【ファインディング・ミステリー・ツアー】デスマーチだよ人生は! そんなアリさんとミステリー



<オープニング>


「良いかな諸君?」
 フラウウインドの霊査士・フライド(a90396)が、片手のワイングラスをくーるくる回しながら問うた。
「今日はまだあの小娘は来ておらんようだが……ひょっとすると……畏れ多くもこの私たちに名前を呼んでもらいたがっておるのかもしれん」
 彼のいう「小娘」とは、はじまりは・プルミエール(a90091)のことである。この辺のやりとりに関しては、本シリーズのこれまで二回を参照していただけると幸い。
 んふふ、フライドは意味深な含み笑いして、一同に耳打ちする。
「……ということだ。では諸君、お手を拝借、お口も借りるとしよう。声を合わせて呼んでほしい」
 と両の手のひらを口の横に当て、フライドは声を出した。
「ではゆくぞ、せーの!」
 全員で唱和する。そう、声をハモらせて!
「フライドさーん!」
「ちょ、ちょっと、なんでそうなるんですかっ!」
 フライドのすぐ脇、テーブルの下からプルミーが飛び出してきた。
「この流れだとそこは、『プルミーちゃーん!』っとコールするべきでしょ〜」
「んふふ、自分の名を叫ばれるのは意外と気持ちよいものよ……」
 フライドは意味深な照れ笑いをした。
「私の話きいてないですね、全然」
 ぷー、プルミーは頬をふくらませている。
「さてさて諸君、先日はホオズキ退治、お疲れであった」
 とか言いながらフライドはプルミーを脇へ追いやり、語る。
「ご存じかと思うが私はフライド。香ばしき大陸フラウウインドに諸君を導く霊査士である。初対面の者は以後よしなに、旧知の者は改めてよしなに」
 ぐいぐいワインを飲み、フライドは熱い息を吐き出す。それでは今回の依頼だ。
「アリの行進を止めてほしいのだ」
「はて? 指で通せんぼでもすればですか?」
 もにゅ? プルミーは首をかしげる。ちちち、とフライドは人差し指を立てて、
「だとすればビッグ巨人の指が要りそうだな。なにせこのアリ、私が床に這ったくらいのサイズである! 見よ!」
 シャー! 威嚇するような声を上げ、実際に床に四つん這いになるフライドである。
「色は青、外骨格は金属的、一定周期でこのアリは、ずんずんと行進をするという。決して止まらず! 決して曲がらずに! そしてその進路上にある草木動物昆虫、なんでもバリバリと喰らうのだ!」
 ゆえにアリはその大アゴがとても大きく、鉄すら砕くほど強力だというのだ。邪魔立てされぬかぎり周囲のものに関心を示さないが、手出しをしてくるものには襲いかかる。進路が確保されたと見るや、再度地獄の行進を再開するらしい。
 這ったままフライドは告げる。熱が入ってきたので立ち上がるのを忘れたようだ。
「この凶暴無比なアリの行進は、約一日かけて終了するようだ。行進を終え休んでいるところを攻撃して倒すのは、意外と容易かもしれぬな……しかし」
 と、フライドは眉を吊り上げて告げる。
「フラウウインドの博物誌に載せる以上、やはりもっとも危険なときの生態を調べておきたい。日中、やつらがずんずん行進をしているさなか、挑みかかり撃退してほしい!」
 プルミーが手を挙げた。
「なにかな?」
「いま、『やつら』って言いました? ということはこの敵……アリの軍団だけに五十六億七千万匹くらいいるわけですかっ!?」
「なんだその具体的なんだか大雑把なんだかわからん数字は?」
 そんなにおるわけがないわえ、とフライドが告げた数は、五から六であった。
「食欲が旺盛すぎ、強すぎるゆえこれくらいのようだな。この群体で一列になり、バクバクと食い荒らしながら進む。先頭のアリが食べ損ねたものを二番目のアリが、二番目のアリが食べ損ねたものを三番目のアリが……というような流れで食べ進むゆえ、自然と先頭から順に体格が小さくなっていくようだ。ただし戦闘となれば、一列行進をやめて散開するらしいぞ」
「なるほど−。では私も♪」
 プルミーも四つん這いになり、フライドの後ろにつく。
「巨大アリさん二号であります!」
「うむ。三号募集!」
 ちこちこちこ、這ったままフライドは歩み出す。
「これまで同様、アリを撃破したのちは、ぴったりの名前を考えてつけてやってくれたまえ!」
「アリアリアリアリ……」
 自分で考えたアリの鳴き声(※本物は鳴かない)で、プルミーもついて行く。
「それでは、諸君、健闘を祈る!」
「……アリーヴェデルチ(さよならだ)!」
 そのまんま去ってゆく二人であった。
 なにこの人たち!?


