【プルミーといっしょ】常夏の大陸でカニすき鍋を! カニカニッ



<オープニング>


 すー。
 テーブルに突っ伏して、はじまりは・プルミエール(a90091)が寝息を立てている。
「……まったく、嫁入り前の娘がだらしないことだ」
 それを見つけた葵桂の霊査士・アイ(a90289)、ゆさゆさと揺すって起こしてあげる。
「これ、こんなところで寝てはいかんぞ。風邪を引くぞ」
 みゅー、とか、むにゃー、とかぐずりながら、不承不承、といった体でプルミーは身を起こした。ぐずぐずと口元をふきつつ、
「あ、アイさん、無事でしたか?」
「何のことだか知らんが、無事に決まっているだろう」
 あ、なんだ夢かー、と、合点したらしく、プルミーは嘆息して、
「いえね、大きなカニさんに襲われて、水着姿のアイさんがハダカに剥かれる夢を見てました」
「そんな夢に私を登場させるな」
「……惜しかった」
「何がだ」
 そうだ! と手を打ち、またもや独り合点した様子でプルミーは言う。
「カニといえばカニすき! カニのお鍋をしたいのです。水着姿で☆」
「プルミー……また変なものを食べて頭に来てしまったか……餅の青いのは黴びてるだけで、トッピングではないとあれほどいったのに……」
 ほろり、アイはハンカチを取り出して涙をぬぐう仕草をした。
「それくらい知ってますって! ……まあ、食べちゃったこともあるけど……ともかく」
 水着といえばワイルドファイア〜、などと歌いながら、プルミーはどこかに駆けてゆくのである。

●常夏の大陸でカニすき鍋を! カニカニッ
 翌日。
「おっ、久しぶりじゃないか、プルミー」
 ワイルドファイアの霊査士・キャロット(a90211)が、手を振りながらやってきた。
 わくわくしながらプルミーはそれを待ち受ける。集まった冒険者たちも同じ気持ちだろう。
「カニの話だったよね? 知っていると思うけど、常夏のワイルドサイクルには、巨大な動物がいっぱいいるんだよ。しかも食用になるというからたまらないね! 今回紹介するカニは、ズワイガニの変種になるのかな? 暑いワイルドファイアでも元気に活動しているよ」
 とても大型のカニだが決して大味にあらず、ぎっしりと身がしまっていて、甲羅剥がせばはちきれんばかりのボリューム感、さっと茹でれば鮮やかな赤になり、ほくほくな歯ごたえがたまらない。鍋はもちろん、サラダにしても刺身にしても美味、カニチャーハンも絶妙だろう。濃厚なかにみそまできっちり食べられるというのが嬉しい。
「特大サイズだから、ここにいるみんなが思いっきり食べても大丈夫だと思うよ」
「ウッホウホ〜☆」
 説明を聞いているだけで、プルミーの目に星くずが浮かんでいる。
 しかしそうやすやすと、カニも食べられるつもりはないのだ。それどころか逆に、こっちを食べようとするだろう。
「海中はカニのホームグラウンドだから、そこで戦うのは不利じゃないかな。少し沖まで漕いで、浅瀬に追い込んで捕まえるのがいいと思うよ。誰かが泳いで囮になって、逃げて引き寄せる、というのは乱暴かな?」
 カニの攻撃は主に、その巨大ハサミによるものとなる。
「びっくりするほど鋭いので、かすっただけでも危ないよ。敏捷度を高めたりして、当たらないように気をつけて! それとこのカニ、水がなくなってもかなりの時間行動できるということは覚えておいたほうがいいよ」
「ふふん、タフなカニのようですねえ。しかし、私の鍋心を止めることはできませんよ!」
 鼻息荒くプルミーは言う。
「プルミー……本当に鍋にするの? 暑んじゃない?」
「なので、水着姿でいただきます☆」
「まあ、たしかにそれも一興かな」
 というわけで、常夏のワイルドファイアでカニすき鍋を、汗だくで堪能する気のプルミーなのである。これにつきあうもよし、もっとクールなカニ食をするもよし、冬の寒さなどしばし忘れて、いっしょに楽しもうじゃないか!


