終着の地に希望を〜隣村からのSOS〜



<オープニング>


●終着の地で
「今まで……地獄ではどのような依頼を?」
 村への道すがら、ちいさな勝利の女神・ニケ(a55406)は、砂塵の中の蒼・フエンテ(a90277)から、そんな問いを受けた。
「えぇっと……、いろいろあったんですよ〜♪」
 ニケは空を見上げる。
 重く立ち込めたように見える空が、青空に負けないくらい爽やかに見えるようになったのは、何時からだろうか。

 犬の首輪を抱きしめ、お礼を言ってくれたおじさん。
 故郷に帰れた事を喜び、手を振って見送ってくれた家族。
 手渡された花の種を見つめ、微笑んだ老婆。
 涙を浮かべながら、仲間と別れの握手を交わした女性。再開した時は元気だったけれど、今もこの空の下で頑張っているだろうか。

 気がつけば、ニケは自然と今までの事を話していた。一通りの話を聞いたフエンテが、にこりと笑う。
「ニケは……ひまわりのような人、ですのね」
 フエンテから見て、ニケを挟んだ反対側を歩く、想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)が頷く。
「ええ。ニケさんといると、明るくて優しい気持ちになれるんですよ」
「にゃはー……あ、ほら、村が見えてたのですよ〜」
 照れ隠しのため、ニケは村に向かって走り出す。
 そんな感じでやってきた一行は、到着するなり村長の家へと案内された。
 
「難民の救出……ですか?」
「ええ、正確には、少し違うのですが……。まぁ、詳しい話は当人から」
 ラジスラヴァの問いに答える村長。彼の隣には、やつれた顔の中年の男性と、恐らくは彼の娘だろうか、暗い顔で俯く少女が座っている。村長に促され、中年の男性が口を開く。彼は難民の長で、元は隣村の村長であったという。
 彼が説明したことを纏めると、次のようになる。
 この村には、近くにもう一つの村がある。そこが、自分達が元いた村であった。住人が50人程度の小さいながらも平和な村で、横暴な領主に支配されるということもなく、この村と交流しながら穏やかに暮らしていたという。
 ところが、戦いが続いた影響であろうか、村にアンデッド達がやってきた。そこで、命からがら隣村であるここまで逃げてきたというのだ。
 村までの道の途中には林がある以外は見通しがよく、時折脇に骨が転がっているような何もない道。行程としては、普通の人の足で二日程度であるという。

 説明が終わったところで、この村の村長が頭を下げる。
「お願いします。彼らを再び、元の村で暮らせるよう、尽力しては頂けませんか」
 隣村の村長は、こちら意図を探るかのような視線を投げかけている。不安、期待、不信、脅え。それらが複雑に入り混じった目だった。
「また……アンデッド……おそってくるの?」
 隣に座っていた少女が、父親の気配を感じ取ってか、不安そうにニケを見上げる。
「大丈夫、おねえちゃん達におまかせなのですよ〜」
 少女に笑いかけるニケの心には、今まで地獄で関わってきた人々の笑顔があった。


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参加者
想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)
言いくるめのペ天使・ヨウリ(a45541)
神官戦士・イストテーブル(a53214)
踊る子馬亭の看板娘・ニケ(a55406)
えきぞちっくますこっと・トミィ(a64965)
剣舞二重奏・カレル(a69454)
悪戯狩人・フェロル(a71274)
ヒトの翔剣士・ホムラ(a75679)
NPC:砂塵の中の蒼・フエンテ(a90277)



