動く島



<オープニング>


 青い空にもくもくとした白い雲が浮かんでいるありふれた夏の空。
 穏やかに流れる風は潮の香りを運び、絶え間なく聞こえる潮騒と日の光を反射して煌く水面が世界に彩りを加えてゆく。
 その風景は一見、平穏な夏の船旅を絵に描いたかのようなの風景に見えるのだが……。
「ん? 集まったか……まずはアレを見て欲しい」
 都市船を引いて移動するマリンキングボスの上から一点を凝視していた、紫猫の霊査士・アムネリア(a90272)は冒険者達へと振り返ると、だだっ広い海を指差して言い放つ。海のど真ん中を示されてアレと言われても何のことだがさっぱり解らないのだが、アレだよアレと主張するアムネリアの肩越しに彼女が示す方向を見やれば島らしきものを見つけることが出来た。
 自分の示すものを見つけた冒険者達にアムネリアは頷くと先を続ける。
「あの島な、よーく観察していると判るんだが……マリンキングボスと同じように移動している」
 アムネリアの言葉にもう一度島へと目を凝らせば、島は椰子の木などが生える無人島のように見える……大きさとしては、木の大きさと島全体の比率をざっと目算しても、都市船の数十倍はあるだろうか? 形は綺麗な楕円形にも見える。
 そんな島が移動する……そんな事が在り得る筈が無いとも思うが、霊査士である彼女が言うことを一笑に付す訳にもいかないだろう。もし、事実、あの島が移動するようなものだとすれば都市船にぶつかってくる可能性も無いとは言い切れないのだから。
「何も無いならそれでも良い……が、何かあってからでは遅すぎると言う訳だ。そんな訳だから、何であの島が動いているのか調査してきて欲しい。島自体はそんなに大きなものでもないから丸一日あれば調べられるだろう……が、ある程度の原因を予測して調査しなければ何も得られないかもしれない」
 空ばかり見ていても仕方が無いし、地面ばかり見ていても仕方が無い。何に目をつけて調査するか……それはとても重要な事だろう。

「あと……」
 ……思案顔になった冒険者達から視線を海へと向けるとアムネリアは目を細め、体を護るように両肩を抱えると重く口を開く。
「……あの島自体では無く。その周囲に……酷く邪悪な気配が感じられる。その邪悪な気配が、島全体に働きかけているのかもしれない……」
 移動する島の謎と、正体不明の邪悪で危険な何かの気配。それらが独立した事象なのか、絡み合っているのか……全ては不明だ……アムネリアは今一度冒険者達へと振り返ると、
「皆の知恵と勇気に期待する」
 全てを託すようにまっすぐに、冒険者達を見つめ……彼らを送り出した。


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参加者
白陽の剣士・セラフィード(a00935)
そよ風が草原をなでるように・カヅチ(a10536)
彷徨猟兵・ザルフィン(a12274)
焦天回廊・アイラザート(a13992)
思い出を紡ぐ者・ロスト(a18816)
愛と正義と黒バニーの使者・アリス(a20132)
砂漠の民〜風砂に煌く蒼星の刃・デューン(a34979)
世界を救う希望のひとしずく・ルシア(a35455)
せせらぐ琴線・リナリー(a59785)
虹色の羅針盤・シェリパ(a60767)


