フラウウインド浮上!:鎧武者



<オープニング>


●フラウウインド探索進行中!
 フラウウインド大陸が浮上してから2週間が過ぎた。
 この2週間の冒険者達の活躍により、白虎帝城から比較的安全に探索できるエリアも広がり続けており、日々、様々な発見が報告されている。
 フラウウインド固有の動植物の発見と報告の他にも、フラウウインドの原住民であるかもしれない小人との接触に関する情報もでており、少しずつだが、冒険者達はフラウウインド大陸の全容解明へと向かっているのだ。

 そんな中、冒険者達は、古代ヒト族の時代の住居跡らしい遺跡群を発見した。
 遺跡の発見は、フラウウインド大陸の探索の目的の一つであったので、その発見は、喜びをもって迎えられた。
 既に廃墟となっている遺跡からは、多くの情報を得る事はできないだろう。しかし、古代ヒト族の叡智が残されている可能性も、少なからずある筈なのだ。

 だが、勇んで探索に向かう冒険者達の前には、邪悪な気配と危険とが待ち受けているのであった。

●古代の遺跡
 フラウウインド大陸の探索が進み、冒険者達が古代の遺跡を発見した。
 遺跡は木造の建造物で、柱や屋根は漆か何かで塗装されている。
 まるで屋敷のような作りになっており、中には鎧武者がウロついているらしい。
 この鎧武者は両手に剣を持っており、背中にも沢山の武器を背負っている。
 鎧武者は侵入者を見つけると手当たり次第に攻撃を仕掛け、相手が肉塊と化すまで切り刻んでしまうようだ。
 そのため、興味本位で遺跡の中に入った犬小人が被害に遭っており、怖くて誰も近づかなくなっている。
 ただし、このモンスターさえ倒せば、犬小人の住居として利用する事が出来るため、お前達で何とか協力してやってくれないか。

!グリモアエフェクトについて!
 このシナリオはランドアース大陸全体に関わる重要なシナリオ(全体シナリオ)ですが、『グリモアエフェクト』は発動しません。


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参加者
白楽天・ヤマ(a07630)
緋桜の獅子・オウカ(a10970)
紅蓮の獅子・ディラン(a17462)
銀の翼に望みを乗せて・カグラ(a31332)
魂に刻めその旋律・レシュノ(a45112)
黎明の閃光・ヴェローナ(a51653)
へた・レトルト(a67659)
天狐の巫女・レイヤ(a71186)
銀雷閃・アルジェン(a74039)
ヒトノソリンの医術士・ナトゥーラ(a74131)


<リプレイ>

●フラウウインド大陸
「ここがフラウウインドの遺跡っスか……。なんか楓華に似ているっスね、雰囲気が……。どちらにしても、ランドアースやワイルドファイア、ホワイトガーデンとは違うっスね」
 ようやくフラウウインドの遺跡に辿り着き、魂に刻めその旋律・レシュノ(a45112)が口を開く。
 一応、楓華列島の建物と雰囲気は似ているが、まったく同じと言うわけではない。
 どちらかと言うと、何となく似ているといった感じである。
「なんて言うかフラウウインドって、場所ごとに極端に雰囲気が違うような気がするんだよね。一体、古代ヒト族って、どんな暮らしをしていたのかなあ?」
 不思議そうに首を傾げながら、白楽天・ヤマ(a07630)がボソリと呟いた。
 古代ヒト族に関しては色々と謎が多く、分かっていないばかりである。
 そのため、この大陸で遭遇したばかりの犬小人でさえ、フラウウインドでどんな役割を果たしていたのか分からなかった。
「フラウウインドでもモンスターが現れるんだね。犠牲になった人はもう助けられないけど、せめて手厚く葬ってあげたいな」
 遺跡の中で命を落とした犬小人を思い浮かべ、天駆ける翼・カグラ(a31332)が深い溜息を洩らす。
 ただし、遺跡の中には鎧武者がウロついているため、簡単に回収する事が出来そうにない。
「出来るだけ早く犬小人さん達の遺体を家族に返してあげたいなぁ〜ん」
 ホーリーライトで辺りを照らし、ヒトノソリンの医術士・ナトゥーラ(a74131)が遺跡に入っていく。
 例え鎧武者が遺跡の中にいたとしても、ここで逃げ出すわけにはいかなかった。

