≪さいはての村パルシア≫【星の刻印】異形狩り



<オープニング>


 パルシアグリモアガード本部に保護されて以来、高熱が下がらず、意識不明の状態だったロルカの容態は、護衛士たちの必死の看病の甲斐なく、好転することはなかった。
 ロルカの熱の原因は不明だった。病気でもなく。怪我による発熱でもなく。何がロルカを苦しめているのか、外からはうかがい知ることが出来ず。
 そして、日付が6月5日から6日になろうとしている深夜。
 峠を迎えたロルカの元に、アーサスはミルカを連れてきた。
「ロルカ……わたしを置いて行かないで……1人にしないで……」
 ミルカの呼びかけが聞こえたのかどうか。ロルカは微かに腕を動かし、ミルカを押しやろうとした。自分から遠ざけようとしているように。
 消えようとしているロルカの生命に、護衛士たちはあらん限りの方法を試した。ミルカや他の者の血を与え、あるいは星形の痣を針で刺し。
 それでも、その事がロルカを回復、あるいは変化させることはなかった。
 もう出来ることはない……。サクヤはロルカに頬を寄せ、眠りの歌で眠らせた。怖い夢を見ないよう、優しい朝日が見られるように、と。
 ミルカは泣きながら花祭りの歌を歌う。春から夏にかけての生命の歌を。
 その中で……ロルカはそっと息を引き取った。
 だが。
「きゃあぁぁっ!」
 次の瞬間、シルエラが悲鳴をあげた。
 ロルカの身体は裂け、中から異形のものが飛び出した。そしてそれは、一番手近にいたスイシャに飛びかかる。
 そこに樹上から狙いを定めていたウルフェナイトのホーミングアローが命中した。スイシャを掴もうとしていたその手が逡巡する。そこに打ち込まれたシズクの影縫いの矢が一瞬その動きを止めたが、それはすぐに束縛から抜け出す。
 フォルムアイは気を失ったミルカを抱えて部屋の外へ逃れた。
「村には行かせないようにここで止めろ!」
 電刃衝を宿らせた斧槍をを振り下ろしつつ、アーサスが叫んだ。そこにウルフェナイトのナパームアローが部屋にいた護衛士を巻き込み、爆発する。
 ルヴィンのヒーリングウェーブが護衛士たちを包み込み、傷を回復させるが、爆発に気を取られたその一瞬の隙を異形のものは見逃さなかった。スイシャから敏捷に飛び離れると、窓を破って外へと逃走した。
 ウルフェナイトは追跡を試みたが、その姿は素早く裏路地へと消えてゆき……闇の中に見えなくなった。

 その頃ガトーは、村の家を1軒1軒回っては、モンスターが出たことを伝えて回っていた。戸締まりをしっかりとし灯りを落として就寝するようにと。村人に被害を出してはならない。
 それが功を奏してか、その夜、他に被害の悲鳴があがることはなかった。ただ、村の家畜たちは落ちつきなく、ずっと騒ぎ立てていたが。
 その生物はまだ発見されてはいない。途中まで続いていた血痕は、村の裏通りへと抜け、そこからうねうねと村入口とは反対方向へと続き……そこで血痕は絶えていた。身体についたロルカの血が落ちきったのだろう。
 まだ村のどこかに潜んでいるのか、それともさいはて山脈へと抜けたのか。


 ナパームアローを受けた為、ロルカの遺体の損傷は激しい。その前でグリシナは手を合わせた後、血まみれの衣服に手を置いた。
「……花畑が広がってる……逃げるロルカさんの姿……追う『何か』…………泣いてしがみつくミルカさんの頭をロルカさんが撫でて……これは過去、ね」
 一度グリシナは目を開け、そしてまた霊視に集中する。
「これは何なのかしら……。今まで視たことがない『何か』。アンデッドでもモンスターでもない……異質なもの。今は暖かな場所に身を潜めているわ。身体に触れる柔らかく温かな感触が微かに……一定のリズムで動いている……。それに寄り添うように身を横たえて」
 グリシナはまたしばらく黙った、がそれ以上のものは視えなかったようだ。
「……ロルカさんの身体に残っているのは、ミルカさんを思う心や過去を懐かしむ気持ちが多くて……。逃走中の『何か』に関して読み取れたのはこれだけよ」
 グリシナはロルカから手を放すと、再び両手を合わせ……小さく嗚咽し始めた。