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参加者
ストライダーの牙狩人・ジースリー(a03415)
平穏と慈愛の導き手・シフォン(a22985)
お手紙配送人・シルキー(a59995)
春陽の・セラ(a60790)
猫の忘れ物・ティセ(a68887)
春夏冬娘・ミヤコ(a70348)
時の流れに任せる流水・レラ(a70801)
射通す白羽・ミスティ(a72785)
春告げの風・リト(a75409)
悠悠閑閑・キズナ(a76546)
NPC:はじまりは・プルミエール(a90091)



<リプレイ>

●ご一行様、またまた上陸!
 ここはご存じ、愛と浪漫のフラウウインド大陸。
 上陸早々、やるとしよう! 
 全員で横一列に並んで、この場に見えないメンバーも木の上で準備、普段は無口なストライダーの牙狩人・ジースリー(a03415)もタスクリーダーを使って……同時に!
 せーの!
「フライドさーん♪」
 一斉に唱和する!
 ふう、とはじまりは・プルミエール(a90091)は晴れやかな顔で一呼吸ついた。
「やはり、これをやらないと私たちという気がしませんね」
 しかし本日はこれで終わりではないのだ。プルミー以外のメンバーは、さらにつづけて
「プルミーちゃーん♪」
 と声を上げた。プルミエールはびっくりだ!
「ん? いやなに、寂しそうだったのでな」
 時の流れに任せる流水・レラ(a70801)は、そう言ってにこりと笑った。正直レラは照れくさかったが、やってみてすっきりした気分になったのも事実だ。
「うほー♪」
 プルミーはあまりの嬉しさと恥ずかしさで、ゴリラの真似をしながらウロウロしている(!)、
「あははは、その動きいいねぇ」
 悠悠閑閑・キズナ(a76546)は双眼鏡を手に、するすると木から下りてきた。彼は双眼鏡で巨大アリの形跡を探していたのだ。双眼鏡でプルミーゴリラのをつづけながら、
「んー、アリさんは止まらず曲がらず一直線……すぐに形跡を見つけたよ」
 と言う。
 エンジェルの医術士・セラ(a60790)が問うた。
「行進の跡でもありましたか?」
 応えるは春告げの風・リト(a75409)だ。同じく木から降りてきた。
「ええ、とてもわかりやすのが……ありました」
 するとまた、あははとキズナが笑い出す。
「どうしました?」
 きょとんとするセラに、
「いやね、『アリました』っていうのがね……なんかツボに入っちゃって。アリだけに。わざとじゃないのはわかってるんだけど……あはは」
 朗らかに笑う。真面目に考えるとどうということもないのだけれどなんだか可笑しくて、皆、キズナに釣られてしまった。
 このチームには、一緒にいるだけで楽しくなるような雰囲気がある。大切にしたい。