<リプレイ>

●暗雲の出立
「ふん、今更罪滅ぼしか……?」
「こんな地獄まで人気取りか。同盟の冒険者サマは、パフォーマンスも欠かさないってか……!」
 避難していた村人達に、帰郷の用意を、と通達して周っていたヒトの翔剣士・ホムラ(a75679)に投げかけられたのは、そんな言葉だった。
 捨て台詞を残し、集合場所である村の外へと歩いてゆく二人の青年。
 青年の背中を呆然と見送るホムラの肩に、柔らかい手が置かれる。
「余り気にしないであげてくださいね」
 振り返ると、想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)の悲しげな微笑みがあった。
「あ、うん。地獄に来たのって初めてだったから、ちょっと驚いただけだよ」
「彼らも、大分参っておるんじゃろうのう」
 声のした方を向くと、ふくよかな体を揺すりながら、言いくるめのペ天使・ヨウリ(a45541)が歩いて来るところだった。
「ラジスラヴァ殿、人数はどんなもんじゃったかの?」
「人数は48人。うち、子供が12人です。ヨウリさんの方は?」
「うむ。緊急時には、土塊の下僕に重い荷物を持たせるよう、打ち合わせしてあるぞい」
 数分で下僕が消えなければ常に持たせておくんじゃがのう、とヨウリは笑う。
「ところで、他の者は?」
「ええ、それなら……」
 ラジスラヴァが視線を向けた先を見ると、子供達に話しかける悪戯狩人・フェロル(a71274)と、ちいさな勝利の女神・ニケ(a55406)の姿があった。
「オレ達に任せて。アンデッドを操ることはできないけど、しっかり退治してみせるよ♪」
 子供達にフェロルは白い歯を出して笑い、びっ!と親指を立ててみせる。
「こんにちは、ニケなの〜。お名前、何て言うですか〜?」
「……リーリャ」
「いいお名前ですね〜。リーリャちゃん、これ、村の人と一緒に食べるですよ〜」
 手渡したバスケットには、クロワッサン、サラミ、果物の蜂蜜漬け、炭酸水が所狭しと詰められていた。豪華な食べ物に目を丸くする少女。
 うんうんと頷き、ニケは、さてっ!と立ち上がると、村の入り口でグランスティードに騎乗した二人に手を振る。
「がんばってくるよ〜っ!!」
 明るい叫び声が返ってくる。声の主こと宵の閃光・カレル(a69454)は元気よくニケに手を振り返す。
 彼の前に騎乗する神官戦士・イストテーブル(a53214)はグランスティードの背をなで、そして背後のカレルと拳を軽く合わせる。
「では、相棒、参りましょうか」
 グランスティードは一声嘶くと、村への道沿いに駆けだした。
   
●家路は嶮しく
 遅れて出発した村人と先行した二人以外の護衛班は、先行班からの敵遭遇の合図を受け、休息を取っていた。
 ホムラとフェロルがやや離れた岩に腰かけて見張りをし、村人達の真ん中では、ラジスラヴァの琴に合わせて、ニケが収穫の歌を歌っている。
 暫くして、遠くから風に乗って笛の音が聞こえてきた。 
 ホムラは遠眼鏡をしまって荷物を運ぶ用意をし、フェロルは村人達の方へと走り、休憩の終了を告げにゆく。
 ラジスラヴァが点呼をとり、脱落者のないことを確認すると、ニケが村人たちに笑顔を向ける。
「では、出発です〜。先行してる二人と合流しましょうか♪」
 けれど、それに対する返事は無い。
 村人達は無言でのろのろと立ち上がり、再び村への道を歩き始める。疲労は回復している筈なのだが、その歩みは、やはり、遅い。
「ニケさん……」
「大丈夫だよ、ラジスラヴァさんっ。これくらいで、落ち込んだりしないよ♪」
 気遣わしげなラジスラヴァに、明るく微笑み返すニケ。
 道の少し先では、流れる銀髪が美しいエンジェルの少女……のように見える少年、えきぞちっくますこっと・トミィ(a64965)が、念のために周囲の確認をしていた。
 来ている服も女性用のものなので、どこから見ても美少女そのものである。
「うん、アンデッドはいないみたいだね」 
 遠眼鏡から手を離し、後ろに向かって異常無しと手を振ってみせる。
 フェロルや自分に注がれる村人の視線が「こんな子供……しかも女の子もいて、だいじょうぶか?」と物語っていたが、トミィは気にする風でもなく進んでゆく。 
 と、道の先から近づいてくる影が見えてきた。
 一瞬警戒するトミィだが、すぐに影が先行班の二人とわかり、警戒を解く。
 イストテーブルがひらり、とグランスティードから降りる。
 ニケが子供達の群れからぬけだして、いたいのとんでけ〜と杖を掲げる。
 柔らかな光が溢れ、僅かながら二人が負った傷を見る間に癒してゆく。
「ありがとう、ニケさん。……にしても、やっぱり、雰囲気が重いね」
 カレルは村人達に、気遣わしげな視線を向ける。
 イストテーブルも、ふむ……と手を口元にあてて考え込む。
「心配しなくても、大丈夫だよっ♪」
 ニケのあっけらかんとした笑顔に、カレルとイストテーブルは笑みを交わし、グランスティードの背にその身を預けた。
 ……その後はアンデッドの襲撃もなく、野営時はイストテーブル厳重な警戒とラジスラヴァの安全な寝袋、交代での見張りの成果もあり、何事もなく過ぎていった。
 異変が起こったのは、二日目の午後、林の中を進んでいた時の事である。