 悪夢のような夜は明け、朝の光がパルシアを満たす。
 それは、昨日までとは明らかに違う日の始まり。
 ガトーは護衛士の皆に呼びかける。
「良いかの皆の衆、これで終わったわけではない。むしろこれからが始りじゃと言う事を各々理解せい。ロルカの死を嘆くのも良い、じゃが嘆いた所で何も変わらん。悲しみを堪え護衛士としての村人を護る為に活動して欲しいの」
 パルシアグリモアガードとして。
 今成すべきことを。

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参加者
斬鬼・ルシール(a00044)
旋風の武人・フォルト(a00064)
妖精弓の射手・シズク(a00786)
暗黒卿・エルムドア(a00886)
ストライダーの邪竜導士・アティフ(a01464)
紫尾の発破娘・スイシャ(a01547)
七彩舜獣・ハチャック(a02091)
天狼の黒魔女・サクヤ(a02328)
葬焔の・アーサス(a03967)
元リディアの護衛士・バルトロー(a04273)


<リプレイ>

 ざわざわとした気配がミルカの部屋まで風に乗って届く。意識を取り戻した後も、現実を受け止めかねているのか、ミルカはぼんやりと座り込んでいた。
「ロルカの仇は討ってくるからね」
 妖精弓の射手・シズク(a00786)の言葉に、ミルカは怯えるように身を竦め、両手で顔を覆った。その頭を銀凌焔柢・アーサス(a03967)が撫でる。
「皆生きて帰ってくるからな、そしたらお帰りって言ってくれ」
 こく、とミルカは頷き、消え入りそうな声でいってらっしゃい、と呟いた。
 そんな様子を眺めていた七彩舜獣・ハチャック(a02091)は、提案しようとしていた作戦を奥底へと押し込める。
 ミルカが狙われている可能性があるのなら、彼女を利用して異形を駆逐すれば良い。祖父が愛したこの地を守る為に必要ならば、ミルカを異形狩りに同行させ囮とすべきなのではないか……それはこれまでロルカとミルカに関わってきていないハチャックだからこそ考えられる策であったのだが。
 ミルカを案じる護衛士の姿。そして、彼らの安寧が奪われたことへの憤り。
「弔い合戦、か」
 この事件に対する自分のスタンスもどうやらそちらに傾いているらしい、とハチャックは苦笑する。
「……さて、異形狩り……に行くか」
 絶対に逃がさないとの決意をこめたアーサスの言葉に、護衛士たちは後は残る仲間に任せ、ミルカの部屋を出た。

「足跡はたどれなさそうだね」
 地面を調べたシズクはちょっと肩を竦めた。人々の避難の足に踏み荒らされ、異形の痕跡は消されてしまっている。
 暗黒卿・エルムドア(a00886)は餌を使ってできるだけ多くの動物を集めて回った。数が多ければ多いほどその精度は高まる。集めた動物には、ストライダーの邪竜導士・アティフ(a01464)と天狼の黒魔女・サクヤ(a02328)が獣達の歌で、不審なものを見かけなかったかどうか尋ねた。
 深夜の出来事、おまけに騒ぎが起きれば動物は本能的に姿を隠してしまうため、目撃情報はなかなか集まらない。
 動物からの乏しい情報をつなぎ合わせると、異形のものは村内をしばらくうろついていた後、村の奥……北の方向へ向かったらしい。
「北の方向……さいはて山脈がありますわね。もしかしたらロルカ様の落下地点に戻っているのかも……」
 異形のものがロルカの記憶を受け継いでいるのならその可能性もある、とアティフはさいはて山脈へ向かい。
 残りの班は村北側を中心に、異形の姿を求め捜索を開始した。

