怪獣の巣作り



<オープニング>


●オルコーン
 ワイルドサイクル平原の片隅で、オルコーンが巣作りを始めたようなの。
 オルコーンは巨大なキツネのような怪獣で、巣作りに必要な材料を集めるため、原住民達の住居を襲っているらしいの。
 その事で原住民達が頭を悩ませているらしく、皆に助けてほしいんだって。
 別に原住民達も怪獣の巣作りを邪魔しようとは考えているわけじゃなく、事情さえ分かっていればお手伝いをしても良かったようだから……。
 それにオルコーンは比較的に温厚な怪獣だから、子育ての時以外は人を襲う事がないようなの。
 ただし、巣作りをしている時は別。
 夫婦共々、気が立っているから、迂闊に近づけば八つ裂きよ。
 だからオルコーンの狩り場まで原住民達を連れて行ったら、全速力で安全な場所まで避難してほしいの。
 マトモに戦ったら、オルコーンを殺してしまう事になるから……。


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参加者
猫又・リョウアン(a04794)
白銀に瞬く星・アルジェント(a26075)
森の小さな護り人・ミルフォート(a60764)
正義の銃神・シャドウ(a67510)
青空を渡る自由の風・ヴィリ(a67593)
灰簾の冬牡丹・エクサ(a70271)
流水の癒し手・ディミヤーナ(a70291)
重鎧・トビー(a72634)
紅き祈鐘の審判・プルート(a74319)
糸使いの悪戯小僧・ライ(a74993)


<リプレイ>

●ワイルドサイクル平原
「みんなで怪獣の巣作りか〜。初めての冒険にしては、ちょっと物足りないけど頑張るぞっ!」
 原住民達と一緒にオルコーンの巣作りを手伝うため、糸使いの悪戯小僧・ライ(a74993)がワイルドサイクル平原にむかう。
 既に原住民達はオルコーンの巣に向かう準備を始めており、みんなで協力し合ってせっせと荷車に藁を積み込んでいる。
「つまり被害を最小限に食い止めるため、オルコーン達にスイートホームをプレゼントしてやるというわけか」
 原住民達の用意した荷車を引きながら、ヒトの重騎士・トビー(a72634)がオルコーンの巣を目指す。
 巣作り中のオルコーンはとても気が立っているため、なるべく刺激を与えようにしなければならない。
 そのため、グランスティードなどの乗り物には乗らず、原住民達が用意した荷車を利用する事になった。
「う〜ん、こっちは一切手出し不可能か〜……逆に怖いなぁ。ま、無駄な殺生はやっちゃダメだし、頑張ろうかな」
 のほほんとした表情を浮かべながら、狂鳴の審判者・プルート(a74319)が物陰に隠れる。
 原住民達の話ではこの先にオルコーンの巣があるらしく、あまり騒がない方が身のためらしい。
「怪獣はこちらの対応次第で、敵にも味方にもなる。原住民がそういった怪獣に襲われても悲壮感がないのは、この土地が大らかだからなのかもな」
 遠眼鏡を覗き込みながら、白銀に瞬く星・アルジェント(a26075)がオルコーンの数を確認する。
 ……オルコーンは全部で2頭。
 この様子ではオスとメスのつがいだろう。
「ふふ、一緒にこうやって準備するのも楽しいわね♪」
 一緒についてきた子供を抱き上げ、流水の癒し手・ディミヤーナ(a70291)がニコリと微笑んだ。
 どちらにしてもオルコーンのオスがいる限り、ディミヤーナ達は巣に近づく事さえ出来なかった。