●遭遇戦
 イストテーブルが途中の骸骨などは始末しておいたために、きれいな道が林の中をどこまでも続いている。鬱蒼と茂る木々の中を進んでゆく一行。
 一行の先頭を歩き、遠眼鏡で周囲を確認していたトミィが、視界ぎりぎりの大樹の下に転がっている獣の骨を発見した。
「なんとなく、嫌な予感がするのです……」
 と、その骨がかたりと動き出す。続いて、大樹の向こう側から次々と白骨化した獣が現れた。
 先行している二人が念入りに警戒していたお陰で付近のアンデッドは掃討されてる。
 然るに、丁度遠方から向かっていたものとの遭遇ということらしい。距離的には大分余裕がありそうであった。
「私は、村の人達を一か所に。危なくなったら眠りの歌を歌いますっ」
「ラジスラヴァさん、お願いっ。フエンテさんは笛をっ」
 ニケの言葉に、砂塵の中の蒼・フエンテ(a90277)が頷き、笛を取り出す。
 子供達の方へと下がったニケに、リーリャが怯えた表情を向ける。
「だいじょうぶ、怖くないですよ〜。すぐにアンデッドを退治するですよ♪」
 ひまわりのような笑顔で答えるニケ。リーリャはかすかに表情を和らげて頷き、ニケの服の裾を握りしめる。
 笛の音が響くと同時に動物型のアンデッドが突進してきた。
 遠距離からとはいえ、野生の狼のような鋭い動きに村人達が軽い恐慌状態い陥る。
 ヨウリが両手を合わせ、楓華独特の呪文を唱える。呼応して天使が現れ、仲間や村人達の頭上に舞い降りる。
 おぉ、という声が村人から上がり、彼らはやや落着きを取り戻す。
 村人のところまで下がったフェロルが体に似合わぬ巨大な弓を軽々と引き絞り、
「落ち着いて、こんなのあっという間だよっと! ジャスティスレイン、行っけー!」
 頭上に向けて矢を解き放つ。矢は空中で光り輝き、無数の光の雨と変わる。
 隣ではすでに漆黒の炎と氷に身を包んだ――キルドレッドの上から黒炎覚醒を使用した――トミィが、両手で木の枝を掲げていた。銀髪が舞い踊る。身を包む黒から同色の針が次々と湧き上がり、アンデッドに向かって飛翔する。
 光と闇が林の中に乱舞し、接近してきていたアンデッドの大半を打ち砕く。
 幼い外見をした二人の、見た目に反したすさまじい技量に、村人達から驚愕の声が漏れる。
 わずかに残ったアンデッドに向かってホムラとフエンテが走る。
「アンデッドかー。あまり関わりなかったなー」
「……油断さえしなければ、なんということはない……ですのよっ、と」
 ホムラのレイピアとフエンテの手刀が、残ったアンデッドをあっさりと粉砕する。
 そんな様子を遠方から眺めるカレルとイストテーブルは、こちらに気がついた仲間に軽く武器を掲げて答えると、念のために周囲を捜索すべく、グランスティードを走らせた。
 
