銘肌鏤骨−−忘れる事勿れ



<オープニング>


 夏らしい生ぬるい空気は既に鳴りを潜め、酒場の中には秋めいた冷たい風が吹き込んでいた。
 魔石のグリモア追撃戦という熾烈な戦いが終わった直後、怪我もまだ治らぬ中で、一人水の入ったグラスを静寂を破る刀剣・グラック(a90317)は傾けていた。体中が痛むが、それは共に闘った多くの仲間も同じだと思えば苦しくもない。
 それでも何となく酒を飲む気にも、お茶などを飲む気にもなれなくて、ただ水を啜っていたグラックは、ふと後方に人の気配を感じて振り返る。見上げた先には良く見知った顔。深緑の髪と、パンジーの花が風に揺れていた。
「怪我の具合はいかがですか」
「なんてこたーねーよ」
「それなら、良かった」
 微笑みを浮かべた旧友――深緑の霊査士・ディクス(a90239)は、自分も一杯の水を手にすると、グラックの隣へと腰をかける。
「今日は、頼みがあって来た」
「頼み?」
「ああ、護衛を頼みたい」
 霊査士は戦闘が起これば気絶する。護衛を頼みたい、ということは危険がある土地に行きたいという事なのだろうが……一体何処に、という顔でグラックはディクスを見やる。
「そりゃ、怪我が治れば別に良いけど……このタイミングで一体何処に行こうっつーんだよ」
 薄い眼鏡の奥で瞳を細めたディクスは、グラックの顔を見つめて――寂しげな口調で言葉を続けた。
「行き先を聞けば、お前は断れなくなる――そういうとこだ」

「ということで、俺一人じゃこころもとねえから……他にも手があいてる奴にも頼めねえかと思って」
「――どうか、頼む」
 神妙な顔で冒険者達を集めたグラックとディクスは、そう経緯を説明した。
 護衛といっても、モンスターが居るだとか、グドンの巣があるだとかいう危険な地ではないとディクスは言葉を続ける。
「一応霊査をして安全であることは確かめてあるのですが、道中の危険もありますしね……流石に一人で行ける場所ではないので、お願いします」
「……ま、実は皆を集めたのは単に護衛の人数が欲しいってだけでもなくってさ」
 そういうと、グラックは先を続けたくなさそうに、瞳を窓の外へと逸らした。そして顔を顰め、何というべきか迷うように二度ほど頭を掻く。
 一体、目的地は何処だというのか。首を傾げた仲間達に視線を戻すと、グラックは一つ息を吐き出してから……悔いるような口調で告げる。
「目的地は、死者の祭壇があった場所。……つまりは、混沌に飲まれた地獄に一番近い場所ってこと、だな」
 ――先の戦、魔石のグリモアと融合したノスフェラトゥの王妃により、消滅した地。多くの仲間の命を吸い取り、数え切れぬ人々の命と未来を消し去った場所。
 一時は同盟の地でもあったエルヴォーグ、様々な依頼や会談等を行ったミュントス、そして同盟の冒険者として探索や戦闘を繰り返したナビアなど、99層あったという地獄も今はもう存在しない。
「花の一つでも、持っていこうぜ」
 呟くように言って、グラックは背を向ける。ディクスはそんなグラックの様子をちらりと見てから、集った冒険者達に向き直ると「頼む」と深く頭を下げた。
 銘肌鏤骨――肌に、骨に刻み、決して忘れないという思いを胸に抱いて――彼の地に一番近い場所へ。もう二度と、踏むことの出来ない地へ――。


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参加者
NPC:深緑の霊査士・ディクス(a90239)



