マツタケモドキ



<オープニング>


●マツタケモドキ
 ワイルドサイクル平原で、マツタケモドキが発見されたらしいの。
 マツタケモドキは巨大なトカゲの怪獣で、背中にマツタケに似たキノコを生やしているのが特徴なんだけど、本来は秋にならないと、ワイルドサイクル平原に現れないんだって。
 だから原住民達が興奮して狩りに行こうとしているんだけど、マツタケモドキのまわりには怪獣が集まりやすいから、一緒についてきてほしいみたいなの。
 その代わり、とびっきり美味しい鍋を御馳走するから、よろしくお願いしますって。


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参加者
雲路の果てで微笑う・クーナン(a08813)
ソニックハウンド・カリウス(a19832)
混沌の群・フォアブロ(a20627)
美白の歌姫・シュチ(a42569)
吟遊詩人・アカネ(a43373)
黒翼の邪竜導士・ミーナ(a67471)
幻夢想・マリア(a70637)
ヒトノソリンの武道家・リューナ(a75667)


<リプレイ>

●ワイルドファイア大陸
「……あら、何て立派にそそり立ったマツタケでしょう。ランドアースではちょっとお目にかかれない太さと長さですわね。とても……大きい……です……」
 茂みに隠れてマツカゲトカゲを眺めながら、美白の歌姫・シュチ(a42569)が原住民達と一緒にウットリする。
 シュチ達は原住民達からの依頼でマツタケモドキを捕獲するため、ワイルドサイクル平原にやってきた。
 マツタケトカゲの身体からは絶えず香ばしい匂いが漂っており、見つける事自体はそれほど困難ではなかったが、そのせいで怪獣を誘き寄せてしまうため、例え近くにいたとしても油断する事が出来ない。
 その上、マツタケモドキは大変に警戒心が強くて臆病なので、怪獣の唸り声を聞いただけでも逃げ出してしまう可能性が高かった。
「大抵の怪獣はおいしくいただけるみたいだけど、背中のキノコを採るだけでいいなら殺す必要はないと思うなぁ〜ん、それに次のキノコを採るためにも、背中の辺りを可能な限り傷つけないと思うなぁ〜ん」
 遠眼鏡を覗き込みながら、ヒトノソリンの武道家・リューナ(a75667)が口を開く。
 これには原住民達も同意見だったらしく、『本来なら眠っている間にキノコを採る』と付け加えた。
 もちろん、背中のキノコを採る事が目的なので、万が一マツタケトカゲを殺してしまったとしても、『キノコを採るためには仕方のない事』らしい。
「……よし行くか」
 グランスティードに飛び乗りながら、幻夢想・マリア(a70637)が仲間達に合図を送る。
 そして、マリア達はマツタケモドキを捕獲するため、行動を開始するのであった。