 この、アンデッドの群れから村人を身を呈して守った事実は、非常に大きかった。
 それまでの冒険者達の献身的で誠実な態度もあり、村人達が徐々に協力的になったのだ。
 その日の野営では、村人達はフェロルの冒険譚を興味深そうに聞いたり、トミィの歌に聞き入ったり、ヨウリの笑いあり渋さありのコンサートには合いの手を入れたりしつつ、昨夜とは打って変わった明るい雰囲気でもって楽しんでいた。
 意気の上がった一行の足は自然と速くなり、次の日の昼前には目標の村へとたどり着いていた。

「それじゃ、行ってくるですよ〜♪」
 ニケは心配そうに自分を見上げるリーリャの頭をなでると、イストテーブル、カレル、トミィ、フエンテとともに村へと歩きだした。
 村に近づいてゆく五人。入口近くに蠢いていたアンデッドがこちらに気が付き、ゆるゆるとした動きで向かってくる。
 それに呼応するかのように、あちこちから虫が湧くように群がり出てくるアンデッド。
 イストテーブルとカレルが入口付近の開けた場所に陣取り、アンデッド達を迎え撃つ。
 銀色の剣と二つの斧が水のような流麗たる動きで踊る。二人が通り過ぎた背後で次々とアンデッドが動きをとめ、砕け散る。
 村に被害を与えぬ為、深入りせずに一旦後退し、アンデッドを村の外へ誘い出す二人。吸い出されるように前進するアンデッド。その先端向けて、フエンテが一歩踏み出す。
「無理は禁物なの〜。あせらずにあばれちゃえ、ですよ♪」
 ニケに微笑み返し、フエンテが先頭のアンデッドに向けて両の手を突き出す。気合の塊の直撃を受けてアンデッドが四散。
 続けて、トミィの黒い針が雨霰とアンデッドに降り注ぐ。骨に無数の穴を開けられ、砕け散ってゆくアンデッド。
 それらを辛うじて耐えきったアンデッドも、イストテーブルとカレンが次々と剣で両断し、あるいは斧で薙ぎ払う。
 まれに傷を負ったり毒を受けたりしても、そのつどニケが回復する。
 頃合いと見たイストテーブルが、眼前のアンデッドを事も無げに薙ぎ払い、前進する。
「よし、出てくる敵が少なくなってきましたね」
「それじゃ、突入といきますかっ!」
 カレルが言いながら掴みかかって来たアンデッドの頭蓋を斧で打ち砕く。
 村のアンデッド達が五人によって全滅するまで、そう長い時間を必要としなかった。

「どうやら、打ち漏らしもないようですね」
 掃討後の見回りを終えたイストテーブルに、同じく見回りをしてきたトミィも頷く。
「うん、どうやら大丈夫そうだよ」
「アンデッドの後始末も、終わったよっと」
 死骸を砕いて処理していたカレルとニケも合流し、さっそく村の人々を呼びに行くこととなった。
 