<リプレイ>


 百合に希望の光を重ねエンドは散った人を思う。魂が希望の光に満ちるよう願い花を供えて闇へと一礼を。お疲れ様でしたと霊査士達に声をかけたアリシアは小さな声で自らの思いを告げた。霊査士は自分も似たようなものだと寂しげに笑む。
 護りたい人々が居た。同盟の話に目を輝かせた子供達、痩せた土地に試行錯誤していた人々。混沌から地上へ脱出する時も背中を押してくれている存在があるような気がしていた。
「……俺も泣けるんだな」
 幼い頃から涙の流し方を知らずに生きてきたレーダは初めて零れ落ちた涙を手の甲で拭う。
「ごめんなさい」
 正直な気持ちを込めライカが言う。そこに住む人が大好きだった。いつか歩み寄れると信じてた。
「本当に誰もいないんですね」
 大地の下でまだ人々が暮らしてるんじゃないかと思うこともあるとハルは静かに微笑む。瞳に溜まる涙は拭い隠す。彼女は笑うと決めていた。
 哀れな王妃に嘗ての宿敵十将軍に救えなかった人々へとクレマチスの花を捧げたグレイは指先で腰に携えた破軍の剣アンサラーを撫でた。剣として盾として抱き続けた誇りと共に救えなかった未来も背負おうと心に決めて空を仰ぐ。シリルは護衛士章を外し自らの両手と共に見つめた。思い出すのは人々の温もりと何度も見上げたお世辞にも綺麗とは言えなかった紫の空。彼の日は夢ではなかった。頬を伝う雫を隠すように俯いたまま敬礼と黙祷を。
「どうして」
 マユリの唇から漏れた言葉は問いかけだった。地獄で出会った子供達の姿が脳裏に浮かぶ。頬を伝う涙はそのままに向日葵の小花を捧げ魂だけは太陽の光の下へと願う。
 花の隣に絵本とクッキーの包みを置くとシュウは瞼を閉じた。思い出すのは別れ際手を振ってくれた人の笑顔。強くなりたいと願った親しい人を亡くした日、遇う事のないまま去ってしまった人達。
「混沌に戻ってしまったんやね」
 冥福を祈りながらアスは地獄の思い出を回想する。
「大輪の花を見せたかったのだが」
 華やかな色の花束を供えてゼパルパは大地を見やる。また村を訪れたかった。地上に旅行に来て欲しかった。紡がれた絆に子供達に誓う。これからも民を護り努力を怠らず精進すると。
「優しい風が、彼の地に吹いていればいいな」
「また一緒に食べながら話したたかったんやけど来世でな」
 花の隣に小さな菓子が詰まれていく。

 小さな花束を胸にウィリアムは少し悔やむような複雑な表情で遺跡を見つめる。
「俺は死ぬまで忘れないから」
 指先から離れる花束に誓いのような言葉を添える。シンマは青い薔薇を手向けた。黒いドレスで身を包んだハナは白い薔薇を隣へ。
「そちらは如何ですか? こちらはようやく平和になりましたよ」
 しっかりと繋いだ手の平の温もりを感じながらハナは自分が生き残った意味を思う。引き戻されたのは生きろと言う彼らの思いか。
 ミソラは見知った仲間の手を取り温もりに微笑んだ。沢山の仲間の思いがあったから自分達はここに居る。長い戦の中で命を落とした仲間達に感謝しながら花を供える。旅立った彼らに届きますよう。コスモスの花を添えたヘラルディアは共に闘った仲間を思い、胸元に手の平を当てた。生きているのは彼らの事を伝える義務を担ったからと未来を見つめるように空を仰ぐ。
 自分には地獄は敵でしかなかったと相棒を思いクレスが口にする。気持ちの整理はまだつかない。出会えた奇跡にと捧げられた希望の白いガーベラが風に揺れる。
「もう会えない人が居る。絶対に忘れちゃいけないんだ。あの不安と焦燥、流した涙」
「ずっと覚えていたいと思う」
 自分の知る土地と正反対だった地獄をとレジィは呟く。存在まで否定されることはなかったと複雑な表情で花束を。