<リプレイ>

 天高くより降り注ぐ陽光が不規則に揺らめく海面に返されて煌く。
 小船から見える、煌く海の中には大小さまざま、色とりどりの魚達が優雅に泳いでいた。

「平和だねぇ」
 世界を救う希望のひとしずく・ルシア(a35455)はしみじみと呟いた。
 ルシアは、もしも何か邪悪な気配があったり巨大な生物が海中にあるなら普段と違った様相を見せるのではないか? と考えていたようだが……、
「邪悪な気配って言ってたけど」
 そんな気配は全くなさそうだよねと、島の周りに違和感などが無いかを見ていた、最強合体グレート・シェリパ(a60767)がルシアの呟きに同調する。この海域の普段の様子を知っている訳では無いけれど、少なくとも邪悪さとか違和感めいたものは何一つ感じられないのだ。
「邪悪……大らかな南の大陸にそぐわない言葉だな」
 しみじみと水面を見つめるルシアとシェリパから、砂漠の民〜風砂に煌く蒼星の刃・デューン(a34979)は視線を空へと移す……青い空に真っ白な雲が浮かび、海面をすべる風は心地よく、本当に拍子抜けするほど穏やかなワイルドファイアの海そのものである。確かに、こんな空気の場所に邪悪と言う言葉は似合わないだろう。
「動く島、か」
 ワイルドファイアにあるものは人にとって迷惑である事はあっても邪悪とは違うんだよなと、彷徨猟兵・ザルフィン(a12274)はデューンにつられて見上げていた空から島へと視線を戻した。
「動く島かなぁ〜ん。不思議な島なぁ〜ん」
 そんなザルフィンの言葉に、久しぶりの故郷はちょっと日差しがきついなぁ〜んと、小麦色の掌で太陽の光を遮りつつ、極楽連鞭・アイラザート(a13992)がもっともな感想を述べ、
「夏ですし島が泳ぎたくなる事もありますよ」
 そよ風が草原をなでるように・カヅチ(a10536)はハッハッハと、さも当然のように島が動く事態を受け入れたようだ。
 ワイルドファイアだし、島の一つや二つ動いていても今更驚かないでも無いような気がしないでも無いが……霊査士が不安がるようなモノだ、気を引き締めていかねばならないだろう。
「ま、目で見りゃわかるよな」
 ふっと素に戻って、だんだんとその姿の詳細を確認できるようになって来た島を見つめるカヅチと、何かなぁ〜ん? 何かなぁ〜ん? と興味深そうに同じく島を見つめるアイラザートにザルフィンは肩を竦める。
 ワイルドファイアに似つかわしくない邪悪……考えられる幾つかの想定を並べていけばその中に答えはあるだろう。
 しかし、結局のところ答えは自分の目で確かめるしかなく、その答えを探る為に自分達は此処に居るのだ……ザルフィンたちは頷き合うと各々上陸の準備を始めた。

 島へと辿り着くと、せせらぐ琴線・リナリー(a59785)たちは小船を陸へと引き上げて岩陰に隠す。何があるか……何かが居るかも判らない以上、自分達がこの場所へ来た痕跡はなるべく残したくは無いだろう。
 リナリーや、愛と正義と黒バニーの使者・アリス(a20132)たちが小船を隠している間に、デューンとザルフィンは周囲に足跡などが無いか、人工物など変わったものなどが無いかを見える範囲で探ってみるが、特に変わったものなどは見つからなかった。
 そうして一通り確認が終わると、ザルフィンは砂浜に穴を掘り出す。この島が何かの生物であるのなら地肌があるだろうと彼は考えたのだ。それに、予想が当たっているのなら、砂浜であれば浅いところで地肌に辿り着くだろうとも……、
「何か硬い音がしましたね」
 そして案の定、少し掘り起こしたところで金属を弾くような音が聞こえた。
 霊査士に渡すために、海岸付近にある目ぼしい物を集めていた、アルティメットヘタレカイザー・ロスト(a18816)がその音を聞きつけザルフィンが掘っていた穴を覗き込む……見れば底には蒼い鉱物の様な者がある。
 これが地肌だろうか? それともたまたま埋まっていた何かの鉱物の一部だろうか? とロストとザルフィンは互いの顔を見合わせるが……答えが出るはずも無い。
「痛くしてごめんね? あなたの心音、聞かせてっ」
 ルシアは考え込んでるロストたちから事情を聞くと、おもむろに熱い魂を拳にこめて蒼い鉱物のようなものに叩き込む。もしこれが地肌なら、精神的な繋がりで何かの情報を得られるかもしれないのだが、
「……なんにも読み取れなかった」
 ただの鉱物なのか、それとも相手が何も考えていないせいなのか……兎に角何も伝わって来なかったようだ。
 辺り一面全てを掘り返せば蒼いものの正体が判るかも知れないが、それには膨大な時間が必要だろう……ザルフィンはアリスたちが戻ってくるのを確認するとこれ以上の発掘を諦める。
「それでは外周を調べましょう」
 そして一行はロストの言葉に従って島の進行方向へ向かって歩き出す。もしこの島が何らかの生物であるなら進行方向が頭である可能性が高い。頭まで辿り着ければ何か色々と見えてくるかもしれないのだと一行は判断したようだ。
 その判断が凶と出るか吉と出るか……いずれにしても、結果が出るまでに時間は掛からないだろう。