●赤くなくて良かった(?)
 さて一行は、アリが食べ尽くしたであろう道を行く。
「……これは……わかりやすいです」
 とリトが言う通りだった
 埃の積もった床に、指で線を引いたよう。草木は当然のごとく絶え、岩すら砕かれ、黒い地面が露出している。そんな「道」がまっすぐに続いているのだ。
「風下で動いた方がいいでしょうね?」
 というセラの提案に従い、一行はこの道を風下方向から辿った。
「五匹程度ならまだいいですけど……これが普通のアリのように沢山いたら……」
 ちょっと怖いかも、というセラに、
「ですよね……。これ見てほしいのですよ。こんなのアリ? って感じです」
 猫のリグレット・ティセ(a68887)が、足元の段差を指で示した。
「うわ! すごいね」
 平穏と慈愛の導き手・シフォン(a22985)は目を丸くし、さっそくメモ用紙にそのことを記す。
 アリが食い掘った地面の深さ、これがティセの人差し指の長さほどあるのだ。
 チームは二列縦列、先頭付近をゆくプルミーは、熱心に追うあまりまたもアリ化していた。
「アリアリアリアリ……」
 ジースリーはプルミーの背を見守り……たいのだが、あまりしげしげと注視すると、彼女の短いスカートの中が見えそうなので微妙に視線をそらせている。ジースリーは紳士なのである。
 一方、同じく後方の春夏冬娘・ミヤコ(a70348)は、プルミーの声を聞きながらうずうずとしていた。両手を前に出し、無意識的にわきわきとしてしまう。
(「アリさん行進……ちょっと楽しそうなのですわ」)
 アリアリアリ、と四つん這いになってフラウの土を踏みしめたら楽しいだろうか? 幸せだろうか? 試してみたい。プルミーと一緒に。ああ、しかし、それはあまりに酷なポーズ……涙を呑んでミヤコは我慢する。
 お手紙配送人・シルキー(a59995)は小動物に慕われている。今も、肩口に二頭のリスが乗り、交互に小さな声で懸命にシルキーに話しかけていた。
 これは魅了の歌のおかげもある。しかし、アビリティを使わずとも、じんわりとした心の温かさをもつシルキーに、きっと動物たちは懐いたことだろう。
「……ふんふん、なるほど。ありがとね。きっと退治してみせるね、約束するよ」
 シルキーが手を伸ばすと、これをつたってリスたちは木に登っていった。
 空を指し、得た情報をシルキーは仲間たちに伝える。
「このへんにアリ軍団が来たのは、太陽があの辺にあった頃だって」
 それを聞いて、射通す白羽・ミスティ(a72785)は頭脳を高速回転させる。
「一時間ほど前ですね。食べながら歩くということを加味して、アリの進行速度を仮定すると……」
 うん、とミスティは手を打って結論を出した。
「このままもう少し、早足でいけば昼までには追いつけそうです」
 それにしても赤いアリでなくてよかった、とミスティは言った。
「え、どうして?」
 シフォンが問う。背中の小さな羽が、ぱたぱたと動いている。
 よくぞ聞いてくれました、といった様相で、
「最近の伝承によれば、赤いアリは通常の1.3倍で歩むという話なのです。ちょっと前までは赤は3倍と言われていたのですがね」
 ミスティは語り、伝承を伝えるのである。
「そうなんだ〜」
 しきりとシフォンは感心していた。かくて伝承はひろまっていくのだろう(?)。

