俺の嫁



<オープニング>


 筋のように棚引く煙。
 歪めた唇の端に覗く凶悪とさえ言える乱杭歯で、極太の葉巻を噛み締める。
 頬杖を突く青白い貌に掛けられた、丸い色眼鏡の奥。窄まった瞳孔は、この場の景色以外の何かを視ている。
 気だるげに。
 規則的な呼吸に合わせ、揺れ動く紫煙。
 時折、空いた逆手で、自らの腕に繋がる鈍い銅色の鎖を弄っては離し。また、弄る。
 ――その鼻腔に。
 何処からか、濃く漂うアルコールの香りが――。
「見合いすんだって?」
 どっかりと。空いたカウンターの隣に腰を下ろした香りの主が、最早残り少ないボトルを片手に、横から顔を覗き込む。
 酔っ払い、というに相応しい酒気を漂わせ、有り余る程に肉付きのいい膨らみを卓の上で弾ませるテンガロンの女へ、葉巻野郎は微動だにせず、瞳だけを目尻へ転がす。
「をう。……ァんで知ってんだ、っつーのァ妙か、なぁ〜ん」
「あれ全国放送だろ」
 ボトルの中身を一気に空に。女は空き瓶を興味なさげに卓の脇へ放り出すと、取り出した紙巻を咥えて火を点ける。
 数秒の、沈黙。
 一呼吸目でふっと吐き出した煙が、薄れて天井に溶ける、僅かな刻を待って。
 酔っ払いの女は、咥え煙草のまま、再び隣の葉巻野郎を覗き込む。
「余ったら言えよ、貰ってやるから」
 嗤うように、女の吐きかけた言葉は、紫煙とアルコールの混じった独特の香り。
 くつくつと。
 押し込めたように喉の奥で笑えば、葉巻野郎の肩が揺れる。
「貰うのァ俺だ、なぁ〜ん」
「こだわるんだねぇ。強気な男は嫌いじゃない」
 ぷかり、と。あくびでもするように、天井へ煙を吐き出す女。
 そしてどこか悪戯めいた光を隠す双眸を、僅かに細めた。
「あんたの口から、どんな口説き文句が出るか聞いてみたいね」
 ずり落ちたテンガロンを細い指先で押し上げ、女は身を乗り出して、葉巻野郎の顎に指を絡ませた。
 それでも未だ、佇む輪郭は変わらず。ただ、葉巻の先に据えていた長い灰だけが、灰皿に落ちて小さく砕ける。
 目尻へ流したままの瞳。気紛れに覗き込んでくる女の表情を映していた灰色のそれが、色眼鏡越しにすっと細まる。
「嫁に来やがれ」
「応!!」
 ――極、短い沈黙が、酒場全体を覆う。
 それ位、呆れる位に、気持ちのいい即答だった。
 沈黙を破ったのは、煙と共に吐き出した、葉巻野郎の笑い声。
 暫し、機嫌よさげに黒く長い尻尾を右へ左へ揺すった後、今まで以上に――ぎしり、と。軋む音が聞こえる程に、口角を吊り上げる。
「妙な奴だぜ。ま、すっぽかす訳にァ行かねぇかンな、補欠予約一、っつーコトにしとくぜなぁ〜ん」
 すると女は酔漢特有の緩んで甘い笑みを浮かべてから顎先から指を離し、ひらひらと手を振った。
「現地妻なら好きなだけ作ってかまわないし、結構お買い得だと思うけどね」
「……本気かそうでねぇのかどっちだなぁ〜ん?」
 嘆息と共に、深く長く吐き出される紫煙。
 眉根を寄せて首を傾げる葉巻野郎に、女――涅槃・バルバラ(a90199)は、しけもくを咥えて不敵に笑うばかりだった。