 島の周囲を歩きながら、白陽の剣士・セラフィード(a00935)は小高い場所が無いかなどを確認する。
 外周は砂浜だったり切り立った崖だったりと平凡な海岸と同じ……少し内へ入れば熱帯独特の鬱蒼と茂った森が広がり、その先には岩山が聳えているのが見える。
 高い場所を目指すなら、島の中心へ向かって進めばまず間違いは無さそうだ。
 主に島の内側へと注意を向けるセラフィードとは逆に、島の外側へ意識を向けているのはカヅチとデューンだ。
 この島がもし、巨大な海洋生物であるなら水掻きとかがあるかもしれない……実際、右手に見える三日月の形をした海岸など正に水掻きと言った感じである。
「鳥ね」
 如何見ても亀だなとデューンが一人で頷いていると、セラフィードが森の入り口付近の木に一羽の鳥が留っているのを見つけた。
「あの子に話を聞いてみましょう」
 リナリーはそう言うと鳥の方へ歩みを進める。鳥は近づいてくるリナリーたちを見つめるだけで襲ってくる様子も、逃げる様子も無い……どうやら無害な鳥らしい。その様子にほっと胸をなでおろすと、リナリーは鳥を甘く囁きかけるような魅惑的な歌声で魅了する。
「この島は何時頃動き出したのですか?」
「動く? 良く解らない」
 十分に歌の効果が発揮された事を確信し、リナリーは鳥へ向かって質問を投げかけてみるが、鳥は首をかしげるだけだった。質問の意味が解らないのか、そもそも動いているという認識がないのか……カヅチがこの島の向かっている方向を聞いても同じ答えしか返ってこなかったのを考えれば後者だろうか。
「島の周囲に最近現れた見慣れない者はいるか?」
「あっちに居るよ」
 鳥は続いて質問したデューンにはあっさりと、デューンたちが進んでいる方向に首を向けて答えを返してきた。
「それは――」
 だが次の質問をぶつけ様とした時、魅了の効果が切れたのか鳥は一鳴きするとそのまま飛び去ってしまった。
「行ってしまったなぁ〜ん……でも、何か居ることが解っただけでもよかったなぁ〜ん」
 鳥が空へと消えて行くのを見送りアイラザートは言う……何かが居ると解っているのなら心の構えが出来る。その確証を得ただけでも成果は在っただろう。
「気を引き締めていくですぅ」
 アイラザートの言葉に大きくうなずき、アリスは小さく拳を握るのだった。

