 この先どんなに苦境や絶望の前でもこうして月や花を見、感じる自分で在りたい。顔を上げ、光と香を吸い込む。目を醒ます様に次々と花開いてゆく白い花弁たち。刹那の音はきっと命の凱歌。

(「ここのところ、随分と駆け足で過ごしてきましたから……」)
 水辺に腰をおろしクレアが思い浮かべたのは最愛の義娘と、彼氏。自分を慕ってくれる仲間達の顔。世界、歴史、そんな大層じゃなくていい。手の届く範囲だけでも一緒に幸せになっていきたい。
 激動と激情と。そんな日々からひと時離れ、穏やかな憩いを求めて訪れた者も多い。
 ボルチェもまた。闇の中、花を求め見出そうとする行為に、各々の真実を求めずには居られぬ人心を重ねた。勝手な思い込みかもしれない。求め辿りついた美も真実も命も、永遠ではない。
 だが花達はそんな事など瑣末とばかり、こうして咲き誇っているではないか。
 世界を懸命に生きる者同士。ボルチュは愛おしげに生命の輝きを見守るのだった。

 手酌で注いだ冷酒をちびりと飲み込むリオン。沁みいる液体が身中を流れる紅へ徐々に火を点してゆく。鏡の如く星月夜を映し花々を浮かべる水面は彼女の目にはあまりにも儚くも無垢な光景で。
 触れるはおろかこうして花の傍らに在る事にすら後ろめたさを覚えていた。白と蒼を穢す、紅の罪は永劫。だがそれでもいつの日か、と。言葉とならぬ願いごとリオンは酒杯を呑み干す。

「はわわぁ〜、お月様と睡蓮、なんて幻想的な光景なのでしょうっ!」
 空と水と。お月様がふたつあるようですとすっかりはしゃぎフェイトの腕を引くシャルティナ。フェイトの顔も思わずほころび久々に安らいでいる自分に気づく。
 ようやく大陸に齎された戦乱の集結、手にした平和……なのにどこか落ち着かない、妙な居心地の悪さを拭えずにいた。
「ほらてんちょ、あっちから甘い香りがしますですよ。もしかしたら青い睡蓮でしょうか」
 だがシャナは世界を美しいと素直に口にし護りたいのだと真っ直ぐに進んでゆく。そんなシャナのいる光景、世界ならば自分も護りたいのだと心から願える。違和感にもいつか消えるのだろう、きっと。

 戻ったものがあるのに失われてしまった大切なものが戻らなくて。振り切ったはずなのにまた進む事ができなくなり。月光と睡蓮を映すヒヅキの瞳には何処か思い詰めた翳り。
 その傍らで心身が冷え切ってしまわぬ様にとファオは温めた蓮葉の茶を淹れた。
 新たに手にした『今』も大切で。何よりこうして共に過ごせる友が居る。
(「贅沢で幸せ、なのでしょうね」)
 ファオは変わらずただ無言。両掌でカップを包みヒヅキは心から憩う。

 レオンハルトが持参し勧めた米酒がウィーの喉を潤す。花の香を肴に楽しむ妨げにならぬ淡麗。当の騎士殿はすまなさ気に帯剣の非礼を詫びた。
「無粋で申し訳ないのですが……落ち着かなくて」
 夏は苦い戦場の記憶を呼び覚ます。相棒が何か思う処ある様子なのはウィーも気づいていた。
 儚げな睡蓮の風景。硝子の様に美しく、脆い。そんなものこそを護る為に振るわれるのが彼の剣。寄り添う事で少しでも彼が楽になるのであれば……。
(「ボクはここにいるよ……例えいつか側にいられなくなったとしても」)

