『アレ』をめぐる冒険



<オープニング>


●プロローグ
 闇は鴉の濡れ羽色、きつく閉じた瞼の裏に、分厚いシェードをかけた玄(くろ)。
 すべてが覆い隠されたような夜に一点、前触れもなくぽつんと灯りがともる。女の白い手と、同じく陶器のごとく白いその顔が浮かび上がった。
「お疲れ様じゃ……して、首尾は?」
 光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)であった。ランタンの光と彼女の姿は、薄く開けた戸の向こうより漏れていた。
「やはり例の物は闇市場に運び込まれたようだ」
 応じつつフードを外すのは、真っ赤なお伽話・デスペラード(a27803)、竜の舌のように赤い彼女の髪が、淡い光に照らされ躍った。
 音もなく扉が閉まる。光と言葉を惜しむかのように。

 プラチナとデスペラードの二人は、ある品物を密かに追い求めていた。正確には記さないが、かなりの年月をかけ探していたとだけ述べておこう。
 そしてついに、対象が闇市場に実在するという噂にまで到達したのである。

 口づけをかわすかのように顔を近づけ、二人は声をひそめる。
「ならば、直に訪れて探すしかなさそうじゃな」
「相違ない。見つけるのにそう苦労はしないと思いたいが……」
 二人の見解は同じだ。
「今こそ『アレ』を我が手に!」
 ガッチリと手と手を握り合う。
 宿年の望みを達成するときがついに来たのだ。

●『アレ』をめぐる冒険
 翌日、酒場を訪れたプラチナは、見つけた顔見知りたちに声をかけた。
「今度皆で、闇市場に遊びに行かぬかや?」
 何食わぬ顔を保とうと努力する。『アレ』を探しに行くと悟られてはまずい。冒険者の身分を隠し物見遊山、ぶらぶらと闇市場を探索する。その途上、「偶然」に『アレ』を発見し「まあ興味はないがのう」と購入する……そんなストーリィにしたいのだ。
「闇の市場、ですか」
 まず興味をもったのは、城壁の姫騎士・サクラコ(a32659)だった。本日も彼女の髪はきっちりと結われている。
「盗品や発掘品、さまざまな珍しいものが売買される場所だと聞いたことがあります」
 何が見つかるかはわからないが、関心があるのは事実、歩いてみるだけで見聞を深めることにもなるだろう。
「同行しよう」
 すっくと立ったのは気紛れな魔女・シラユキ(a24719)だ。彼女の凛然とした美しさは、立ち居振る舞いにも現れている。
「面白そうですね〜」
 光の海に眠れるもの・ルミリア(a18506)も大いに賛成の模様、手を悠然と左右に振った。謎多き闇の市場に仲間たちと惑う――想像しただけでわくわくしてくる。
 艶やかにひとくさり、サックスの音が転がる。潮騒に眠る移ろいの夢・ヤエ(a59213)だ。にこやかに参加を表明する。
「妾も行くぞ、妾も」
 それはいいのだが、とヤエは問う。
「唐突に闇市場とは、ぷらちな殿は何ぞ捜し物でもあるのかえ?」
 いきなり核心を突かれた気がするが、プラチナは平静を装ってかくうそぶくのだ。
「い、いや、特に理由はないぞ。あー、強いていえば、たまにはこういう冒険もよかろうと、そう思ってな」
 明かすわけにはいくまい、『アレ』を――身長の伸ばし方を記したという伝説の奇書を求めに行くなんて。デスペラードと二人、ずっと探していただなんて……恥ずかしくてとても言えない!

 周囲の仲間たちを巻き込み、闇市場探索――『アレ』をめぐる冒険が始まろうとしている!?