 鳥が居た場所から暫く進む……と、セラフィードの目に一瞬、白い影が映る。
 セラフィードは仲間たちへ手で合図を送り何かが居ることを伝えると、それが見えた方へ慎重に近づく。
 近づくにつれ、その白い影が人型が一人で何やら踊りらしきものを踊っていることが解る……セラフィードたちは顔を見合わせると更に、その人型に向かって距離を詰める。万が一此方の動きがばれても一人が相手なら何とかなるだろう。
 じわりじわりと近づいてゆくと、人型の詳細を確認することが出来る距離まで辿り着く。
 柔らかそうな金髪に魅惑的な赤い髪……白い服から覗く素肌は浅黒く健康的で……つまりは一見とても美しい女性のように見えた。ただ――
「あれれ? どうして、ここに人間が?」
 その女性のようなものは、セラフィードたちに気がつくと小首を傾げて疑問を口にした。ここに人間が居る筈がないのにと……だが、それも一瞬の事。
「まぁ、いいや」
 と、小さく口が動き、いっそ優しげにすら見える笑顔を浮かべながら軽快な足取りでロストの目の前まで歩み寄り――爪を突きつけるようにロストの喉元へ腕を伸ばす。
「……その角が無ければ仲良くなれたかもしれませんが」
 爪を盾で弾いたロストが残念そうに言う。女性のように見えるものの頭には捻じ曲がった……所謂悪魔を連想させる角があり、それが彼女が人間でない事を如実に表していたのだ。邪悪な気配の情報を得ている上に、先の鳥からの情報もあり、十二分に警戒していたロストたちが外見に惑わされる筈もなく。
「え! 冒険者なの!?
「ドラグナーさんが相手じゃ仲良く出来ないね」
 自分の一撃をあっさり防がれて驚愕するドラグナーの懐へ踏み込み、その腹へ掌を当てたシェリパが言うと同時に爆発的な気を叩き込む。
 気の力によって吹き飛ばされたドラグナーは一瞬苦しそうに腹部を押さえると、そのまま踵を返して逃げ出そうとするが……リナリーが慈愛に満ちた歌を歌い、デューンが粘着性の高い糸を放つとその場に転倒して身動きを取れなくなる。
 そして転倒したドラグナーにセラフィードとザルフィンのブーメランが叩き込まれ、全身の神経を極限まで集中させたアイラザートの指先がドラグナーの急所へ突き刺さる。
 既に満身創痍のドラグナーはそれでも粘着性の高い糸を振り切って逃げようとするが……、
「逃がさないですぅ!」
 すぐに放たれたアリスの粘着性の高い糸に絡み取られてしまう。
「……パラダルク様……まだガルベリオン……催眠が終わって……ぁ……お、お願い……見逃して……」
 ぼろぼろの体で地面を舐める形になった自分にゆっくりと近づく影に、目に涙すら浮かべて必死の懇願をするドラグナーだが、
「ドラグナーにかける情などありませんので」
 自分を見下ろす黒く冷たい瞳には一点の迷いも無く……無機質な大降りの刀が風を切る音と、何か硬いものが砕けるような音がやたらと大きく聞こえた。

「いっぱい居るね……あ、黒いのも居るんだ」
 ドラグナーを倒した場所から更に先……丁度島の進行方向の最も端に位置する場所へと進むと、先のドラグナーと全く同じ背格好をしたものたちが一糸乱れず同じ動きで踊っていた。
「……一体一体は綺麗なのに、いっぱい居ると何だか気持ち悪いですね」
 同じといっても黒い服と白い服の二種類居るようなのだが、結局のところどれもこれも同じ顔なのだ。リナリーが気持ち悪がるのも無理からぬ事である。
「でも、一体何をやって……」
 そしてアリスが首を傾げるのとほぼ同時に、ドラグナーの一体と視線が合い……何かを叫んだドラグナーの声に反応するように全てのドラグナーが一斉にアリスたちの方を向いた。
「!? 逃げるよ」
 先ほどと同じドラグナーならば一体一体はたいした強さではないだろうが、確認できるだけで二十体近い数が居るのだ……相手にしたくは無い。ルシアが声を上げると同時、冒険者たちは一斉に踵を返した。