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参加者
界廻る選定の志・エルス(a01321)
看板娘の妖精さん・フェリス(a01728)
ストライダーの牙狩人・ジースリー(a03415)
黒兎は密かに哂う・ウヅキ(a03612)
帰ってきてしまった・イッキュウ(a17887)
おしまいは・テルミエール(a20171)
光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)
無銘の・ウラ(a46515)
黒曜の魔女・セフィア(a58721)
猩猩緋・ユディット(a67823)
NPC:はじまりは・プルミエール(a90091)



<リプレイ>

●ワイルドに行こう!
 見渡す限りのこの蒼穹、眼下も青き大海原、輝く日差しが照りつける!
(「寒さから逃れ暖かい所にいったりすることを、リゾート、っていうんですよね」)
 まさしくリゾートといっていい。ここは常夏の大陸、ランドアースでの極寒の日々などたちまち忘れる。猩猩緋・ユディット(a67823)はいち早く海に入り、おろしたての水着で波間に漂っていた。
「気持ちいいなぁ〜」
 と声がする。すぐそばでぷかぷかと、看板娘の妖精さん・フェリス(a01728)が浮かんでいた。
 見上げればそこは断崖絶壁、他の仲間たちはそこにいるようだ。

 ででんでん(出囃子)。
「ワイルドファイアのみなさ〜〜ん!! プルミエールですよ〜〜!!」
 もンのすごい短いスカートから、ぷりぷりっとヒップを露出させ、皆様お馴染みの衣装で見参! 断崖、切り立った突端に両脚揃えつま先立ち。大きく息を吸い込んで、
「今年で二十三歳ですよ〜〜!!」
 さっと片手を耳に当て、オーディエンスのレスポンスを待つプルミー……の格好だけした筋骨隆々の小坊主がそこにいた! 筋肉、むっきむき! 服装、ぱっつんぱっつん! だけども服装だけは完璧にプルミーなこの漢、帰ってきてしまった・イッキュウ(a17887)である!
「やめなさーい」
 しぱーん! 軽くチョップしただけだが凄まじい効果音が出るのは仕様である!
「や! これは本物のプルミー殿!」
 つっこんだのは、はじまりは・プルミエール(a90091)だ。イッキュウの服をすりすりして、
「ふんとにもー、どこで作ったですかこれ? 私の着てるのよりいい生地じゃないですか」
「本物より本物らしく! コスプレは魂でござりますからのう」
 ちら、とイッキュウは客席(?)の、おしまいは・テルミエール(a20171)を見る。テルミーは、にわかにアタフタして二人を見比べた。
「あら? ぷるみーさんが二人?」
 しっかりと騙されている(ことにしてくれている)テルミーなのであった。
「服装はよく似せてますけど私、今日はその格好じゃなくて水着ですよ?」
 ほら、とプルミーが肩にかけていたバスタオルを取ると、ワンピースの水着が顔を出した。
 がーん! と凄い効果音がして、
「テルミエール殿、すまぬ。……イッキュウ・ゼンジー、コスプレの中でコスプレを忘れた!」
 しぱーん! と口で言うや、イッキュウは眼下の大波に飛び込んでしまった。どぼん。
「ふおお! プルミーさん!」
 禅師の抜けた空間に、黒兎は密かに哂う・ウヅキ(a03612)が飛び込んでくる。彼女は背後からさわさわと、両手でプルミーの膨らみを確かめた。
「あンっ!? ウヅキさん何を!?」
「想像以上に……胸がない!」
 しぱーん! ウヅキも自分で言って崖下の大海に飛び込んでいる。どぼん。
 目の前で繰り広げられる超展開の連続に、無銘の・ウラ(a46515)は頭を整理したい気分である。
「えーと」
 大きな瞳をぱちくりして、しばし後、
「わし、これが冒険者になって初めての戦闘依頼なのじゃが、今の今まで知らなんだ……戦場とはこういうものなのか」
 ぱたぱた、と光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)が手を振り否定する。
「ウラ殿、これはの、『特殊』なケースじゃから。普通の戦場なら『しぱーん!』とかないから」
「……うん。普通の戦場なら『とりょーん』って音がするのよ」
 ぽつり、と、横あいから黒曜の魔女・セフィア(a58721)が囁いた。
「セフィア殿の言う通りじゃ、ワイルドファイアなら『とりょーん』が標準……って違うじゃろ!」
 半分乗りかけたプラチナは慌てて訂正する。されど、
「では失礼して……とりょーん」
 謎めいた言葉残し、セフィアも崖下の海に飛び込んだ! どぼん。
 特製『妖精さん水着』で海原に浮かぶフェリスは、崖上に向かって手を振る。
「みんなどんどん飛び込んでくるね〜。上は飛び込み祭りなの〜?」
 そんなセフィアとユディットの後方に、どぼん。プルミーまで飛び込んでくる。
「あらあら、では私も♪」
 どぼん。テルミエールも水飛沫を上げた。もちろん彼女も水着なのだ。
 こんなこともあろうかとっ、とウラがマントを取ると鮮やかな水着が出現!
「とりょーん! なのか、しぱーん! これ難しくね?」
 と言いながら助走して、ウラも、どぼん。
「準備体操代わりじゃ!」
 イルカのようなしなやかな体躍らせプラチナも、どぼん!