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参加者
風舞歌・リオル(a17014)
聖骸探索者・ルミリア(a18506)
気紛れな魔女・シラユキ(a24719)
真っ赤なお伽話・デスペラード(a27803)
城壁の姫騎士・サクラコ(a32659)
光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)
無銘の・ウラ(a46515)
東風吹く神社の不思議な巫女・ヤエ(a59213)


<リプレイ>

●一
 沿道に楢の木ひとつ、来し方と往きし方、双方向を見守るように立っている。影は垂れ下がるように長く濃い。もう夕刻なのだ。
 さして見るものもないこの場所に、三々五々、人影が集まってくるのは何故だろう。いずれもフードやマントを着こんでいるのも奇怪――しかし賢明な読者諸氏はもうお気づきであろう。「闇の市場」行きご一行様である。
「ふむ、ほぼ全員そろったようじゃのう」
 無銘の・ウラ(a46515)は面々を見回した。そういえば、と思う。
(「わしこの中では同率三位でおねぇさんなのに、どうもそんな感じがせんのんよな……」)
 あえて言う、ちみっこ率高し、なのだ。といっても平均年齢が実際低いのであるから仕方ない。
 大きめのリュック背負った姿は、光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)。このリュック、背の部分に穴が開けられており、そこに翼を隠しているのだ。プラチナは「ふぁっしょんちぇーっく!」と称し、気紛れな魔女・シラユキ(a24719)の翼を縛ったりしていたが、
「いや待て、七人しかおらんぞ?」
 と気づいて告げた。
「確かに。今日は皆、変装しているから判別しづらいな」
 シラユキもうなずく。
「まだ来ていないのは誰かな? 確認しあってくれないか」
 風舞歌・リオル(a17014)が呼びかけた。この中で一番年長、背も高くおまけに黒一点、ためか本人の意志無関係の全自動にて『引率の先生』的立場を担うことになったリオルである。なりゆきで担当した引率者にしては、なかなか様になっているようだ。
 城壁の姫騎士・サクラコ(a32659)が手を挙げた。本日のサクラコは、三つ編みお下げと丸眼鏡で才女風に変装している。
「先生、ヤエさんが来てません」
「先生!?」コホンと咳をして、「そういえば確かに……」
 と巡らせたリオルの真上、そこから声がした。樹上だ。
「ふぉ、ふぉ、ふぉ……婆にも色々都合があるのじゃよ」
 ひらりと飛び降りたかったところだが枝葉が多くそうもいかず、ずりりと幹を滑り降りてくる。髪に葉、羽織ったマントにも枝とか蜘蛛の巣とか色々、潮騒に眠る移ろいの夢・ヤエ(a59213)である。ヤエは腕組みしてニヤリと笑うと、
「ここは『い、いつの間にっ!』と驚愕すべきところじゃよ」
「い、いつの間にっ!」
 サクラコがのけぞってくれた。
「かたじけない」
「どういたしまして」
 深く下ろしたフードをぐいと、さらに下ろすは真っ赤なお伽話・デスペラード(a27803)だ。
「では参るとするか。皆、冒険者の身分が露呈せぬようにな。顔や名が憶えられるのも避けたい。かく言う私も本日は、匿名の少女Dに過ぎん。なに、ささやかな自尊心というヤツだ」
 はーい、と光の海に眠れるもの・ルミリア(a18506)が応じる。
「わっかりました〜♪ はりきって行きましょう、面白いものが見つかると良いのですがね〜☆」
 ルミリアはかくつけ加えるのも忘れなかった。
「ね? 匿名少女Dさん♪」
「うむ。よいぞ」
「どういたしまして〜」

