<リプレイ>
花園を満喫した後は二人、月灯りの部屋で求め合う。 優しく愛す気だったのに、ミレイラルは荒っぽく彼女の唇を奪っていた。 それはシュビレが誘うように、薄衣を一枚ずつ剥いでいったから。 「……シュビレ、いつもより綺麗です」 恋人の舌をたっぷり味わい、蕩けそうな目でミレイラルは告げた。 「いつもにも増して嬉しいですわね」 甘い吐息漏らしながら、せがむようにシュビレは彼女の首筋を唇でなぞる。 生まれたままの姿になった二人、一対の魚のようにシーツの海を泳ぐ。
それは春の夜の物語。
「窓辺から見る花園も、なかなかいいもんですね」 と呼びかけ、クスリの肩をさりげなく抱く。 そんなジェドがクスリはとても愛おしい。 「えっと、ですね」 だから彼女は、意を決し告げたのである。 「……今宵、一晩、一緒に過ごさせていただけませんか?」 意外な彼女の申し出に、ジェドは飛び上がりそうになった。
アクアリスは海色の着物姿だ。 「新鮮だな。だが、とてもいい」 グロウスグロウは頷く。 「えへへっ、うれしいぃ〜♪ グロウさん大好きだよ〜☆」 はしゃぎながら二人、門をくぐる。門番はジースリーだ。
空気は花の香、甘い夜気。 (「好きな人と付き合うの、彼が初めてで」) ダフネは緊張していた。 ベンチに腰掛ける。エミリオも実は、緊張しているが上手く隠している。 緊張をほぐすのは、ダフネが用意した桂花陳酒だ。 やがてエミリオが問うた。 「あの夜の続き、いいかな?」 ダフネの頬が紅いのは、きっと酒のせいだけじゃない。 「酔ったかな……」 彼女は目を閉じ、唇を預けた。
菫の園にベンチがある。 「座っていきませんか?」 サガンは笑顔で呼びかけた。 肩を露出した着物のヤチヨは、座る前にお願いする。 「ちょっと膝貸して」 周囲に人はない。今夜はこれくらい、甘えたっていいだろう。 初々しい二人、いそいそと膝枕。 「不思議な感じがします。寝心地はいかがですか?」 「あったかい……」 ヤチヨはとても気に入ったようだ。
駆け落ちをしている気分だね、とハインリッヒは微笑した。 「此処へ行くと言おうものなら、保護者達に消し炭にされるよ」 「そ、そうかもしれません……」 大人っぽい雰囲気とハインリッヒの美しさに、ロイナは紅潮してしまう。 木陰に憩いながら、彼は彼女を背より抱きしめた。 「恥ずかしがり屋な姫、これなら恥ずかしくないだろう?」 幽かに震えながらも、ロイナは回された手を握る。
「こういう風に手を繋ぐって、ええね」 指と指を絡ませあい、アスとミハネ、花の小道を行く。 「夜の花、色とりどりで奇麗やね。なあ、うちも昼間と違って見える?」 恥ずかしげに問うアスに、 「今日のアス、すげー綺麗」 ミハネは不意打ちのキスを授けるのだった。 アスからも、お返し。
淡い色の花に囲まれ、夜のお茶会。 「今日は『まどれーぬ』を作ってきたのじゃ♪」 「コトナさんの手作り……美味しそうです」 カルロは、コトナの柔らかな表情に目を奪われてしまう。 「えへへ、カルロ殿はまるで物語の王子様じゃのぅ」 と笑うコトナが、あまりに愛しくて、 「……」 ぎこちないけれど素敵な、初めての口づけをカルロは捧げていた。
「き、今日は、有難う、御座い、ます」 「こ、こちらこそ」 金色の閃光・フェイトがユウキを誘った。ユウキは来た。それだけのことなのだが、二人にとってはちょっとした事件だ。並んで歩む。 「前にした約束、覚えていますか? 次の機会にユウキのお話を聞かせてくれるって」 「ええ、でも、つまらない話だと思いますよ」 いいえ、と少女は首を振る。 「実は楽しみにしてたんですよ?」 ユウキのことが知りたいから、と付け加えた。 二人の距離が、少し縮まる。