 ――『見合い』の会場には、主役のヒトノソリン達がわらわら。
 男女特に構わずに、アピールポイントとして、自らの狩った怪獣や採れたての美味しそうな野菜を持ってきている辺りが、ヒトノソリンらしいといえばらしい。見合いの席なのに、そわそわしているというより、いつもの宴会っぽい雰囲気を彷彿とするのは何故なのか。いや、むしろ婚約が成立したらめでたさの余りに宴会になるような気もしないではないが……
 そんな中に一人。
 割と手ぶらで、いつも通りに葉巻を咥えて、煙を噴かしている奴が。
「を。ァんだ、貴様も見合いか? それとも手伝いかなぁ〜ん?」
 緊張しているわけでも、だれている訳でもなく。ぎちぎちと葉巻を噛み締めながら、こちらを見て笑う霊査士。
「んァ? あァ、参加する奴ァ、どんなの好みかとか考えときゃァいいんじゃねぇか? 色々あンだろ、見た目、趣味、嗜好。知るばっかでなく、自分がどんな奴かっつーのを伝えンのも忘れんな。相手が判ってンなら、名指しでも構わねぇだろうがなぁ〜ん」
 かくいう当人は特に何も考えて居なさそうな様子。
 ……まぁ、大体見れば判るような気もしないではないが。
「あァ、何か、審査員も募集してるらしいぜなぁ〜ん?」
 何を審査するんだか知らないが、と煙を吐く。
 ……多分、霊査士の相手に対する評価を考える係なのだろう。何しろ、ヒトノソリンの霊査士は現時点では唯一無二。ヒトノソリン達からはなんだか矢鱈と注目されているらしい。つまるところ珍しいから一枚噛みたいということだ!

 見合いというよりは、選考会と化しつつある会場。
 果たしていい人は見つかるのか。
 謎めいた見合いの幕が、切って落とされる!


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参加者
NPC:刹那五月雨霊査撃士・ショットガン(a90352)



<リプレイ>

●会場に着いたときから始まっているのだ
 見合いと言えば着物。その着物姿でシフィルは突然。
「そ、そんな! わたくしという者が有りながら! 昨晩の甘い囁きは全て嘘でございましたのね! あんまりですわ〜!!」
 走り去る目から零れる雫は主に目薬。
 ……こういう時だけ気合を入れて女らしくしても、所詮自分はへヴィにメタルな生き方しかできない女。生き方変えるのは自分のジャスティスに反してる!
「……だから、自分はこのままで行く! 未来永劫このまま!」
 故にガマレイは声高に宣言する!
「というわけで、自分を嫁にしてくれるナイスガイはカモォォォン!」
 そして一曲歌い始めた途端、何処からかモザイクが!?
 一方。
「お見合い! お見合い! ……ハッ!」
 盛大に腕を上下に振りながら、右へ左へ走り回っていたゼオルが唐突に我に返る。
「バルバラさんを見ているとあの素晴らしいおっぱ……ごほん、ごほん」
「んとんと……ご結婚おめでとうございます、なぁ〜ん?」
 うきうきと会場セッティングをしていたヴィカルが、笑顔で霊査士にお祝いの意を伝える。ハルトも何だか感慨深げに。
「ついに結婚か……なに? 主賓の姐さんが来なくて嫁候補が多数?」
「……あれ、早とちりだったなぁ〜ん?」
 恥ずかしさ半分、ちょぴりほっとするヴィカル。誤魔化すようにいそいそ二人掛けクッションを設置する横で、ジオも狩りたての獲物と一緒に飲み物を用意したり、テーブルにシーツを掛けて花を飾ったり。
「バルバラさんとも素敵なんけど本人の意志一番なぁ〜んよね」
「そういうわけで、誰が夫人に相応しいか、嫁勝負を執り行うとする」
 そんなハルトの審査員宣言に反応する数名。
 中でも一番反応を示したのは……深いサイドスリット入りのミニスカートと、ニーソックスによる絶対領域を形成、大胆なまでに視線を足へ誘導しつつ現れたルーシア。
 何故なら!
 彼女の旦那条件は、本能に訴えかけるような強い雄の能力を持つ男。具体的にはサーファーボーイを思わせる、褐色の肌に白い歯眩しいマッチョ系。
 ……つまるところ、ものすごーくハルトを見ていた。
「挑戦は俺を含め男女問わず誰でも受け付けよう」
 と宣言したから尚更だ!
 ハルトは審査員的意味で言っているが、肉食系女子として婚活にトライしにきたルーシアには些細な事に違いない。
 だが!
 そんな人々の間を巧みに行き交う黒い影!
「ええい貴様ら、女の子及び霊査士へのお触りは禁止なぁ〜ん!」
 攻守共にアグレッシブにこなすポジションで、群がる野郎どもをスクリーンアウトー! する、パワーフォワード・ラスキュー。
 そしてその姿を、メルチェが有望株を見つけたかのような眼差しで見つめていた。