●二
 宝石、刀剣、巻物に骨董、宵闇の市場はあらゆる商品に満ちている。共通しているのはいずれも、うんと種類があるということ、そして一様にどこか、胡散臭い雰囲気を帯びていること。派手な色彩の絵画ばかり並べる店あれば、茶色い毛皮を集め声枯らす露天商あり、かと思えば揚げた肉を売る屋台もあって、香ばしい湯気をあげている。
 リオルのお腹が小さく鳴った。すぐ目の前に、甘いシロップのかかったパンケーキを売る店があったのだ。見回せばこの店だけではない。クレープ売り、チョコバナナ売り、甘いばかりではなくパエリアを売る屋台、蒸し饅頭、焼きそば等々、これでもかというほどに食のスポットが集まる一帯に入りこんでいたのだ。
「とりあえずは甘い物が食べたいかなぁ……」
 目移りして仕方ないが、リオルは最初の方針を定めた。
「どこからも良い匂いが漂ってきて迷うです〜」
 ルミリアは恍惚として浮きあがりそうな様子であるし、サクラコも、
「でもこのての出店ってちょっと高いんですよね。普段だったら絶対に買わないんですけど……」
 といいつつ、美味しい誘惑に抗うことのできない様子だ。
 事実、食べ歩くだけでも一日過ごせそうなこの場所なのである。串焼きに焼き鳥、栄養たっぷりトマトのスープ、よく焼いて海苔巻いた餅、ガーリックのきいたパスタ、色とりどりの飲料も豊富だ。歩くだけで楽しいし、求めて食すればもっと楽しい。それだけに人混みも多く、ややもすると溺れてしまいそうである。
 そんな中、ウラはさっそく大ぶりのソーセージにかぶりついていたが、大急ぎで食べ終えると突如、
「持病の仮病が!」
 と叫んで人混みに姿を消した。
「仮病って言ってるし!」
 思わずヤエがつっこむが止まらない。ウラが目指すは書物を扱う店である。それも、なるだけ専門的な店がいい。ハウツー本に長けたような……。
 シラユキも何やら思うところがあるらしい。しばしあれこれ、不思議な食べ物や飲み物を売る店を見物していたのが、いつの間にやらすっと姿を消していた。
(「予告無く消えることを許せ……私は書店に行かねばならぬのだ」)
 哀愁帯びた表情でシラユキは道を急いだ。
 デスペラードは揚げ団子を口にしている。
「存外美味いものだな」
「そうじゃのう。まさかバナナ味とは思わなんだが」
 と言いつつプラチナは、デスペラードが意味ありげな視線を送っているのに気づいた。
「……そろそろかの」
「そろそろだ」
 二人、うん、とうなずきあった。そして電光石火、ごく狭い路地にもぐり込む。これが近道と聞いている。目指すは、怪しげな本の大量在庫があるという古書店、『アレ』の捜索が目的であるのはいうまでもない。
「あ、そうそう」
 食べるのに一生懸命だったルミリアだが、ふと思いだしたように呟いた。
「私、ちょっと捜し物があったのでした〜」
 言うなりごくりと、大椀入りの汁粉を飲んでしまう。そのまま
「ではまた後で〜」
 と手を振って分かれていった。
「何を隠そう、隠した憶えもないが妾もじゃ」
 自分の拳ほどもある唐揚げをかじりつつヤエがいう。
「またお会いしようぞ」
 ふぉっ、ふぉっ、と笑いつつヤエもどこかへ去った。
 そして気がつくと一行は、サクラコとリオルの二人きりになっていたのだ。
「らぶこめ的に二人きりにしてみたわけじゃなさそうですよね、先生?」
「い、いやそれはないだろう! うん」
 そういうわけではないので安心(?)してほしい。
 ええと、とリオルは咳払いして、
「私は服を買いに行こうかと思ってるんだけど」
「いいですね。付き合いますよ」
「……『カッコイイ』服なんだけど驚かないでね」
「格好いいのは好きですよ?」
「いや……なんていうか、『カッチョイイ』のほうが近いかもしれない」
 サクラコは首をかしげた。

