ワイルド星祭り〜笹傘さらさら



<オープニング>


●ワイルド星祭り
「ランドアースよりもっと遠い所ではお星様のお祭りがあるって聞いたなぁ〜ん」
「お星様なぁ〜ん? キラキラなぁ〜ん♪」
「でもって笹の葉っぱで舟を作って流すとお星様にお願いを叶えてくれるらしいなぁ〜ん」
「舟なぁ〜ん? ウレタン舟より面白そうなぁ〜ん」
「どうせだから一緒に流されるなぁ〜ん」
 ワイワイと話をしているのは何人かのヒトノソリン達だった。どこかで風の噂に聞いたのか、星に願いを捧げるお祭りの話になっているようだ。
「お祭りで着る服もあるってことなぁ〜ん」
「何てったっけ……ユタカなぁ〜ん」
 ……それを言うならユカタ、と突っ込む人材は残念ながらまだいない。
「そういえば、実際にお祭りを体験した人達もいるんじゃないかなぁ〜ん?」
「ランドアースの人達なら、何か知っているかもしれないなぁ〜ん」
「是非ご教授して欲しいなぁ〜ん!」
 そうして矛先はワイルドファイアの霊査士・キャロット(a90211)へと向き、ヒトノソリン達は星祭りについての説明を受けるのであった。
「流すと言えば、麺も流れるらしいなぁ〜ん」
「一緒に流されて食べるなぁ〜ん?」
 これまた何処かから仕入れてきた食べ物の話も手伝って、ヒトノソリン達は期待に胸を膨らませるのであった。

●笹傘さらさら
「やぅやぅご機嫌麗しく」
 かつりこつりと靴底を鳴らし、その霊査士は砂利を踏む。
 背丈ほどもある煙管を片手に……火が点っていないのは、多少なりとも周囲のヒトノソリンに気を配っているのだろうか。
「聞き及んで居られるな?」
 踵を支点にくるりと反転。
 こと、細かい事は全て省き、霊査士は煙管の先で、ひょいと天を指し示す。
「望むも掴むも次第にて、星にくべるは笹一つ」
 小難しい言葉に首を傾げるヒトノソリンを差し置いて。
 霊査士は一人、また、靴音高く歩き出す。
「願いも我らも、乗せるばかりは味気ない」
 煙の出ない煙管を咥えつつ。
 右へ左へ、気の向くまま、緩慢に往復を繰り返す。
「笹に乗らるるもまた一興」
 俄に、歩く足を止め。
 踵を合わせて直立不動。
 燕尾の裾が伸びる程、背筋を綺麗に伸ばして、こちらを見据える。
「傘でもこさえてみないかね」
 矢庭に笑って告げる頭上で。
 長い煙管が、まあるく円を描いていた。
「乗るや反るや。全ては思うが侭に自由自在」
 くるくると、煙管の頭を回しつつ、踵を返す霊査士。
 ただ、片眼鏡の奥。
 金色にも見える薄茶の瞳が、ちらりと目尻へ転がった。
「良からば、共に如何かね?」
 手招くような仕草と共に、霊査士が再び歩き出す。

 ……その後ろ。
 集まる人影の中から、元気のいい声もする。
「お手伝いが終わったら、皆で川に集合だから忘れないでね。星が出たら皆で笹舟に乗って、流されながらお願い事しちゃおう!」
 キャロットはそう言って、勢い良く拳を天に突き出すのであった。


マスター:BOSS 紹介ページ
 画像は霊査士代理です(違)。
 最後は傘をひっくり返して流れればいいと思うよ!