部屋に入るなりカイは、妻の体を寝台に横たえた。 まずはキス。額に、頬に、唇に。 久々の夫婦水入らず、まったりとした夜は、愛の営みへと変化した。 「あはっ」 ミリアは切ない声を洩らした。けれど愛おしい、そんな夫のことが。 「あんまし音、立てずにしたいな」 と巧みに求めてくるカイに、ミリアはたまらず身をよじる。 「もう……♪」 女に生まれた幸せを、ミリアは体の芯から感じていた。
「綺麗な花ですね、本当に……わっ」 ベッドの上、エルサイドの華奢な体は、アネモネによって飾り立てられていた。 たくさんの花で。夜に咲いた春の花で。 「よく似合うぞ」 エルサイドは戸惑う。アネモネは、自分を飾るためだけに部屋を取ったのだろうか、と。 だがそれは思い過ごし、アネモネはエルサイドに、軽いキスをくれたからだ。 エルサイドは花の海から身を起こし、彼の身を抱きしめた。 「やっと捉まえた……もう、放しませんからね」 アネモネは微笑して、今度はもっと甘いキスをしてくれる。 そして、エルサイドのシャツのボタンを外しはじめた。
セルヴィスは内心、くすくすと笑った。 (「ヴェッジの奴、妙にソワソワしているなぁ」) 何かサプライズがあるはずだが、気づかないふりをしておく。 やがて突然、ヴェッジは動いた。 「セルヴィスさん、この指輪、受け取っ……あ!」 途中までは良かったが、せっかくの指輪を彼は落としてしまう。 青ざめてうろたえる彼を、愛しいと彼女は思った。 「大丈夫。君の気持ちは受け取った。ちゃんと受け止めたよ」 と微笑した視界の隅に、指輪の光が見えたのだ。 「改めて、貴女に」 「本当にありがとう……愛しているよ」 指輪は収まるべき場所に収まった。
二人きりの夜桜を、メイヨウとホノカは楽しんでいる。 酒をホノカが欲しがるので、 「まだ未成年でござろう?」 と彼がたしなめると、 「ならば押し倒してでも酒瓶をひったくってくれるぞ」 と彼女は目を光らせた。 「ホノカさんが押し倒すとか物騒な事を言ってるでござる!? ぁ……でも、そしたら」 のぼせたメイヨウ、残りの酒を一気に呷ってしまった。
リノハは笑顔で言う。 「ここまで綺麗に見えるなんて思わなかったなー」 「うん……花弁が風に乗って……月光で輝いて……」 でも一番嬉しいのは、一緒にいられること、とシェラザードは告げられない。 桜の下、彼は彼女に微笑みかけた。 「僕はまだまだ未熟だけど、側にいるって事はできるから。だから何かあった時はまた僕を呼んでね?――近くとも遠くとも、僕はいるから」 その言葉の意味が分からないシェラザードでは、ない。 彼女の返答は――。
また別の桜の大樹、その下にツクモとイクは寄り添う。 しばしの無言を経て、ツクモは告げた。 「昔、ある恋人達は『天に在っては比翼の鳥と、地に在りては連理の枝となりたい』と誓い合ったと聞きまます。僕も貴女と終生を共にしたい、身が灰となり塵となるまで同じ道を歩んで生きたい」 それがプロポーズだということを、イクはゆっくりと理解する。 耳まで真っ赤になる。心臓が、早鐘のように打つ。彼女の答えは、とうに決まっていた。 「はい、喜んで」
夜の丘でプルミーはお茶を飲んでいる。 「休まります♪」 エルルモナが小休止に招いてくれたのだ。 「プルミエールさんは、まだステキな人に出会っていないのかしら?」 「素敵な人……ですか」 プルミーは寂しげな笑顔を見せた。もしかしたら彼女の心にはまだ、失恋の傷が残っているのかもしれない。 「焦っちゃダメよ。それまで、もっとステキになるように頑張るといいわ」 穏やかな笑顔でエルルモナは言ってくれた。