●三
 プラチナとデスペラードが到着した古書店は、入り口こそ小けれど奥が広く深く、ちょっとした迷路のようになっていた。古書の黴くさい香と、進むにつれ暗くなるところも迷宮そっくりだ。本棚には無作為に本が押し込まれており、背表紙がボロボロになったものも多数。丹念に調べるには、いちいち抜いて確かめるしかない。
「ここにはこんな本しかないのかっ」
 デスペラードが手にしているのは、『素敵な彼と仲良くなれるドキドキおまじない全集』という本だ。カバーに装丁されたピンクのハートが目に痛かった。
「落ち着くがよい。ハウツー本に強い店と聞くゆえ、あらゆるジャンルがあるのじゃろう。それだけに『アレ』も存在する可能性は高いぞ」
 プラチナが書棚に戻したのは、『ジャンポール先生のガリガリ痩身術』と書かれた一冊だ。
「せめて料理の本だけでも見つかればいいがの……」
 とつぶやくプラチナの耳に、どこかで聞いた声が届いた。店主に質問しているようだ。
「あ〜、ん……ごほん。なぁ、ちょっと聞きたいんだが、その………こういう類の本は取り扱っているか?」
 まずいな、とデスペラードが身を低くして囁いた。
「シラユキの声だ。どんな本を探しているのかはわからないが、こっちに来そうだな」
 この状況、『アレ』を探す関係上鉢合わせは避けたい。二人は奥へと向かっていく。
 ところがその奥からも、なにやら声がするのだった。
「む、『グルメ紳士カッフルのゲテモノ食大全』じゃと? なんじゃこれは。しかし、こういう怪しげな書店なら例の本もありそうじゃな」
 と言っているのはウラのようだ。ウラが探しているのはずばり、『立ち居振る舞いが大人っぽく見える指南書』である。
(「大人っぽくなれば、いつもいじめられとるシラユキ殿とかを見返すことができるじゃろう」)
 口元がほころぶ。なんかやる気が出てきたよ?
 さて書店入り口付近にも、ルミリアが出現していたりする。
「ん? この『ランドアース拷問大全』とか『ランドアース毒物学』とか『反逆者の哀れな末路』とか面白そうですね〜♪」
 不吉なタイトルばかり手にしてしまうのは、ルミリアの背負った業のなせるわざだろうか。

●四
「をを、この草があるとは、店主なかなかやるのぅ」
 場面変わってここは薬草店の軒先、ヤエは瓶を手にしてご満悦である。ヤエの捜し物とは薬草、それに料理用のハーブだ。いずれも求めるものが見つかったものの、思ったよりも値が張る。そこで、
「ねぇねぇ、このおくすり、もっとやすくならないかなぁ?」
 えへへ、と作り笑いして、精一杯幼い口調、キラキラした目で店主に問うてみた。だが、竹刀のように背を伸ばした老店主は、ヤエをギロリと一瞥するや
「さっき瓶を見ていたときの顔と違うな。あんた無知の振りをしてるだろ」
「げ……」
 そのとき、
「ヤエさん。そこでしたか」
 サクラコの声がした。振り向くと彼女と……なにやらおぞましいシルエットのパートナーがいた。
「似合うかい?」
 キラン、どす黒く重量感のあるゴーグルが鈍く光る。頭は堂々、ドギュンと長い蛍光ブルーのモヒカンだ! まとう分厚き革ジャンに鋼鉄のトゲ、肩より突きだし天を向く! 膝にプロテクター、手袋もトゲトゲ付、おまけに黒い首輪装着ときたもんだ! これぞ歩く殺傷兵器、あるいは歩く世紀末、はたまた歩く種籾クラッシャー、なのか!?
 誰? という顔をするヤエだが、それ以上に強烈な反応をしたのは店主だった。
「ヒィイィ! あんな奴と知り合いなのかアンタ!」
 店主は地面にうずくまると、ガタガタ震えながら頭をかかえた。
「持ってけ! 言い値でいいから薬草、さっさと持ってって消えてくれ! だけど命だけは!」
「な、なんか知らんがもらうぞ。行くとしようか、さくらこ殿と、えーと」
「ほら、リオルだよ。分からなかった?」
 と、望み通りカッチョイイ服装を手に入れたリオルは苦笑気味に答えた。この服装、普通の人には刺激が強すぎるようだ。
 ちなみにモヒカンヘッドはカツラで、これはサクラコがチョイスしてくれたものである。
 