「睡蓮ってかわいいなぁ〜ん♪」
 ふわっと包まれちゃうカンジとルーディアがぴょっこり跳ねる。右手にはお姉ちゃん。後ろで見守るテイやんさんも、左手へ。血縁は無く種族すら違って大切な仲良し姉兄妹(きょうだい)。
「……良い月、心地良い風です」
 池を見つめるテイサの無防備な背をうずうずエトルが押したくなって引っ込めたり。
 ルーディアのお腹が可愛らしい音で空腹を訴えた。赤面する妹分の為に郷で腹拵えをと引き返す一行。お月様に見守られながらの帰り道。
 この平穏が少しでも長く続く様に。繋いだ手はぽかぽかと優しく、でも少しだけ力をこめて。

「満月の下で咲く花かぁ……ほんとに綺麗だね」
 慣れぬ夜更かしにも眠たくなんかないと言い張り目を擦るリヴィールに折れた後リゼッテはぽつんと呟いた。少しは強くなれたのかなと。リヴィも使命と重責に思い沈む。
 時に冒険者でいる事が辛くなる時もあるけど。でも。いつも元気をくれる友に少しでも返せるように。うん。大好きな人達のためならきっともう少し頑張れる……。
「リヴィ? ……あ」
 寄せ合う肩に掛かる微かな重みと寝息。くすりと笑みを漏らすリゼッテ。
「……お休み。今は唯、優しき夢を」


 まずは睡蓮をとカイとミリアは腕を組み、夜の森を進む。寄り添う少女に愛おしさがこみ上げ、そういえばここ最近はゆっくり二人で遠出も出来なかったと思い返すカイ。
 そんな青年の顔をミリアは見上げる。大きな戦いの度、彼と会えなくなったらと不安がよぎる。一緒に居られる時間はかけがえが無くて。どんな暗闇でも互いが灯火。だから手を離さぬように。

 睡蓮。儚げだが凛と咲く花。大好きな花。
(「レイがそう言ってた花……」)
 花と月の光を求めたレイランと彼女に誘われたナオ。ふたりきり、手は固く繋がれたまま。
 大切が増えて大好きに囲まれて。何より貴方が隣に居てくれる。眼を閉じたらきっと泣いてしまう。幸せすぎて。滲む月光を見上げ至福を味わう。
「ありがとうな」
「……一緒に居てくださってありがとう、ナオ」
 幸せはレイランも同じ。貴方を護りたい、でも、貴方に護られたい。誓いも想いも強まるばかり。

 約束しての夜歩きはこれが初めて。他愛のない歓談の間にもスノーの髪が羽が、ヨルをかすめる。
「そういえば、私の花にも朝露がつくのかって前にお話しましたね。今ならわかるかな?」
 甘やかに痺れ落ちそうな感覚に耐え必死に平静を装うヨルの髪の紅菫に、朝まで待てぬとスノーが清水に浸した指を絡めた。花弁から細い首筋へと滴り流れる雫。
「ヨル、菫に夜露が」
 一瞬きょとんと眼を瞬かせた後ヨルの頬が驚きに染まる。
(「あなたは知らないでしょうね」)
 もうどんなに美しいものを見ても心が動かない。寝ても醒めても、あなたの紅、紅、紅。
 壊れてしまいそうと漏れたヨルの吐息を肌に感じながら、スノーは濡れた紅菫にそっと口づけた。

 夜に横たわる水はまるで鏡。乱れる想いを冷たくそこに封じる様に眺めるレイン……だがビャクヤにだけは見透かされ。
「寒い……」
 一度だけ視線を絡めビャクヤは背後から義姉を抱きしめる。びくりと細い肢体が揺れたのも一度だけ。甘える振りでビャクヤが求めたのは、むしろ今何よりもレインの方こそが求めているもの。
 今はただぬくもりを。言葉は要らない。廻された腕にレインはそっと手を添わせ、重ねた。伝わる体温ごし身を包み込む想い。ただ傍に。ふたつの影は夜風にたゆたう二輪の睡蓮にも似ていた。


