ヘドロスキー



<オープニング>


●ヘドロスキー
 チキンレッグ領の辺境にある森で、ヘドロスキーと呼ばれるモンスター達が確認された。
 このモンスターは大量の土を食べてヘドロを吐きだしているらしく、コイツらが通り過ぎた後は毒性の高いヘドロにまみれて異様な臭いを放っている。
 その影響で辺りの草木が枯れてしまい、野生動物が命を落としているらしい。
 もちろん、現時点ではそれほど深刻な被害ではないから、ヘドロさえ除去する事が出来れば問題ないのだが、コイツらが村まで来てしまうと大変な事になってしまうから、早めに手を打ってほしいんだ。
 ヘドロスキーには王冠を被ったボスがおり、コイツさえ倒す事が出来れば、被害を未然に食い止める事が出来る。
 もちろん、そのためには他のヘドロスキーを倒さねばならないから、二手に分かれて行動するといいだろう。


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参加者
アイギスの黒騎士・リネン(a01958)
雲路の果てで微笑う・クーナン(a08813)
魔女の息子死神と踊る黒猫・サティヴァス(a12808)
ソニックハウンド・カリウス(a19832)
紅き片翼・エフォニード(a20102)
白の戦鬼・ブラス(a23561)
夢幻の歌姫・ロレッタ(a35762)
空を翔る蒼き王者・ツルギ(a48040)
身についた待ち癖こそが甘え癖・ローライン(a60213)
春告げの風・リト(a75409)


<リプレイ>

●チキンレッグ領
「……目標……発見いたしました……」
 チキンレッグ領の辺境にある森で遠眼鏡を覗き込み、セイレーンの医術士・ローライン(a60213)がヘドロスキーを指差した。
 ヘドロスキーは新鮮な土を好んでおり、それを吐き出す事によってヘドロに変えていく。
 その繰り返しによってヘドロスキーが通った後は凄まじい異臭が漂っており、草木が枯れ果て動物が死に絶えている。
「しかし……、まるで某愚ルメな推進委員会の連中の哀を一身に受けそうな相手だな」
 しみじみとした表情を浮かべながら、白の戦鬼・ブラス(a23561)が茂みに潜む。
 ヘドロスキーは黙々と土を食べながら、ゆっくりと村に向かって進んでいる。
 ただし、ヘドロスキーに村を襲うという意図がなく、新鮮な土を食べていったら偶然に村があったという感覚のようだ。
「ヘドロが好きなんて……ちょっと……。ヘドロスキーみたいにヘドロを好きにはなれないかな……」
 苦笑いを浮かべながら、木漏れ日の水竜・ツルギ(a48040)が汗を流す。
 先程までピクニック気分でのほほんとしていたのだが、突然ヘドロの臭いが漂ってきたせいで、どこか不機嫌そうである。
「大地は海と並んで生命の根幹を担う重要な資源だ。土が汚染されると後々まで大変だからな。なんとしても食い止めたいものだ」
 険しい表情を浮かべながら、魔女の息子死神と踊る黒猫・サティヴァス(a12808)が答えを返す。
 既にヘドロスキーの影響でいくつもの村が被害を受けているため、このまま放っておけば大惨事を引き起こす事になるだろう。
 それを未然に防ぐためにも、ヘドロスキーを倒さねばならない。
「自然環境を破壊するのは許せませんが、罪の無い動物達を困らせるのはもっと許せません、ですよ」
 ヘドロスキーの毒によって息絶えたウサギを抱き抱え、清廉雫の蒼蛍・ロレッタ(a35762)が瞳を潤ませる。
 森に棲む動物達にとって水は貴重な生命線であるのだが、それすらもヘドロによって汚染され飲む事が出来ない状況になっていた。
「どうやら退治した後はヘドロの掃除もしないといけないようだ。下手をすれば毒や病気でやられかねん、用心に越した事はない」
 念のためマスクを被りながら、ソニックハウンド・カリウス(a19832)がヘドロスキーを睨む。
 その間もヘドロスキーは一心不乱に土を食べており、冒険者達の存在にはまったく気づいていないようである。

