助けて! カボチャマン!! 〜秋のカボチャ祭・紅葉狩られ阻止作戦!〜



<オープニング>


●秋のカボチャ祭・紅葉狩られ阻止作戦!
 正義の使者・カボチャマン。
 君はこの名前を知っているだろうか。
 そう。それはフィーネの街に現れる、正義の味方の名前である。
 街に危機が訪れるたび何処からともなく数十人単位のカボチャマンが押し寄せて、怒涛の如く街を救って去っていく。その光景は最早フィーネの街の名物でもあった。ちなみにこの秋で三周年。
 だが、それでも街にはびこる悪が消え去ることはない。寧ろ近隣から押し寄せてくる始末。
 この秋もまた、まるでそれがお約束であると言わんばかりに――フィーネの街に危機が訪れた。

 炎熱地獄の夏が過ぎ去って、フィーネの街にも穏やかな秋が訪れる。
 活気に満ちた賑やかなフィーネは、今年の秋、美しい薔薇色に染まる紅葉で彩られていた。大きな紅葉葉楓の樹が幾つも取り寄せられて、街の至るところに街路樹として植えられたのである。
 だが、フィーネの秋と言えば――当然、カボチャ祭の季節である。
 催しごとが大好きで、南瓜とカボチャマンをこよなく愛するフィーネっ子達が何より楽しみにしているのがこの祭だ。街のあちこちで南瓜プリンやパンプキンパイ、南瓜グラタンといった数多の南瓜菓子や南瓜料理が振舞われ、街中くまなくカボチャマングッズで飾り立てられるというカボチャ祭は、ペンだこで療養中の町長に代わり『代理カボチャ祭管理委員長』に就任したヨハン爺、そして近頃益々商売繁盛しているらしいエティゴ屋の指揮のもと、今年もフィーネのカボチャ祭は平和かつ熱狂的という不思議な盛り上がりを見せていた。
 今年のメインは『紅葉狩りカボチャ祭』。
 街路樹として植えられた紅葉葉楓の美しい紅葉を眺めつつ、カボチャを楽しみまくるという趣向だ。
 紅葉葉楓の梢には拳大のミニカボチャが吊るされていて、これを取れば中をくりぬいたミニカボチャに詰められた南瓜クッキーや南瓜フィナンシェなどの南瓜菓子が食べられるという、子供たちに大人気の仕掛けまでついている。そんな感じで祭が最高潮に達しようとしたある日のこと。
 フィーネの街に、神聖紅葉帝国が現れた。
「本日よりこのフィーネは、我が神聖紅葉帝国の統治下に置かれることとなる!」
 鮮やかな紅葉マントを翻しつつ現れた謎の集団が、突如よく解らない宣言を始めた。
「神聖紅葉帝国ってなんだよ」
「アレだ、山の方の何とかって町の町長が『今日からわしは皇帝じゃあ、だからこの町は神聖紅葉帝国なんじゃあ』って言い出したとかいうアレじゃね?」
 謎の集団出現にもすっかり動じなくなったフィーネっ子たち。
 彼らがひそひそと言葉を交わす間に、神聖紅葉帝国は更に訳のわからないことを言い出した。
「と言う訳でカボチャ祭禁止! カボチャとか何だね、秋と言えば紅葉! 紅葉に決まっておろう!」
「しかも紅葉狩りとは何事だ! 神聖な紅葉を毟るなど文明人のすることとも思えぬわ!」
「麗しき紅葉を狩ろうとする愚民どもめ! 貴様らなど我ら神聖紅葉帝国に狩られてしまうがよい!」
 妙な言いがかりをつけ始めた神聖紅葉帝国は、早速『紅葉狩りカボチャ祭』の妨害に乗り出した。紅葉葉楓の樹に近づこうとした者や、傍を通りかかった者に「貴様紅葉を取ろうとしたな!」と真っ赤な紅葉を模した紅葉グローブでビンタを加えるという、実に卑劣な妨害作戦である。
 紅葉に街の人々が狩られるから――通称・紅葉狩られ。
 事態を面白が……もとい、憂慮したヨハン爺は、「帝国の圧政に屈してなるものか」と早速対抗策を打ち出した。
「ママー、紅葉狩りって紅葉取るんじゃなくて、見――」
「しっ、ダメよ、そういう突っ込みはカボチャマンに任せなさい」
 神聖紅葉帝国の帝国兵たちに突っ込もうとした子供を母親が窘めている。
 ヨハン爺は小さな路地からその母子を手招きし、おもむろに便箋を取り出したのだ。
「おうおう、勇気ある嬢ちゃんじゃのう。どれ、その勇気で手紙を書いてみんかの?」
「あ! お代官様! わかった、がんばってお手紙かくねー!」
 代理カボチャ祭管理委員長、略して『だいかん』。当て字は気にしないのがフィーネのお約束。
 こうして、帝国に気付かれぬうちに――紅葉狩られ阻止作戦が発動したのである。