 アティフの所属するB班はロルカの落下地点付近に行き、大犬を探してみたが、山の中、1頭の犬を探すのは難しい。
 獣達の歌でアティフが動物に犬の行方を尋ねている間に、シズクはその動物に触れてみた。が、特に熱を出している個体はいない。グリシナから借りたペンダントをくっつけてみたが、動物に対しては元から光を放たないため、ペンダントに変化はない。
「この辺りの動物は大丈夫そうだね」
「……ええ。特に不自然な痕跡もないようです……」
 地面や折れた枝等を確かめていた記録者の眼・フォルムアイ(a00380)も頷く。
「でも大犬さん、どこにいらっしゃるのでしょう……」
 獣達の歌を使い切っても居所は判明せず。周囲を見渡すアティフの目に映るのは、夏の緑ばかり。
「犬は諦めて戻った方が良い。ここだと笛の音も届かないからな」
 エルムドアに言われ、アティフは肩を落として頷いた。

「霊視からいって、動物と一緒の可能性が高いだろうな」
 アーサスのいるC班は、村北側の家畜小屋中心に捜索を進めていた。
「星……星っと……さすがに羊は探しにくいな」
 もこもこの毛をかき分け、サクヤは星形の痣を探して回る。獣の歌で、痣があるか、あるいは熱があるものを知らないかどうかも尋ねてみたが、今のところはいないようだ。
 羊と比べ、ノソリン等の毛のない動物は調べやすい。一番厄介なのは鶏だ。ばさばさ騒ぐのを眠りの歌で眠らせて、手早く調べてゆく。
「こっちの子たちは、怪しいものを見てないそうですぅ。急に具合が悪くなった子もいないそうですよぅ」
 北方面の調査をしていたエリスが、調べ終えた小屋を指して教えてくれる。
「そっか。じゃあ向こうを探してみるな」
 ハチャックは周囲を見渡し、目に付いた家畜小屋へと向かう。
「どこにいても必ず見つけてやる……」
 その時が最期だと、アーサスは拳を握りしめた。

