【巨大生物を追え!】噛み砕く山



<オープニング>


●岩山の思い
 彼は新しい棲家を得られ、満足していた。
 彼の体に見合うだけの大きな棲家。食べ物にも不自由せず、正に理想的な棲家だ。
 だがしかし、棲家の傍に居る生き物が自分の棲家を荒らす。明るくなる度に食べ物を奪う、嫌な奴だ。
 荒らす奴は誰も食ってやる。ここは自分の棲家なのだから。

「おや、どうされましたか?」
 冒険者の酒場でくつろいでいた白銀の霊査士・アズヴァルに、以前痩せ薬をと依頼してきた女性、メルがやってきていた。どうやらまた何かあったらしいようで、困惑した顔をしている。
「どうも以前はお世話になりました。で、またちょっと面倒があって助けて頂きたいんですが……」
 メルは入り口の傍に居た、自分の父親であるケインを呼んだ。ケインは以前よりも幾分痩せており、足早にアズヴァルの前まで血相を変えてやってきて、捲くし立てるように声を上げる。
「アレは怪物だ! 間違いないッ! あの巌のような巨体、あれは神話の中からやってきた、悪魔の使いだ!」
「……父さん、その説明だと話が見えないし、進まないから。ちょっと黙ってて」

 2人のやりとりを見て、周りに居た冒険者数名に、「少し聞いて上げていて下さい」とアズヴァルは耳添える。どうやらこれが今回の依頼らしい。
「だって、俺が乗った船に火の玉を吐いたんだぞ! アレが怪物じゃなくてなんだってんだ!」
 テンションがあがりっぱなしのケインを抑えようとする内に、メルの額に青スジがぴきぴきと浮いてくる。そろそろ我慢の臨界点が見えてきたらしい。
「あれは怪物だって、間違いない! あの顔は子供の頃見た絵本に描かれてた奴と同じなんぐはぁっ!」
 臨界突破。表情一つ変えず、容赦なくメルはケインの顔に裏拳を叩き込んだ。ケインはがくりと膝をつき、ばたりと倒れこむ。
「はいはい、お父さんはあっち行ってて」
 ずるずると引きずって、空いている椅子に座らせると、メルはようやく話が進められると呟いた。
「畔から見てたんだけど、どうやら亀みたいなの。ただ、凄く大きくて……あんなのが居たら漁場を荒らされちゃって、生計立てる所じゃなくなっちゃう」
 ふぅ、とため息を漏らす。ようやく痩せたかと思ったら、今度は漁場を巨大亀に荒らされるわ、船を壊されるわ。つくづく不運に見舞われる家庭なのだろうか。
「にしても、このお父さんも良く無事に帰ってこれたねえ」
「皆さんが必死に痩せさせようとしてくれたお陰です。今では随分痩せて、また泳げるようになりまして……それで無事だったんです」
 今無事じゃありません。そんなツッコミをしたいが、したらちょっと命が危うそうなのでツッコめない冒険者達。

「……恐らくは亀が変異したものと思われます。多分、肉食の亀じゃないかと思うのですが」
 冒険者に話を聞くように促した後、避難するかのようにひっそりとテーブルについてお茶を飲んでいたアズヴァルが補足する。もっと早くツッコんでやれよと他の冒険者達の視線が集まるが、あっさりと無視。
「湖には浜辺がありますので、そちらに誘き寄せれば大丈夫かと思います。ではご武運を」
 それ以外だと多分、かなり難しいですよ。そう付け加えてまたお茶を口に運ぶアズヴァルだった。

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参加者
緋痕の灰剣・アズフェル(a00060)
陽射の中で眠る猫・エリス(a00091)
風色の灰猫・シェイキクス(a00223)
動物愛好魔術師・ミサリヤ(a00253)
天翔る一矢・ミヤコ(a00675)
鋼鉄の護り手・バルト(a01466)
井之頭・ジェラード(a06294)
駆ける旋風・サイ(a07847)
侍魂・トト(a09356)