●助けて! カボチャマン!!
『フィーネのまちに 神聖紅葉帝国が やってきました
 神聖紅葉帝国は まちの あちこちで みんなに 紅葉ビンタを して います
 せっかくの 紅葉狩りカボチャ祭が 紅葉狩られに なってしまって
 みんな とっても こまって います
 たすけて! カボチャマン!!
 神聖紅葉帝国をやっつけて また へいわなフィーネのまちに もどしてください』

「……うちにこんな手紙が届いたんです」
 そう言って藍深き霊査士・テフィン(a90155)を訪ねてきたのは、毎度お馴染みの旅芸人一座の座長であった。カボチャマンとはこの一座の人気芝居の主人公。カボチャランタンを模したマスクを被った男が世にはびこる悪を斬る――つまり勧善懲悪モノのヒーローなのである。
 フィーネっ子達はこの旅芸人一座に手紙を出せばカボチャマンが助けに来てくれると思っているのだが、実のところカボチャマンとなってフィーネを救っているのは旅芸人達ではなく冒険者達だ。
 三周年だけあってひときわアレですのね、と呟いた霊査士は、気を取り直して微笑みを見せた。
「ええ、今回もまた……冒険者の皆様にお任せ下さいませ」

 と言う訳で出番ですの、と蜂蜜カボチャマンことハニーハンター・ボギー(a90182)を呼んだ霊査士は、事の次第を説明し、鮮やかなパンプキンオレンジ色をした篭手を取り出して見せた。
「この篭手の名は……『カボチャナックル』。神聖紅葉帝国の『紅葉グローブ』に対抗する武器として、エティゴ屋様が作られたそうですの」
 見れば甲の部分には確りカボチャマークが刻印されている。流石はエティゴ屋だ。
 だが――
「カボチャナックルと紅葉グローブ……何や、じゃんけんやったら負けてる気ぃするやんね」
「ああっ! それは言わない約束なのですよ!?」
 思わずといった風情で呟かれたカボチャマン長官こと湖畔のマダム・アデイラ(a90274)の言葉に蜂蜜カボチャマンが抗議する。たとえじゃんけんで負けても勝負で勝てば良いのである。
「正義に敗北は許されないのです! そんな感じで打倒帝国のために出撃してきますのです!」
 皆さんと一緒に! と言い置いて、早速ボギーは仲間を募りに駆けていった。


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参加者
NPC:ハニーハンター・ボギー(a90182)