「くうう……」
 少し離れた場所で大地に両膝と手を付き、界廻る選定の志・エルス(a01321)がうなだれていた。
「どぼん、てやるタイミングつかみ損ねた……」
 ぽん、とエルスの肩を叩く者があった。ストライダーの牙狩人・ジースリー(a03415)であった。
「ジースリーも入り損ねたのか……」
 こくり、彼は頷いた。
 二人はしばし、無言で潮騒を聞いた。

●カニ・バトル(1)
 太陽はますます燃え上がり、エルスも本調子を取り戻したようだ。
「これぞワイルドファイア! って感じだよな!」
 爽やかに笑って、沖に出た小舟からエルスは海に入る。水が冷たくて気持ちいい。
「お、あれか!」
 うんと潜って海底に、巨大なるカニが沈んでいるのを彼は見た。カニは身動きしない。眠っているのだろうか?
 ぶはっ、と水面に浮き上がって告げる。
「いたぜ!」
 ワオ♪ と返事してプルミーも水に入る。こう見えてプルミーは水泳が得意なのだ。
「それじゃ、私とエルスさんがおびき寄せますので、追い込み頼みます」
 小舟のメンバーに告げる。即席に作った小舟だが、五人も乗れる立派なものだ。オールを手にしたイッキュウは、
「諸行無常」
 と了解の意(?)を示し、ジースリーは弓弦の張りを確かめて親指を立てた。
 そんな二大無骨メンに挟まれる格好のプラチナは、まるで谷間の白百合、手を伸ばし波間の二人に鎧聖降臨をかけてくれる。
「囮を頼んだぞ。万が一となれば妾も出るゆえ」
 小舟は、カニの後方へと移動する。
(「プルミーにいいとこ見せなくちゃな」)
 再び潜ったエルスは、スーパースポットライトを発動した。
「ハァァアアッ!」
 眩い光がほとばしる。
 狙い通りだ。眠りを覚まされたらしく、カニはエルスを追ってきた。
 はじめ、立ち泳ぎでこれを誘った囮二人だが、横歩きとはいえ存外にカニの移動は速く、やがて全力で泳がねばならなくなった。
 岸へ追い込む、とジースリーがナパームアローを放つが、しかしこれは逆効果となる。怒った海中のカニは、囮を放置して小舟に向かってきたのだ。
「こっちじゃ!」
 船縁を蹴り、青のビキニ躍らせプラチナが飛び込んだ。銀の魚のごとくカニの眼前を掠め、岸へ向け全力で泳ぐ。この挑発の効果は十分、カニは振り返って彼女を追う!

