【新訳・海獣ものがたり】濃い人たち



<オープニング>


 冬の海。死の静寂。
 誰も好まぬ冬の海、寂しくハードこの場所に、あえて挑む一大スペクタクル!
 それが、このものがたり。冬の、海獣ものがたり。
 再び出発だ冒険者たち! 刻の涙を見る……ことはなさそうだが。

●海獣、青エイチームの巻
「やあ、久しぶり」
 マフラーを外しながら、アイという名の女性霊査士が話しはじめる。
「……先日は、極寒の中海辺での戦い、大儀であったな」
 諸君ならやり遂げると信じていた、と彼女は言う。
 なぜです? と、問う声に対しては、
「目に焔が感じられたからかな。それに似た、熱いものが」
 と、本気か冗談かわからないことを言った。
「極寒の地に海辺にて、色なし恋なし財宝も名誉もなし……そんなハードな依頼がまたある。引き続き参加してくれた者がこれだけいて私は嬉しい。初参加の者も、あえてこんな厳しい話に飛び込んでくれたことを感謝するぞ」
 これはもしあなたが、実は間違えて座ってしまっただけであっても、「もう逃がさんぞ♪」という意味だろう。冒険者人生、こういうのもまた、オツなものである(?)。
「敵は……エイだ。なぜか海岸に現れた」
 なぜこんな事態になったのかは、誰も知らない。
「先日赴いた場所よりもっと寂しくて、もっともっと寒い土地。その波打ち際に、巨大なエイが漂っている。あきらかに変異生物だな。色は濃い青、目は平行ではなく、上下についているという妙な特徴がある。平べったく大きいが、先日のナマコほど巨大ではない。せいぜいが、小さめの蔵一つ分程度の表面積だろうか。ただし、これがなぜか三匹もいるのだ」
 敵は波打ち際にぷかぷかと浮いている。それだけであればいいのだが、近づく者があれば長い尾で攻撃するらしい。尾は体長の倍近くあり、その先は鋭く尖り、強烈な麻痺毒を有する。
「接近戦をするメンバーは、膝の辺りまで海に浸かる必要があるな。当日はおそらく雪だろう。……大丈夫、戦っているうちに暖かくなってくるはずだ。多分。きっと」
 エイは尾と同じく舌を進化させており、接近戦の相手には、これをウミヘビのように突きだして応戦してくる。舌は速度に優れているが、尾ほどの攻撃力はない。電撃の追加ダメージを与えることもあるのでやはり麻痺の危険はあるだろう。
 そしてもう一つ、エイ三体は移動しながら相手を包囲しようとする。包囲されれば何かしら強力な攻撃をかけてくるはずだ。それだけは避けたほうがいい。
「血も凍る厳寒、しかも今回は大部分のメンバーが海に入らねばなるまい。今回もかなりの重労働であろう」
 例によって、エイに乗る美少女モンスターなんて付属しない。財宝があるはずもないし、この戦いに勝利したからといって世界の歴史が大きく動くこともないだろう。
 それなのに、とアイは告げた。
「この依頼に敢えて挑むとは、やはり諸君は真のヒーローだな。華やかな仕事にしか興味がない人間とは違い、きっとその人生は濃厚で実り多きものになるにちがいない。すなわち『濃い人たち』ということか。……ん? こういうと、あまり褒めていないように聞こえるな」


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参加者
降りそそぐ木漏れ日・スタイン(a04948)
ピースメーカー・ナサローク(a58851)
樹霊・シフィル(a64372)
存外に腕力任せの・レジェンダ(a67178)
久遠なる湖晶・ジリアン(a69406)
悪戯狩人・フェロル(a71274)
流れる群雲・ロドリーゴ(a73983)
突撃となりの勇者王・シオン(a75744)
天つ弓・カガミ(a76837)
剛剣・ユタカ(a76872)