参加者
NPC:霊査修士・デリンジャー(a90397)



<リプレイ>

●傘の葉
「傘張りは東方の高貴な剣士の方々が精神修養に行う、誇り高き仕事であると聞き及んでございますわ」
 微妙に間違った知識を元に、シフィルはそれにあやかろうと、髪を高く結い上げ、背筋を伸ばして、傘張り開始。
 修士の周辺でも、早々と笹傘作りが始まっていた。
「笹舟の作り方は知ってるけど笹傘造りははじめてなぁ〜ん♪」
「川で逆さまにしても大丈夫なように、丈夫に作ろう」
 ヒトノソリン仲間が沢山いることにご機嫌なリンと共に、巨大な笹の葉を編みこんでいくサタナエル。着流しの浴衣の裾を揺らし、ナディアも見よう見真似で傘作り。
「難しいぜなぁん」
「上手く作れるかしら?」
 ごちつつも、フォリアはてきぱき。
「俺にも傘作り教えテ?」
 ズィヴェンもへらりと挨拶しながら修士の横に。ただ、その視線は頻繁に長老らしき人影を追いかけている。
 何をお願いしようか考えつつ、ヴィカルも輪の中へ。
「デリンジャーさんはどんなお願いと一緒に笹傘に乗るのなぁ〜ん?」
「さて、如何様にしたものか」
 と、そこに。
「もふもふを自慢しているようだが、あまい!」
 突如立ちはだかるメルバル!
「しゃべる言葉が硬いお前が、真のもふもふキングであるおれさまに勝てるわけがない!」
「ふむ、我は『ふかふか』である」
 何か拘りが。
 そんな修士を横目で見遣りつつ、カナエも傘作り。
 目標は三人乗り。一瞬過ぎった疑念はとりあえず秒殺で振り払う。何せ命が掛っている!
 オーネも作るぞ! 気合十分。心の中でシャキーンと音がしたような気さえする。
「何事も基本が大事なのです。たぶん」
「3人乗りくらいよゆーでしょ!」
 笹集めに回ったウィズは、丈夫な笹を選りすぐってはオーネとカナエへ渡していく。なお、丈夫な傘の作り方を聞き出すべく、ワイロを持って行ったはいいが……ヒトノソリンは沈む事前提で作っていた為、ワイロは別所で松脂に化けたという。

 いつの間にか、すっかり笹傘作りが様になってきたファインディア。ネイヴィも最初は上手くできるか少し不安ではあったものの、やってみれば中々どうして面白い。
「そっち大丈夫?」
「大丈夫……ネイヴィ、は?」
 本当に浮くか心配だから、丈夫に、緻密に。
「これをモデルにすれば上手く作れますかしら?」
 差していた日傘を脇に、セルフィナが葉の端がさらさら風に流れるように細工を施す。
 隣では、どうせなら景気のいい傘を作ろうと、ウィズが沢山の短冊と格闘中。色々とあったけど……いや、今も未だ続いているけど、こうしてのんびり出来る時間を大切にしたいなと、一緒に傘を作りながら思うラトレイア。
「密かに、骨組の方が難しゅうございます」
 全部笹ならさもありなん。潔く開きっぱなしの状態の傘を作っていくシフィル。
 その視線の先で。
 レーニッシュは一人、眉間に皺を寄せていた。
「何作ってんだよレニ」
「三段変形と耳掻き機能は捨て難いと思わないかゆりりん」
 今、レニの心は、笹傘のギミックと大好きなゆりりんと一緒に居られることで、嬉し悩ましという状況らしい。
「はしゃぐのはいいが落ちねえようにしろよ。万一落ちる時も俺は巻き込むなよ」
 思わず釘を刺しておくユーリー。
「むかしむかしその昔、此処ではない所でお祭りがあった頃」
 大好きな人に笹舟作りの手解きをしたものだと……クールはそこまで言って。
「って、私はまだそんな昔話とかするような歳じゃないんだからね!?」
 咄嗟に弁解しつつも、ヒトノソリン達の「これなら沈むなぁ〜ん?」「穴あけたほうがいいなぁ〜ん?」という、何か間違った会話に和まずに居られない。
 その脇で、メルバルの笹傘製作は難航を極めていた。やはり何処か歪んでいるような……
 ……そして、シルヴァはふと。
「デート……か? デートだよなコレ……?」
 き、急にドキドキしてきた! 駄目だ、意識すると挙動不審になる、友達と楽しむノリで行こう! そうしよう!
「似合うかなぁ〜ん?」
 ユカタはランドアースで勉強してきたのなぁ〜んと、青地に大きな花柄の浴衣をふりふりして見せるエミルリィル。その姿を超楽しみにしていれば、挙動不審にならないほうがある意味不審だ。
 そんなシルヴァの様子に気付いているのかいないのか。
「笹舟の作り方は教えて貰ったんですけど、傘はわからないなぁ〜ん」
 暫し考え、それからにこりと笑って。
「でもどうせならおっきい傘作りたいなぁ〜んね!」
「じゃあでっかい笹沢山集めないとな!」

