助けて! カボチャマン!! 〜焔と水の祭典・フィーネの街の納涼祭!〜



<オープニング>


●焔と水の祭典・フィーネの街の納涼祭!
 何もかもが鮮やかに輝く夏の盛り、フィーネの街では連日納涼祭が催されていた。
 陽が沈み空が菫色に染まる頃、街中に涼やかなせせらぎを響かせる川のほとりに灯りが燈る。
 川沿いに幾つも連ねられた灯りのもとには粋な看板を掲げた夜店が立ち並び、林檎飴やら金魚掬いやらで夏の祭りに情緒を添える。何故だか楓華っぽい物が流行りやすいフィーネの街の人々は、団扇片手に浴衣姿で川沿いへと繰り出して、夜毎この納涼祭を楽しむことを日課とし始めていた。
 澄んだ水が豊かに流れる川を活かした祭りはとにかく涼やかだ。
 甘味処には川の水が引き込まれ、硝子の床を流れる澄んだ水に素足を浸し涼菓を楽しめるようになっているし、流水で冷やした果物や冷酒も人気を集めている。金魚掬いも竹柵で囲った川の中に直接入り、流水の中で泳ぐ金魚を掬うという趣向になっているし、祭りの灯りにきらきら輝く水飛沫を盛大に振り撒く大道芸も冷たくて心地好いと大いに人々に受けている。
 最も人気を博しているのが『流し南瓜プリン』。竹を組み合わせて冷たい水を流し、そこに南瓜プリンを詰めたミニ南瓜を流すという催しだ。よく見れば祭りの灯りは全て南瓜ランタンだし、人々の団扇や浴衣にもさり気に南瓜マークがあしらわれている。
 フィーネの街の人々は、この夏も変わらずカボチャマンを愛しているのであった。

 正義の使者・カボチャマン。
 カボチャマスクを被った正義の味方がフィーネの街に現れるようになってから――早二年超。
 フィーネの街に危機が訪れるたび何処からともなく数十人単位のカボチャマンが押し寄せて、怒涛の如く街を救って去っていく。その光景は最早フィーネの街の名物でもあった。
 だが、それでも街にはびこる悪が消え去ることはない。寧ろ近隣から押し寄せてくる始末。
 この夏もまた、まるでそれがお約束であると言わんばかりに――フィーネの街に危機が訪れる。

 満天の星空のもと、それは熱く燃え上がる炎と共に現れた!
「ファイアー!!」
「燃え上がれ炎! さあ皆の衆、熱き炎のもとで踊るのだ! 命燃え尽きるまで!!」
 突如現れた怪しい男達が、祭り会場の至るところで盛大に火を焚き踊り始めたのだ。
 炎は熱く眩い橙色に燃え盛り、辺り構わず火の粉を散らす。その周りで褐色に日焼けした男達が踊る狂う様は見ていて酷く暑苦しかった。しかも全員腰蓑姿なあたりがまたイヤだ。
「ふはははは! 我ら『燃える火踊りの会』が貴様らを灼熱地獄へ叩き込んでくれる!!」
 熱き炎を背に、腰蓑達のリーダーと思しき男が不敵な傲慢笑いをかます! が!!
「えいや」
 彼の後ろで勇敢な子供が燃え盛る炎にバケツで水をかけた。
「くぉらー! 何さらすんじゃー!!」
「わー! 腰蓑が怒ったー!!」
 きしゃーと威嚇する腰蓑の傍から脱兎の如く逃げ出す子供。これを切っ掛けに、祭り会場のあちこちで腰蓑達と街の人々の争いが勃発した。所構わず火を焚き踊り始める腰蓑達に、彼らの焚いた火に水をかけて抵抗を試みるフィーネっ子達。それはそれで何だか楽しかったりもするのだが、折角の納涼祭が暑苦しいというのは大変いただけない。
「これはそろそろ……彼らにお出まし願うべきかのう」
「それが宜しゅうございますな、お代官様」
 虫歯で療養中の町長に代わり『納涼祭管理委員長』を務めるヨハン爺が、冷たい生姜飴を飲みつつ顎ひげを撫でる。揉み手で愛想よく頷くのは、彼の片腕と目されている街の商人エティゴ屋だ。
 代理納涼祭管理委員長、略して『だいかん』。当て字は気にしないのがフィーネの鉄の掟である。
 南瓜餡入りの葛饅頭で通りすがりの子供を誘い、エティゴ屋はいそいそと便箋を取り出した。
「さて坊ちゃん、物は相談ですが……『あの方々』にお手紙を書く気はありませんかな?」
「任せて! 僕がばっちりお手紙書くよ!」
 葛饅頭を頬張った子供は満面の笑みで頷いて、早速猛然と手紙を綴り始めた。