「見えました!」
 ユディットの水着は黒くスポーティなビキニ、グレートソードの鞘払って仲間に告げる。
「二人……いや、三人、泳いできます。後方に小舟!」
 それに、とユディットは息を呑んだ。ぷかりとカニの鋏が浮かんできたのだ。つづいて全身像が姿を現す。大きい! とても大きい! 同時に大波が押し寄せてきた。
(「これが……冒険者の戦い」)
 ユディットにとってはこれが初の依頼である。仲間の足を引っ張るまい、そう心に誓って彼女は、大波を凌ぎ仲間に告げた。
「取り囲みましょう!」
「囲んでハントハント〜〜」
 可愛らしいフェリスだがその実は歴戦の勇士、この状況に動じることはなくむしろ楽しんでいる。
 さっそく前衛陣がカニと激突するのを見て、フェリスは医術士としての自身の立ち位置を探す。最も効率よく、最も味方を支えられる場所が望ましい。
 息切らし上陸したプルミーをウヅキが迎えた。
「ハサミで水着をチョキチョキやられなかったようですね。残念……いえジョウダンデスヨ?」
 後半、なんか棒読みになっているウヅキである。彼女は『にんじんどりるすぴあ』を抜き、そのぐりぐりうねうね尖端を敵に向けてヴォイドスクラッチを放つ。
 上陸と同時にエルス、プラチナも敵に向き直る。
「プラチナさん、脚に傷が!」
 テルミエールはいち早く彼女の負傷に気づき、ヒーリングウェーブを発動した。
「かたじけない」
「いえ、危ないところでしたね」
 テルミエールは気づいていた。プラチナの負傷は、常人であれば脚が切断されるほどの深さだった。いくら冒険者でも相当痛かったはずだ。それを表に出さない彼女を凄いと思う。
 砂浜は足を取られがちで戦いにくい。踊るとあらばなおさらだ。それでもウラは懸命に舞った。
「哀しみのカニ歩きならぬ戦場のカニ踊り、魅せてくれるわー!」
 ひょいひょい腕振り上げ、合わせて腰もシェイクシェイク! ウラは民謡風のリズムで踊る!
 そんな様子を見守りながら、
「……踊るカニは見られるだろうか?」
 外見には全然出さないが、わくわくと昂ぶるセフィアの胸である。
 ウラ、セフィア、二人の願いは叶えられた。カニはぎこちなく踊り始めたのだ!
 セフィアは嬉しくなって、振り付けを真似つつヴォイドスクラッチを放った。
「……踊らにゃそんそん」
 フェリスもこの光景を楽しんでいた。
「カニのダンスだぁ〜」
 と笑いながらも、きっちりとフェリスはヒーリングウェーブで味方を癒している。
 戦いは続く。ジースリーは小舟からの援護射撃を止めない。カニはかなり体力があるようだ。ならば射続けるだけのこと。次々と矢を継ぐジースリーである。
 それはそうとして、ジースリーと共に舟上にあったイッキュウの姿はどうしたのだろう? 見えなくなっているが……。

●カニ・バトル(2)
 危うくプルミーが切られそうになる。愚者の舞いからカニが抜け出したのだ!
「あああ……カニさん、もっとやれ……い、いえそんなことはっ!?」
 自分の矛盾する感情に悶絶するウヅキである。
 プルミーに襲いかからんとするカニは、ユディットが巧みに防いだ。
「いくら大きいからって……」
 ユディットはカニの、振り上げる鋏の角度に注目していた。高く上げたとき、強力な一撃を繰り出してくるようだ。その瞬間カニに、大きな隙が生じるということもわかった。
「見えた……今です!」
 今一度、ユディットはカニの隙を見いだしこれを告げた。
 その瞬間!
「これぞ、サブマリンとんち!」
 恐ろしい叫び声が聞こえた。海の中から!
 イッキュウだ、海中よりざんぶとスティードごと現る! 海底を駆けに駆け、このとんちの達人は、カニの背後から上陸を果たしたのだ!
「古来より! この世には決して抗う事の出来ぬ三すくみが存在する! 石は紙に弱く、紙はハサミに弱い。そしてハサミは、石に弱い!!」
 固めた拳を!
「じゃ〜ん! け〜ん! 死ねええぇぇ〜〜〜っっ!!」
 撲ちつけるっ!!
「……それ、じゃんけん違う」
 セフィアが静かにツッコんでいた。
 彗星のごとき一撃は破鎧掌、カニの甲羅を打ち砕いた!
 ここに、
「……逃がしませんよ。………プルミーさんの身をひん剥いてもらうまでは……ではなく、その身を食べるまでは!」
 怒濤のエゴと共にウヅキが暗黒縛鎖を放ち、カニをがんじがらめに縛り上げている。
「当たったらやる気がうせるよ〜なげやりだから」
 フェリスはのどかに言うのだが、投じる慈悲の聖槍は苛烈な勢い。無防備のカニ背に突き立つ!
 ジースリーが追い打ちする。エルス、プラチナも攻撃を加え、テルミエールのヴォイドスクラッチも飛ぶ。さらにウラが、
「わしのダンスの参加料は高いぞ。その命をもらうー!」
 そんな恐ろしい歌詞を乗せ、眠りの歌でカニを睡眠にいざなうのだ。
 やがてカニは力尽き、セフィアのヴォイドスクラッチにとどめを刺されたのだった。