<リプレイ>

●秋のカボチャ祭・紅葉狩られ阻止作戦!
 清しく澄んだ青空の下、フィーネの街は豪華絢爛としか言い様のない見事な紅葉に彩られている。
 だが秋のカボチャ祭絶賛開催中の街には今、神聖紅葉帝国という名の暗雲が垂れ込めていた。
 悪の雲を払うことができるのは――正義の使者・カボチャマンのみ!
「助けて! カボチャマン!!」
「悶絶超絶壮絶リボンラリアットぉっ!!」
 神聖紅葉帝国兵に襲われた子供が助けを呼べば、すかさずカボチャマンリボンことシルキーが宙を飛んだ。高速回転で体当たりをかます彼女のリボンに付いた鈴がこれまた高速でべしべし悪党をひっぱたく! きらりと光るは正義の汗、お菓子の匂いでたれたヨダレなどでは断じてない!!
「貴様も紅葉狩りをする気か!?」
「紅葉を毟ろうとする輩は許さん、くらえ紅葉ビンター!」
「行きますよライトブルー!」
 だが帝国兵の紅葉ビンタが炸裂する寸前、辺りは唐突に湧き起こった霧に包み込まれる。速攻で展開されたミストフィールドから現れたのは、カボチャマンパープルことラーズと――
「カボチャマンライトブルー参上、いきなりビンタなんて文明人のすることではないのです!」
「ぐはあっ!?」
 真っ当なツッコミ一発で帝国兵達の心を抉ったカボチャマンライトブルーことクゥだ。
「紅葉狩りと聞いて紅葉を毟ると思ってる方がよっぽど文明人に非ずだよねぇ? フィーネでは子供でもそんな恥ずかしい間違いしないよ?」
 野蛮なのは俺達の方だったのか!
 と、深く傷ついた様子で大地に手をつく帝国兵達の心を、カボチャマン・ジェイドことナタクがくすりと笑ってぽきりと折った。
「じゃあ紅葉狩りって一体!?」
「紅葉狩りっていうのは、紅葉を眺めて鑑賞することを言うのですよぉ〜? そんなこともわからずにお祭りを台無しにしてしまう悪い子はぁ、カボチャマン・チェリーがお仕置きなのですぅ〜!」
 心折れた帝国兵達が救いを求めて顔を上げたところへ、カボチャマン・チェリーことアスティナが放った蜘蛛糸が容赦なく降りそそぐ。こうして街の一角に蔓延る悪はあっけなく滅びたのであった。
「いやはや、流石ですな」
「どうですか、あの鮮やかなツッコミ!」
 正義の勇姿に拍手喝采を贈ったフィーネっ子達は、カボチャマンの活躍を話のタネにしながら即座にカボチャ祭満喫モードへと入る。秋はカボチャマンの季節だし、のんびりしたっていいじゃない〜と、カボチャマンベア〜ことリッケも木陰でまったりお茶を啜り始めた――その時。
「黒魔女てるみー、只今参上! ここで紅葉が逆転しちゃうんだから!!」
 一陣の風と共に新たな悪が現れた!
 南国の魚を思わす黒ドレスの裾を翻し、黒魔女てるみーことテルミエールが必殺技を放つ!!
「アデイラさ〜ん! 美味しい紅葉饅頭があるんですけど一緒にお茶しませんか〜?」
「いやぁ〜! するする、何その可愛いお饅頭〜!!」
 黒魔女てるみー渾身の力作・紅葉饅頭に、カボチャマン長官アデイラがあっさり堕ちた!
「って長官ー! 何でそんなに誘惑に弱いんだー!!」
 だが、悪に篭絡されかかった長官のもとへ間一髪でカボチャマンシリアスことセイガが駆けつける! 最近常にこの組み合わせで対決してる感じがしないでもないが気にしない!!
「宿命のライバルってやつか……ってことで! 紅葉シリアスあたーっく!!」
「そんな! 後一歩のところだったのにー!!」
 カボチャマンシリアスの粘り蜘蛛糸により、黒魔女てるみーは華麗なる敗北を喫した。