●助けて! カボチャマン!!
『フィーネのまちに 燃える火踊りの会が やってきました
 燃える火踊りの会は 川のほとりの お祭りかいじょうで いっぱい 火をたいて
 こしみの姿で おどりくるって います
 何度も 水をかけたけど やつらは めげずに 何度でも 火を たきます
 せっかくの のうりょうのお祭りが あつくるしいお祭りに なるので
 みんな とっても こまって います
 たすけて! カボチャマン!!
 こしみの達をやっつけて また へいわなフィーネのまちに もどしてください』

「……うちにこんな手紙が届いたんです」
 そう言って藍深き霊査士・テフィン(a90155)を訪ねてきたのは、毎度お馴染みの旅芸人一座の座長であった。カボチャマンとはこの一座の人気芝居の主人公。カボチャランタンを模したマスクを被った男が世にはびこる悪を斬る――つまり勧善懲悪モノのヒーローなのである。
 フィーネっ子達はこの旅芸人一座に手紙を出せばカボチャマンが助けに来てくれると思っているのだが、実のところカボチャマンとなってフィーネを救っているのは旅芸人達ではなく冒険者達だ。
「お任せ下さいませ、早速冒険者様方にお願いして参りますの」
 この日も霊査士は慣れた風情で頷いてみせ、うきうきと浮かれた様子でカボチャマスクを装着したハニーハンター・ボギー(a90182)を手招いた。
「お話はばっちり聞かせて頂きましたのです! お祭りを妨害する不埒者はこの蜂蜜カボチャマンが成敗しますのですよ! 林檎飴といちご飴とぶどう飴を制覇しながら!!」
「……はい?」
 妙な方向に張り切っているボギーの様子に小首を傾げる霊査士。
 そこに「めっちゃ楽しみ〜♪」と声を弾ませた湖畔のマダム・アデイラ(a90274)が顔を出した。
 藍色地に粋な南瓜マークが染め抜かれた浴衣姿で。
「やっぱカボチャマン長官としては『流し南瓜プリン』は外されへんやんね? 流し南瓜プリン堪能しつつ応援してるから、頑張ってなぁ〜♪」
 何だか二人とも納涼祭を楽しむ気満々だ。
 燃える火踊りの会VSカボチャマンの戦いで気絶してしまうため留守番が確定している霊査士は、物凄く複雑な表情で「行ってらっしゃいませ」と口にした。


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参加者
NPC:ハニーハンター・ボギー(a90182)