●鍋・バトル
 場所は移って椰子の木陰。いよいよ食事タイムとあいなった!
「そろそろ煮えますよ〜♪」
 カニの殻はかなり砕けたが、料理の天才テルミエールは、これを上手に継いでジャンボ鍋に改造していた。鍋に出汁をたっぷりと張り、カニの脚はもちろん、ワイルドファイア野菜、持参の具材など、ダイナミックかつ丁寧に入れてぐつぐつ煮たのがそう、夢にまで見た「かにすき」だ!
「ここまででかい鍋料理は、流石に食べたことないなぁ」
 エルスはぱん、と両手合わせ、
「いただきます!」
 と大自然に感謝する。皆、これに声を合わせた。
 フタを開ければすごい湯気、ここは一応日陰なのだがやはり熱帯、食べる前からもうプルミーは汗だくだ。
「ヒャー!」
 でも大変嬉しそうなのである。ほくほく顔で取り皿にカニ脚を取る。
「あちち、割れな〜い」
 でも脚を割ろうと取った瞬間これだ。ジースリーが無言で取って、きれいに割ってくれる。
「わー、ありがとうございますー」
 ぎっしりのカニ肉にプルミーはかぶりついた。じゅわっ、と香ばしい出汁がしみ出てくる。弾力もあって最高だ。
 ふうふう吹きながらセフィアもこれをいただいている。
「……熱いけど美味しいね。終わったらカニ雑炊。楽しみ」
 鍋の功労者がテルミーならば、ウラは火の功労者だった。かまどの設営は、主に彼女が担当したのである。よく戦い、よく働いたあとだけにご飯が美味い。
「踊った甲斐があったというものじゃ」
「良い加減じゃぞ、ウラ殿。紅葉おろしは使うかの?」
 仲良しのプラチナと、カニを分け合うは楽し。
「ところで、坊さんはカニ食べて良かったっけか?」
 エルスがふと気づいて問うと、イッキュウは「ちーん」と片手拝みして、
「うむ……殺生を行ったからには、せめて美味しく戴くのが食材に対する礼儀というものでしょうな。……あ、そこのポン酢取って下され」
 と思慮深げに(?)言うのであった。
 フェリスは加熱前のカニ脚を取って、
「こっちは蟹の刺身にするよ〜」
 ぱきっ、と割って切り分ける。
「いいですね。蟹サラダにもしてみましょうか?」
 ユディットもこれに手を貸した。
 暑いので、女性陣は主に水着一枚だ。プルミーに至っては水着を引っ張って胸元に涼を入れているではないか。
 きらり、ウヅキの眼鏡が光った。
(「それにしてもこの状況、『ドキッ☆水着だらけのカニ食い大会!』状態……ですかね?」)
 そうなれば、『ポロリもあるよ』も期待したいところ。ウヅキはくくくと含み笑いする。
 料理は鍋ばかりにあらず。刺身、サラダはもちろんのこと、焼き蟹、蟹焼売、酢の物、パスタ、炒飯……つぎつぎとテルミーは持ってきてくれた。材料は山のようにあるのだ。作っても作ってもまだ余る。お土産に、とカニ寿司まで用意してくれる。
「こちらは私の自信作、ホクホクの蟹クリームコロッケですよ〜!」
 メンバーの食欲は底が知れないが、それ以上にテルミエールの作る料理は多彩だ。
「鍋以外の蟹料理制覇するつもりでいきますからね、皆様お覚悟ー」
 夕陽が落ちてもまだまだ続く、真夏のカニカニ、蟹づくし! 早くも今年一年分の蟹を、食べてしまったような気がする一同であった。
 どっとはらい。

(おわり)


マスター:桂木京介 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2009/01/28
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