ナビア探索行〜地獄の遭遇戦?!〜



<オープニング>


 冥く深いナビアの森。陽の差さぬこの地に根付いた植物たちが織りなす森は、ドリアッド達がよく知る森とは違ってどこか妖しい陰りを秘める。広大なこの森は奇怪にねじくれた木々の向こうに真実を隠し、そしてノスフェラトゥに依らない独自の活動を行うと決めた円卓会議により、同盟の冒険者達はそれぞれが感じるままに森へと散った。

 翔剣士カルア達一行もまた、後続の調査隊の一助になればとナビアの森の探索を始めていた。当然のことながらその目的はノスフェラトゥ達と戦う事ではないし、未知なる列強種族ディアブロと矛を交える事でもない。可能な限りナビアの森を調査し続け、生態系や地理を記録することが主たる目的であった。

 そう、目的が必ずしも達成できるとは限らない。カルア達は今、追われていた。執拗に追跡を続けているのはノスフェラトゥの冒険者達であった。少しも強そうには見えない冒険者達は5人でアンデッド達を10体ほど引き連れている。蹴散らすのは簡単であったかもしれないが、戦いを回避し撤退したため無用の好奇心を誘ったらしい。
「ノスフェラトゥのみなさん、まだついてきますね」
 緩やかに肩から背にかかる金色の髪をゆらし半身をひねって後方を確認したリヴィートゥカは、気遣わしげな色をけぶる紫の瞳に映す。
「しつこくつきまとうって、やっちゃいけない事なんだよ。ノスフェラトゥのお人たちはレディへの礼儀ってのがなってないんだよ」
 ユユは少しだけ頬をふくらませて憤慨していることを周りに示すが、その様子は可愛らしいばかりで真剣に怒っているのだろうがちっとも怖くない。
「それではあちらの方々からちょっと慰謝料をいただいてきましょうか、ユユちゃん。きっと地獄銘菓をたくさん持ってますよ」
 にこにこしながらカロアは義弟に聞かれないよう小声ユユに話しかける。

 その時だった。先頭を歩くリンにサッと緊張が走る。
「あんちゃん、前! 進行方向に誰かいる……」
 リンは並んで歩くイツキにやはり小声で言った。もちろんカロアの時とは意味合いが違う。イツキは身をかがめて目を凝らす。木々の向こうにディアブロ達が確かにいた。初見であっても見まごうことのない肌の色、そして容貌だ。
「リン殿のおっしゃる通り……どうやら俺達はのっぴきならない状況に陥ってしまった様だ」
「あら、本当に困ってしまったわね。進めばディアブロ、引き返せばノスフェラトゥなんて」
 あまり困った様子ではなくどこか余裕を感じさせる口調でオヴェリアがつぶやく。そうこうしている間にもディアブロの一人がこちらに気がついた。早口で何か仲間に言っている。
「戦うつもりはないけれど、下手に退けば私達を追いかけてくるノスフェラトゥ達がディアブロ達に見つかってしまうわね。そうなったらただでは済まないでしょうしね」
 メロスは冷徹なまなざしを行く手と、そして憐憫の色をたたえた瞳をそっと背後に向ける。ディアブロとノスフェラトゥ、戦えばほぼ間違えなくディアブロが勝つだろう。ディアブロの冒険者達はノスフェラトゥ達には気がついていないし、ノスフェラトゥ達もカルア達を追跡することに手一杯でその先に出現した敵には気がついていない。だが、刻々と時間は過ぎ前後の2勢力は接近してくる。
「……どうするべきか」
 カルアは眉をわずかに寄せ唇を噛んだ。


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参加者
野良ドリアッド・カロア(a27766)
銀蟾・カルア(a28603)
しっぽふわふわ・イツキ(a33018)
物語・メロス(a38133)
小さな海・ユユ(a39253)
ノソ・リン(a50852)
太陽の蝶・オヴェリア(a57427)
陽月の花冠・リヴィートゥカ(a71397)