 だが、敵もそう簡単には逃がしてくれず……徐々に島の端の崖へと追い詰められる。
「同じ顔ばっかりで気持ち悪いなぁ〜ん!」
 赤い眼赤い眼赤い眼……同じ顔同じ顔同じ顔……同じ声同じ声同じ声……度し難い悪寒に駆られたアイラザートが、その顔の一つに拳を叩き込むが次の顔がまたすぐに現れる。
 カヅチの咆哮や、アリスとデューンの蜘蛛糸、リナリーの眠りの歌などで多少の時間は稼げるが、それでも敵の数があまりにも多い。このまま戦闘を続けていても、勝ち目は薄いだろう……どうするか? と、ザルフィンとデューンが視線を交わしたとき――不意に地面が揺れ、ドラグナーたちの注意が島の先端へと向けられた。
「飛び降りろ!」
 ドラグナーたちの注意がそれた瞬間、冒険者たちは一斉に崖から海へと飛び降りる。一瞬でも注意がそれたという事はドラグナーたちにとって自分たちよりも、あちらの方が大切と言う事に違いない。自分たちを簡単に追えない状況になれば諦める可能性も高いのだ。
 そして、案の定ドラグナーたちは自分たちを追ってくることは無かったが……代わりに島の揺れが徐々に激しさを増し、海へと飛び込んだ冒険者たちにもその余波で生じた波が襲い掛かる。
 島から聞こえる地鳴りは激しさを増し、波は徐々に高さを増す……危険を感じたシェリパたちは泳げないアイラザートに肩を貸し、何度も海水を飲みながら島から距離をとって――
「島が……浮き始めてる……?」
 もはや壁に近い高さで迫る波間から見える島の姿が、徐々に浮き上がってきていた。
 否、島に見えたものの下から蒼い色をした硬質のものが浮き上がり、それが体の上から人の数倍は在ろうかという岩や木を米粒のように落としながらゆっくりと……空へと昇ってゆく。
「やはり海亀か……」
「……で、やっぱりドラゴンロードね」
 空を覆いつくすほどに巨大なそれを下から見上げ、デューンが独りごちると、セラフィードがそれに続く。巨大海亀の下、腹の辺りにぴったりと見覚えのある真っ黒な球体がくっ付いていたのだ。
「飛んでいってしまいますぅ」
 あれは間違いなく、ドラゴン界……だが、今の彼らにはどうする事も出来ないだろう。穏やかな波を取り戻し始めた海の上で、冒険者たちはゆっくりと空を飛んでゆく巨大海亀とドラゴン界を見送るしかなかった……。
 それから暫く、呆然と海の上を漂っていた冒険者たちは近寄ってきたマリンキングボスによって回収された。
「お疲れ様。無事で何よりだ」
 ずぶぬれではあるが全員無事な姿の冒険者たちの様子にアムネリアはほっと胸をなでおろす。それから冒険者たちから島で回収した幾つかの物を受け取ると、
「……ふむ。あの島の正体は飛天大王ガルベリオン。今までに無いほど巨大な体躯を持つ、空を飛ぶ海亀の怪獣……七大怪獣の最後の一体だな」
 暫くの沈黙の後、予想通りだとは思うけど、と話を始めた。
「それは良いんだけど……問題はここからだ……皆も見たと思うが、ガルベリオンの下についていた黒い球体はやっぱりドラゴン界……統べる王の名前はパラダルク」
 やっぱりと頷く何人かに目を細め、アムネリアは先を続ける。
「パラダルクは、誘惑催眠の力を持つ特殊なドラグナー……ドラグナーガールに、ガルベリオンを支配させたようだ……そして、パラダルクは大大怪獣ワイルドファイアをも誘惑催眠で支配し、その力を取り込もうとしている」
 ドラグナーガールが踊っていた踊りは、誘惑催眠だったのだろう、しかも今度は大大怪獣ワイルドファイアを狙うと言う。
 万が一にも大大怪獣ワイルドファイアがパラダルクの手に落ちれば、もはや手に負えない存在になってしまうかもしれない。それだけは避けねばならぬだろう。
「ただ、誘惑催眠の力は眠っている状態では効果が無いようだ……ふむ、そこに付け入る隙があるかもしれないな……」
 大大怪獣ワイルドファイアを起こさせない、あるいはまた眠りに付かせることが出来れば、パラダルクの野望を打ち砕くことが出来るだろう。
「また、すぐに働いてもらう事になるだろうけど、今はゆっくり休んで」
 アムネリアは暫く考えていた後、冒険者たちを労う様に微笑むと、ぱたぱたと何かの準備を始めた。


 【END】


マスター:八幡 紹介ページ
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作成日:2008/08/18
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重傷者:なし
死亡者:なし
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