●ワイルドサイクル平原
「マツタケモドキか、珍妙な生物だな。しかし、トカゲにマツタケモドキなどと名付けているが、マツタケもどきなのは背中に生えたキノコであって、トカゲは単なる苗床なんじゃないか? 冬虫夏草のように寄生されているのなら、主体はキノコでありトカゲではないはずだ。もっとも、そのトカゲを苗床にせねばマツタケモドキが育たないのならセットで扱っても良いのかも知れん。あるいは菌糸が全身に張り巡らされ、キノコに操られていたりするのだろうか? 植物が歩き回るような土地だからその可能性もありそうだ。それとも、キノコこそがもどきで、実はトカゲの身体の一部がキノコのように見えるだけなのだろうか? ……うむ、考えていても埒が明かん。どうせ捕まえて鍋の具材にするんだ、その時に解体して調べてみよう。その為にも、他の怪獣に横取りされないようにせねばな」
 警戒した様子で辺りを見回しながら、ソニックハウンド・カリウス(a19832)が遠眼鏡を覗き込む。
 マツタケモドキの身体から漂う匂いのせいで、あちこちから怪獣の群れが集まっており、早く手を打たないと大変な状況になっている。
 もちろん、カリウス達が本気を出せば怪獣相手でも苦戦する事はないのだが、あまり騒ぎを大きくしてしまうとマツタケモドキが逃げてしまうのでその事だけは気をつけておかねばならなかった。
「どこかぁ、似ているのですぅ。……は、そういえばぁ、以前、声マネでぇ、怪獣さんをぉ、呼び集めるぅ、怪獣さんがぁ、いたのですぅ。ええとぉ、ええとぉ。そうでしたぁ!! ハゲチョビンといぅ、怪獣さんですぅ」
 ハッとした表情を浮かべながら、吟遊詩人・アカネ(a43373)が掌をポンと叩く
 だが、まったく関係がないらしく、原住民達に話を聞いてもハテナマークを浮かべていた。
「どちらにしても、コイツらを倒さなければ、話にならないな」
 険しい表情を浮かべながら、混沌の群・フォアブロ(a20627)が怪獣の群れを睨む。
 怪獣の群れはマツタケモドキの匂いに誘われ、クンクンと鼻をヒクつかせて涎を垂らす。
 どうやら怪獣の群れもマツタケモドキを狙っているらしく、なるべく足音を立てないようにしてジリジリと迫っている。
「もしかすると怪獣の相手をするのは、久しぶりかも知れませんね。マツタケモドキの匂いを嗅いで集まってきた怪獣に、ミーナ達の力を見せつけてやりましょう」
 仲間達に気合を入れながら、エルフの邪竜導士・ミーナ(a67471)が怪獣の群れを睨む。
 怪獣の群れはマツタケモドキの逃げ道を塞ぐようにして、ゆっくりとまわりを囲んでいく。
「それじゃ、とびっきり美味しい御鍋料理の為(だけ)に頑張りますわよ。食欲の秋を目前に致しまして張り切らせて頂きますわ。怪獣さん達には申し訳御座いませんが、美食の前の石ころは摘んで場外へポイ捨てで御座いましてよ」
 爽やかな笑みを浮かべながら、雲路の果てで微笑う・クーナン(a08813)がリーダーと思しき怪獣に攻撃を仕掛けていく。
 そのため、怪獣のリーダーがフンと鳴らし、邪魔者達を排除すべく攻撃を仕掛けてきた。

●マツタケモドキ
「……そっちに行ったなぁ〜ん」
 ハッとした表情を浮かべながら、リューナがマツタケモドキを追い詰める。
 マツタケモドキは怪獣の鳴き声に驚き、逃げ出そうとしていたのだが、リューナ達に行く手を阻まれパニックに陥っていた。
 そのため、茂みに隠れるようにして逃げているのだが、例えリューナ達から逃れる事が出来たとしても、怪獣の群れに囲まれているため、完全に退路が断たれていると考えても大袈裟ではない。
「あなた、とても立派なモノをお持ちですわね。隠してもいても匂いで分かりますわ。私にその立派なモノを味あわせていただけませんか」
 含みのある笑みを浮かべながら、シュチが魅了の歌で語りかける。
 しかし、マツタケモドキは警戒しており、逃げるようにしてジリジリと後ろに下がっていく。
 それに合わせて原住民達が槍を握り締め、背後からマツタケモドキに迫っていった。
「……そこよっ!」
 マツタケモドキの行く手を阻み、マリアが紅蓮の雄叫びをあげる。
 それと同時にマツタケモドキの動きが封じられ、一斉に原住民達が襲いかかっていくのであった。

●怪獣の群れ
「ワラワラと数だけ集めたところで、私達に勝てると思っているのか。……だとしたら、愚かだな」
 黒炎覚醒を発動させながら、フォアブロが怪獣の群れに視線を送る。
 怪獣の群れは狂ったように涎を垂らし、フォアブロ達に対して体当たりを仕掛けてきた。
 だが、フォアブロはまったく臆する事なく、ニードルスピアを撃ち込んだ。
 その一撃を喰らって怪獣の群れが悲鳴をあげ、力なく地面に突っ伏していく。
「……フォアブロさん、か弱い老女をぉ、まもってくださいなのですぅ」
 両手と両足を使って怪獣の数を数えた後、アカネがとぼけた表情を浮かべて何気なく呟いた。
 そのため、フォアブロがアカネの顔を見つめ、『……断る!』と真顔で答えを返す。
 それでもアカネはフォアブロにしがみついてきたが、戦闘に邪魔になるという理由で弾き飛ばされ、怪獣にぷちっと踏み潰された。
 幸い大事には至らなかったようだが、もう少しで脳味噌がちょろっと出そうになったので、驚いた様子で目を丸くさせ心臓がドキドキと高鳴っている。
「一瞬、踏み潰されたような気もするが……、当たり所が良かったのか」
 生暖かい視線を送りながら、カリウスがダラリと汗を流す。
 何故かアカネは薄っすらとモザイクに包まれ、フラフラとカリウス達のところに戻ってきた。
 その姿が何となくアンデッドのように思えたが、別に死んでしまったというわけではないようである。
「……怪獣が来ますわよ」
 仲間達に対して警告しながら、クーナンがエンブレムシャワーを放つ。
 次の瞬間、空中に描いた紋章から幾筋もの光線が放たれ、一瞬にして怪獣達の身体を貫いていた。
「これでトドメなぁん!」
 怪獣の死体を飛び越えながら、ミーナがヴォイドスクラッチを炸裂させる。
 そして、怪獣の群れは完全に戦意を喪失させ、蜘蛛の子を散らすようにして逃げていった。