<リプレイ>

●戦いの果てに何があるのか
 前方からはゆっくりとディアブロ達が間合いを詰めてきている。おそらく後方からはアンデッド達を引き連れたノスフェラトゥ達が追ってきているはずだ。思いがけなく、敵対関係にある2つの種族に挟まれてしまった同盟の冒険者達には善後策を話し合う時間さえほとんど残されてはいなかった。早口で、しかも言葉少なに打ち合わせが行われ、それは即座に行動に移される。
「それが望みならば刃を交える事も辞さないわ。だけどいつでもいいから、少しだけ私達にも望みを叶えるための時間をくれないかしら?」
 物騒な気をまとい戦意を隠しもせず、防具を変化させたり頭上に光る羽を浮かべながら近づくディアブロ達に対し深緑・メロス(a38133)は談笑しているかのような平坦な口調で語りかける。彼らは喜々として戦いに挑む。それがディアブロという種族なのだろう。
「俺たちは、戦うためにナビアの森に来たわけじゃない。少なくともこんな出会い頭に戦う様な事はしたくないんだ」
 鈍色銀糸・カルア(a28603)も幾多の戦いをともにくぐり抜けてきた剛糸に手も掛けず、ディアブロ達へ語りかける。互いに顔を見合わせるが立ち止まる事はしないディアブロ達を見て小さな海・ユユ(a39253)は立ち位置を変えながら小さくつぶやく。
「まったく……戦バカって奴は見境がなくって困るだよ。まぁ嫌いじゃないけどね」
 ずいぶんとマセた事を言う様だが、皆にとってはいつもの事なので微笑ましく感じられるだけだ。ユユが力を使うと、祝福された大地が淡く光りを放ち出す。そのユユの頭上にふわりと白く光る羽が浮かんだ。ユユだけではない。野良ドリアッド・カロア(a27766)の力は仲間達全ての頭上に守護の天使を召喚する。
「戦わずに話し合いをするにしても、これくらいならいいですよね」
 内緒話の様な声でカロアが言った。ディアブロ達を刺激してしまったのではないかと心配しているようだが、当のディアブロ達の様子に目立った変化はない。ただ、先頭を進んでいた武人と武道家が武器を構えたまま口を開く。
「戦う気がないのなら何故戦場に出向いた? ここは幼子の遊び場ではないのだぞ」
「悪いが俺たちは戦いに飢えている。そちらに戦意があるかないかはどうでもいい。気骨を見せろ! なぶるように刻まれたくないのならば、な」
「ごちゃごちゃ言わずに構えなよ。丸腰だって手加減しないよ」
「やっと戦えるんだからな。はっ、ゾクゾクするぜ」
 ディアブロ達の目はもうギラつく剣呑なものへと変化している。後方の者達も杖や楽器、弓を構えている。
「やはり言葉でのやりとりよりは拳での方が好みと見えるな」
 迫るディアブロ達から仲間を守るかの様に、しっぽふわふわ・イツキ(a33018)は敵の真っ正面へと立った。戦いの中で解り合うことも出来ない事ではないかもしれない。戦場という一種独特の空間では、遙か後方の同胞よりも刃を交える敵とにより親近感を抱くことも無いとはいえない。
「どうしても……戦ってみなきゃ駄目なのか」
 小さく蓮の花が刻まれた二振りの斧を手に銀花小花・リン(a50852)は前に出る。イツキやカルアに並ぶ位置だ。
「こんなに広い森の中で出会ってしまうなんて不幸な偶然です〜。でも、もう覚悟を決めるしかないんですね」
 それまで武器に手を掛けることなくいた七色の花冠・リヴィートゥカ(a71397)であったが、悲しげな表情を一瞬だけ浮かべるとリヴィートゥカに似合いの可愛らしい外観を持つ武器を手に取る。
「どうやら随分と正直そうな人たちね。それとも、私達相手に本心を隠す必要もないって事なのかもね? それよりあっちの方が気になるかしら」
 じっとディアブロ達の様子を見ていた太陽の蝶・オヴェリア(a57427)は視線を後方へと向ける。ディアブロ達と接触したことはもう分かっているだろうに、ノスフェラトゥ達にはなんの動きもない。立ち止まって様子をうかがっているのだろうか。共倒れを期待しているのか、それともどちらか優勢な方に助力しようと思っているのか。
「ごちゃごちゃうるさいぜ。ここからはお楽しみのお時間だ!」
「ハートクエイクナパームだよっ!」
 距離を保ったままであった弓を持つディアブロが矢を放ってきた。ユユの警告の声が響くが退避行動をするよりも早く桃色の矢は暗いナビアの森に広がるよどんだ空気を切り裂き、まっすぐに同盟の冒険者達へと飛ぶ。着弾とともに爆発が起こる。それを覚えていたのはカルアとユユだけであった。
「くそっ!」
 紳士的に平和的に交渉を開始したというのに聞く耳を持たないとはこのことだ。カルアはぶつぶつと小声でありったけの語彙を駆使してディアブロ達をこき下ろした。幸い、ディアブロ達には聞こえなかったし、魅了を免れたユユには理解不能な言葉ばかりであった。