<リプレイ>

●南瓜ファイアー!
 燃え盛る焔を思わす夕焼け空にも涼しげに透きとおる菫の色が流れ出し、フィーネの街にも夜のひとときが訪れる。街を流れる川のほとりに南瓜ランタンの灯りが燈り、夜店が並び始めた頃――
「この街は我ら『燃える火踊りの会』が頂いたぁ! 燃え上がれ炎!」
 納涼祭会場の一角で巨大な炎が噴き上がり、何処からともなく湧いて出た腰蓑姿の男達が熱き炎を取り囲んで踊りだした。だが、夏の夜にこんな暑苦しい所業が許されるはずはない!
「ふははは! 今日こそこのトウナス仮面がカボチャマンを焼き南瓜にしてやるでござる……って、そこ暑苦しいでござるなぁん!」
 今日も今日とて悪役ちっくに登場したトウナス仮面ことノリソンが暑苦しさのあまり裂帛の気合を篭めて彼らを一喝。身動き取れなくなった彼らを背に、威風堂々と漆黒のマントを翻す――が。
「さて、燃える炎の如き拙者の力を見せてやるでござる……って、のぅぅ! 燃えすぎでござるよ!!」
 翻ったマントまでもが焚火に触れて燃え上がった!
「トウナス仮面がピンチだ! 助けて! カボチャマン!!」
 熱いでござるぅぅと辺りをのた打ち回る彼を哀れに思ったのか、居合わせた子供達が夜空へ向けて助けを呼ぶ。そこに颯爽と現れたのは、グランスティードに跨ったカボチャマン、ナタク!
 彼女によってトウナス仮面が救われる――と思いきや!
「ふっ……火を使って『暑苦しく』踊るなんて、踊りが下手な証拠だよ!」
「いや拙者踊ってるわけじゃ」
「ええい! この未熟者!!」
「ごふぁああぁっ!?」
 哀れトウナス仮面は燃えながらにしてナタク先生のダンスレッスンに突入する羽目に!
 しかしカボチャマン達はそんな彼をも見捨てない!
「火には水を、悪にはお仕置きを!」
 何処からともなく降りそそいだ大量の水が燃え盛る焚火を消し去って、もうもうと立ち上る水蒸気の中から現れたカボチャマンなアリュナスが麻痺の解け始めた腰蓑達を鮮やかに蹴散らし去っていく。
 拙者そろそろやばいでござるよ!? と断末魔っぽい声を上げ始めた燃えるトウナス仮面には――
「カボチャマン・フェアリー必殺! お天気雨・サンシャインスペシャル!!」
 聖なる光を燈したカボチャマン・フェアリーことアテカが、可愛い如雨露で冷たい水をかけてやった。そしてそのままトウナス仮面と腰蓑達が降参するまで水をかけ続ける。
「素晴らしい!」
「それでこそカボチャマンだ!」
「え〜、南瓜〜、冷たい南瓜のジュースは、如何ですか〜?」
「おお、ちょうどいいところに!」
 あっと言う間に悪を成敗したカボチャマン達にフィーネの街の人々が喝采を贈る中、南瓜ジュース売りのアグロスが練り歩けばたちまち彼も大人気。だがこれで悪が潰えたわけではない。