●混沌
 リューシャは悩んでいた。
 暫定候補が似合いすぎて入り込む隙がない。でも、現地妻はいいらしいからその辺で何とかして貰おう。うん。
「お見合い……それは右に行こうとするとかち合い、左に避けようとしてもかち合ってしまう相手と暫し対面した挙げ句身体と身体のぶつかり愛で道を切り開く物……」
 悟りでも開けそうな独り言を零す後ろ、クエスは琥珀色のブランデー揺れるグラスを片手に葉巻を燻らせる。
「なんかおもしれぇ事やるってんで顔出して、見たぜ」
 一緒になって煙を噴いていると……目の前をノリノリのBGMと共にドリフトで通り過ぎていく時速8kmのケーキが!
「なぁ〜ん!」
 それは、特別審査員『ノソ神様』。中身はナナである。
 そして既に用意された審査員席には、モザイクを遠ざけ終えたフィードが着席して主張。
「団長のお嫁さんとはパンポルナの母になって頂くという事です。つまり団員のお茶目を受け入れる包容力が必要!」
「なぁん、なぁなぁ〜ん!」
 ノソ神様も何か申されているようです。
 同じくいつの間に戻ってきたシフィルが何食わぬ顔で続ける。
「良妻たるもの、才色を兼備していなくてはなりません。水着審査と料理対決は必須でございましょう」
「それなら笑顔とエプロンが似合うかどうかで……別に俺の好みの女性を捜してるわけじゃないですよ。そういうこと今はまだ考えてないもん。嫁がいなくたって生きていけるもん。うわああああああああ」
 何かを弁明しながら走り去るフィードを見送り、ノソ神様は。
「なぁん、なぁんなな、なぁん、なぁん、なぁん」
 ……ともあれ、可能なら酒も煙草も呑める相手がいい。呑めなくとも理解を示せるかが、大きいポイントではなかろうかと選考ポイントを語るクエスに、ジオも頷く。
 するとそこへ。
「……というわけでお酒と紫煙に強そうなヒトノソのお姉さん達をお連れしてみました。ささ、世にも珍しいヒトノソ霊査士さんですよー」
 何かのガイド宜しくヒトノソリンを引き連れてくるリューシャ。その中には霊査士一点張りでやってきた人員もちらほら。
「目指せお嫁さんですなぁ〜んっ!」
 自然体が一番とばかりサーリアも普段着で挑む!
 進んでいく会場準備を手伝いながら、シファは笑って彼――ユーティスの様子を見守る。
「便乗ならいけるけど、迎い受けられるとダメなんてどこのヘタレだー?」
 うちのか……と、内心で突っ込みつつ、ラティメリアが霊査士周囲の集団を遠巻きに見つめるだけのユーティスへ手を伸ばす。
 何もせず後悔する位なら、何かして後悔した方がいい。そんな思いを込めて、ユーティスの首根っこを捕まえた。