●秋のカボチャ祭・秋の味覚を満喫せよ!
 南瓜菓子と南瓜料理を楽しく満喫できる秋の催し、それがフィーネのカボチャ祭だ。
 だが、大通りの一角にひときわ異彩を放つ屋台があった。
 屋台の看板に書かれている文字は――『ボギーまん販売中』。
「何ですかこれはー!?」
「見てのとおり、ボギーさんを模した饅頭であります!」
「ってそれボギーじゃなくてクマー!」
 蜂蜜カボチャマンことハニーハンター・ボギー(a90182)の抗議は慣例どおりさらりと流し、アグロスはせっせとボギーまんの販売に勤しんだ。ボギー=クマぬいぐるみ説を流布しつつ、『ボギーの正体はカボチャマンによって改心したドラグナー』伝説を捏造、もとい、打ち立てるという野望への階を着実に昇っていく。南瓜餡と白餡が美味なピンクと白のしましまクマ饅頭を頬張りながら、パークはまぁまぁとボギーに慰めを向けた。
「それよりさ、毎朝クマにネジ巻いて貰ってるっていう『ボギー=ネジ巻き人形説』なんてどう?」
「もぎゃー!」
 誰かの絶叫が聴こえたような気がしたが、それも祭の賑わいの中に溶けていく。ほんのりオレンジがかった狐色の南瓜クッキーを満喫しながら、ルアナはうきうきと紅葉葉楓の梢に吊るされた南瓜プリン入りミニカボチャに手を伸ばした――その、瞬間。
「紅葉を毟る気かぁっ!」
 どこからともなく帝国兵達が湧いて出た!
「喰らえ紅葉ビンター!」
「そうはさせないよ!!」
 しかし華麗にカボチャマン・エクシードへの変身を遂げたアステリアが輪っかつきロープで帝国兵の手を引っ掛けて、彼らの前にはカボチャマン楓華ことケイカが立ち塞がる。
「カボチャパンチを受けてみるのです!」
 鮮やかな軌跡を描いた拳が、悪をきらりと輝く星へと変えた。
「よっしゃ! ここで私が三周年を振り返るかっこいい技を!!」
 騒ぎを聞きつけ颯爽と現れたカボチャマン、シャオが己の活躍を回想する!
 秋には街の人々を苦しめたイガグリマンのマスクを剥き。
 春には花を毟った(註:冤罪)悪の衣装を毟ってぼこぼこに。
 冬には茹でたほうれん草に足を滑らせ悪に頭突きを喰らわせた。
「って、全然かっこよくないのは何でだー!」
 自爆したシャオの八つ当たり的雄叫びが悪党達を麻痺させる! が!!
「紅葉狩りは心穏やかに奥ゆかしく……泥臭い南瓜なんかに負けませんことよ」
 突如として響き渡った凱歌が帝国兵達を包み込んでいった。風に舞う紅葉の中から現れたのは、楓華風の衣装の袖を翻した掌の君ことリーナ。そして――
「消し炭の女神だー!」
「な、ち、違います……!」
 観客の声に激しく狼狽した楓華風衣装のドリアッド女性。
 花楓の女神ですと慌てて名乗り、彼女は速攻で宙に紋章陣を織り上げた。
「騒がしい南瓜様、どうぞご静粛に」
「ぎゃー!?」
 噴出した虹色木の葉が蜂蜜カボチャマンを包み込む!
「くっ、悪役冒険者には幻惑の胡蝶……のつもりでしたがヤバいですかこれは!」
「壮絶にヤバいからやめて下さいー!」
 同じく紋章術で対抗せんとしたカボチャマン・グリーンことアリュナスを囚われのボギーが制止した。魅了ならまだしも誰彼構わず攻撃を仕掛ける混乱を齎すのは超危険。何しろあの女神の火力は悪役冒険者中でも最大級、桜咲く霊布から放たれる衝撃波を受ければ一般人はたちどころに消し炭だ。
「悪役冒険者相手ならキルド付き幻の左・カボチャアッパーも可能……けどやっぱりここは初志貫徹、今日は紅葉で勝負!」
「な、何奴!?」
 掌の君と女神が振り返った先には、屋台に立つカボチャマンタンジェリンことアーケィの姿!
「紅葉なんか、こーして(片面を水溶き小麦粉につけ)、こーして(中温の油でカラリと揚げ)、こーして(お皿に盛り付け、塩を添え)しまうよ〜!」
「そんな! 紅葉を天麩羅にするなんて!」
 思いもよらぬ攻撃に硬直した悪の口に紅葉天麩羅が突っ込まれる!
 同時に桃色を帯びた魅了の力が炸裂、悪の心を見事に挫いた!!