●復興
 報告を受けた村人達は、あるものは歓声を上げて。あるものは嬉し涙を流して。あるものは静かに喜びを噛みしめて、生家へと戻ってゆく。
 その様子を嬉しそうに眺めるフェロル。
「みんな、おつかれさまー。村に帰れて良かったね♪」
 通り過ぎる村人が、フェロルに向かって何度も頭を下げてゆく。
「で、村長」
「はっ」
 感無量といった感じで立ち尽くしていた村長に声をかけたのは、しごく真面目な顔をしたヨウリだった。姿勢を正す村長に、
「アンデッドはのう、死なない怪物なのか、死ねない哀れな民なのか……云々」
 と、自論を展開しつつ、アンデッドの供養の草案を作ることへの了承を求め始める。
 予期せぬ質問を受け、戸惑う村長。
「は、はぁ? ここでは、死者が蘇るのはそれほど珍しくなく、従ってそのような事について考えた事も……」
 ともあれ、アンデッドについての供養はお好きになさって下さい、との了承をもらえたヨウリは、早速弔いの準備を始める。
 二人のやり取りを、柵に腰かけて何とはなしに眺めていたフエンテは、傍らのトミィに声をかける。
「……トミィはこの後、どうしますの?」
 足をぶらぶらさせながら、トミィは答える。
「お手伝いしてこうかな。皆も、そうするだろうし」
 トミィの言葉通り、他の者は村の復興に協力するため行動を開始していた。
 
「何時も歌をありがとうね、ラジスラヴァさん」
「いえ、これくらい、大したことありませんよ」
 彼女は、幸せの運び手を使いつつ、生活が安定するまで村の手伝いを続けた。

「扉はこんな感じで良いかな?」
「ああ、アンタは本当に器用だな。助かるよ」
 フェロルは、家の修理などに尽力した。

「何時も見回り、すまんねぇ。畑の世話もしてもろて……」
「気にしないでください。困ってる人を助けるのが、我らの使命ですから」
 イストテーブルは、村の見回りや畑などの修復を買って出た。

「力仕事を押し付けてすまんなぁ」
「いえいえ! 他にも、できることはありますか?」
 カレルは力仕事を中心として、アンデッドに壊された場所などを修繕を手伝った。

 村外れで、木彫りの像を設えていたヨウリに、リーリャが話しかけてきた。
「おじちゃん、お話の続きしてよ〜」
「おお、よいとも。……さて、嬢ちゃんは、眠りたくても寝かせてもらなかったらどうじゃ? 嫌じゃろう。赤ん坊だったらぐずって暴れよるのう。アンデッドが人を襲うのも同じじゃ。ゆえに、安らかに眠れるよう、祈ってあげるのじゃぞ」
「祈れば、アンデッドにならないの?」
 ヨウリは考える。地獄では、アンデッドの発生は日常茶飯事である。祈っても、アンデッドになる時はなる。だからこそ……。
「だからこそ、わしらがおるのじゃよ。寝かせるのは、わしらの仕事。嬢ちゃん達は、その眠りが良きものであるよう、祈っておくれ」
「……うん!」
 その後、村の外れには、楓華風の像と、百合と白薔薇に霞草を添えた花束が備えられていたという。

 私はどうしようかなぁ……。そんな事を考えていたホムラのところに、二人の青年が歩いてきた。
 出発時に、罵声を浴びせていった二人だった。二人は、しばらく視線を彷徨わせていたが、やがて照れくさそうに頭をかくと、深々と頭を下げた。
「その、前に、酷い事をいって……すまなかった」
「……つい、不満を、目の前にいるアンタにぶつけちまった……。アンタらは善意でもって来てくれてたのに……」
 慌てて両手を振るホムラ。
「いや、そんなこと……」
(「まさか、楽しい人生の糧にしたくて来たなんて、言えないしね……」)
 それを照れ隠しと思ったのか、青年二人は何度も頭を下げ、
「本当に感謝してる。ありがとな」
「同盟のこと、見なおしたよ。……それが言いたかったんだ。じゃあな」
 そう言って、走り去っていった。
 青年の背中を呆然と見送るホムラの肩に、柔らかい手が置かれる。
「よかったね、ホムラさん♪」
 ホムラが振り返ると、ニケのひまわりのような微笑みがあった。
「うぅん……あはは……」
 曖昧な笑顔を浮かべながら。
 誰かのために働くのって、結構楽しいことかも……? そんなことを、ホムラは思ったのだった。


マスター:PE2 紹介ページ
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