●選考?
「老若男女沢山の人がお嫁さんになりたいんだねぇ、でも、ショットガンさんは一人しかいないからね」
 結構な数になった霊査士周辺を見回すグレイ。
 見合いよりお見合いパーティだなぁ……と思いつつ、アーケィは杯片手に霊査士の横へ。
「むしろ自分の義父さんになってください」
 ……言った後で4歳しか違わない事に気付き、じゃあ義兄弟の杯で……と言い直す間もなく。
「娘が出来たぜなぁ〜ん」
「早! えぇっ、あれー!?」
 ……と、不意に。皆の耳に届く、グレイからのタスクリーダー。
『ねぇ皆、嫁候補がこんなにいたんじゃショットガンさんの命が危ないと思うんだけど、どうかな?』
 とまれ、グレイの告げる本題は、『穏便に嫁能力で決めよう』ということ。
『最低限、僕に勝てなきゃ話にならないし、そういうわけで、皆で思いつく限りの家事能力で競うよ〜!?』
 料理審査は既に名乗りを上げていたハルトが、エプロン審査はフィードがやるに違いない。
『早い者勝ちだよ、よーいドン!』
 号令一過、一斉に始まる各種家事対決。流れに乗って、別のヒトノソリン達までが家事アピールを始める。
 そして、ルーシアも本格的に動き出す。
 肉を食って地獄制圧じゃー! と自己紹介で野生的なフロンティア精神をアピールしつつ、ハルトを料理で倒すべく一直線。
「趣味は料理で色々作れますなぁ〜ん」
 サーリアも自慢のまんもーボール、まんガンもーで家庭的な一面をアピール。そんな様子に、むむっ、と危機感を募らせるウラ。
 ワイルドファイア的に、小さい自分は不釣合いかも知れない……背丈的に。酒と煙草の話も出ていたし、未成年は不利だ。だからせめて、アピールの品はでっかく!
「ショットガン殿のまっちょなポーズをでかでかと描いた、この海苔絵巻を進呈なのじゃよ!」
 絵の具も食べられるものを使い、非常食にもばっちり!
 無い胸を張って宣言するウラに、今度はサーリアがむむっ。そして、そんな料理をむしゃむしゃりんりんと食べて確かめているノソ神様。
 と、そこへ!
「って言う斯々云々で、花嫁のお届けですよー!」
 勢いよくユーティスを持ってくるラティメリア。
 すると、間髪を入れずに、アーケィが。
「冒険でも戦闘でも普通の日常でも、凄くカッコ良くて魅力的なひとなのです、充分ご存じでしょうけど」
 勧めつつ見せた羊皮紙には、ユーティスの素敵プロフィール。
 突然のバックアップ付き精鋭の登場に、サーリアとウラの背景に稲妻が奔る!
 そんな脇に、誰かの作った何かを食べて倒れていたシフィルが、よろよろと甦ってくる。
「ふ、ふふふふふ……地獄の第99層が垣間見えましたわ……」
 横で、ホーリーライト点等形式で採点していたルーンの頭上が赤い。危険だ、危険信号だ!

●祝
「強い子孫を残すには、料理の腕も必要なのか……!」
 歯がゆそうに拳を握ってるルーシア。どうやらハルトに敗れたらしい。
 一方、ヒトノソリン同士の見合いは難航。原因はラスキューの強固なディフェンスという噂。
 無論、無事に約束を交わした者も居る。そんな幸せ二人組達は既に宴会モード。
 用意しておいた昆布巻き、数の子、田作りなどが順調に減っていくのを見ながら、ルーンは仲良くなった二人組を訪ねては、祝辞と共に桜茶を振る舞う。
「どうか皆様お幸せに♪」
 残念だった者にも、同じように桜茶を振る舞って……いる視線の先で、ディフェンスを終えたラスキューが、オフェンスに出ているのを目撃。
 リバウンドを制する者はゲームを制する。フラレナオンを的確にキャッチ・アンド・リリース! ……リリース?
「えーフラレナオン、フラレナオンはいませんかーなぁ〜ん」
 するとそこに、スーツ姿の人影……メルチェが。
「男は帰れ。こちとら慈善事業じゃねぇんだなぁ〜ん」
「釣れないですね。立派なナオンですよ?」
 言われて静止するラスキュー。
 男装の麗人然としたメルチェを一度上から下まで確かめて、突然、ささっ、と手を引いて二人掛けのクッションに誘導してみたりしちゃうラスキュー。
「メルチェです。本業は骨董屋。趣味は賭博と呪われた物品の収集。性格は……明るいんじゃないですかね?」
 何故か遠い目をするその様子に、リリースするべきか否か迷っちゃうラスキューだった。