●オルコーン
「比較的に温厚で、子育ての時以外は人を襲う事がないか。そんなに温厚なら、何とか穏便に済ませたい所だが……そうもいかないようだな」
 困った様子で溜息をつきながら、正義のガンマン・シャドウ(a67510)が遠眼鏡を覗き込む。
 オルコーンのオスは巣穴の前に陣取っており、鋭い目を光らせている。
 その上、やけに殺気立っているため、迂闊に近づけば飛びかかられてしまう。
「仕方のない理由があるとは言え……、原住民さんに迷惑が掛かってしまうのは見過ごせないでござるな」
 険しい表情を浮かべながら、煌く癒しの・エクサ(a70271)が物陰に潜む。
 オルコーンのオスを引きつける事は簡単だが、武器などで傷つけて子育てに支障が出ても困るので、それが悩みの種になっている。
「子育ての時期が大体分かっていれば、その時期になったら集落の側に藁を積んでおけば、其れを持って行くと思うのですが……」
 物陰に隠れて様子を窺いながら、猫又・リョウアン(a04794)が口を開く。
 しかし、原住民達がアバウトな性格をしているため、オルコーンがいつ子育ての時期に入るのか分からないらしい。
 一応、今と同じ時期であるとは言っていたが、ハッキリとした確信が持てないため、それだけでは何の解決にもならなかった。
「……それで住居を壊されるのは、ちょっと困りますなぁ〜んね……。そんな状態を打破するためにも……、頑張りますなぁ〜ん」
 拳をギュッと握り締めながら、森の小さな護り人・ミルフォート(a60764)が気合を入れる。
 オルコーンの速さはケタ外れなので、全速力で逃げなければ追いつかれてしまう。
 そのため、命懸けで逃げなければ、オルコーンとの戦闘も避けられない。
「……いいでしょう、全力で逃げてやろうじゃありませんか。痛いのは嫌ですし……」
 タスクリーダーで仲間達に合図を送り、彷徨う自由の風・ヴィリ(a67593)が放蕩の香りを発動させる。
 次の瞬間、オルコーンのオスが瞳をギラリと輝かせ、物凄いスピードでヴィリ達を追いかけていくのであった。

●オルコーンの巣
「……そろそろだな」
 仲間達から連絡があったため、トビーが鎧進化を発動させる。
 幸いオルコーンのオスは仲間達が引きつけているので、あとは巣に残ったメスをどうにかするだけだ。
 ただし、オルコーンのメスが子を宿しているため、間違っても傷つける事は出来ない。
「それじゃ……、行くか」
 両腕で抱え込むようにして藁を挟み、ライがチキンフォーメーションを展開する。
 それに合わせて原住民達がゴクリと唾を飲み込み、オルコーンのメスに気づかれないようにしながら、慎重にライの後をついていく。
 だが、オルコーンのメスも神経質になっているため、ライ達に気づいて巣穴からヒョッコリと顔を出す。
「しまった! オルコーンのメスに気づかれた!」
 ハッとした表情を浮かべながら、アルジェントがグッと唇を噛み締める。
 一瞬、デュエルアタックを放とうとしたが、騒ぎを聞きつけてオルコーンのオスが帰ってくる可能性があるため、限られた時間の中で別の方法が考えなければならなくなった。
「大丈夫よ。……落ち着いて」
 原住民達を安心させながら、ディミヤーナが眠りの歌を歌い出す。
 その歌声を聴いてオルコーンのメスが眠りにつき、原住民達の間で安堵の溜息が洩れる。
 もちろん、本来の目的を果たしていないため、ここで安心させるわけにはいかなかった。
「みんな、くれぐれも声は出さないようにね。ここでオルコーンのメスに目を覚まされたら、取り返しのつかない事になっちゃうから……」
 原住民達に言い聞かせながら、プルートが巣穴に藁を運んでいく。
 オルコーンの巣穴には半分ほど藁が敷き詰められていたが、これでは十分と言えるだけの量ではなかった。

●命懸けの逃亡
「相手は気が立っている上に怪獣だからな。まあ、駄目で元々でやってみるか」
 オルコーンのオスが普段は温厚である事を思い出し、シャドウが立ち止まって魅了の歌を歌い出す。
 そして、自分達が子育ての邪魔をする気がない事や、敵意がない事などを説明した。
 しかし、オルコーンの殺気は強まるばかりで、まったく話にはならない。
「と、とにかく逃げるでござる。このままではオルコーン達の晩御飯になってしまうでござるよ」
 シャドウの腕をガシィッと掴み、エクサが全速力で逃げだした。
 次の瞬間、シャドウのいた場所にオルコーンが着地し、悔しそうにフンと鼻を鳴らす。
「余計に怒らせてしまったようですね。でも、どうしてなんでしょうか? きちんと理由を説明したはずなのに……」
 不思議そうに首を傾げながら、リョウアンが鎧聖降臨を発動させる。
 いくらオルコーンの気が立っているとは言え、あまりにも人間に対して敵対心があるため、何らかの事情があるのかも知れない。
 ただし、こちらの言葉が通じていない可能性も捨て切れないため、何が原因であると決めつける事は出来なかった。
「ひょっとして、原住民の方々が何かやらかしていたのでしょうか……?」
 嫌な予感が脳裏を過ぎり、ヴィリがダラリと汗を流す。
 だが、この状況で原住民達から話を聞くわけにもいかないため、難しい事は考えず一心不乱に逃げだした。
「ここまで来れば、大丈夫ですなぁ〜ん」
 十分に巣穴から離れた事を確認し、ミルフォートが紅蓮の雄叫びをあげる。
 それと同時にオルコーンがマヒ状態に陥り、まったく身動きが取れなくなった。