●アントにパンチ!
 シフォンの計算はほぼ正しかった。まもなくして一行は、自然を破壊し行進する死のアリ軍団を発見したのだ。五匹。メタリックな外装。青白く機械的に歩み続ける。そのたびに草木だろうが岩だろうが、ミシミシバリバリと粉砕し口に入れている。
「森をこんなにしちゃうなんて……相当な力ですね」
 リトは長剣を片手で抜く。刻まれた銘は「天」、これぞ名刀『風澄』だ。
 デスマーチ軍団はこちらに気づいていない。風下ということもあるだろうが、そもそも食べること以外に興味を持っていないようでもあった。ただちに冒険者達は準備を整える。
「よーし!」
 元気はつらつ、今日のティセはもう重傷状態ではない。前回の分も頑張ろうと、ぐるぐると腕を肩で回した。今回、猫手キャップ棍棒は置いてきた。素手でパンチする所存だ。
 ミヤコも準備完了だ。それにしても、と敵の作った「道」をほれぼれと眺めて、
「……見事に真っ直ぐですの」
 畏敬の念をもってつぶやいた。彼ら、曲がるということを知らないのだろうか。
 ミヤコの青い流麗な髪が、風に乗って煌びやかに泳ぐ。
 髪の美しさは、他種族がうらやむセイレーン族だけの特権。
 同じセイレーンのレラも、蒼き光帯のごとき髪をかきあげ、空から天使を呼ぶのである。
「プルミーちゃーん」
 ――あ、間違った。レラは頬をうすく染めた。
「もとい、天使達……今回も頼むの」
 綿帽子のような護りの天使達が舞い降り、メンバー各人のもとに飛んで守護をつとめる。
 ジースリーは後方から、すべてを確認して最初の矢を放つ。
 彼は同時に、タスクリーダーで告げていた。
 戦闘開始、と!
 ジースリーのナパームアローが、敵の中心で爆裂した。
 しかもナパームは一本ではない。
「散開に対して分断されないように、できるだけまとまって参りましょう」
 その勇姿はミスティ、一騎当千の破壊力を見せる。
 轟々上がる炎にアリたちは弾け飛び、金属音を立てて散らばる。
 小さなアリはそれでも、最初の進行方向へ邁進せんとした。しかし前方の二頭は着地し、屹然と冒険者達に向く。火焔の残滓を反射する眼が、邪魔する者は許さない、と言っているように見えた。他のアリもこれで、慌てて反転している。
 一番乗りをつとむるはリト、少女のように優しい外見に似ず、猛禽類のように切り込む。
「一直線に進むその心意気は好きなんですけど……すみません、止めさせてもらいますっ!」
 突く刀にリトは、指天殺の力を込めるのだ。
「体は硬いといっても、これならどうでしょうかっ」
 急所狙いの鮮烈な一撃! 最大のアリが牙を鳴らした。
 同じく先陣、へらりと笑うはキズナなのだ。
「リト、格好いいな。俺も頑張っちゃうよ〜」
 彼の口調はいつも軽いが、だからといって攻撃が手抜きだったことは一度もない。
「ガワは硬くてもおミソはどうかな?」
 リトが攻撃したのと同じアリに、キズナも籠手ごしに破鎧掌を見舞う。
 三番手はティセだ。
「今度こそ、前に出て体を張るのですよ〜!」
 本気ネコの脅威、見るがいい! 包囲状態に入ろうとした小アリを、疾風斬鉄脚でぶっ飛ばす。
「アリアリアリ……!」
 オリジナル・アリ声を今も上げつつ、プルミーも参加。電光の刃を振るうのだ。
 アリ軍は予測通り、前衛四名を包囲すべく動いている。これを黙って見ているミヤコではない。
「作戦は各個撃破、でしたわね?」
 大きく魅力的な瞳をキラリ光らせ、ミヤコはニードルスピアを放ち敵を妨害するのだ。
 つづくのはシルキー、彼女の唄は、敵に対しても甘く優しい。
「さ、皆ゆっくり眠ってね〜」
 たすき掛けした鞄を軽く叩き、リズム取りつつ歌う。
 歌声も歌も素晴らしいのだが、シルキーの意に反しアリは中央の一匹しか眠ってくれなかった。
「あれれ!? 突っ込んできそう……す、凄く怖いよっ!」
 あてが外れたシルキーは、次も歌にするか攻撃に切り替えるか迷う。

「痛たたっ! 噛まないで〜! 私食べ物じゃないですー!」
 一番小さい相手だが大顎でガブリとやられ、プルミーが悲鳴を上げている。守護天使がいなければ、二番目に小さなアリにも噛みつかれていたはずだ。ダメージが大きい。
「にゃ!? なにするですかー」
 ティセはこれを助けたいのだが、前から後ろから攻められ、プルミーまで届かない。
 回復、攻撃、攻撃、のリズムで引き離せ。そこにジースリーの指示が飛んだ。
「うん! 二人ともがんばって」
 シフォンはいちはやく回復の力を発動する。
「全てを温かく包み込む神の子よ、彼の者に、癒しの口付けを与えたまえ……」
 シフォンの声に応え、虚空より出現するは癒しの聖女だ。プルミーに口づけしその傷を癒す。
「ならば私は、攻撃しますね」
 セラの口調は穏やかだが、芯にあるものは強い。
 黒き炎を身にまとったセラは、自分の頭ほどあるブラックフレイムを投じ、プルミー背後のアリを遠ざける。
「妾も攻撃じゃな? よし!」
 そしてレラが、未体験の力を自身の内奥から呼び出すのだ。
 それは虚無の力、巨大で恐ろしい拳を出現させ、アリを殴りつけることを命じる。拳は最小のアリを叩きつけ、防御力無視のダメージで、これをバラバラに砕いてしまった!
「ふむ……これがヴォイドスクラッチ……初めて使うが、中々面白いのぅ」
 微笑するレラ。美人だけど、けっこう怖いことを言っている。
 そこにミスティ、ガトリングアローで二番目に小さいアリを連撃した!
「良い感じですよ。ブチ撒けてやりたいですね。蟻酸をブチ負けられるのは勘弁ですが」
 彼女も可愛いのに、とっても怖いことを言っている。装甲の継ぎ目を狙いたいところだが、それよりもミスティは命中精度を優先するのだった。