 ディアブロの吟遊詩人は余裕の表情でリュートの様な楽器の弦から手を離し、忍びとおぼしき軽装のディアブロは横合いへと姿を隠す。それを追うはずのオヴェリアの深く青い瞳は今は紗がが掛かったかのように彩りが欠けている。
 光る大地にぼんやりと立っていたメロスの魅了が溶けた。若葉の色とも草原の色ともつかない深い緑の瞳は複雑な色が浮かぶ。それは問答無用で攻撃を仕掛けてくるディアブロ達への憤りなのか、それとも諦めや悲しみなのだろうか。それでもメロスは感情に流されることなく立ち位置を後方へと移動させる。
「どのような時と場合でも、私が成すべき事は……同じ」
 けれど今は傷ついた仲間はいない。メロスは『ガッツソング』は使わず様子を見る。
「こいつら戦わない事には話も出来ない輩なのか」
 最前線の一角であるカルアは『ライクアフェザー』を我が身に使い、敵の攻撃に備える。
「そっちがハートクエイクナパームなら、ユユだってそういうの撃っちゃうんだよ。食らえ、なんだよ!」
 天空に輝く三日月の様な白銀の弓を引くと、白いペインヴァイパーを身体に巻き付かせたままユユは桃色の矢をディアブロ達へと放った。爆発が起こりディアブロ達の動きが途端に精彩を欠く。
「真似かよ?」
「真似じゃないんだよ。ユユ、最初から決めてたんだよ!」
 効果範囲外であったらしいディアブロの牙狩人が薄笑いを浮かべたまま言うと、ユユは大きな声で言い返す。次の瞬間カロアが正気に立ち戻った。
「はっ……私としたことが美味しいご飯やお菓子以外に魅了されてしまうなんて、猛反省です。皆さんもここはお菓子の事は置いといて、目先の戦いに集中しましょう」
 屈託のない満面の笑みを浮かべた後、カロアは両手を胸の前で組み祈りの姿勢に入る。魅了されていない仲間達からの的確で容赦ない突っ込みも今のカロアの耳には届かない。清らかで真摯な無私の祈りが仲間達を襲う災いから救い出す。イツキ、リン、オヴェリア、リヴィートゥカが魅了状態から回復した。カロアは尚も祈り続ける。