●五
「シラユキさ〜ん♪」
 声をかけられてシラユキは、さっと背後に書物を隠した。
「ル、ルミリアか。古書店に何か用か?」
「最近何故か『魔王』とか呼ばれたりする事があるので、『誤解を解く方法』みたいなのがないか探しに来たんですよ〜。でも、これが見つかったから満足です☆」
 ルミリアの手にした本は、表紙に可愛い女の子のイラストが描かれている。だが題名は『世界残虐すと〜り〜(イラスト付)』だ。キュートなのか邪悪なのかサッパリわからない。
「ところで、さっき背中に隠した本はなんですか?」
「なんでもない!」
 本をぎゅっと握りしめる。額をつーっ、と汗が伝った。
(「き、毅然とした態度で臨まねば……何もやましい事なんかないさ」)
 しかしシラユキの危機は、その背後から迫っていたのである。
「えーっと、『同盟メイドっ娘図鑑』? メイド服の素敵さを是非ご家庭でお召し上がり下さい、って書いておるのう」
「きゃん!」
 真っ赤になって振り向くと、そこにはウラの顔があった。
「きゃん、て。ふふふ、そんな恥ずかしがらずともよかろう。なんならわしがメイドっ娘してやろうか? うりうり」
 ウラは嬉しそうに肘でシラユキをつつく。少し弱みを握った気分だ。
「ええい、これはやましい気持ちではなく芸術的好奇心で選んだものだ! そんなウラの見つけたものも見せろ」
 奪い取るとそれは巻物で、『究極! 大人の作法奥義』とある。今度は逆にウラがもじもじする番だった。
「これは……そのう、あれだ、き、貴殿にプレゼントするために買ったんじゃからな? まあ、その前にちょっとだけ中身を確認するかもしれんが」
 しかしウラはまだ知らなかった。この巻物の中身が、本来の意味ではないほうの「アダルト」向け奥義書であるということを! どんな奥義かって? それはご想像にお任せする。
「ところでこの奥じゃが、行き止まりになってしまったぞ。急に本棚が倒れてきおってな。埋もれてしまった」
 ウラは肩の埃を払いつつ首をすくめた。
 本棚倒壊が自然のいとなみでないことはいうまでもない。
「ま、あとで直すということでの」 
「ふむ。これで、ウラをやりすごしゆっくり探せるようになったわけだ」
 プラチナとデスペラードは顔を見合わせニヤリと笑った。二人は棚を倒してウラを埋めた上、本の積まれた閉鎖空間まで作り出したのである。
「しかしあまりゆっくりはしておれん。急ぐのじゃ」
「そのようだ。この本は……『もう貧弱なボウヤとは呼ばせない』? ええい、好きに呼ばせておけ!」
「この本は近いぞ? 『シークレットブーツで今日から長身』じゃ」
「いかん! ちょっと近いがそれだけは却下だ」
 必死だ。二人とも必死だ。埃に耐え黴くささにも耐え本を掘りまくる。ぐずぐずしていれば店員が来て直されてしまうかもしれない。そうなれば仲間に見つかりかねない!
「おお、『かしこい奥様の超絶クッキング』とな。買うとしよう」
 手料理を振舞いたい人がいるのでの……とつぶやくプラチナの耳に、デスペラードの勝利の雄叫びが聞こえた!
「これに違いない! 『今からでも遅くない。ぐんぐん成長』! 随分ボロボロだがこれぞ我らの求める書……」
 とまで言ったとき、
「デスペラードさんにプラチナさん、お二人ともこの店に来ていたんですか〜♪」
 本棚が動きルミリアが顔をのぞかせたので、デスペラードは素速く本を懐に隠した。

●六
 かくて八人は家路につく。
 ある者はモヒカンを頭に載せ、ある者は胸に本、あるいは瓶ごと入手した薬草を抱きながら。
 なかでも、プラチナとデスペラードの満足げな表情は極上であろう。二人は歩きながら、輝ける未来を夢想している。
 まさかその本の真のタイトルが、『今からでも遅くない。ぐんぐん成長、あなたの頭髪! 髪は蘇る』であるとは夢にも思わぬ二人であった。後半部分はかすれて読めなくなっていたのだ。

(おしまい)


マスター:桂木京介 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2008/10/03
得票数:ほのぼの3  コメディ22 
冒険結果:成功!
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気紛れな魔女・シラユキ(a24719)  2013年05月24日 23時  通報
こうして女の子は汚れていくのであるなぁ…

無銘の・ウラ(a46515)  2010年06月30日 07時  通報
手に入れた本の内容はよー分からんかったけど、
人妻になれるくらいにあだるてぃーになったことを考えれば
あれはやはり凄い本じゃったとゆーことじゃな!