●アリーデヴェルチ(さよならだ)
 ここまで、チームのバランスは危ういラインにあった。なにせリト、キズナがともに、最大アリにかかりきりとなり、ティセが二匹、プルミーも二匹相手にするという苦しい状況にあったのだ。
 しかしここでティセが敵より逃れ、プルミーに迫っていたアリを攻撃する。
 鉄をも砕く顎を向けるアリに、
「破壊力なら負けないのですよっ!」
 とティセ、こちらは鉄すら断ち切る疾風斬鉄脚だ! これぞ奥義と逆落とし。
 蹴り上げて宙で一回転、着地した彼女の前で、アリは砕けて左右に割れた。
 これで一気に敵は弱体化した。数を頼みとする昆虫だけに、不安になったのかもしれない。
 大きさが三番目のアリはティセの背を追うが、これをキズナが捉えている。
「ほらほら、そうがっつきなさんなってば」
 アリの胴をとり、剛鬼投げにて叩きつける。
「いっせぇの、せっと!」
 言葉は軽いが大ダメージ! アリは麻痺して動けない。
 それを見てミヤコ、くすっと笑う。
「硬いのなら軟らかく、敵が多いなら手駒を増やせば良いのですわ」
 ミヤコの狙いは悪魔の炎、それがデモニックフレイムだ!
「目指せ、クローン蟻軍団ですの!」
 と指さし、浴びせる。
 言葉違わず見事に炎、アリを焼いてクローンを登場せしめた。
 これで前衛は五人になったわけだ。大きさ二番目のアリも、これには対処しきれない。
「今回の攻撃は、ちょこっと痛いよ!」
 シルキーがスキュラフレイムで激しく削り、
「ふふ……癖になるやもしれんのぅ」
 レラがヴォイドスクラッチでこのアリの装甲を剥ぐ。そしてミスティが、
「装甲がなければ恐れるに足りませんね」
 とガトリングアローを撃ち込めば三連射、アリは崩れ落ちて死した。
「さあ、残りはついに一匹だね!」
 シフォンが宣言する。ただし最後まで気は抜かず、仲間達を回復させるのだ。
 ジースリーの貫き通す矢、問答無用の被害を与え、クローンを含めた前衛五人が、前といわず後ろといわず、斜めからも頭上からも攻めまくる!
 このアリにとどめを刺したのは、セラだった。
「アリって結構においますけど、このアリ達はそうでもありませんでしたね……」
 それが幸いでした――と一声、セラが投じた黒炎は敵を屠ったのである。

「……ふむふむ、内側のかなりの部分も金属なのね」
 シフォンはアリの死骸を解剖し、フライドへの報告書を作成していたが、ふと顔を上げた。
「ここでアリの名前を決めちゃわない? ウリボウアントって、どう?」
 そこで皆、想いを口にすることにした。例によって意見がバラバラだ。
「んー、デスっていうよりブレイクって感じだから……ブレイクマーチアント、ってどうかな?」
 というのはシルキーの意見、
「ええと……マーチアントとか……」
 と述べて、セラは頭を抱えてしまった。
「一列なのでラインアント……って、どうでしょう?」
 これはティセの主張、レラは
「スティッキーフィ……いや、冗談じゃ」
 と、言ったところでお口チャック状態。
 ミヤコの
「ガツガツ蟻!」
 はかなりのインパクトがあり、キズナの
「あはは、ギガントアントってどう? 勝負アリ?」
 も微笑を獲得したが、最終的には、プルミーが腹を抱えて笑ったものになった。
「僕のダジャレみたいな案でいいんでしょうか……」
 恐縮しつつ、リトは頭をかく。
 ジースリーはなにも言わなかったが、気恥ずかしさでほんのりと額に汗した。
 なぜって彼も、同じアイデアを頭に浮かべていたから。

●結果
 今回の未発見動物:行進してバクバク喰らう巨大アリ(五体)
 命名:『ジャイ・アント』

 ――次回の発見、おっ楽しみにー!


マスター:桂木京介 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2008/12/25
得票数:ほのぼの13  コメディ2 
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