●フラウウインドの遺跡
「……ここは随分と興味深いところだなー。見た事も無い、不思議な動植物が多いし……! 目の前の建物も変わった造り出し……」
 フラウウインドの遺跡を眺め、動物看護士・レトルト(a67659)が素直な感想を言う。
 もちろん、まだ探索を始めたばかりなので、これからも新たな発見がある事だろう。
「さて……、行くか!」
 懐のお守りを取り出しながら、虚空の剣士・ディラン(a17462)が祈るようにして目を伏せた。
 犬小人達の為にも今回の依頼で、失敗するわけにはいかない。
「何となく楓華列島っぽい印象を受けるけど、それよりも気になるのが鎧武者の正体……。何らかの呪いか、グドンなのか……。もしかすると何かを守っているのかも知れないし、囚われているのかも知れないけど……」
 険しい表情を浮かべながら、銀雷閃・アルジェン(a74039)が遺跡に足を踏み入れた。
 遺跡の中は正方形の部屋で区切られており、すべての部屋が廊下で結ばれている。
 そのため、ダンジョンを探索しているというよりも、まるで屋敷の中を歩いているような感覚だった。
 しかし、人が住んでいたような形跡はなく、例え何か置かれていたとしても、鎧武者によって破壊された後のようである。
「一体、何者なんだろうな?」
 先端にマントを引っ掛けた3mの棒を掲げ、緋桜の獅子・オウカ(a10970)が反応を確かめながら廊下を歩いていく。
 鎧武者に関する事は何も分かっておらず、正体を特定する術もない。
「とりあえず色々な武器を使うと言うが、果たして我が目に適うような武具を持っているかな?」
 グランスティードを脇に控え、黎明の閃光・ヴェローナ(a51653)が鎧武者を捜す。
 遺跡の中は思ったよりも広く、大きな部屋がいくつもあった。
「……いました。鎧武者です」
 ガシャガシャとやかましい音が聞こえてきたため、天狐の巫女・レイヤ(a71186)がハッとした表情を浮かべて物陰に隠れる。
 鎧武者は血のように赤い目を光らせ、侵入者を捜しているようだ。
「まずは様子見だ! 奥の手を隠し持ッているかも知れねェからな!」
 警告混じりに呟きながら、虚空の剣士・ディラン(a17462)が物陰に潜む。
 遺跡の構造が単純なので、先回りをしておれば、逃げ道を塞ぐ事が出来そうだ。

●遺跡内部
「これじゃ、スティードを走らせる事は出来ないね。でも、犬小人が住むにはちょうどいいかな」
 警戒した様子で辺りを見回しながら、ヤマが遺跡の中を進んでいく。
 遺跡の中は鎧武者によって荒らされており、廊下にまで物が散らばっている。
「よ、鎧武者がいますなぁ〜ん」
 手鏡を使って曲がり角の向こう側を映し、ナトゥーラがダラリと汗を流す。
 鎧武者は侵入者達の存在に気づいたのか、興奮した様子で廊下を歩いている。
 幸いこちらには気づいていないようなので、その場から一歩も動かず息を殺してやり過ごす事にした。
「……待って! こっちに血の跡があるよ」
 壁に飛び散った血の跡を見つけ、カグラが壁に背を向けて仲間達に合図を送る。
 血痕は点々と奥の部屋まで続いており、犬小人思しき両足が見えていた。
 だが、とても生きているようには思えないため、息絶えてからしばらく時間が経っている可能性が高い。
「とにかく犬小人の遺体を回収するっス。こんな場所にいつまでも放っておかれたら、可哀想っスからね」
 鎧武者が近くにいない事を確認し、レシュノが抜き足差し足で部屋の中に入っていく。
 そして、そこには無残な遺体となった犬小人が転がっていた。