 ヒトの武人・フォルト(a00064)は血痕があった辺りを中心に、付近の人に当日夜から様子がおかしくなった人の有無を聞こうとしたが、もうその周辺には村人の姿はなかった。
 事件後、村人は本部付近に避難誘導されている。巡回する護衛士と護衛士に伴われて本部へと急ぐ避難の人々を除けば、北側は無人に近い。
 聞き込めたとしても、この混乱の中、動きがおかしい人や動物を聞き出すのは難しいだろう。よく事情が分からぬままに避難するように言われ、自らが不安の中にあっては、人、ましてや動物の動きにまで目を向けられる者は少ない。
 村に危険なモンスターが出たらしい。村人たちは本部付近で身を寄せ合い、この恐怖が早く去ってくれるようにと願うばかりだ。
 行方不明になっている家畜の聞き込みをしようとしていた悪を断つ竜巻・ルシール(a00044)も、この状況では果たせない。避難している最中ではそれどころではないし、避難してしまえば家畜小屋の中のことは解らないのだから。
 ルシールは聞き込みを諦め、様子のおかしい家畜がいないかどうかの調査に切り替える。
「寄生よりも産卵の方が可能性としては高いもしれんしな」
 相手がどういう生物なのかは解っていない。人や動物に寄生するのではないか、あるいは産卵するのではないか、ロルカの状態からさまざまな推測がなされている。
 紫尾の発破娘・スイシャ(a01547)は目の前で見た生物を思い出しつつ、家や家畜小屋を調べてゆく。
「あの身体をまたコンパクトに畳むのは難しそうだから、人や動物の皮をかぶって行動しているのではないでござろうか」
 それがもし人だったら……?
 人の中にたちまじり、GG本部に身を寄せているかも知れない。シアが星形の痣の有無を調べ、イングリドがそれを名簿に記していてくれるはずだが、あれだけの村人を一度に調査は出来ないだろう。
 もし避難民の中であの怪物が……と考えると不安が兆すが、スイシャはそれを抑え目の前の調査に集中する。
 窓が開いている、あるいは破壊された形跡のある家や小屋はないだろうか。
「ノソリンの小屋が怪しいのではないですかな?」
 異形はそれなりの大きさがあるため、寄生するとなれば大きな動物を狙うのではないだろうか。パルシアの護衛士・バルトロー(a04273)はノソリン小屋を中心に村内を捜索する。誰かに獣達の歌で動物に話を聞いてもらおうと思ったのだが、この班にはそれを活性化している者は誰もいない。
「なぁ〜ん」
 人の気配に、ノソリンたちが首を伸ばして甘えた声を出す。村人が避難してしまっているために今日はまだ餌ももらっておらず、ノソリンは鳴きながら護衛士にまとわりついてくる。
 そうしてノソリンが動いた一角に……黒っぽいものが見えた。その横でとろとろと微睡んでいたノソリンが目を覚まし。
「なぁん?」
 動こうとした処にばさりと羽ばたき、その周囲のノソリンは眠りに落ちる。
「おりましたぞ」
 囁くようにバルトローが告げると、スイシャは笛を吹き鳴らし、他班へ合図を送る。その音に、声を挙げたもの……ロルカから生まれた異形のものも頭をもたげ、音のした方向を見る。
 ルシールは紅蓮の咆哮を放つため、異形を範囲内に捕らえるべく、ノソリンの群れの間をすり抜けにかかった。スイシャ、フォルトもそれに続く。半ばパニックを起こしているノソリンは、眠っている数頭以外、護衛士と逆に戸口へと押し寄せ。バルトローは影縫いの矢で異形の影を射るが、その動きは止まらない。
 とその時、呪縛から解かれた異形が口を開いた。首を巡らせながら放つ無数の空気の刃が、周囲にいる者たちの身を裂く。
 焼け付くような痛みが護衛士を襲った。だが、この班に回復の出来る者はいない。
 ルシールは咆哮を挙げる。動きを止めた異形に向け、怪我の痛みを堪え、護衛士達の攻撃が集中する。
 呪縛から解かれた異形は、ぐっと身を沈めた。攻撃を仕掛けてくるとみたフォルトは、電刃衝で斬りつけ、牽制を狙う。が、相手はフォルトの攻撃をかわし、尾を振るった。しなる尾はノソリンと護衛士を打ち据える。
 そこに笛の合図を聞きつけたC班が到着した。
 駆け込んでくる護衛士の姿に、異形はノソリンの死骸を踏みつけ、窓へと向かう。それを刀で身を支えたルシールが再び咆哮で止め、その間にC班は異形との距離を詰める。
 ハチャックは護りの天使を作り出し。スイシャが倒れているフォルトを引きずりながら、異形から離れようとするのから気を逸らそうと、バルトローが矢を射かけ。
「しっかりしろ」
 サクヤはルシールに、清き新緑の護姫・ヴィーヴル(a04189)はスイシャに癒しの水滴をかけたが、それだけの回復では失ったものの5分の1にも満たず。衝撃波に裂かれた傷から流れる血液は、なおも護衛士の体力を奪い続ける。
 麻痺から解かれた異形は攻撃ではなく、逃走を試みた。窓周辺に大穴を開けながら外へと逃れようとするその背に、アーサスが竜骸棍棒『ワートゥール』に電刃の威力をこめ、渾身の力で振り下ろす。