二階の瀟洒な一室。横たわり、しとねを共にする。 「すごく、恥ずかしいです……」 マリンローズの鼓動は高鳴った。 クロイツは、そんな彼女を包んで囁いてくれるのだ。 「君を腕に抱いて眠れる幸せ、言葉にはできない」 優しいキス。 「愛してます、クロ……イツ……」 彼女が彼を呼び捨てにするのは、これが初めて。 「マリン……私だけの花」
月夜の部屋は、新婚の二人だけのもの。 ミリィはヨウに身体を委ね、熱い口づけを交わす。 「一杯キスして」 ヨウは応じ、さらに両手で、彼女を脱がしにかかる。 月の光に照らされた妻の裸身に、ヨウは目を細めた。 「……綺麗だよ……」 朝まで時間はまだ潤沢、これ以上ないほど愛し合おう。
カーテンに手をかけたセラをヨハンは止める。 「射し込む光も、照らされた花も、君も綺麗だから」 と。 ベッドに並んで座った。セラに請われ、ヨハンは人形を取り出している。 「可愛らしいわね」 セラは人形を抱き、耳や首筋を軽く噛みながら「おばか」と囁く。 ヨハンはそっと彼女を抱いた。唇寄せて、 「死ぬかなと思ったら子供が欲しくなった」 言うなり手を、彼女の胸元に滑り込ませる。 人形はベッドに落ちた。
息が荒い。二人の汗が混じり合う。 裸身のユウリは起き上がることすらできない。 酷く痛んだ。想像していた以上に。 いたわろうとするソウビに、いいの、と彼女は告げた。 「痛くして欲しいと、この身に罰を刻み込んで欲しいとお願いしたのは私なのだから」 だが、とソウビは、彼女の白い背中を抱きしめた。 「自分の幸せを考えてもいいはずだ」 ユウリは目を閉じた。痛みは退かないが、温もりは嬉しい。 もっと、と彼女は告げた。
火照った体冷ますべく、シーナは寝台の縁に腰掛ける。 手にはワイングラス、よく冷えているのがありがたい。 エフェメラはシーツにくるまっていた。 昂ぶりが未だ消えぬようだ。汗ばんだ肌を光が撫でている。 躰を隠そうとする彼女の、手を押さえてシーナは言う。 「綺麗だ。庭園の花を包むこの月の様にお前を見つめていたい」 二人は唇を重ねた。 などてこの身をとどめ得よう、再び互いを求め始める。
覚悟はしてきたつもりだ。それでも震えを、アイは隠せない。髪を解いてローブ一枚となり、ベッドに腰掛ける。 緊張しているのはアストも同じ。だけど、いや、だからこそ、焦りたくはない。並んで腰掛け、気持ちを伝えた。 「オレはアイを求めるんじゃなく、アイと求め合いたい。求め求められる形でいたい」 はっきりと口に出す。 「きっとそれが、オレが抱いた恋心だと思うから」 「ありがとう」 彼の手を、彼女はしかと握った。 「ずっと、オレと一緒にいてほしい」 「ずっと一緒にいる。だから……」 二人の影が重なり合った。 ベッドに倒れ合う、音。
花々と月、愛でつつの散策は楽し。 暗黒騎士・フェイトの傍らには、可愛らしいアンジェリカ。 「おじさま、手、つないでいい?」 「な……! ほ、歩幅をあわせるためならば、し、仕方ないか……!」 今宵は彼女に驚かされっぱなしだ。そのお洒落した美しさに、普段より少し大胆なところにも。 彼女を恋愛対象として意識したことはない。平気なはずなのに、それでも彼は、頬が熱くなるのを感じていた。 続くアンジェリカの行動は、ますますフェイトを驚かせる。 「ありがと」 彼女は彼の頬にキスをしたのだ!