<リプレイ>

●どんぶらこっこと舟は往く
「……どうしても必要なのか?」
 晴れ渡る空の下、漁師親子の下に訪れた冒険者達の話を聞いて開口一番、文字通り、苦虫を噛み潰してしまった様な渋い顔をするケインがそこに居た。
「せや、ガメさん誘き寄せるのに必要やさかい。大丈夫大丈夫、皆で引っ張って壊さんようにするよ」
 そんなケインとは対照的に、まるでケセラセラと言わんばかりのにこやかさ加減で明るく告げる天翔る一矢・ミヤコ(a00675)。確かに囮は必要なのだが、壊されない可能性は保障と言う事に関してはまったく考えてないように思える。ところでガメさんって?
「いやだって壊されないように引っ張ればええやん? ガメさんはガメさんや他に何があるんよ」
「それで壊されないって保障は出来ないのですねぇ、アズフェルさんは何か考えてますにゃ?」
 流石に渋面のケインが可哀想に思えたのか、今までのほほんとしていた花一華・エリス(a00091)がその場に居た緋痕の灰剣・アズフェル(a00060)に助け舟を求める。
「そうだな……無事に済めば問題無いが、済まなかった時の事も考えねばな」
 既に今まで使っていた舟を壊されてしまっているケイン達の事を考えれば、生活の糧を支える船が総て壊れてしまった時の事も考えなくてはならない。
「では壊れてしまったら……冒険者の皆様でどうにか工面していただけますか?」
 ふむ、と口元に手を当てて考え込むアズフェルに向けて、完璧な位の笑みを浮かべるメル。彼らの生活を支えている物を囮にしようと言うのだから、それは止むなしか。そう考えが纏まったアズフェルは判った、と口数少なげに頷いた。そしてなし崩しに巨大亀はガメさんという呼称になった様だ。

 一方その頃。アズフェル達が親子から舟を借り受けるのを尻目に、風色の灰猫・シェイキクス(a00223)と動物愛好魔術師・ミサリヤ(a00253)は黙々と浜辺に穴を掘っていた。
 既に人一人すっぽり入って余りある程の大きさになっているが、まだ足りない。足りない、足りないのだ。故に2人は深く、深く、昏い、そんな穴を……
「「掘ってません」」
「どうしたんだ、2人とも。手を休めずに掘らないと、亀の足場が崩れるような物にはならないぞ?」
 何かにずびしと突っ込んでいたシェイキクスとミサリヤに向けて、頭上に疑問符をぽこんと浮かべるポニテスキー・バルト(a01466)だった。そんな彼らから少し離れた所で侍魂・トト(a09356) が釣竿を構える。
「あと少しで必要な分だけ魚釣れるけど……舟の方は大丈夫か?」
 釣竿に手ごたえを感じ、手馴れた手つきで竿を上げると、びちびちと生きの良い魚が釣り上げられる。針を外して、丁寧に魚篭に入れると先程と同じように餌を付けて湖に糸を垂らすトト。そんな彼の問いかけに、ミサリヤ達同様、作業に没頭していた神速の閃光・サイ(a07847)が額の汗を拭いながら答えた。
「3人も行って話ししてるんだ、大丈夫だろ。それよりもバルトの言う通りさっさと掘らないとな。日が暮れちまうぜ」
「しっかし、亀って案外臭うもんなんだが……」
「大丈夫ーッ! この私が居れば臭いなんて気になりませんよサイ!」
 ぼやくサイに愛に生きる紳士・ジェラード(a06294)がキラキラと華麗に光る星々を纏いながら演目を披露するダンサーの様に両腕を広げる。当然、そんな事を言う彼の言葉に根拠なんて言葉は有りはしない。先行き不安な依頼だと、そっと思うエリス達であった。