●森の中
「うっ……、噂には聞いてはいましたが、酷い臭いですね……。しかも、こんな小さな動物まで……やっぱり看過するわけにはいきません! 近隣の村人さん達に被害が及ぶ前に、どうにか食い止められればなりませんね……!」
 自分自身に言い聞かせるようにしながら、焔の風・リト(a75409)が茂みを掻き分けていく。
 ヘドロスキーのボスは乱暴に土を頬張り、あちこちにヘドロの山を築いている。
 しかも、その臭いは強烈で飛んでいる鳥すら、あまりの臭さに落ちてしまうほどであった。
「……ヘドロスキーとは比にならないな」
 ヘドロの臭いから逃れるようにして薬草を噛み、アイギスの黒騎士・リネン(a01958)がバンダナで鼻と口元を覆う。
 何とかして臭いを和らげようと思っているのだが、脳天を突き抜けるほど臭いので完全に防ぐ事は難しそうである。
「どちらにしても王冠は、それに相応しい力と覚悟を持ったものが持つべきもの……ですから。あんな化け物が持っている事は相応しくありません」
 シャナンから貰った手紙を握り締めながら、紅き片翼・エフォニード(a20102)がキッパリと言い放つ。
 ヘドロスキーの王冠はどこかで拾ったモノらしく、すっかり色褪せて光を失っている。
「おーっほっほっ! そこの貴方! 貴方様にその王冠は似つかわしくありませんわ! 私にこそ相応しゅう御座いましてよ! よって大地に仇名す不埒者を成敗で御座いますわ!」
 何処からともなく高笑いを響かせながら、雲路の果てで微笑う・クーナン(a08813)がヘドロスキーの行く手を阻む。
 それに合わせてヘドロスキーのボスが咆哮をあげ、冒険者達を狙ってヘドロの塊を吐いてきた。

●ヘドロスキー
「奇襲を仕掛けるのでしたら、今しかありませんね」
 警戒した様子で茂みに隠れ、ロレッタが黒炎覚醒を発動させる。
 ヘドロスキーは喉をグルグルと鳴らし、大量のヘドロを吐き出して、少しずつ道を作っていく。
「……来ますっ!」
 ただならぬ殺気を感じ取り、ツルギがケモノの如く激しく唸る。
 それに合わせてヘドロスキーが口をクチュクチュとさせ、冒険者達めがけて勢いよくヘドロを吐き出した。
「おっと、危ない! ひょっとして、気付かないフリをしていたのか? だったら、とんだ道化だな」
 ヘドロから逃げるようにして後ろに下がり、サティヴァスがリングスラッシャーを召喚する。
 そして、すぐさまスーパースポットライトを放ち、ヘドロスキーとの距離を少しずつ保っていく。
「わたくしは……役割を果たすだけですから……」
 ヘドロの射程範囲外まで退避し、ローラインがヘブンズフィールドを展開する。
 途端にローライン達が立っていたまわりの地面がボンヤリと輝き、敵味方を問わず幸運をもたらすフィールドが完成した。
 そのため、ヘドロスキーが酷く興奮した様子で涎を垂らし、勢いよくヘドロの塊を飛ばしていく。
「こ、こんな近距離から!? じょ、冗談だろ!?」
 信じられない様子で目を丸くさせながら、ブラスが護りの天使達を付与していく。
 そのおかげで大事には至らなかったが、ヘドロのせいで全身が異臭に包まれている。
「早くコイツを倒して湖に行かねば……、大変な事になりそうだな」
 ヘドロの臭いに嫌気をさしながら、カリウスがナパームアローを撃ち込んだ。
 それと同時にヘドロスキーの身体がブシュッと弾け、大量のヘドロが雨となって降り注ぐのであった。

●ヘドロスキーキング
「うふふふふふふふ、悔しかったら、私を倒して御覧なさいましよ! リネン様とリト様を乗り越えて!」
 勝ち誇った様子で高笑いを上げながら、クーナンがヘドロスキー(以下ボス)を睨む。
 ボスは物凄い勢いで土を食み、間髪入れずにヘドロを吐く。
 そのため、避ける事さえ出来ず、あっという間にヘドロまみれになった。
「うっ……、この臭いは……、耐えられませんね。でも、ここで退くわけにはいきません」
 全身に激しい痛みを感じながら、リトがボスにワイルドキャノンを撃ち込んだ。
 その一撃を喰らって辺りにヘドロが飛び散り、我慢する事が出来ないほどの異臭が漂った。
「今回のわたしはかなりやる気、ですよっ……! 行きます!」
 自分自身に気合を入れながら、エフォニードが緑の突風を発動させる。
 次の瞬間、木の葉を勢いよく飛んでいき、ボスの身体に次々と刺さっていく。
 それでもボスの勢いは衰えず、自らの傷をいやすようにして土を食む。
 そんな事をしてもボスの身体が癒える事はないのだが、何となく痛みが引いた気持ちになったのか、先程と同じようにしてヘドロを吐いた。
「早く決着をつけねば……、面倒な事になりそうだな」
 顔についたヘドロを拭い、リネンが砂礫衝を発動させる。
 ボス達のヘドロには毒があるため、少しずつ意識が薄れていくのであった。