●秋のカボチャ祭・助けて! カボチャマン!!
 大通りからは悪の断末魔と正義を讃えるフィーネっ子達の声が聴こえてくる。
 街の皆もきっと、帝国から南瓜を護るべく地下に潜ったり秘密の暗号(かぼちゃシークレット)を遣り取りしたりして、今日まで頑張ってきたのに違いない!
 込み上げる感動に胸を熱くしながら、ユリアも悪に立ち向かうべく街を駆ける。そして広場へ駆け込んだ彼女の瞳に、今まさに街の人々にビンタを繰り出さんとする帝国兵の姿が飛び込んできた!
「喰らえ紅葉ビンター!」
「君達だって心にカボチャの種を持っている! カボチャマン・シード、只今誕生!」
 ばしいぃん!
 咄嗟に皆を庇ったカボチャマン・シードの弓がビンタで弾き飛ばされる!!
「カボチャマンが!」
「大丈夫です! さぁカボチャマン、南瓜ジュースで回復を!!」
 悲鳴を上げる観客の中から駆け寄ってきたアルカディウスの南瓜ジュースを飲み干して、ユリアは「皆ありがとう!」と天高く手を掲げた。その手の中に――澄んだ雫を映した弓が降臨する!
「どーん・of・かぼちゃー! びゅーてぃふる・おーたむ!!」
 薔薇色の紅葉舞う中で、心震わす桃色の矢が爆ぜた。
 辺りに潜んでいた帝国兵が飛び出して来たが、そこには樹上から飛び降りたカボチャマン・グレーことデイトが立ち塞がる!
「紅葉色と南瓜色、同じ暖色だというのに共に秋を楽しむことができんとは……」
 これが人の業というものかと哀愁と共に溜息を零し、デイトは当身で帝国兵を沈めていった。だが数だけは圧倒的な帝国兵が続々と広場に駆けつけてくる。敢然と援軍に立ち向かうのは、じゃんけん立て札を携えたカボチャマン、アスティアだ!
「待ちなさい! 私とじゃんけんで勝負です!」
「南瓜如きが紅葉グローブに勝てると思っているのか!」
「それが悪党の浅はかさ! 行きますよ、じゃんけん――」
 紅葉グローブのパーを繰り出さんとする悪に、チョキの札で対抗せんとするアスティア!
 だが!
「待って!」
 カボチャマン・フェアリーことアテカが割って入った!
「カボチャナックルがグーしてるのはね……皆の愛が溢れすぎて、グーしてないと受け止められないから! だけど、紅葉グローブはビンタして自分から愛を逃がしちゃってるんだよ!!」
「な、何と言うことだー!」
 俺達は自ら愛を手放していたのか! とあっさり帝国兵達は膝をついた。結構素直だ。
 だがそこに、誰かが口遊む何かの登場テーマ曲が響き渡る。
 ずんずかずーん♪
「俺の名はハオウ……。人は俺を……世紀末葉王と呼ぶ」
 説明しよう! 何とか神拳伝承者っぽい出で立ちの彼は、葉の王なのでハオウという!!
「貴様らなど、この小指一本で――」
「世紀末葉王め、このソルカボチャマンが相手だ! スパイラルカボチャパンチ!!」
 無駄に重々しく登場した世紀末葉王はソルカボチャマンことビズの必殺技であっけなく地に伏した。
 が、倒れたはずのハオウは真の姿となって甦る!
 彼の真の姿とは――!
「見事……だがこの黒衣の怪人ミスター・グレッグはまだ終わらん! 神聖紅葉帝国皇帝代理補佐心得見習いの名にかけて!」
 遂に最後まで台詞を言い切ることが出来た、ミスター・グレッグことグレッグストンだ!
 が。
「いやー、あんたみたいな悪役いるとほんと助かるのよね」
「だよなっ! 決めるぜ新技!!」
 そこに今日も3ターンかかる必殺技を引っさげた、カボチャマン・レディことマーガレットとアイガモハイパーカボチャマンことクリスが現れた! 悪の台詞の間にイリュージョンステップとスーパースポットライトの発動を終えた二人が、必殺の『ナックルぱんち・ぱんぷきん』を放つ!!
「神聖紅葉帝国は一日にして終わる!」
「神聖紅葉帝国は一日にしてならず! 終わってろーっ!!」
 黒衣の怪人は秋の空を彩る星となり、悪の時代は終わりを告げた。