●湖の藻屑
 あれからようやっと穴を掘り終えた冒険者達は、舟にトトの釣り上げた魚を乗せてロープを括り付けると、帆を張って、湖の中央へと送り出した。エリスとミヤコが釣竿を備え付けたりしたお陰で、ぱっと見、漁をしているように見えなくも無い。
「あれで、大丈夫かにゃ〜……」
「ガメさんがあれをどうするかで俺達の動きは決まるんだが……舟、壊れないと良いな」 ゆらゆらと小刻みに揺れながら、風を受けて進む舟を見てバルトがそっと祈る。その祈りが天に届くのだろうか。そんなバルトの傍には、エリスが先程から時間をずらしながら召還した土塊の下僕が、ガメさんの気を引く為に動き回っていた。
「それにしても巨大亀か……! きっと俺もちびの頃、その絵本を見た気がする……確かガ……なんだっけなぁ」
 先程まで穴を掘っていたミサリヤは、わくわくと湧き上がる気持ちを抑えきれずにガメさんの登場を待ち望んでいた。過去に見た絵本では空を飛んでいたのに、今回の亀は飛ばないのかとちょっと残念だったが、火を吐く所は変わらない。
「ちょっと可哀想だけど、何とかしないとな」
 手に持ったワンドをぎゅっと握って気を引き締めるが、どうしてもほんの少し気が緩んでしまいそうになるミサリヤだった。
「しっかし、ぼちぼちガメさん出てきてもおかしかないんやけどなあ」
「前に亀を助けるっていう話は聞いたことはあるけど、討伐する事になるとはな……」
 ミヤコが徐々に沖へと向かう舟の様子に意識を向けながら、隣に居たトトに同意を求める。トトはトトで余り気乗りしないと言った様子で呟いた。
「しかし、一度ケインも命に関わるような目にあった訳だからな。仕方あるまい」
「そうだな。被害が出ている以上は仕方ない」
 バルトの言に、冒険者ってのは因果なものだと。そう、トトは物思いに耽ろうとした瞬間、湖面が大きく揺れ、舟が波を受けて転覆しそうになる。
「……来たみたいだな」
 ずっとロープを持ったまま待機していたシェイキクスが力を込めて、舟を引き始めた。徐々に岸辺に寄せられる舟を追っているのか、徐々に大きな波が岸辺に押し寄せてくる。
 バルトやミサリヤ、エリス、ミヤコ達も手にロープを持って、まるで綱引きの様にぐいぐいと引いて、舟を岸辺に引き寄せようと力一杯引く。
「はやくガメさん出てきませんかねっ!」
「舟が食われたら元も子もないからな……」
 ミサリヤとシェイキクスは更に力を込める。そして、大小の波に揺られ、舟がひっくり返りそうになった瞬間。冒険者達の視界から引っ張っていた船の姿が掻き消え、ロープを引いていた者達は後ろにつんのめってしまう。
「喰われたかっ」
「でも、近くまできてますにゃ。ほら」
 してやられたと顔をしかめるバルトにエリスが湖面を指差す。その指の先には巨大亀が湖面から頭を出して、べきりべきりと舟を咀嚼していた。
「こうなればもはや、私自ら囮になるしかあるまいッ!」
 めきめきと船を噛み潰したガメに向かって、ジェラードはズビシィッと何かキめないと思いつかないような、間接に無理のあるポーズを取って人差し指を突きつけた。具体的に言うと怒られちゃう(誰にだ)のでアレだけど、ドッギャァーン!! とか聞こえてきそうな感じ。無駄無駄とか、アレっぽく。

「はっはっはーっ! もしもしカメよカメさんよ、いらっしゃアァ―――イ! クロスッ、アウッ!!」
 更に叫びつつ、そのままタキシードの襟元を掴んで一気に半裸になるジェラード。今の彼の姿からは、外見のみの第一印象なんぞ爆砕拳で吹き飛ばしたかの様に丸で無し。彼と組むと決まった時から微妙に不安だったサイの予想は見事に的中し、ぶっちゃけゲンナリとした顔に。
 そんなジェラードの捨て身(色々な意味で)の行動が天に届いたのか、ガメさんは思ったよりも速い速度で岸辺に近づいて、上陸する。
「ああもうっ、同時にぶっ放すぞ! 用意できてんのかっ?!」
「アァーイ! 準備はOKさ、いくぞサァ―――イ!」
 グッタリングゲンナリング。そんな言葉がサイの脳裏に浮かぶが、とりあえず目の前のガメさんを相手にするのが先と、走り、距離を詰める。勿論、コンビを組むジェラードも彼のやや左後ろに付く形で共に走る。その最中にサイが「ネコよりマシ、ネコよりマシ」と呪文の様に自分に言い聞かせてるのは抜群に秘密。
 そんな彼ら2人の努力が実ったのか。ガメさんは口を大きく開きながら、大きく掘った穴の傍にゆっくり近づいてくる。
「……お2人とも、仲良しさんですねー」
 彼ら2人をそっと生温かい目で見守っていたエリスはいつでもヒーリングウェーブで支援出来る様に構える。そんなエリスに彼ら2人がなんとなーく波打ち際を仲良く走る、仲良し変態さんに見えたのは多分気のせい。うん。