広々とした庭園の香を、レイは胸一杯に吸いこむ。 「甘い匂いがするんだな、綺麗な花っていうのは」 アセルスは、 「見て! 満開だよ、何だか踊りたい気分だ♪」 と軽くステップを踏んだ。それは夜桜、音もなく花弁が舞う。 「気に入ったか?」 とレイは問う。 「もちろん」 とアセルスは笑む。 お礼の印は、桜吹雪の中のキス。
腕を組んでゆくは、ギルバートとシエラのカップルだ。 「ギンさん、休憩しませんか?」 シエラに従って、マーガレット咲く場所で、ベンチに寄り添った。 「夜に見る花も、昼とは違う顔で素敵ですよね……」 と言いながらギルバートは、愛しい彼女にどうキスするか、タイミングを見計らっている。 ぎこちないところもあるが、ロマンティックな接吻を交わした。
怪我をしているアルジェンの歩みを、レフィが気遣ってくれる。 「うん、支障ない」 彼は大丈夫、彼女が隣にいてくれる限りは。 「アルくん、でも無茶はだめだよ。僕、心配で……」 言い淀むレフィの肩を、アルジェンは抱いた。 「こうして花が見れるって、本当は凄く貴重なんだって思えるよ」 そっと口づける。
召喚獣にまたがり、グロウスグロウとアクアリスは花見の最中、 「お姫様になった気分なんだよ〜ぅ♪」 手綱を彼にとってもらいご機嫌な彼女を、 「世界がどうなっても……俺はお前を守りたい」 彼は背中から抱きしめた。
小高い丘でルシフィとフウラン、並んで花の園を見る。 「大分暖かくなったがまだ冷えるな?」 「はぃ……少し。でも大丈夫ですの」 「我慢するな、手が冷たい」 ルシフィは彼女の手を取り、自分の頬に当てた。 「フゥだけを見てるよ。何処にいても駆けつけて君の盾になる。護り抜くよ、俺の全てに誓って」 「フゥはあなたの闇の落ち着く場所を創る光になりますの」 言葉はもういらない。彼は彼女の頬に口づけた。
(「貴女の指は、いつも冷たい。私の熱で雪の様に儚く溶けてしまわないか心配で……。だけど今はもう、跡形もなく蕩かしてしまいたいの」) ベッドの中、ヨルは目を閉じる。 スノーとの交歓は果てなく続いた。それを二人とも望んでいる。 スノーはヨルを自分に向かせる。 「ねえ、私の目を見て愛してるといって。白い躯も紅い菫も私に差しだすと」 口に出せば、もう後戻り出来ないとわかっている。それでも、彼女は告げずにいられなかった。 ――愛してる、スノー。 その歓びを、スノーは言葉で表現するすべを持たなかった。 だからもっと、愛するヨルを悦ばすべく、舌と指先で応えた。
「月光に浮ぶ花の庭も綺麗ね」 灯りを消せば、光源はただ、月があるのみ。 これをうっとりと眺めながら、ペテネーラは呟いた。 その眼を手で覆い、シグルドは彼女の肩に顎を埋め囁く。 「まだ……良いのか?」 くすりと彼女は微笑した。彼の頬を撫で、彼の指先を唇に含む。 むさぼるようにシグルドは口づけしてくる。それを御しながら、ペテネーラは彼を焦らすように愛撫した。甘い声を上げるがしかし、心には氷がある。 (「愛は届かず、夢は破れた。私には今しかないの」) それは彼も、知っている。 (「こんな代替品で満たされる事など無いと、知ってる貴女が求めるならば」) それでも、求めあわずにはいられない。
ホテルのロビー、プルミーはぐったりしていた。 「お客さん、すべて入室されたようですね。お疲れ様」 執事姿のルーシェンが戻ってくる。手には紅茶を載せた盆。 礼を述べたものの、何故か彼女は元気がない。ふと告げた。 「ルーシェンさんは、どうしていつも優しいんですか?」 「どうかしました?」 「いえ、ただ……私……」 そのとき、 「外も閉門だぜ〜」 エルスが入ってきた。ジースリーも一緒である。 「今日一日がんばったプルミーには、これを進呈ー」 とエルスは彼女に飴玉をくれた。 すると、プルミーの曇った表情は晴れて、 「今日もいい夜でしたね」 と微笑んだのである。

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参加者:58人
作成日:2009/04/03
得票数:冒険活劇1
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