<リプレイ>

●一
 前回が極寒なら、今回は『超寒』とでも言えばいいのか。空暗く、粉雪舞う凄まじい天候。剃刀どころかナイフの刃を、喉に押し当てられるような風の厳しさよ!
 樹霊・シフィル(a64372)は波打ち際にて、冬の海を眺望する。
「流石に二度目ともなれば、冬の海にも慣れ………」
 という台詞を言い終えるまでもなく、
「無理、無理でございます! どこかに焚火……最大火力の焚火をお願い致しますわ〜」
 はららと散る花のように、シフィルは仲間達のところに戻った。
 かわいそうに、久遠なる湖晶・ジリアン(a69406)の唇は紫だ。
「前回よりも厳しい気候じゃないですか……あまりの寒さに涙が出てきそうです……」
 防寒着姿だが、染み入る寒さは容赦がない。
「何だか変異動物退治というより己との戦い……我慢大会になってきたような気がします」
 がちがちと歯の根の合わぬジリアンに比べ、存外に腕力任せの・レジェンダ(a67178)は幸せそうな表情をしている。
「濃い人たち……恋人たち、とか言うとちょっと心温まるよなぁ〜ん……アハハウフフと砂浜を駆ける……ろまんちっくなぁ〜んよね、きっと」
 幸せなのではなかった。レジェンダは現実逃避をしているだけだったのだ……。
「いやぁ、寒いですなあ」
 左眉をひょいと上げ、流れる群雲・ロドリーゴ(a73983)が言う。
「ロドリーゴさんは寒さにお強そうですね」
 羨ましいな、という口調で、降りそそぐ木漏れ日・スタイン(a04948)は自身の身をさすった。分厚く着込んできたが、それでも震えずにはおれない。
「いやいや、私もやはり、冬将軍にはしてやられておりますぞ」
 もふもふと笑うロドリーゴは、温かさたっぷりの天然羽毛、しがみつきたくほど柔らかでホカホカの姿に見える。
(「刻の涙より凍りついた鼻水を見ることになりそうです。これで私は実り豊かな人生――『濃い人』となる資格を得たのでしょうか?」)
 小さくくしゃみしてスタインは、ロドリーゴに向かって「抱きつかせて下さい」と頼みたくなる欲求と戦っていた。
 そんなスタインの秘めし心を、素直に実現する人がひとり。
「ぬくぬくのロドリーゴおじさま〜っ!」
 ジャンプして彼に抱きつくその女性は、突撃となりの勇者王・シオン(a75744)。
「レディたるもの、そのように全身で男性に抱きついてはいけませんぞー」
「だって寒いんだもぉん」
 そりゃ寒いだろう、だってシオンはビキニアーマーなのだから。それも布面積極小の紐水着だ!
 そのすぐ近く、天つ弓・カガミ(a76837)は詩情の世界にいた。冬の海は黒と白、さながら水墨画の世界。たてがみをなびかせ、自由に空想の翼を拡げる。
「鉛色の空、身を刺すが如き北風、空から舞落ちる雪。それを飲み込む暗い海、か……」
 今日は詩人のカガミなのだ。リリシズムあふるる光景であろう。
「……で、なぜか紐水着」
 ちらり、シオンに目線がいってしまう。とりわけ、水風船のごとく揺れる双つの膨らみに。
「兄さん……」
 剛剣・ユタカ(a76872)は何か言おうとしたが、首を左右に振って口をつぐんだ。
 そのとき朗報というか何というか、彼らの意識を惹く声があった。
「いたぞ! 黒ならぬ青い三ツ星……こ、この偽者共がぁ!」
 ピースメーカー・ナサローク(a58851)の声だった。
 ナサローク――ひとたび剣を取れば軍神のごとく、攻めに強く守りに強く、信義にも厚い生粋の騎士である。過ぎし夏にも海獣との死闘を制した彼が、冬の海に帰ってきたのだ! しかしこれほどの男でも、冬の海には弱いらしい。
(「人々の為に……そう言い聞かせてはいても……寒いものは寒い! 一刻も早く終わらせる!」)
 ハンサム顔の眉間に峡谷のようなしわを寄せ、ナサロークはエイたちを見据え、決意した。