●怪獣大決戦
「アアァ―――イ!」
「キシャ―――ッ!」
 奇声を上げるジェラードと左右に分かれ、サイは同時に破鎧掌を亀の横腹に打ち込んだ。挟む様に打撃を与えられたガメさんは太い足でそのまま踏みつけようとするが、
「おっと、その程度の速さじゃ俺は潰せないぜ」
 サイは余裕綽々と言った風に、身軽にガメさんの足をかわす。2人に気を取られている合間に、バルトとアズフェルが正面から手に獲物を構えながら詰め寄る。
「……あと少しで穴だな」
 そのまま武具の魂で両手の剣をアズフェルは強化する。同じくバルトもフレイルに意識を集中し、攻撃力を高める。後は穴に誘導するだけだ。既にガメさんはあの2人しか見えていないようで、目の前の穴に気づかずに真っ直ぐに2人を追いかける。その結果……

 ずっぽん。

 文字通り、空気の抜けたような音と共にガメさんは落とし穴に足を突っ込んでしまっていた。
「これで後は攻め立てるだけだな。いっちょ行くぜ!」
 背負った斬鉄剣を引き抜いて、トトは着流しの裾をはためかせながら走り、一息で間合いに入り込む。アズフェルと共に獲物に電光を纏わせて、そのまま首元へと同時に一撃を加えると、ガメさんは叫び声をあげた。
「効いているようだな……!」
「亀の首元は弱いと聞く……喰らえ!」
 追撃を掛けるが如く、バルトが更に兜割りを放つ。強烈な一撃を受けたガメさんは首元から血を流しながら、大きく息を吸った。鼻腔からは熱気が漏れているのか、ゆらゆらと陽炎のように景色が歪む。
「不味い!」
 ガメさんがバルト達に視線を向けたその瞬間、シェイキクスが師匠譲りの愛用の弓を引き絞って貫き通す矢を放った。闇色に透き通った矢はそのまま先程出来た傷に突き刺さると、ガメさんはバルト達とは別の所に向けて炎を吐き散らした。
 そう、偶然にも先程まで追っていたあの2人へと。
「いやー、怪我無くて良かったぜ。主に俺が!」
「ハァン! 何てこった、アフロになっちまったYo、チェケラ!」
 ……どうやらサイはジェラードを盾にしたらしい。ブレスを受けてちりちりになった髪の毛を触り、ジェラードはそんなボケをかましている。
「援護します、スキュラフレイム!」
「これでも受けときやー!」
 ミサリヤが黒色の獣を模った炎を放ち、更にミヤコが闇色の矢を合わせて射掛ける。2人の援護を受けながら、エリスはジェラードを治療する為、ヒーリングウェーブを用いる。
 3人の援護を受けながら、バルトはアズフェルやトトの打ち込みをカバーする為に鎧進化で楯代わりになる。不可視の波動を放つトトの斬撃とアズフェルの居合斬りが、目の前のガメさんに着実に傷を負わせていく。
「よっしゃ、これで止めだ!」
「うちらの後にいったれ、トト!」
 ガメさんの瞳から力が抜けたその瞬間、ミヤコの矢とミサリヤのスキュラフレイムを再度援護に受けつつ、トトが大きく踏み込んで新たな電光を纏った一撃を首元に叩き込んだ。
「……終わったようですね」
 一拍の静寂の後、ミサリヤがそう、零したと同時にずるりと首が落ちた。