 鮮やかなパンプキンオレンジに魅了され、ひとつ下さいなのですとクゥが一杯買い求めた、瞬間。
「火踊りファイアー!」
 彼らの背後で新たなる炎が燃え上がった。
「こんな素晴らしいお祭りを台無しにするやつらは許さないのです! カボチャマンライトブルー参上なのです!!」
 優しい甘味の南瓜ジュースをごくごくぷはぁと飲み干して、南瓜浴衣の裾を翻したカボチャマンライトブルーことクゥがお祭り会場を駆ける。南瓜の看板が素敵な屋台から飛び出して来たラーズも後を追い、カボチャマスク着用のまま器用にパンプキンパイを齧りながらポーズを決めた。
「さあ、捕獲させて頂きます!」
 火踊りの会許すまじと殺気を噴き上げ飛びかかっていくクゥの背後から、ラーズが蜘蛛糸を放ち援護する。そんな彼らに加勢せんと新たなカボチャマンが現れた! が!!
「我の名はウィンド、カボチャマンウィンド! 暴威吹き飛ばす一陣の風なり! 喰らえ我が銀狼!」
「って慈悲つきでもダメージアビリティの対一般人使用はアウトですよー!」
 紋章陣を描こうとしたカボチャマンウィンドことレティリウスの腕にハニーハンター・ボギー(a90182)が飛びついた。説明しよう! 『一般人』とは『冒険者でない人』のこと、つまりどんなに暑苦しくても、火踊りの会達は『一般人』に含まれてしまうのだ!!
「と言うことは……彼ならいいのか?」
「あ。あの人ならまあセーフですかね」
「何がセーフやゴラァ!」
 突如指名されたのは飴細工屋台の兄ちゃん。
 粋な捻り鉢巻に白シャツ、カボチャ腹巻と一見露天商っぽさ炸裂な青年だが――彼の作る飴細工全てが炎の形ときては只者であるわけがない!
「ふっ、バレたらしゃあないな! いかにもこの俺は、黒衣の悪役ミスター・グ」
「覚悟!」
 狙いを定めたレティリウスは速攻で兄ちゃんに銀狼を撃ち込んだ。しかも一撃では戦闘不能に至らなかったので、ずがんずがんと続け様に何発も撃ち込んで行く。だが兄ちゃんはまだ終わらない!
「ってもうちょっと台詞聞いたれやー!?」
 何と兄ちゃん、燃え上がる魂で肉体を凌駕した! が!!
「と言う訳で! 黒衣の悪役ミスター・グレッグこと、燃える火踊りの会会長代理補佐心得見なら」
「ワルいひとはぐ〜るぐるにしてやんよ〜♪」
 甦ったミスター・グレッグことグレッグストンはやはり台詞の途中で蜘蛛糸に絡め取られてしまう。
 可憐に粘り蜘蛛糸を放ったカボチャマン・フェザーナースことフィーユがくるりとターンを決めた。
「良い子の皆、火を使う時は近くにお水を準備しておくこと。カボチャマンとの約束なぁ〜ん♪」