●天の川
 星明りに、薄暮なせせらぎ。
 光が差せば、地に降りた星の雫のように水面が煌き瞬く。
 簪も点した光に煌かせ、エルは瞬きに目を細める。浴衣に身を包み着飾る姿が色っぽいのは……シェードの贔屓目ではないだろう。
 出来上がってみれば結構面白いものだ。しかし……本当に浮くのかと考えるパナムの横で、誘ってくるなんて珍しいなと思いながら、合い合い傘で歩くセレナード。
 その側を、笹傘を差し浴衣を涼しげに揺らすシフィルが颯爽と歩いていく。
 同じく人波の中、長い短冊を飾りつけ、天辺には豪快に書き殴った『祭』の一文字を抱く、実に景気のいい傘も。持ち主のウィズは、傘を突き上げ短冊を揺らし、時には振って回して、それはもう、ぐーるぐる、びーらびら。時々見える文字はラトレイアとセルフィナの仕業か。
 出来たての傘差しながら、浴衣の裾を揺らし、クールもまた優雅に歩く。
「素敵」
 涼しげで、風流で。何よりも、笹も傘も好きだから……でも、手にした大きな傘にはどきどきもしてみる。
 そこへ傘を手に駆け込んでくるリン。
「クールお姉さんなぁ〜ん♪」
「こら、何ヤッテんだ迷子」
「VIIが来たなぁ〜ん!」
「うゴフ!」
 などと回収しに来たズィヴェンを抱きゅタックルで迎撃する一幕も。

 川に人が集まる頃になって、ようやっと一息つくラウル。大きめの傘に浸水防止の松脂加工なら手間も掛って当然。ちなみに、ウィズのワイロ先はここだ。
 水音に耳を傾けながら、ヴィカルは満天の星を見上げる。
「綺麗なぁ〜ん……」
 世界中、全てを照らしてくれる淡い星の光。幾千、幾万、星空の照らす場所や人々……そういったものが心を過ぎるにつけ、自然と浮かんでくる願い事。
 決めた!
 頷き、ヴィカルは勢い良く笹傘をひっくり返した。

●傘流れ
 どきどきしながら第一歩を踏み出すオーネ。意気揚々、出航を告げて、ウィズが傘を川へ押し出す。
「どれくらい持つかな〜」
「泳げないのに川下りは早計でしたかね」
 水面を見つめ呟くカナエ。そういえばと、心配そうな視線を投げるウィズ。オーネもさりげなくカナエが一番安定する中央になるように座っている。
 心地よい揺れに身を任せながら、ヴィカルは空を仰ぐ。
「これからもいっぱい冒険して色んな場所を見て……沢山の笑顔に出会って行けます様に、なぁ〜ん!」
 すぐ側では、エミルリィルが笹舟の上から傘を被り……その様は、大きな笹の貝のよう。
「ちょっと可愛いかも、なぁ〜ん」
 そういうことしてるエミルちゃんのほうが可愛い、なんて思うシルヴァ。
 シンプルな黒い浴衣で身を包み、ファインディアもまたネイヴィと川面を下る。
「笹舟にのってお願いごとなんて、風情があってええねぇ」
 ネイヴィは差した傘越しの空を見上げ、皆の願いが叶うようにと呟く。
「うちは今のままでも充分幸せやさかい、これ以上望んだら罰あたってまうから」
 そう、か……と、ただ小さく応じると、ファインディアもゆっくりと空を見上げる。その脳裏に浮かぶのは――
「どうか、幸せに」
「うん、ファインディアや皆の願い、叶うとええね」
「お紺の……願い、も」