●二
 悪戯狩人・フェロル(a71274)は、この寒さでもとても元気だ。好奇心と知性に輝く瞳は褐色、その目で地形を観察し、戦闘地点と野営地点を見極める。
 そしてフェロルはすぐさま火を起こし、盛大に燃しはじめる。
「嗚呼、フェロル様、私を暖めて下さるのでございますね!」
 さっそくシフィルが飛んできて、火に手をかざし恍惚の表情を浮かべる。
 スタインも火のそばにきて、防寒着を外しつつ準備体操をはじめた。
「フェロルさん、助かります。エイもここまでは攻めてこないようですから、今のうちに脱げる厚着を脱いで身軽になり、ぎりぎりまで体を温めておきますね」
「身軽……ねぇ?」
 と、シオンが水着のブラに手をかけたので、ユタカが慌てて止めた。
「い、いや、君はもうそれで十分身軽だから!」
「えーい気のきかん弟めっ! 士気が下がるわっ! こうしてやる!」
「ぐあっ、それは兄さんひとりの士気じゃないか!」
 カガミが飛びかかりユタカの首を絞め、ユタカも負けじと絞め返す。この運動で体も暖まろう。
 そんな愉快兄弟はさておき、ジリアンも焚き火に火をくべつつ、陣形と作戦を確認している。
「満ち潮です。手早く攻めて押し切りたいですね」
 かくて一同、名残惜しい焚き火に別れを告げつつ、寒風吹きすさぶ浜へと乗り込むのだ。
「寒いけど頑張ってねー。早く終らせてあったまろーよ」
 後方からフェロルがにこにこと手を振る。同じくカガミも、
「作戦の都合上、俺たちは海に入る必要がない。とても残念だ。しかしあくまで作戦のためなのだ」
 と棒読み風に言って一転、破顔大笑した。
「あっちがエイチームなら、こっちは冒険野郎Bチームでい!」
 B……なんの略だろう?
「『ビューティフル』、かなぁ〜ん?」
 仲間達に鎧聖降臨をかけながら、レジェンダが言う。彼女は鎧を変形しスウェットスーツ風にし、均整のとれた四肢をくっきり浮き出させている。なるほどレジェンダにふさわしい言葉に違いない。
「『ブレイブ』と行きたい!」
 ナサロークが言う。寒さで凍えそうだが、それでも意思の力で進む彼らに似つかわしい。
「バイアラ……ん? 失敬。ところであの海獣集団は『H』とお呼びしたいですわね。古諺的に」
 シフィルは微笑した。火に当たって血色を取り戻した唇は、寒椿のようになまめかしい。

●三
 いち早く水に飛び込んだのはシオンだ。
「大漁です、食べられないのが残念ですが」
 海水の冷たさに脚がちぎれそうだが、くじけずに蜘蛛糸、さっと放って網とした。だが網はたちどころに破られ、その行動が敵の注視を招くことになる。
 危機にさらされるシオンの姿に、ロドリーゴは何か記憶を刺激されたのか、
「前進! 目標、シオンだ!」
 と熱く声を上げ、盾を構え突っ込む!
 青いエイは舌を伸ばす。まさしく海ヘビ状、真っ赤で太い舌だ!
「先頭のエイ、『野獣』のようなプレッシャーを感じます!」
 というジリアンの声が届いたか、ロドリーゴは盾で先頭からの攻撃を防いだ。側面からも突かれ電気が走ったような衝撃を受けるが、凌いでみせる。
 つづいてナサロークの一撃!
「包囲はさせん!」
 生み出す強撃は氷河衝! 敵三体にダメージを与える。
 レジェンダも追いつく。黒檀色の刀身は、銘刀『エボンフラム』のトレードマーク! ホーリースマッシュ繰り出して、エイの背に叩きつけた!
 ユタカも奮戦する。心頭滅却し寒さを忘れ、獅子なる重騎士は氷河衝を炸裂させるのだ。
 敵は反撃に出た。長い尾で激しく打つと、ユタカの側頭を傷つけ、麻痺毒を送り込む。
「あれが、テールラ……もとい尻尾の威力!」
 シフィルは見たものが信じられなかった。膝までつかった水の冷たさすら、ひととき忘れた。それほどに迅く、鋭い一撃だったのだ。とりわけ先頭の一体が強力だ。『野獣』とジリアンが呼んだ迫力が確かにあった。
「両翼の部下……もとい、個体から切り崩す戦術が上策と存じます。支えさせていただきますわ」
 すぐに気を取り直し、シフィルは凱歌を唇にのぼらせる。
 スタインの身を包むは黒い炎。幸か不幸かこの炎には熱がない。スタインも水に足を踏み入れており、その冷たさはいやというほど味わっている。
「身に纏っているのですから、この炎で少しは温かくても損は無いと思うのですが」
 愚痴を言っても仕方ないですね、と、薄く笑うと、スタインは慣れた手つきで癒しの波動を招き、味方の傷を塞いだ。
「よーっしゃ、牙狩人ハンサムガイズからの援護射撃、行くぜぇ!」
 言うなりカガミが射るは、心揺れ差すハートクエイクナパーム。並んで、
「行くよ!」
 宣言するはフェロル、カガミに勝手に結成されたとはいえハンサムガイズの一人として恥じぬよう(?)、鋭く影縫いの矢を放つ。
 魅了は失敗したが、影縫いは成功し左のエイは動けなくなる。
 それをユタカが切り、シオンがブラッディエッジで苦しめ、さらにジリアンが、
「好機到来、今なら討てます!」
 と虚無なる手ヴォイドスクラッチを叩きつければ、哀れエイは海面から吹き飛び、粉雪降り落つ砂浜に落ちて動かなくなった。