 ディアブロの武道家は何度か瞬きをした。
「こうでなければ面白くない!」
 瞳が左右にちらちらと動き、深蒼のグランスティードに騎乗するイツキで止まった。楽しげにさえ見える表情のまま突進した武道家は対照的にそっとイツキに触れた。途端に爆発的な気が破壊力となって注ぎ込まれ、頭上に輝く羽は消えイツキは大きく後退させられる。更に武人が武器を抜くと同時に攻撃してきた。勢いのある攻撃はまるで武器の刃渡りが伸びるかのような感じさえ受け、後退も回避も間に合わずイツキは脇腹を貫かれた。灼熱感が広がっていく。
「カロアちゃん、ここは私が……」
「メロスさん、おねがいします」
 医術士であるカロアに声を掛け、メロスは戦意を高揚させる勇壮な歌を歌う。言葉と旋律は力となり、イツキの鋭い痛みを癒して行く。だが、イツキが気にしていたのは眼前のディアブロ達ではなく、戦闘域へと迫りつつあるノスフェラトゥ達であった。
「「ノスフェラトゥの方々。申し訳ござらぬが、此方の御仁の御用向きが済むまで安全な場所へ退避して貰えぬか!」」
 振り向きもせずに大きな声で叫ぶ。そして返事は確かめずに鉄扇の様な独特の形状をした武器を大上段に構え、一気に武道家へと打ち下ろした。敵に手傷を追わせたがもちろん致命打とはならない。そこへリンの攻撃が重なる。
「戦う事に意味があるっていうなら、私も今だけはそっちの流儀に合わせるだけだ」
 イツキの攻撃に態勢を崩した武道家の懐にリンは飛び込むように身を躍らせた。集中するのは指先のたった1点。そこに体中の全ての力を集め意識を研ぎ澄ませる。鋭い突きが武道家の身体をえぐる。リンは身軽にトンボを切り着地して身構える。
「ぐあっ」
 鋭い牙の様な歯が並ぶ口から悲鳴があがった。だが、魅了が醒めた医術士が『癒しの聖女』を吟遊詩人に飛ばし、魅了から回復した吟遊詩人が『高らかな凱歌』を歌う。魅了が溶け傷が癒されていく。
「うや〜屈強な体躯ですね〜。茸や蟲さんのナビアの森で一体何を食べたらそうなれるのでしょうか〜?」
 少し語尾を伸ばしてのんびりとした口調を作り、リヴィートゥカは武道家へと攻撃を放ちながらディアブロ達へと話しかける。稲妻の鮮烈な光が愛らしい武器からほとばしり、1度、そして2度と武道家を撃つ。問いかけへの返答はないがそれは想定の範囲内だ。
「不味いわね。敵に姿は一人ないわ。たぶん、忍びよ」
 オヴェリアはうっそうとしたナビアの森を注意深く見る。あの魅了されている時、忍びが視界の利かない暗がりへと移動していったのはわかっていた。けれど注意深くその姿を目で追うことが出来なかったのだ。けれど絶対にどこか……そう遠くない場所に潜み攻撃の機会を待っているのだろう。そのオヴェリアの目には後方でじっとこちらを見つめるノスフェラトゥ達の姿も映る。高みの見物を決め込んでいるのだろうか。その時、ノスフェラトゥに近い木々の根方にディアブロの姿が見えた。オヴェリアの見ている間に完全に隠形を捨てたディアブロは短い刃を抜きこちらに向かってくる。
「ユユちゃん、カロアさん!」
「え?」
「オヴェリアさん」
「危ない!」
 ユユを突き飛ばし向かってくるディアブロの忍びの顔が見る見る大きくカロアの視界一杯に広がる。回避も出来ないと覚悟を決めた途端、何かに遮られるようにディアブロの姿が消えた。否、オヴェリアが立ちふさがったのだ。驚くほどの血がオヴェリアの腹から吹き出し、ボタボタと土砂降りに様な音をたてて降り注いだ。地面も葉も白く頼りない草たちも赤く紅く染め上げられていく。
「失敗したか」
 忍びはすぐに暗がりへと飛び込むように消える。
「オヴェリアさん!」
「オヴェリアさん、ねぇ! オヴェリアさん!」
 抱き留めたカロアの身体も血で赤く染まる。転がったユユが素早く駆け寄るが、もうオヴェリアに立ち上がる力はない。後方のノスフェラトゥ達にも動揺が走ったのか、低いざわめきが聞こえてくる。
「いいのよ。だってユユちゃんやカロアちゃんが倒れたら、困るでしょう?」
 白い頬さえも自分の血で染めたオヴェリアは泣きそうな2人に無理矢理笑ってみせる。こうなることは解っていたことだ。