●末路・亀とか船とか
 巨大亀ことガメさんが倒され、でっかい甲羅が波打ち際にざぶざぶと音を立てる。その波間の中には傷口の新しい木の板がゆらゆらと揺れていた。
「って、俺の船がぁーーーーーっ!」
 ガメを倒した冒険者達の傍にやってきたケインは開口一番、念押しした筈の舟が見るも無残な姿になって居る事を知り、滂沱する。傍に居たメルは「まぁ、そんな事になるだろうなー」と半ば諦め切った顔をしていたが、どうやらケインは無事に帰ってくるものと信じていたらしかった。
「まぁ、なんだ。親父、なるようになるさ! 元気出せって!」
 微妙に励ましになっているのか分からないが、シェイキクスはケインの背中をばんばん叩く。だが、ケインは涙をだらだらと流したまま舟だった残骸を見つめたままだ。
「父さん、囮に使うって言ったんだからそれくらい覚悟しときなさいよ」
「だ、だって、だってだなぁ!? 只でさえ最愛のプリリンパ号が亀に喰われちまったのに、更にはドリミンパ号まで湖の藻屑なんだぞぉ!?」
 ――名前付けてたんかい。皆の心が一つになって、目の前で見苦しく泣き喚くケインにつっこみを入れたくなる一瞬だった。勿論、そんな気持ちは彼の娘も同様で。
「うちの舟に、んな恥ずかしい名前付けてたんかこのクソ親父ーーーーーッ!」
 メルさんがピキーンと目を光らせながら、渾身の力を秘めたチョッピングライトが今ここに炸裂。叫ぶケインのテンプルに優雅且つ的確に、無駄なく確実な打撃ダメージを与え、彼の意識をごっそりと断ち切ってしまう。アズフェルやエリスですら反射的に拍手を贈ってしまう位の必殺の一撃。
「いやはやナイスパンチ! そこにシビレルアコガレルゥーーッ!」
 アァーイ! といつもの口癖を叫ぶジェラードが感嘆の言葉を上げるが。
「そこっ、暑苦しいッ!」
 返す拳でメルはバックナックルをジェラードの顔面に叩き込んだ。

「……とまあ、そんな感じだったんだが」
 あれから冒険者の酒場に戻った一行は、アズヴァルに報告をする。目的は報告などではなく、単にバルトが巨大亀で何か作れないかという事だった。
「それはまた、大変でしたね。で、結局持ってきたんですね、これ」
 アズヴァルが指差した先には切り分けられた、ガメさんの肉があった。一応、洗った後に血抜きをして、持ってきたらしい。
「余り味は期待しないでください。変異した生き物は味も変異するのか、あまり美味しくない事が多いので」
 そう言って、酒場の厨房に入っていくアズヴァル。奥で香草やら生姜やら、鳥やらと一緒に煮込み始めており、どんな味になるのかは正に、出てきてからのお楽しみ、といったところだ。
「うむ、中々良い香りがするな……」
 後に亀のスープが出てきて、バルト達の食欲を満足させた事は別のお話。

 夕焼けの空の下。ミサリヤとエリスが作った巨大亀の墓からやや離れた、湖の岸辺に2人の影があった。ジェラードとサイだ。
「サイ、今回は中々の戦いぶりだったな!」
 目の前のアフロが話す度に、うるさい。だまれ。そんな言葉がサイの心によぎる。
「流石は私が宿敵と認めた男。いつか私を倒せる程の強さに……」
 宿敵と書いてトモと読む。そう言われた瞬間、サイの体は勝手に動いていた。無言のまま、旋空脚をジェラードの真下から上へと蹴り上げる様に放つ。湖を照らす夕日を背にして、二人の影が宙を舞った。


マスター:石動幸 紹介ページ
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参加者:9人
作成日:2004/07/09
得票数:冒険活劇8  コメディ17 
冒険結果:成功!
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