●四
 これで三角形の一角が崩壊し包囲の危機は去ったが、だからといって敵の攻撃は止まない。右のエイ、中央のエイ、両者が同時にレジェンダとシオンを尾で突いた。
「いたた……なぁ〜ん」
 膝を折るレジェンダ。シオンもぷるぷるした身を、半分以上海に浸けて動けなくなる。
 二人を護るべくロドリーゴは猛追!
「左舷、敵を叩き落とせ!」
 艦長風の熱い台詞と共に、急旋回し兜割り、右エイに食らわす。全身濡れ鼠だが意に介さない!
 ナサロークの全身から湯気が立ち上り、はらはら肩口に積もる雪を溶かしている。
「纏めて凍るがいい!」
 氷河衝、寒さに怒るナサロークの一撃は、右のエイを氷結させた。
 風は勢いを増し、精神集中は楽ではない。それでもスタインは翠の目を伏せ、両手を結び、静謐の祈りを成功させている。彼の髪に咲くクロッカスの花は、とうに雪に埋もれていた。
「こちらが苦しいときは敵も苦しいと言います。私たちは、諦めません」
 祈るほどに寒さを忘れ、スタインの心に充足感が広がってゆく。麻痺中の二人は見事、彼の祈りでその檻から解かれたのだ。
 たちまちレジェンダ、白波蹴立てて走り、
「着実に倒していくなぁ〜ん!」
 と、凍っている右エイに白刃を突き刺した。エイは沈んでしまい。腹を見せて浮かび上った。
 残るは一体! またもハンサムガイズの出番!
「カガミにーちゃん、集中攻撃するよ。いっけー! ライトニングアロー!」
 フェロルのライトニングアローが中央エイに着弾する。
 威勢良くカガミは片肌脱ぎだ。寒さなどとうに忘れている。
「エイチームよりオレたちBチームのほうが上のようだな! 雷光を見舞ってやるぜ!」 
 これで恐れをなしたのか、野獣エイは後退を開始した。
 追わんとする仲間の背に、凛然とシフィルの声が飛ぶ。
「あの後退には何かありますわ。警戒が必要かと存じます」
「警戒……?」
 と、一瞬身をとめたナサロークのすぐ眼前、エイは突如、猛然と飛来してきたのだ!
 長い尾を槍のように前方に突きだし、矢の如く飛ぶ!
「小癪な!」
 直撃を受けていればナサロークとて危なかったかもしれない。だが彼は身をかがめ攻撃を躱し、逆に伸び上がって、エイの無防備な腹を刺した。
「目が表面にしかついていないエイにとって、まさしく下方は死角……ナサローク様は、あの動物の弱点を先天的に知っていたのでしょうか……」
 シフィルは宇宙(そら)に問いかける。
 これで完全に、エイは死に体となったようだ。海ヘビ攻撃も
「見える。そこ」
 とシオンによけられ、ジリアンからはヴォイドスクラッチ、シフィルには銀狼をけしかけられる。
 レジェンダも汗と海水に濡れながら一刀、スタインも攻撃に回る。
 カガミとフェロルが雷光を撃ち、ユタカが大上段から一撃して息もつかせぬ。
 そして、艦長モードが消え若々しき風をまとうロドリーゴ、抜き放ち、斬る!
「遊びでやってるんではないのですぞ!」
 兜割だ! 全体重乗せ、海の底をえぐるほどに突き下ろした!
 野獣は遂に、しばし……いや、永遠の休息に入ったのであった。