●秋のカボチャ祭・カボチャマンよ、永久に!
 華やかな薔薇色の紅葉に彩られた街に、子供達の無邪気な声が響き渡る。漸く平和を取り戻した街で、カボチャマンなマサキは今日も仲良く子供達と遊んでいた。
 じゃんけんで勝ったら落ち葉を集められるという、掃除も兼ねた楽しく平和な遊び。
 ――だったのだが。
「さて、一番たくさん落ち葉を集められた子には……」
「ずばり、結婚ね!?」
「……数多の悪を打ち破ったナックルが疼く! まだ悪の残党が残っているというのか!!」
 誰より多くの落ち葉を集めた少女の顔を見た途端、マサキは全力ダッシュで逃げ出した。
 彼の、いや、正義の戦いはまだ終わらない!
 まぁそんな感じで、とカボチャマン・フォックステイルことアルムが紅葉葉楓の梢から現れた!!
「……紅葉狩りは……紅葉を愛でる行為なり。それを知らぬ者どもよ、人それを……無知と呼ぶ!」
「な、何だと!」
 街路樹の陰に潜んでいた帝国兵が真実を知り愕然とする。彼らは即座に眩い光で動きを封じられ、土塊の下僕達により路地裏へと運ばれていった。だが、その路地裏から新たな悪が現れる!
「ぐははははは、紅葉を愛でぬ愚民共! 神聖紅葉帝国奥義『背中に紅葉ビンタ』を受けてみよ!」
「神聖紅葉帝国……恐ろしい組織が敵になったものもじゃ!」
 演出要員ボギーが投げる紅葉を剣風陣の烈風で躍らせつつ現れたカガミの姿に、クマとアヒルちゃんを肩に乗せたカボチャマン・シュヴァルツことシュウは思わず後退った。
「って、何でいっつもクマ取ってくんですかー!?」
「おのれ帝国め! ボギーを洗脳するとは卑怯もじゃ!!」
 そして演出要員の抗議を華麗に黙殺!
 ついでに放たれた雄叫びがカガミを封じ込めた!!
「ふ、紅葉もいつかは散る運命……掃き掃除は頼んだ……ぜ」
 がくりと悪が倒れ伏し、今度こそ街に平和が訪れる。
 と、思いきや。
「ところでシュウさん、ボギーのクマ何処ですか?」
「もじゃ!?」
 彼方へと傾き始めた夕陽を背に、真の悪が姿を現した。
「ふっふっふ。今こそフィーネの真の支配者たる拙者の出番でござるなぁん」
 現れ出でたるは、皺なし南瓜仮面を被り漆黒のマントを翻す――トウナス仮面ことノリソンだ!
 しかもその肩には、何時の間にかトウナスマスクを装着したクマぬいぐるみが!!
「ぎゃー! ボギーのクマがー!!」
「悪の狼藉、たとえ紅葉が許そうともカボチャマンが許さない!」
 だがその瞬間、物陰から颯爽と現れた(今までハイドインシャドウで隠れていただけとも言う!)カボチャマンなワスプが必殺技を放った!
「必殺・ワイヤードフィストっ!」
 粘り蜘蛛糸製ロープに括られたカボチャナックルが宙を翔け、悪の肩からクマを弾き飛ばす!
 黄昏の陽射しの中にクマが舞い、そこに最後のカボチャマンが現れた!!
「始まりのカボチャ……カボチャマン・ゼロ、此処に推参!」
 南瓜色に煌く刃を携えて、カボチャマン・ゼロことアークは暗黙のお約束を思い出す。
 冒険者相手なら攻撃アビリティもオッケーです。
「と言う訳で……奥義、雷光一閃!!」
「次こそは勝利をべらっぱあぁぁあっ!!」
 神威の雷に打たれた悪は華麗に散り、遂にフィーネの街は平和を取り戻した。

 ありがとう、カボチャマン!
 君達の活躍と落ち葉の焚火で食べた焼き南瓜の味を、フィーネの人々は決して忘れない!!


マスター:藍鳶カナン 紹介ページ
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双天牙・マサキ(a21623)  2010年06月30日 22時  通報
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