 言葉に出来ない思いを抱えてヨイクは花を供えた。地獄の脅威から同盟を、地獄を切り開く人達を護る盾になるつもりだった。様々な思い出が全てが幻だったかのように浮かんでは消える。握られた手をそっと握り返しグリュエルは彼の向こうに見える青空に目を細めた。絶望から這い出た先に見た希望の空。
「何度でも来よう?」
 忘れなくていい。いろんな話を聞かせて欲しいという彼女にヨイクが頷く。
「また会おうねって約束したんだから」
 ニケが大地に語る声が聞こえた。
「またどこかで出会うことができますよね」
 空を見上げヨイクも言葉を重ねた。希望の空があるこの大地で生きるのだから何時かきっと。
「嫌いじゃなかったですよ」
 思う事は言葉にも行動にも出来ないぐらい有り過ぎる――ただ一言フィズは大地に告げた。瞳を閉じれば思い出す護衛士団での日々。シアーズは助けられなくてごめんねと贖えなかった命達へ語りかけ、幾千の時を越え再び出会う事が出来た時は共に手をとって歩みたいと願った。

 バーミリオンは彼の地で分けてもらった薔薇の種を埋める。本当は食糧事情改善の為に分けてもらった種。育たなくても良い、この場所に還したかった。日の当たる場所で花の苗が揺れる。彼を手伝う女の子は地下の底まで花や緑で一杯になれと深紅の薔薇の苗に水を注ぐ。この地であった事出会った人学んだこと全てを胸に刻もう。
 全てが夢のように思えチグユーノはそっと現実の証でもあるコルセットに触れた。話す事も関わる事も出来なかった人々を思い唇だけでサヨナラを。
「貴方は幸せでしたか」
 ウィーの問いに死者は答えない。思い出すのは地獄に関わる事を決めた日の事。ある護衛士の慟哭。見つけたかった探し物。
 沢山の涙、生死、思い出がある。それらは言葉に歴史に大地に刻まれて今も生きている。種をまき終わったセレーネは死の国をぐるりと眺めた。この場所は何年も経たない内に今とは様相を変えるだろう。
「永遠の花束を献じよう」
 世界が彼らを忘れても咲く花がが慰めになれば良い。ムスカリの苗を植えながらシェルディンは地獄ではお祭りや依頼など楽しい事も争いや死という悲しい事もあったと振り返る。死した人達が命を懸け願った世界を作ることが生き残った自分達の義務で、証明。
「地獄で生きた人々も地上を焦がれ幾度と交えた彼らも無いのですわね」
 レムは自ら紡いだ言葉に首を振った。消えなかったものだってある。知る者が居なくなるその瞬間まで地獄を忘れてはあげませんと呟く。
「思えば王妃も被害者だったのかもしれませんね」
 彼女を倒し同盟の未来を守ったのは確かだが心に虚しさが残っているとネフェルが語る。彼らの真意を聞くことは出来ない。だが何万年も護り待ち続け貫き通したものがただ邪な物だったとは思えない。だから許そうと思いますとアキュティリスは静かに呟き彼の地に生まれた小さな希望、子供達と共に歌った歌を紡いだ。

「お酒大好きやったもんね」
 赤いワインを大地に注ぎながらカガリは嘗て共に過ごした十将軍の一人を思う。
「学ぶことがいっぱいあるって思えた」
「お爺ちゃんの願いを叶えられなくてごめんなさい。でも何よりもありがとう」
「最後まで同胞を憂い主に尽くした彼の人を忘れはしないでしょう」
 胸元に手をあててリアンシェは風に囁く。彼の地を思い起こさせる生ぬるい風は彼らの言葉を乗せて静かに駆け抜けていった。
「お前さんとは呑み明かしてみたかったんだがねぇ」
 クエスは腰を下ろし黄金霊廟方面の空の雲を眺め葉巻の紫煙を吐き出した。懐からウィスキーの小瓶を呷り残りを大地へ。奉じた国の違いから判り合う事が出来なかった相手への弔いの酒だ。
「あいつは和平を望んでたのかな」
 まだ答えを聴きに行く気は無いけどと告げてからアスタは彼の死地まで届くように鎮魂歌を紡ぐ。