 随分と郷から離れた森にまで散策に出てしまった。だがその労は報われた様だ。

 隣にクラレートがと意識するだけでクレスの心臓は張り裂けそうだった。青い睡蓮をみつけクラレートの瞳みたいで綺麗だと伝えたが何すかしてるのと肘鉄で一蹴された。一息ついた後クレスは睡蓮の花の話を聞かせた。花を閉じ没する睡蓮にとって水に映り揺らめく自身の影は過去の面影の様なものなのだろうかと呟いて。詩人ねと答えたクラレートはクレスに寄り添い、その胸に顔を埋めた。
「移ろいやすくてもこうすれば、匂いだって覚えてられる……」
 抱き締め髪に触れるクレス。花の面影も人の記憶も、季節がどれ程巡ろうと決して褪せはしない。

 花の香、花の歌。お嬢の歌声を乗せてくれへん? 軽やかにヤツキが乞えばフォーティアも応じる。
「月と睡蓮に、灯すうたを」
 奏でられた歌は甘く優しい微笑のようにヤツキを包む。
 蒼と白と。水上に咲く花はまるでお嬢のようや。戯れかける様にヤツキが囁く。それならヤツキさんの白い尻尾はお月様に似ているとふわり返すフォーティア。夢見心地に。
「花と月、俺等景色と揃いや」
 月が花を照らす様に、花が月に花弁を広げる様に。重ねた手と手、夜の甘い香と歌を連れ帰ろう。

 夜闇の森は思いのほか広い。
 美しい景色を求め、だがそれ以上に人影から逃れる様にして青年が辿り着いたのは片隅の小池。
 森陰ひとつ隔てた向こうからは微かな人々の気配。だが今、無言で思索に耽るシエルリードを妨げるものは無い。まるで此処は青と白で象られた箱庭の世界。自分ただ独りが置かれている心地。
「……月光と睡蓮には人の心を惑わせる魔法がかかってるのかな」
 露わな自身を戸惑うとも容れるとも決めかね、青年はただ、微笑した。

「記憶は無いけど、母が好きだったと聞かされた花だったから……」
 どうしても睡蓮を見たくて昔何度も孤児院を抜け出した。ただ、母を感じたくて。空しいと分かっていても……ハルキの頬を涙が伝う。そんな妻の痛みも悲しみもヤトには理解らない。生死や感情の在り様が他人と違う点には薄々自覚がある。
「たまに思い出して泣きたいとかあるなら、存分に泣けばいい」
 ぶっきらぼうな声と背中。ハルキは顔を埋め、力の限り泣いた。その後礼を言われヤトは首を傾げた。大事なハルキだから。ただそれだけと心底真顔で答える夫に、でも言わせてと、妻は微笑んだ。

 ラグゼルヴが冒険者となったのは初めて見た朝焼けに焦がれたから。この世界には綺麗なモノが沢山あると教えられた。今身を置くこの景色もまた。花、水、森、そして天。何もかもが貴く、綺麗だ。
「ですがこの先、美しくないものも、多くお見せする事になるかもしれません」
 紫瞳は問う。それでも? と。
「それでもこの景色を……僕は絶対に忘れない」
 そして君の未来がこのニンファエアの様に綺麗であれば良いと思う、と。
「ありがと、ラクウェル」
 呼ばれた名に引き戻される様に生まれた淡い笑み。感謝ならば世界と世界を護る貴方達にこそ。

 月光に煌くシャンパングラスの中身はハニーティーソーダ。薄青い花を求め辿り着いたチグユーノとフィズが満足げにグラスを打ち鳴らせばお茶会の始まり。
 風に震える睡蓮とまあるい葉、湖上の月。ゆらゆらと。チグの思考も揺られる。今はもう消えた場所。だけど時を重ね絆は生まれて。相手を大切に出来るなら何があっても……。
「なにも、なかった事にはならないんですよね」
 ふいに掛けられた言葉にチグが振り返ればフィズの優しい眼差し。雲の切れ間ゆらゆらと。

 月のもと星と花が咲き誇り、人々は風の挟間。ニンファエアの一夜は光へと溶けゆく……。


マスター:銀條彦 紹介ページ
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作成日:2008/07/20
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