●プリンファイアー!
 素敵な悪役の皆さんと腰蓑達は次々と成敗されていくが、悪の泉はまだまだ尽きない。
「ハハハハハ! 過激にファイヤー!!」
 金魚掬い屋の前で新たな炎が噴き上がり、悪の哄笑がお祭り会場に響き渡った!
「ご機嫌ようフィーネの諸君。私の名はフェイスレス、以後お見知り置きを!」
 手頃な桜の木の上で白塗り仮面を被ったフェイスレスことアズライルがばさりとマントを翻せば、燃え盛る炎のもとに集った火踊りの会達が「フェイスレス様のためにー!」と彼を讃えて踊り始める。
 何この心地好さ。悪役ってクセになりそう――何てアズライルが思った、刹那!
「やってきましたフィーネの街へ! カボチャマン参上ッ!!」
 夜風に舞う火の粉の彼方から新たなカボチャマン、シャオが姿を現した!
 熱い焔に照らされて、彼女はおもむろに己の近況を語りだす。
「このところ思うのだよ。私に徹底的に足りないのは……そう、女らしさ! その不足を補うべく、スキあらば鍛えているわけだが」
「いやその理屈は判らんファイアー!」
「話は最後まで聞けー!!」
 が! 踊り狂う腰蓑に突っ込まれ、逆ギレしたシャオはきしゃーと腰蓑に飛びかかった。
「ラン! 上は任せた!!」
「わかりました姐さん、暑いの苦手なんですよ! もう!!」
 腰蓑に容赦ない関節技をきめつつシャオが叫べば、何処からともなく現れたカボチャマンなオランジュが輝く紋章陣を描き出す。狙いは無論、桜の上のフェイスレス!
「ごふぁああぁっ!?」
 夜空へ解き放たれた木の葉の群れが瞬く間に悪を包み込んだ!
 こんな感じで対冒険者使用ならまあセーフ。残った腰蓑達は皆恐れをなし、こっそりその場から逃げようとしたが――そうは問屋が卸さない。彼らの前に立ち塞がったカボチャマンが眩い光を放つ!
「アイガモハイパーカボチャマン・納涼ヴァージョンで見参!」
「ってなわけでカボチャマン・レディ参上よっ! かぼちゃちょーっぷ!!」
 鮮烈な光を放ったアイガモハイパーカボチャマンことクリスが腰蓑達をその場に縛りつけ、動きを封じられた彼らにカボチャマン・レディことマーガレットが手刀を落とし気絶させていく。
「で、ここからが本番だあっ!!」
 意識を失った腰蓑をごろりと仰向けにし、おもむろに巨大ブラシを取り出したクリスが腰蓑男の腹をぴかぴかに磨き上げた。そしてそこにマーガレットが鮮やかなカボチャマークを描き出す。
「ほおら、これでカボチャマンの下僕誕生よっ! おーっほほほほほほほ!!」
 だが思わず勝利の高笑いを響かせてしまった、その時!
「おーほほほほほっ、フラウ凹レンズ・ファイエル! 女神様のご加護のもと参上ですわーっ!」
 高笑いが高笑いを呼んだのか、見覚えのある炭と火鉢を背負い数多の虫眼鏡を身に付けた女性が現れた! 彼女の名はフラウ凹レンズ・ファイエルことリーナ。リーナは某女神直伝という凱歌で腰蓑達を救い、更には土塊の下僕達を指揮してお祭り会場を灼熱地獄に落とそうとする。
 そして――
「カボチャマンは火だるまにしちゃいますよーっ!」
 緑の業火な紋章陣を中空に描き出した。
 だがその紋章陣が完成する、寸前。
「火の用心ー!」 
 金魚達がぴちぴち泳ぐ川の中からざばあと現れた何者かが、紅蓮の雄叫びでフラウ凹レンズ・ファイエルの野望を挫く! 全身から水と金魚を滴らせたその人物の正体は!?
「火の不始末はこのカボチャマン・シュヴァルツ&クマ君&カーネルが断じて許さんっ!」
「ぎゃー! ボギーのクマが水浸しにー!?」
 そう、彼こそは竹筒片手にずっと川に潜んでいたカボチャマン・シュヴァルツことシュウである!
 さり気なく奪ったボギーのクマと何処か軍人ちっくなアヒルちゃん人形を両肩に乗せた彼が、くるりとギャラリーを振り返ってポーズを決めた!
「ちびっ子の諸君、火を取り扱う時は危ないので注意しようね?」
「はーい、気をつけまーす!」
 元気よくカボチャマンに手を振るのは、カボチャマン大好きルキ14歳。
 嗚呼、久々にナマで見るカボチャマン達の何と素敵なことか!
 竹の水路を流れてくる南瓜プリンをひとくち食べれば、口の中いっぱいに幸せの味。
 美味しさ、懐かしいこの気持ち、プライスレス。
 みたいな。みたいなー! と大いにはしゃぎつつ向かうはお代官様のもと。南瓜浴衣を着こなしたお祭りレポーターなテルミエールのインタビューを受けている彼にルキが挨拶しようとした――刹那。
 何と、お祭りレポーターなテルミエールが浴衣を脱ぎ捨て黒魔女てるみーに変身した!
「ここで大逆転! この黒魔女てるみーがお代官様の身柄を頂戴しちゃうんだから!!」
「ええー!?」
 だが心配御無用、悪の蔓延るところに正義あり!
 黒魔女てるみーの背後にひとりのカボチャマンが現れる!!
「フッ……そんなこったろうと思ったぜ、黒魔女てるみー!」
「な、何奴!?」
 お代官様を羽交い絞めにした黒魔女てるみーが振り返った、瞬間。
「カボチャマンシリアス参上! 喰らえシリアス砲!!」
 思いっきり『しりあすーっ!』と雄叫んで、カボチャマンシリアスことセイガが黒魔女てるみーの動きを封じ込めた! 実は流し南瓜プリン目当てで偶々近くにいただけなのは抜群に秘密だ!!
 こうしてようやく、フィーネの納涼祭に平和が訪れた。