●キノコ料理
「いいニオイなぁ〜ん」
 クンクンと鼻をヒクつかせ、リューナがキノコ鍋を掻き混ぜる。
 マツタケモドキの背中から採取されたキノコは原住民達によって鍋に放り込まれ、怪しげな調味料と一緒にグツグツと煮込まれた。
 ちなみにマツタケモドキは背中からキノコを採取された後、原住民達によって安全な場所まで運ばれ、再び立派なキノコが育つ事を願って逃がす事になったらしい。
 原住民達の中には『マツタケモドキを飼って、キノコをいつでも食べ放題にすべきだ』と提案した者もいたが、集落ではキノコが育ちにくい環境なので呆気なく却下された。
 そうしているうちにキノコ鍋が完成し、原住民達が一列に並んでお椀に盛っていく。
 鍋の中のキノコはほんのりと甘い匂いが漂っており、マツタケよりも味が濃厚そうである。
「……おいしい」
 怪獣とはいえトカゲの背中に生えていた事を思い出しながら、マリアがしばらく飲み込まず無表情でモグモグと頬張った。
 途端に香ばしい匂いが鼻から抜け、幸せな気持ちが全身を包む。
 そのため、原住民達も上機嫌な様子で、マリアのお椀におかわりを盛った。
「ううん、この香り、舌触り、最高の美味ですわ。食べ切れなかった分は、この度新しくこの大地にやって来た私の同族達の為に持ち帰ってもよろしいかしら?」
 キノコ鍋の味を堪能しながら、シュチが原住民達に話しかける。
 しかし、マツタケモドキのキノコはとても腐りやすいため、持ち帰らない方が身のためであると警告された。

●鍋パーティ
「……マツタケモドキは逃げた後か」
 ようやく原住民達の住む集落に辿り着き、カリウスが残念そうに溜息を洩らす。
 本当ならばマツタケモドキを解体し、詳しく調べてみようと思っていたのだが、原住民達から詳しい事情を説明されて仕方無く諦める事にした。
「香りがぁ、香りがぁ、違うのですぅ」
 何となくマツタケの匂いが漂ってきたため、アカネが瞳をランランと輝かせる。
 だが、既に鍋の中身は空になっており、キノコがどこにも見当たらない。
 どうやら原住民達がアカネ達の存在をすっかり忘れ、後先の事を考えずに平らげてしまったようである。
 そのため、原住民達はアカネ達の姿を見た途端、荷物を抱えて逃げ出す準備をしていたのだが、流石に冒険者を敵に回す事はマズイと悟ったのか、愛想笑いを浮かべて誤魔化そうとした。
「とびっきりに美味しいお鍋が、既に空になっているなんて……。こ、これは悪い夢ですわ」
 何度も鍋の中身を見つめながら、クーナンが信じられない様子で口を開く。
 しかし、いつまで経っても原住民達の表情が変わらないため、キノコ鍋が空になった事は冗談ではないだろう。
「それなら肉鍋にすればいい。ちょうど怪獣の肉もある事だしな」
 自分達が狩ってきた怪獣の肉を置き、フォアブロがクールな表情を浮かべて答えを返す。
 その言葉を聞いて原住民達が心の底からホッとした表情を浮かべ、テキパキと肉を解体して鍋の中に放り込んでいく。
 鍋の中の肉はグツグツと煮込まれていくうちにマツタケの残り汁と混ざり、先程の鍋よりも数倍ほど美味そうな鍋が完成した。
「せっかくですから、皆さんもどうですか?」
 原住民達から一斉に視線を浴びたため、ミーナが苦笑いを浮かべて彼らを誘う。
 それと同時に原住民達が鍋に群がり、奪い合うようにしてムシャムシャと食べていく。
 そして、ミーナ達は複雑な心境に陥りながら、お椀を片手に汗を流すのであった……。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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