「もうお終いか? これじゃあ戦争ごっこにもならないぜ」
 再度ディアブロの牙狩人が桃色の矢を放つ。今は傷つく仲間に駆け寄る事も出来ない。戦いに焦がれたディアブロ達が気が済むまで戦ってやらなくては事態は変化しない。瞬時に魅了から醒めたカルアは唇を噛み振り向くことを断念する。
「イツキ、ユユ、リン。行くぞ!」
「承知!」
「わかったよ、おやびん!」
「狙いは?」
 リンの言葉にカルアの右手が挙がる。息のあった4人の連続攻撃が後方に位置するディアブロの医術士を襲った。散開するカルアは真っ直ぐに医術士を見通せる場所で大きく足を滑らせて止める。素早くうち振るわれた剛糸が衝撃波を産み、それは何もかも蹴散らしながら真っ直ぐに進む。イツキの武器から稲妻の闘気が放たれ、空を走る雷光の様に妖しくまばゆく光りながら敵へと走る。ユユは短い矢を矢継ぎ早に放つ。2射、そして3射。矢はほとんど違わぬ曲線を描いて空を飛ぶ。そしてリンの寄せた両腕、その手のひらから激しい力が放たれた。
「いっけえぇぇ!」
 気合いのこもった叫びとともに力の奔流が飛ぶ。その4つの攻撃が重なり合いからみあい、ほぼ無防備であったディアブロの医術士を撃った。頭上に浮かぶ白い羽が消え、切り裂かれ稲妻に焼かれ射抜かれ撃たれたディアブロは完膚無きまでにたたきのめされ木々の根本に転がった。弱々しく指先がふるえるが立ち上がることはもう出来ない。
「オヴェリアさん、ごめんなさい」
 清らかな祈りを続けるカロアの目から透明な涙が頬を伝い、ポタポタと赤く染まった服を濡らす。リヴィートゥカの魅了が溶けた。もとよりメロスは魅了を受けていなかったので、これで利敵行為をさせられる者はいなくなる。
「なるほど、森を徘徊する卑しい雑魚ではないというわけか」
「ますますもって面白い」
 武道家と武人は揃って前に出る。狙いはオヴェリアを抱いたままのカロアだ。攻撃をしたばかりの4人の隙をつかれた形だ。オヴェリアを離し立ち向かうカロアに武道家の拳が命中し、交わしきれない武人の剣に切り裂かれる。一瞬で浅く苦しげな様子となってもカロアはまだ立っていた。
「上出来だわ、カロアちゃん。よく耐えたわね」
 メロスの朗々たる声が戦場に響く。雄々しく優しく暖かい歌声が傷つくカロアの身体から怪我の痛みを取り去っていく。吟遊詩人が再度『高らかな凱歌』を歌い、またしても忍びがカロアへと奇襲を掛ける。だがこれはリヴィートゥカが読んでいた。
「そう何度も同じ作戦は通用しないのです。私達をそんなに甘く見ないでください」
 小柄ではかなげな花冠を抱く少女はカロアの側背を突こうとたディアブロを可愛らしげな武器を手に阻んだ。そして返す武器で稲妻のまばゆい闘気をたたきつけた。リヴィートゥカはキッと忍びを睨む。内心かなり怒っているのだろう。

 双方ともに1人の負傷者を出しながらも戦闘は続いた。やがて飽きたのかディアブロ達が剣を納め、倒れた医術士を背負った撤退を始めた。メロスは去りゆく背にノスフェラトゥ達が控えていることを告げ、3者による話し合いが出来ないかを訴えた。
「私達はあなた方の求めに応じ戦ったわ。だから私の求めにも応じてもらえないかしら?」
 やや髪を乱したメロスは豊かな森と同じ色の髪をかき上げる。
「3者で何を語るというのか。我らは、ただ戦いに来ただけだ」
「戦いを終結させる気はないのか?」
 カルアの言葉にディアブロは薄く笑った。
「ない……」
 ディアブロ達はナビアの暗い森の奥へと姿を消した。ノスフェラトゥ達もいつしか姿を消していた。


マスター:蒼紅深 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2008/11/15
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冒険結果:成功!
重傷者:太陽の蝶・オヴェリア(a57427) 
死亡者:なし
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