 異形の叫びが狂おしく周囲に響き渡る。
「ミルカに約束したんだよ、倒して帰るって」
 逃がさない。
 動きを縛られた異形は、ばらばらと木くずを撒き散らしながら小屋のすぐ外側へと倒れた。
 ハチャックはハイドインシャドウをかける。
 ルシールは大穴を越えると、炎を纏わせた斬漢刀・参式で右羽をざくりと切り裂いた。麻痺した身体では身をよじることも叶わず、異形は硬直のまま生命まで断つ勢いの刃を受け。間髪を入れずスイシャの手からは次々に気の刃が飛び、風を切る音を立ててルシールが傷つけた場所へと命中した。
 サクヤはルシールを追ってその癒しを続け、とヴィーヴルはルシールの麻痺を解く。
「どうか今しばらくお待ちくださいませ」
 ヴィーヴルはそう詫びながら、倒れ伏したままのフォルトに目をやった。回復の手が回らない。
 後方援護がない状態は心許ないが、攻撃の手は緩められない。アーサスは尚も棍棒で異形を打ち据える。光を散らして身を打つ破壊的なその力にさえ異形は耐えた。
「弱る様子もありませんな」
 バルトローは矢を射続けながら、異形の耐久力に嘆息する。まるでそれに応えるかのように、異形はむくりと身をおこし、衝撃波を放った。
 広範囲を一挙に襲う波動にルシール、スイシャ、ヴィーヴルが倒れ。かろうじて持ちこたえたサクヤは癒しの水滴をかけ。ゆっくりと歩いて異形に近づいていたハチャックの護りの天使は消え、溢れたダメージが身を刻む。
 異形は積極的に攻撃してくるというのではなく、この場から逃走するために護衛士を振り切ろうとしているようだった。逃がしたくはない。だがこのまま続ければ護衛士の命が危ない。
「止まれっ!」
 アーサスの棍棒を受けて苦悶の声を挙げながらも、異形は立ち上がり、走り出す。その足が幾分もつれているのは、これまで蓄積されたダメージの所為か。
 と、その影に向かって矢が飛んだ。
 山を下りてきたB班が異形の進路を塞ぐように到着し、シズクとフォルムアイが異形の影を縫い止めんと射た矢だったが、影はさらりと矢を抜けた。
 異形を追ってきたアーサスとハチャックの怪我を、アティフから広がる光の波が優しく癒す。
 影縫いでは止められなかった異形だが、エルムドアの咆哮には縛られ、中途半端に羽を広げかけたまま地面に留まった。
 ハチャックは異形に飛びかかり、その頭上から破鎧掌を叩き込んだ。
 シズクとバルトローの矢の攻撃を受け、異形の右羽はだらりと力無く垂れ下がった。
「ココで止めてケリをつけるぞ!」
 蓄えるものワートゥール。その骨から創られた大棍棒に稲妻の闘気を走らせ、アーサスは打ち付ける。
 がくり。
 異形の身体からは力が抜け……と見た次の瞬間、力を振り絞り、片羽を強く羽ばたかせる。
 その風は周囲にいた者を、目の前が暗転するほどの力で眠りへと引き込んだ。かろうじて眠らずに済んだアティフがまだ傷の癒えぬ護衛士をヒーリングウェーブで包み。
 その光の波の後を追うように、異形からは衝撃波が放たれ。痛みに目覚めたエルムドアは去ろうとする異形に咆哮を放ったが、今度は止められない。が、続いて挙げられたアーサスの咆哮がなんとか異形を止め。
 皆の無事を祈りながらアティフはひたすらに癒しの波を放ち、残りの者は傾きつつある異形に全力での攻撃を仕掛ける。
 ぎぇぐぅぅぅ……。
 しわがれた叫びで最期の衝撃波を放ち。倒れた護衛士を確認することもなく、異形はそのままぐたりと首を垂れ。
 衝撃波に裂かれた傷から流れる血に生命を削り取られながら、エルムドアが振り下ろした獅子王から迸る稲妻の光。
 それがロルカより生まれし異形とその生命を斬り放したのだった。

 その後、倒れた護衛士は巡回中のツキトからの連絡で、パルシアグリモアガード本部へと運ばれ、介抱された。
 戦いに怯え小屋から逃げ出したノソリンは、落ち着くと帰巣本能に従って村へと戻ってきたが、その中の1頭と戦闘に巻き込まれて命を落としたノソリンの1頭に星形の痣が発見された。
 念のため、パルシアの家畜小屋はすべて調べられたが、それ以外に痣のある家畜は発見されなかった。
 生きているノソリンは痣こそあるものの元気で、発熱等もしておらず、自分を撫で回す護衛士たちに、すりすりと無邪気に身をすり寄せてくる。痣がある以外、ノソリンに変わった様子は見られない。
 護衛士たちは星形の痣のあるノソリンを買い取ると、パルシアグリモアガード本部へと移送した。
 緑の柔らかな肌にくっきりと印された星形の痣。それは何を意味するものなのか。このノソリンをどうすべきか……。パルシアグリモアガードの今後の対応が問われることとなるだろう。


マスター:香月深里 紹介ページ
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死亡者:なし
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