 先に乗り込んだパナムが手を差し伸べれば、セレナードはそれを取り、
「似合ってるかな?」
 訪ねたかと思いきや……パナムに寄り添い、その背に両腕を回す。
 ……少しはっとして。
「よくお似合いですよ」
 ……見惚れたなんて言える訳がない。
 からかうような笑みを浮かべるセレナードにパナムはさりげなくそう返すのが、精一杯。
 そんな中、一際大きな笹傘へ素麺片手に乗り込むナディア。
「……舟って冷えるもんだなぁ〜ん」
「定員オーバーでなければ良いな」
 一応水着は着てきたが、泳ぎに来た訳ではないし、沈まないに越したことは無いなんて考えるサタナエル。
「コノ人数ノレンダナ……結構丈夫?」
 ズィヴェンは漸くの一服と共に流れる景色を見つめる。
 フォリアも着流しの浴衣をそよ風に靡かせて、麺とタレを持って傘舟の中へ。
「みんなで食べましょう」
 そして其処から更に遠く。
「良からばお邪魔しようかね」
「歓迎するぜ。俺のは喫煙可だしな!」
 にっと笑って、大きめに作った笹傘舟に修士を迎えるラウル。
 一方メルバルの舟は既に浸水が始まっていた。浮かべて間もないのに!
「なるほどこれは潜水艦だったのか、ならばだ〜いじゃうぶである」
 言い終える頃には既に体は水中に没し、赤いとさかだけに……
「ジュースあるよー……あぁー」
 近付いた時に手渡そうとしたものの、そのまま離れていって渡し損ねるラトレイア。そんな姿に軽く手を振り、セルフィナは笹傘の間から星を見上げる。大好きな人達の幸運と壮健を、そっと祈りながら。
 そして、そんな『水着姿』の二人を景気のいい傘の隙間から覗き見るウィズ。
「オレの願いは既に叶ったな」
 何故なら、水着をオススメしたのが彼だから……!

 二人乗りの小ぢんまりした笹舟もまた、ゆっくり水面を滑り出す。
 水面の光に包まれながら、エルはそっと、酒を差し出す。
「シェードさんは、お祭りにはこれ……ですよね?」
 愛しい人と共に過ごす一時。淡く心地良い酔いに身を任せながら、シェードはふと、光る水面に見とれるエルを見つめる。
「綺麗です……」
「そうだね、綺麗だ」
 呟くシェードの瞳は優しく、愛しい人の姿を映していた。
「お願い事、叶うかしら?」
 ごちるフォリアに、ズィヴェンも作った傘を浮かべて流す。
「アー……皆、願い事シタ?」
「皆なかよしなぁ〜ん♪」
「内緒だぜなぁん」
 にこにこと応えるリンと、手にした武器飾りを見て微笑むナディア。
 ズィヴェンはふいと星を見上げ……一度でもいいんだと。胸の内の願いを、星に語りかけた。

 結局、普通の笹傘で落ちいたレーニッシュは、白蛇模様の入った藍染の着流しの袖を川面を流れる風に揺らしながら、こちらは浴衣改めユタカ姿のユーリーと二人のんびり川流れ。
 今日は煙草も控え、空を見上げ何事か思い巡らすユーリー。
「あんま来た事なかったが、ワイルドファイアってのも大らかでいいとこだな」
「ああ、良い所であるな。流石我等セイレーンの新天地」
 穏やかな流れと、全てを包むような星空。
 暫し後。レーニッシュはふいと、真面目な顔をして。
「星に願うは、真なる平穏としよう」
 杯に酒を注ぎながら、緩く微笑む。
 その表情を横目に、暫し考えを巡らせるユーリー。何でも叶いそうな空ではあるが、今更何を浮かべたものか。
「そうだな、――世はすべて事もなし、と」
 老いて尚言えるなら重畳。
 ……連れも変らずなのは口に出さずに置こう。
 そう思った直後!
 レーニッシュは何か忘れ物でもしたかのように、元気溌剌で星空に叫ぶ!
「あっ、それとゆりりんとのラブラブを未来永劫にー!」
「あーはいはい俺も愛してる愛してる」
 そんな投げやりなゆりりんの前で。
 レニは一人ずぶ濡れエンドを迎えていたという。