●ラストファイアー!
 平和を取り戻したお祭り会場を、子供達を連れたカボチャマンが歩いていく。子供達と火の始末を見回る彼の名はマサキ。彼は子供達に、火の怖さだけでなくその便利さや扱い方を教えていた。が!
「家族と食べる美味しいお料理も、火が無くては作れませんからね」
 嗚呼。
 何故ひとは、言ってはならぬ言葉を口にしてしまうのか。
 気づいた時にはもう、マサキの腕に何時もの少女のそれが絡みついていた!
「家族の食卓って素敵! ねえ、子供は何人くらい欲しい? あ・な・た♪」
「微かに残るこの燃えかす……悪の火もまだ消えていないのか!」
 今日もマサキは疾風の如くその場から逃げ出した。
 しかし本当に悪の火も消えていないのもお約束!!
「我ら『燃える火踊りの会』は不滅よ! さあ今こそ貴様らを灼熱地獄へ叩き込んでくれるわ!!」
 燃え上がれ炎ー! と再び湧き出した腰蓑達が盛大な炎を上げる。だが当然これを見逃すカボチャマンではない。はあ、と大きな溜息ひとつ、新たなるカボチャマンが彼らの前に立ち塞がった!
「……カボチャマン・フォックステイル……悪人に手加減する義理は無い!」
 土塊の下僕達にバケツリレーでの消火を指示し、カボチャマン・フォックステイルことアルムが腰蓑達に当身を喰らわせていく。そこに「助太刀するぞ!」と現れたのは、薔薇を咥えたカボチャマン!
「ふっ、燃える火踊りの会! この俺様が来たからには、貴様らの悪事も此処までだ!」
「きゃー! ココロじいちゃんかっこいいー!!」
 マスクを被ったまま薔薇を咥えるという器用な技を披露した薔薇のカボチャマンことココロに、観客に混じって南瓜団扇を振り回しながらイーリスが声援を送る。
 だが彼女にポーズを決めて見せたココロが華麗に悪を成敗しようとした、刹那!
「んなー!?」
 消火のため撒かれていた水が彼の足を滑らせた。
 未だ消えぬ炎に彼が突っ込みかけたが、そこにざばあと水が降りそそぐ!
「季節が移ろい変わっても、なくならないものがある。あなた達のような悪人と、悪を成敗するために生まれたカボチャマン!」
 たっぷり水を湛えたバケツと共に、カボチャマン・ファイアファイターことアスティアが現れた!
 彼女は眩い光で腰蓑達の動きを封じ、バケツの水で瞬く間に火を始末していく。だが一体誰が気づいていただろう――真の悪が、その機を窺っていたことを!
 最後の焚火が消えた瞬間、真の悪が降臨する!!
「ボハハハハッ! ネオ・ブラックスイカマン推参!!」
 夜店の影に潜んでいたネオ・ブラックスイカマンことゼムがいそいそと現れた。手近なボギーを捕獲した真の悪・ゼムは、ゴージャスな胸毛を皆に披露し、その胸に思いっきりボギーを抱きしめる!
「必殺・もっふもふ地獄でゴザル!」
「も、ももぎゃー!!」
 とてつもなく暑苦しいことになったボギーが断末魔の叫びを上げた。
「ボギーさん! 今ヒーリングアローを!!」
「いやヒーリングとかいう問題じゃなみぎゃあああ!!」
 彼が癒しきれない傷を負ったらしいと悟ったユリアが、涙ながらに愛弓を呼び寄せる。そして――
「カボチャマン・シード、只今誕生! どーん・おぶ・カボチャ、えばー・ねばー・バーニングサマー!」
 桃色の矢を炸裂させて悪の戦意を挫いた!
「夏の涼を楽しむ風流が解せない悪党よ、俺が相手だ!」
 悪の手からボギーが逃れ出たのを確かめて、今日の真打ち(ずっと樹上で待っていただけとも言う)カボチャマンが現れる! 夕方からずっと木の上に潜んでいたワスプは飛び降り様に剣を抜き放ち、
「カボチャマン・ブレエェェェェィドッ!」
 パンプキンオレンジの剣光を一閃させる!
 南瓜ランタンの灯りが照らす納涼祭の会場に、ふわりとネオ・ブラックスイカマンの胸毛が舞った。

 こうして『燃える火踊りの会』は退治され、真の悪ことネオ・ブラックスイカマンも成敗された。
 ありがとう! カボチャマン!!
 暑苦しい熱帯夜から救ってくれた君達のことを、フィーネの人々は決して忘れない!!


マスター:藍鳶カナン 紹介ページ
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双天牙・マサキ(a21623)  2010年06月30日 22時  通報
ああ……マサキって自爆属性だったのね
遅まきながらに気付いた一本