●巣作り
「……何だか複雑な気分だな」
 オルコーンのメスが寝息を立てる中、トビーが原住民達と一緒に藁を運ぶ。
 その間、原住民達はオルコーンにちょっかいを出したくてウズウズしていたが、余計なトラブルを招いても仕方がないので藁運びに集中するように釘をさした。
「これで良し……っと。後は避難するだけだね」
 荷車に積んであった藁を巣穴に運び終え、プルートがホッとした様子で汗を拭う。
 避難する順番はプルートを戦闘にして、原住民、ディミヤーナ、アルジェント、トビー、ライが殿を務め、最悪の場合は荷車を捨てて逃げる事になっている。
 もちろん、オルコーンのメスさえ目覚めなければ、オスのオルコーンに気づかれる心配もないため、避難するのもそれほど難しい事ではない。
「足元に気をつけてな」
 そっとディミヤーナの手を取り、アルジェントが巣穴の外まで歩いていく。
 既に原住民達は巣穴の外に出ており、オルコーンの抜け毛を運んでいた。
 どうやらこれで毛皮を作るつもりでいるらしく、みんなで嬉しそうに鼻歌を歌っている。
「皆落ち着いて速やかに逃げるわよー」
 原住民達にむかって声をかけ、ディミヤーナが人数を数えていく。
 それと同時に巣穴の奥からオルコーンの鳴き声が聞こえ、原住民達の間に緊張が走った。
 だが、怯えてオスを呼んでいると言うよりは、巣穴が完成した事を喜んでいるようだ。
「元気な赤ちゃん産むんだぞ〜」
 オルコーンのメスに別れを告げながら、ライがミストフィールドを発生させる。
 そして、ライ達は後ろを振り向く事なく、原住民達の集落を目指すのだった。

●オルコーンのオス
「これでしばらく時間が稼げそうですね」
 オルコーンがマヒしたため、ヴィリが眠りの歌を歌い出す。
 その歌を聞いてオルコーンのオスがバランスを崩し、崩れ落ちるようにして倒れ込む。
 それでもオルコーンは必死になって抵抗し、恨めしそうな表情を浮かべている。
 だが、押し寄せる睡魔には勝つ事が出来ず、コロンと転がって深い眠りについた。
「ちっ……、話をして済ませられるなら、楽だったんだが、残念だぜ」
 残念そうに溜息をつきながら、シャドウがオルコーンに視線を送る。
 オルコーンはスヤスヤと寝息を立てており、しばらく起きる事がなさそうだ。
「きっと、巣作りが終わるまで、気を休む事さえ出来なかったんでござろうな」
 寂しそうな表情を浮かべながら、エクサがオルコーンの頭を撫でる。
 オルコーンも生きる事に必死なので、原住民達の集落を襲っていたのも仕方がないかも知れない。
 もちろん、それを許すわけにはいかないため、何らかの対策を練っておく必要があるのだが……。
「どうやらあちらも成功したようですね」
 遠眼鏡を覗き込みながら、リョウアンがオルコーンの巣穴を確認した。
 既に巣穴の周辺には霧が発生しており、仲間達が原住民を連れて集落にむかっている。
「何とかなりましたなぁ〜んね……。オルコーンの夫婦が……、幸せになれるといいですなぁ〜ん」
 祈るような表情を浮かべながら、ミルフォートがオルコーンに別れを告げた。
 ミルフォート達がオルコーン夫婦の子供を見る事は出来ないが、みんなで協力し合って巣穴を完成させたのだから、必ず元気な子供が生まれるはずである。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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