●鎧武者
「……いたっ! 鎧武者だー!!」
 ホーリーライトで鎧武者を照らし、レトルトが仲間達に護りの天使達を付与していく。
 それに合わせて鎧武者が大きく口を開け、両手に持った剣を高々と掲げる。
 だが、その瞳には全く生気を感じられず、まるで殺人マシーンのようだった。
「何故、こんな事をする!? あなたは此処の守護者なの!?」
 鎧武者に語りかけながら、アルジェンが電刃衝を炸裂させる。
 それに合わせて鎧武者が両手に持った剣を振り回し、アルジェン達に攻撃を仕掛けていく。
「これ以上、近づくのは危ないなぁ〜ん!」
 アルジェンを守るようにして盾になり、白夜の鋼璧・キリア(a71164)が粘り蜘蛛糸を放つ。
 しかし、鎧武者の動きを封じる事が出来ず、近距離から強烈な一撃を喰らう。
「これじゃ、話にならないね」
 鎧武者の攻撃を避けながら、幽翠の暗殺職人・レフィ(a73524)が大岩斬を叩き込む。
 その一撃を喰らって鎧武者がバランスを崩し、その場にガックリと膝をつく。
「やっぱり話しちゃくれねえか。なら拳で語るまでだ!」
 少しずつ間合いを取りながら、オウカが鎧武者を誘導し始める。
 本当ならば数の優位を生かせるため、広間まで誘い出した方がいいのだが、仲間達が近くで犬小人の回収に当たっているので迂闊に行動する事が出来ない。
「……(ある日、オレの『心の剣』は折れてしまッた。だが! オレはもう迷わねェ! オレはオレの信じる道を行く! テメェにゃ、その踏み台になッてもらうぜ!」
 鎧武者の剣を受け止めながら、ディランが鍔迫り合いをするようにして言い放つ。
 だが、鎧武者は無駄のない動きで距離を縮め、デュランにジリジリと迫っていく。
「……その腕前、見させてもらおう。我を飽きさせるなよ!」
 一気に間合いを詰めながら、ヴェローナが含みのある笑みを浮かべる。
 次の瞬間、鎧武者がケモノのような唸り声をあげ、物凄いスピードで両手に持った剣を振り回す。
「さすがに殺られるつもりはないようですね」
 土塊の下僕を盾代わりにしながら、レイヤが気高き銀狼を放つ。
 そのため、鎧武者がマヒ状態に陥り、両手に持っていた剣を落とす。
「行くぞ、鎧武者! この輝きを受けて、立っていられるかな?!」
 黄金に輝く黎明剣『シャイニングストライカー』を構え、ヴェローナが雷の力を乗せた必殺のサンダークラッシュを叩き込む。
 その一撃を喰らって鎧武者が吹っ飛び、壁を突き破って広間に転がった。
「ヤツを倒すのなら今だっ!皆で力を合わせて『1+1』以上の力を叩きこむぞ!」
 仲間達に声をかけながら、デュランが広間に突っ込んだ。
 それと同時に鎧武者が背中の籠からハンマーを取り出し、すぐさま反撃の移るのだった。