●告白
 選考会は実技から、志望動機による審査に移行しつつあった。
 サーリアは真摯な瞳で語る。
「皆が楽しく暮らせるまったりな世界……一緒に作っていきたいですなぁ〜ん」
 ……料理は兎も角、水着とエプロンと嗜好品で負けてる気がする。
 でも気持ちでは負けないとばかり。
「背だけじゃなくて、こう、人としての器? そーいったもんもでかいのぅ。ヒトノソの殿方とはそういうもんなんじゃろうか?」
 照れ隠しなのか、独り言のようにそんな事をごちてから、んむ、と一人頷くと、ウラも同じように真っ向相手を見つめる。
「まぁ、突然じゃが、そーいったところに一目惚れなのじゃよ!」
 全速力で追い上げに掛る二人。その横へ、
「ほら、いってらっしゃい」
 笑いながら、ユーティスの背を押すシファ。
「何を躊躇ってるかは知らないけど……折角こういう機会があるんだし、思い切って、色々と告白しておいで」
 踏み出す一歩の間に、ユーティスの中で色々な事が巡る。
 何か欲しかったわけじゃない。あれがその場限りの言葉でも構わなかった。
「あなたは……初めて僕を甘やかしてくれた人だったから」
 話しかける度に笑ってくれるのが嬉しかった。
 でも。
「誰かの希みより自分のそれを優先させるなんて、僕は夢にも思えなくて」
 だが今は、後ろに――傍目には応援に見える二人の行動は、彼の退路を断つ為の行動。
「恋愛感情とは違うとしても。傍に居たいと……自分の為にこの手を伸ばしてみることが――僅かなりと、あなたの気持ちにも適うなら」
 例え、どんな結果でも――今はただ、微笑って。
「だからお嫁さんに立候補」
 そんな様子を……何事も無かったかのように戻ってきたフィードが見守る。
 本当は審査なんてなくても、団長の選んだ人を全力支援するつもりだから……誰の手を取るのか。何も言わず、見つめていた。

●略奪
「……ふと思ったんですがな」
 ゼオルはまんもー肉をもしゃもしゃ食べつつ。
「此処で気絶させて略奪LOVEに走れば、この広いワイルドファイアそう簡単には捕まらないと思うんですが」
 その時。
 指輪と祝酒を携えたタキシード姿の男が、黄金一色のグランスティードで会場内に突撃!
「同じ(銘柄の)葉巻吸って、同じオコノミヤキを食った仲だろ?」
 それは、俺の婿……もとい、団長を奪い返しにやってきたラウル!
「俺と一緒にパンポルナに帰ろう!」
 ……いつだったかに某美形の翔剣士と婚約したような覚えもあるが、速攻解消だったから今はフリーだ。そして、彼は叫ぶ。
「大陸探索やインセクテアの霊査する人がいてくんなきゃ困るんだー!」
 うっかり紅蓮の雄叫びで。
「麻痺したー!?」
 無論、おおわらわ。
 だが、それだけでは終わらなかった。
 苦心の末、魅了の歌で助力を得た草食怪獣に跨ったヴァレリアが、
「まんもー!」
 ホーリーライトを目まぐるしく点灯させながら、
「うたげっ!」
 会場に押しかけてきたのである。
「ショットガンさんがそこの金色の人に貰われると聞いて!」
 しかも、そこらへんの木に向けて、偉大なる衝撃をぶちかましまくる。
 飛び交う七色の光。
 喧しいまでに鳴り響く、打楽器とファンファーレ。
 耐えられる筈もなく失神した霊査士を奪おうとするラウルと、人の恋路は邪魔させない! とばかり立ちはだかるアーケィ。
 一方、メルチェは無駄に派手に好き勝手に暴れるヴァレリアに、一度は目をつけたが。
「女性か……」
 あまりの惜しさに、深い溜息をつくのだった。