 青い花の苗を手に、シファがナオ達のもとへと駆け寄る。
「久しぶり」
「元気だったか?」
「元気そうで何よりん」
 話題は直ぐに護衛士団の事へ。
「護衛なんか懐かしかった」
「前にもあったね、渇望の祭壇でさ」
 カナタの言葉に何だか同窓会みたいとフーリが微笑む。
「終わっちゃったんだねぇ」
 カルフェアは遺跡を見つめて言った。平和な日々に向けて世界は動いている。
「私達は、私は……何か出来たのかしら」
 思い出すのは初めて関わった地獄の依頼。彼らがまた戻れるようレインは盾になった。穢れた地だと言われても過ごした日々や出来事に嘘は無い。
「ね、だんちょにとって私達は良い護衛士だった?」
 あの頃自分達がしていた事は正しかったのか。時折湧き上がる思いを口にした彼女達の髪を撫で、答える。自分には勿体無いぐらいに良い護衛士でした、と。
「いつか花を咲かせるまでさ何度だって来るさ」
 種を植えていたナオの呟きにレインがそうねと頷いた。次はもっと綺麗な花と共にと囁いて遺跡の前へ花束を。
「ここに何があるか、何があったかはずっと伝えていかなきゃなって思うんだ」
 花の種を埋めながらナオが言う。霊査士は彼から受け取った種を埋めて頷く。遠い未来この大地が緑に囲まれて人が住めるようになれば地獄に関わりやってきた事にも意味があるとハルは心の中で呟いた。護衛士団はなくなっても務めは無くならない。むしろこれから――。
「何かあればいつでも駆けつける」
「皆のこと大好きですよ」
「今度みんなでこれ飲みません? 数少ない地獄産のお酒なんです」
 様々な話を語り合う中でウィーはそっと霊査士に耳打ちを。
「内緒だよ」
 その内容に嬉しそうな微笑みを返し。
「必ず来ましょう」
 今度は太陽のような笑顔で、此処にまた。

「僕にとって、今この状態こそが『絶望』だという心地がしてならないのです」
 ルシファにとって地獄は敵だけでなく手を差し伸べるべき人が沢山居る場所だったと語る。こみ上げる思いは捨てちゃ駄目な気がするとアカネが呟く。アグロスの嘆きに霊査士は緩く首を横に振る。
「帰ってくるの待ってたけど……嘘吐きだなぁ」
 大好きな南国のようになれば戻るかなと素朴な花の苗を植えながらミルッヒは友を思う。
 オキは大地の奥を見据える。失った物も多く後悔が無いわけでもない。けれど祈りの言葉が見つからない。互いに信念を貫いた、ただそれだけ――唇だけでさようならを。
 苗木を大地に埋めたコロクルはこの地に緑をと願った日々を思う。
「全部終わったで……」
 大地に語るように呟く。苗木が育ちこの地が人の住める場所になるよう願い静かに紫煙を吐き出した。
「ココで生きてココで散る。お前はソコで見てろ」
 話したい事は山ほどあるが何時かそっちへ逝った時にとヒカミは大地に語る。
「供物ではなく道に迷わない為の道標だ。いつの日にかまた逢おう」
 突きたてた剣へ遺跡の元へ備えた花と同じものを手向けて、ルシールは日々を共に暮らした団員と語りかけた。
「御主等が救った世界じゃ。誇れよ」
 長き戦に散った友の名を一人一人呼んでユミはそっと花を添えた。零れた涙が降り注ぐ。隣に佇むエコーズが静かに彼女の髪を撫でる。共に戦い散った友へ、地獄に住んでいた人々へ、縁深き宿敵へルースは言葉を紡ぐ。
「全部の想いは持っていけねぇが託された未来くらいはちゃんと明るいものにするよう努力するぜ」
 ヨイチはVanity Nailを墓標代わりにと大地につきたて酒を零してやった。
「煙が目に染みやがる……」
 久しぶりに煙草を咥え目頭を押さえる。思い出すのは懐かしい過去の日々。
(「根源は消え失せ魂を弄んだ者達は潰えた」)
 此れで安らかに眠れるだろうかとハンゾーは胸の内で問いかけを。
「また見える日まで、さらば冒険者よ」
 両刀を突き刺し柄にコートと護衛士章を。逝った多くの魂への手向けと何れ還る己の墓標。
 マントのフードを外し武人の女は誰かが埋めた花にそっと触れる。双眸を伏せて「お休み」を。
「一瞬で消滅するとはなんとも空虚なものだな」
 彼女の傍らに立ちローはそう言葉を紡いだ。願いも悲しみも笑いも嘆きも全てを飲み込んだ大地に瞳を向けて静かに瞼を閉じて黙祷を捧げる。指先は剣と盾の護衛士章にかの日々を思う。
 輪廻があるならばまた何処かで。その時はどうか眩い太陽の下で。