●傘沈み
 中には容赦なく沈んでいる者もあれど……浴衣を濡らす訳には行かないので、シフィルは返した傘の柄にランタンを括り付け、精霊流しと洒落込む。
 大きく作った笹傘を差してひっくり返すと、シルヴァが沈み始めた笹舟に居るエミルリィルへ手を差し伸べる。
「エミルちゃん、濡れないうちに」
「有り難うなぁ〜ん。そうだ、お願い事もしなきゃなぁ〜ん」
 二人が移って軽くなった舟は、再び浮かんで流れていく。
「えっと、沢山おいしいものや可愛いものと出会えますようにっ。……あ、あとこれからもシルヴァさんと色んな所へおでかけできますように、なぁ〜ん!」
 星を見上げ、ひとしきり唱えると、エミルリィルは静かに何事かを願っていたシルヴァを振り返る。
「シルヴァさんはどんなお願いしましたなぁ〜ん?」
「明日も皆と笑っていられますように、かな」
 例に漏れず、ラトレイアの舟もそろそろ限界。
「ふ、こんなこともあろうかと笹で作った傘を……」
 得意満面、笹舟の中を探り……探……
「あたしの傘はどこだーっ!?」
 その叫びと笹舟と共に、ラトレイアは水中に没していった……
 一方のセルフィナは傘を片手に実に楽しげに川面に浮かんでいる。水泳が得意ならこれくらいへっちゃらだ。
 そんな二人に、既に沈んでいたウィズが、軽く水を引っ掛ける。
「きゃ!」
「どうせずぶ濡れだ、涼んでこうぜ」
 水掛け合戦を始めながら、ウィズは願う。こうやって、皆と笑って居られる日が続くようにと。
 流れていく無数の光。賑やかな音……祭りのこの空気が好きなのかと、我が事を思うパナム。だから、この人々の安寧を……そして隣に居る護るべき人を護れますようにと、心の内で願う。
 一方のセレナードは暫し逡巡。浮かぶ願いはあれど……欲張っては届かない気がする。
 塔の皆でいつまでも楽しく……いや、ここは。
 浮かんだ願いを強く、見上げた星へ。
「セレナードさんはどんな願い事をされたんですか?」
「秘密にしておくよ」

 ちらほら届く転覆の報。
 だが、クールは気にしない。徐々に浸水し、沈んでいく笹傘の中で……水面に映った星を見つめていざ。
「あと30センチくらい身長が欲しいです!」
 目標、2m超えの素敵れでぃ!
 一方で、フワリンに乗って脱出している者も。
 そんな光景を見れば、カナヅチの救世主・ぷかぷかふわりん(ウレタン製)にしがみ付くカナエの腕にも力が篭る。
「はっ! お願い事忘れてた」
 思わず声を上げるウィズ。
「えっと、みんなが幸せでいられますように! お星さまお願い☆」
 カナエも空を見上げ、平和への願いを心で唱える。
 オーネも輝く星に……皆が幸せになれるようにと、胸の内で願った。

 次々と笹が沈没し、楽しそうな声や、悲鳴も混じる中。
 長く残った一つ、ラウルの傘舟の上で、逆様になった柄に掛けられたカンテラが揺れる。鎮魂の意も込めた、灯火。
「いつか……」
 キマイラの悲劇が終わるように。
 立ち上る煙と共に星に届けと、ラウルは静かに願う。
「本家、星凛祭の精緻さも捨て難うございますが」
 浮かんだり沈んだり。
 時には賑やかに。
「こちらの素朴な星祭も中々に風流なものでございます」
 らしいともいえる情景を川原から眺め、シフィルは淡く笑みを浮かべた。
 その横を、最早分解した笹の残骸にしがみ付くメルバルが流れていく。
 流れながら、彼は星に願う。
 渾身で!
「た〜す〜け〜て〜」


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参加者:26人
作成日:2009/07/15
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