●ヘドロ沼
「き、気分が……」
 青ざめた表情を浮かべながら、ローラインがガックリと膝をつく。
 既にヘドロの毒が全身に回っており、冷静な判断をする事さえ出来なくなっている。
 その間にヘドロスキーが口をモゴモゴと動かし、大量の土をヘドロに変えていく。
「身の危険を感じて、毒性を増したか。これ以上、被害が広がっても厄介だ。面倒な事になる前にトドメをさすぞ」
 ローラインを守るようにして陣取りながら、サティヴァスが仲間達に向かって声を掛ける。
 それに合わせてリヒングスラッシャーがヘドロスキーに攻撃を仕掛け、新鮮な土を食べる事が出来ないように邪魔をした。
 そのため、ヘドロスキーは怒り狂った様子でリングスラッシャーに襲いかかり、何とか大人しくさせようとしているのだが、相手の方が素早く動く事が出来るので思い通りにいかないようだ。
「もう少しの辛抱だ。みんな頑張ってくれ」
 仲間達を励ましながら、ブラスが毒消しの風を発動させる。
 ヘドロスキーの毒は即効性の強いものだが、毒消しの風さえ使う事が出来れば、簡単に無効化する事が出来るため恐れる事はない。
 そのおかげでヘドロスキーと戦う事が出来るのだが、毒消しの風ではヘドロの臭いを消す事が出来ないので鼻の感覚がマヒしている。
「これで身動きが取れない……はずです」
 ほんの少しだけ心配になりながら、ツルギが暗黒縛鎖をヘドロスキーに放つ。
 それと同時に体内から無数の呪われた鎖を放出され、ヘドロスキーの動きが完全に封じ込めた。
「殺気は被害を拡大させてしまったが……、これなら問題ないだろう」
 キルドレッドブルーの特殊能力で魔氷に包み、カリウスがヘドロスキーを魔炎に包む。
 その一撃を喰らってヘドロスキーが断末魔をあげ、溶けるようにして跡形もなくなった。
「皆さん、無事ですか? それじゃ、お掃除を始めましょうか。さすがに臭いだけはどうにもなりませんが、ヘドロを片付ける事なら出来ますからね」
 仲間達に麻袋を配りながら、ロレッタがニコリと微笑んだ。
 例えヘドロスキーを倒したとしても、このままでは二次被害を引き起こす事になるので、出来るだけヘドロを除去しておく必要がありそうである。

●ボスの最後
「はぁはぁ……、さすがに毒が回ってきたな」
 荒く息を吐きながら、リネンがガックリと膝をつく。
 ボスに攻撃を仕掛けるたび、毒状態に陥っているため、リネンは毒消しの風を使う事を止めた。
 その事によって全身に毒がまわり意識が朦朧としているが、肝心な時に毒消しの風が使えなくなるよりマシである。
 もちろん、まったく辛くないといったらウソになるが、仲間達の事を考えれば我慢する事が出来た。
「偽りの王国は、もう終わりに致しましょう。……紅き夢に、眠りませ……!!」
 ボスに語りかけながら、エフォニードがエンブレムノヴァを撃ち込んだ。
 その一撃を喰らってボスが血反吐を吐き、みるみるうちに萎んでいく。
 それでも、ボスは唸り声をあげてアングリと口を開け、冒険者達に襲いかかる寸前でヘドロ化した。
「……物凄い執念でしたね」
 ホッとした表情を浮かべながら、リトがヘドロの中から王冠を掴む。
 王冠はヘドロで汚れて輝きを失っているが、きちんと磨けば元通りになりそうである。
「ヘドロで汚れていようと、多少古ぼけていようと、美しくて可愛い物は、いつの時も乙女心をくすぐる物ですわね」
 リトから王冠を受け取って頭に被りながら、クーナンが満足した様子で微笑んだ。
 ボスが頭に乗せていた時は不格好だった王冠も、彼女が被った事で本来の威厳を取り戻したようである。
「よくお似合いですよ、姫様? きっとモンスターは……、冒険者の成れの果てでしょうね。……王冠に、意味なんてない、ですのに……」
 少し寂しそうな表情を浮かべながら、エフォニードがヘドロスキーの死体を片づけていく。
 ただし、そのまま埋葬すると土壌が汚染されてしまうため、何らかの手段を講じる必要があるだろう。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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