 ハーモニカの音が拙くも優しく響き渡る。初めての敗戦、依頼での失敗。どちらも彼らが関わっていた。だが恨みよりも興味を持ち好敵手として彼らを見ていたエコーズは言葉よりも音色を選んだ。多すぎるほどの思いを込めて音は鳴る。
 ミソラの透明な歌声とアコーディオンの音が控えめに重なりフィズのヴァイオリンが音を厚くする。白い花を大地に埋めた青年は力強い声で歌に混じった。心が揃ったかのようにぴったりと声は重なる。彼が生きていたらそうしただろうと彼は自分達の生きる誓いを歌う。白いヴァイオラとシンマの手琴の音が絡み合う。駆け抜けていった彼らに伝えたい思いを今はこの歌声にこめて。地獄で旅団で様々な場所で奏でた音に言葉を添えて安らかな眠りと幸せを願う。嘗て彼の地で響かせた曲をメロスは竪琴で奏でる。瞳を閉じれば瞼に浮かぶ情景。今は無きけれども確かにあった世界、懸命に生きた人々。この地が美しく変わっても季節が巡るたび誰かが思い出すだろう。私は忘れない、地獄という名の彼の地の事を。
「見送る人が随分増えてしまった」
 どいつもこいつも生き急いでとヨハンが悔やむように口にする。二人で共に行った村もなくなってしまったのね、とセラは語り彼らのことをもっと知りたかったと続ける。歌声に合わせて奏でる鎮魂歌――地の底へ届くように。
「全ての魂に、安らかな眠りがありますように、なぁ〜ん」
 アップルパイを供えたギーエルの声が静かに音と重なった。
(「私は今でもあの地が、人が、好きだよ」)
 柔らかな光を溢れさせながらフーリは笛の音を奏でる。その音にシファの笛も加わった。音にあわせてライカが踊る。絶望すら越えて届けと光よ届け。あの空の色も、その下でこの曲を聴いてくれた人達も散った仲間のことも忘れない。ずっと、ずっと。
 もう彼の地の人々がお腹空かないように花に囲まれた彼の地に思いを馳せて。

 ミシェル達の手によって遺跡に三つの石碑が建てられた。石碑を見やり長くも短くもあった月日を思い起こしギーは微かに苦く口元を歪める。
「随分と地獄と長く係わって来たがこれで最後となるのであろうね」
 同盟と変わらぬ地獄の民達、矛を交えた列強種族達の安らかな眠りを願い静かに胸元で印を切る。
「亡くなった人の魂はどこへ行くのでしょうか」
 刻まれていく名を見つめミシェルが零す。亡くなった全ての方へ、もしかしたら手を取り合う事も出来たかも知れない地獄の列強種族へ、尊敬していた人後輩だと思っていた仲間へ。慰霊碑にシオンの花束を供えクリスが言う。
「皆、覚えていますから」
 そして共に来ていたクララに感謝の言葉を。
「行きましょう」
 ボルチュはそう声をかけて帰路を、前を向いて見せた。目の前の現実に立ち向かい己に課せられた義務を果たす。結末が何であろうと。

 それは地獄との日々が教えた事。


マスター:流星 紹介ページ
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玄天卿・クリス(a73696)  2011年11月11日 02時  通報
シオンの花言葉は君を忘れず。
別名的にこういう時に使う花ではないかもしれなかったけれどね。
……忘れてたまるか。