●犬小人
「……遅くなってごめんね。もう一人じゃないから……。ゆっくりと眠っていいんだよ」
 悲しげな表情を浮かべながら、カグラが犬小人の遺体を抱きしめる。
 犬小人の身体には幾つもの切り傷があり、近くには腐った左腕が転がっていた。
 カグラはタスクリーダーで仲間達に連絡を取ると、悲しい気持ちを振り払うようにして立ちあがる。
 しかし、仲間達がまだ鎧武者と戦っているため、急いで遺跡から脱出しなければならない。
 もちろん、そのためにはほんの些細なミスも許されないため、手描きの地図を頼りにして最短ルートを導き出した。
「大変だったなぁ〜ん……でも、絶対に連れて帰るなぁ〜ん」
 犬小人の遺体に語りかけながら、ナトゥーラが死化粧を施していく。
 その途中で左腕を拾い上げ、包帯を巻いて結びつけた。
「すぐに皆のところに連れて行くから、もう少しだけ待っていてね」
 犬小人の遺体を綺麗な布でくるみ、ヤマがお香を添えて両手を合わす。
 だが、鎧武者の方向が聞こえてきたため、ここでのんびりしているわけにはいかなかった。
「とりあえず、土塊の下僕にも手伝ってもらうっすかね。鎧武者の退治が終わったら、ここも掃除するっすからね」
 土塊の下僕に言い聞かせるようにしながら、レシュノが犬小人の遺体を抱き上げる。
 犬小人の遺体は恐ろしいほど軽く、まるで子供を抱き上げたようだった。
 土塊の下僕達は万が一、鎧武者に気づかれた時の事を考え、行く手を阻むようにして廊下に立たせておく。
 こうする事によって例え鎧武者に気づかれたとしても、ほんの少しだけ時間を稼ぐ事が出来そうだ。

●狂戦士の最後
「手間を掛けさせやがって、これ以上誰も斬らせはしねェンだよっ!」
 不機嫌な表情を浮かべながら、デュランが鎧武者の右腕を切り落とす。
 それでも鎧武者の戦意は衰えず、籠の中から武器を取り出そうとする。
 だが、デュラン達との戦いで大半の武器が壊れてしまったため、片手で扱えるような武器が残っていない。
「これで成仏しな……、はあああああっ!」
 鎧武者の肩をガシィッと掴み、オウカが指天殺を炸裂させる。
 その一撃を喰らって鎧武者が崩れ落ち、血溜まりの中に沈んでいく。
「……良い余興だった。だが、我を満足させるには少し足りぬな」
 鎧武者の心臓に剣を突き刺し、ヴェローナが疲れた様子で溜息を洩らす。
 先程の戦いで鎧武者が持っていた武器は壊れ、どれも使い物にはならなくなっている。
 また鎧武者が着ている鎧は楓華列島のものとも異なり、独自の文化を歩んだ者達が作った可能性が高い。
「あなたも長く此処に居たんだから……、せめて存在していたという証は残すよ。唯の自己満足だけどね……」
 鎧武者の仮面に手を置き、アルジェンがベリベリと引き剥がす。
 どうやら鎧自体が皮膚代わりになっていたらしく、仮面の下にあったのはグロテスクな素顔であった。
「うっ……、気分が……」
 青ざめた表情を浮かべながら、レフィが口元を押さえて視線を逸らす。
 もしかすると醜い素顔を隠すため、モンスターが鎧を纏っていたのかも知れない。
「何だか可哀想なぁ〜ん」
 同情した様子で視線を送り、キリアが鎧武者に仮面を被せる。
 鎧武者が何故この遺跡にウロついていたのか分からないが、数百年も孤独でいたと思うと可哀想になってきたらしい。
「他に敵はいないようですね」
 土塊の下僕達と一緒に遺跡の中を調べて回り、レイヤが安全である事を確認した。
 鎧武者のせいで遺跡はだいぶ荒れているが、みんなで掃除をすればすぐに片付きそうだ。
「ふぅ……、これで何とか安心だなー。それじゃ、掃除を始めるか」
 ホッとした表情を浮かべながら、レトルトが袖をまくって気合を入れる。
 その後、遺跡はレトルト達によって掃除され、見違えるほど綺麗になるのであった。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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作成日:2008/08/08
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
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獅子の剣を鍛える者・ディラン(a17462)  2009年09月03日 18時  通報
ブックドミネーター戦後、色々あッて避けてた依頼。で久々に請けて成功したはいいけど…なンで、名前間違われ続けるンだよォ。