●結局どうなった
「やあ、起きたかな?」
 首を傾げる霊査士に、結局あのまま見合いは終焉を迎えた事を説明する、審査員連合。なお、ラウルはまだアーケィと睨み合っている。
 クエスは紫煙で輪を作りつつ。
「今回急いで決めちまうんじゃなくて仮嫁でも良いんじゃねぇ?」
「……お祝いは先送りでしょうか」
 ルーンの出した桜茶で一服している霊査士……の、前に居並んでいる三人をちらと見遣るリューシャ。
「仮でいいのかなぁ〜ん?」
「現地妻でも構わないよ?」
 おどけるように、微笑むユーティス。
 一方で、緊張した面持ちで佇んでいるサーリアとウラ。
 すると、霊査士は、空になった湯飲みを置いたその手で、ユーティス、サーリア、ウラの順に、髪をくしゃくしゃ。
「……っつーコトで、悪ィが仮順で構わねぇかなぁ〜ん」
「べっ、別に羨ましくなんてないですなぁ〜ん」
 ユーティスが目を瞬いている横で、サーリアは謎のツンデレ化し、ウラは自棄食いしようかどうしようかおろおろ。ジオはそこに焼きたての肉と魚を頬張りながらやってきて。
「お嫁さんは一人でも歌って踊って食べればきっと皆家族なぁ〜ん」
 程々に纏まった所で、ヴィカルは自身の成人記念も兼ねて、輪の中に入って一緒にお酒を手に取り、
「これからも、皆の笑顔と希望を護る為に、宜しくお願いしますなぁ〜ん!」
 そこに、ようやくモザイクとの激闘から戻ってきたガマレイが!
「……はっ、お見合いは?」
 しかし、乾杯の音頭と共に始まった宴会に、既に全てが終わったと悟り、背景に混じってがっくりしていたという。


マスター:BOSS 紹介ページ
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ガラクタ製作者・ルーン(a49313)  2011年11月22日 22時  通報
料理を審査した時の記憶がさっぱりなんですけど何があったんでしょう。
思い出そうとするとべろがしびれるようななんだかよく分からない恐怖……!
団長と3人のお嫁様は本当におめでとうございます……!

無銘の・ウラ(a46515)  2010年06月30日 07時  通報
あの時はまさかあんなこと(嫁)になろうとは夢にも思わなかったのです……!

不破の双角・ゼオル(a18693)  2009年11月09日 00時  通報
ゲェー!?ショットガン殿に奥さんが三人だと!
THREE!? TWOで十分ですよ!!
ワイルドファイアの地は重婚を可能にするとは……
そりゃセイレーンさんたちも移住するはずですな

異風の叫奏者・ガマレイ(a46694)  2009年09月04日 02時  通報
わーい。出オチだー。


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ウェイトレスの大魔術師・ルーシア(a01033)  2009年08月31日 23時  通報
やはり、料理が上手くないといけませんねえ。

ノソリンはなぁ〜んってなくの・サーリア(a18537)  2009年08月31日 23時  通報
2番目でも、とっても嬉しかったですなぁ〜んっ♪
嬉しさのあまりついツンデレ(?)になってしまいましたなぁ〜ん。