●六
 焚き火が爆ぜる。雪の勢いは落ちない。
 服を乾かしつつ、一行は温かい椀やカップを手に、なんとか寒さをしのいでいた。
「早く春になって欲しいですね。はい、どうぞ」
 簡単ながら暖まるスープを、スタインが作ってくれたのだ。ブロッコリーやベーコンを使ったホワイトクリームである。良い香りがするし、体の内側からカッと熱くなるのが嬉しい。
「生き返りますね。感謝します」
 ジリアンの肌に血色が戻りつつある。スープは甘く、とろりと濃い味付けである。ふうふうと吹いて冷ましながら、ジリアンはゆっくりとこのご馳走をいただく。
「次はアイも現場に、気絶しないギリギリの場所まで引っ張り出してやろうか」
 まったく、といった調子でナサロークが言った。でもスープを味わっていると、寒さからくる苛立ちは随分収まった。
 シフィルは戦場に手を合わせておいた。エイ三体は荼毘に付し、環境保全すべく葬ったのだ。
 ロドリーゴはびしょ濡れだ。
「羽毛は濡れてしまうと大変なのですぞ」
 言葉からすると辛そうだが、やはりそこはロドリーゴ、もふもふと笑っている。
「我々のたてがみも濡れると困りますが、やはり量が違いますね」
 雪と海水、それに潮風で、ユタカのたてがみはバサバサであった。しかし彼は、困難な使命を成し遂げたという確かな充足を感じていた。アイのいう『濃い』人生とは、こういうものかもしれない。
 つい先ほどまでのレジェンダは勇敢な女戦士、しかし今は、マントにくるまって目を閉じ、ぬくもりに目を細める赤毛のご婦人だ。
「はぁ〜、暖かくて幸せなぁ〜ん」
「レジェンダねーちゃん、ショウガ湯だよー♪」
 そんな彼女に、フェロルがカップを渡してくれた。甘い香りが心地良い。
「オレももらうぜ、ショウガ湯……っと、ありがとな。さて一番暖かそうなロドリーゴの旦那はびしょ濡れだし、どうやって暖を取ろう」
 カガミは懐手してつぶやく。するとそのたてがみに、
「カッガーミ♪ ふさふさ頭で暖をとらせてぇ〜」
 はっしとしがみつくのは、誰あろうシオン(やはり紐水着!)ではないか。柔らかなものを押しつけてくる。
 そういえば今日の戦場で濡れていないのは牙狩人だけ。なんという役得!
「うおお、あまりの役得に飯がウマイ! いや、ショウガ湯がウマい!」
 とカップをあおったカガミは、ギャー! と鋭い声を発した。
 これを見てフェロル、腹を抱えて笑い出す。
「さっき配ったうち一つだけ、トウガラシたっぷりの『当たり』だったんだよ−! おめでとー!」
「口が……口が燃えるぅー!」
「では頭も燃やしてみるわねぇん♪」
 シオンは彼の頭を、ぽむっと谷間で挟んでみる。もう色んな意味でホットなカッガーミだ。
 彼の弟は今日も、素早く背を向けて他人の振りをするのであった。

(つづく)


マスター:桂木京介 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2009/01/06
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