≪Relic Searchers≫団長を追い掛けて……ホワイトガーデンぼんやり風の旅



<オープニング>


 ホワイトガーデンは今日もいい天気。優しいそよ風は肌に心地よく、見上げれば綿雲がプカリプカリ。咲き乱れる秋の花々の色合いさえ目に優しい。
「平和ですわ〜」
 白き庭らしいゆったりした光景に、自然とのんびり気分……通り越して、ぼんやり気分?
「長閑、なのです、わ……」
 聖骸探索者・ルミリア(a18506)の翼が光ったのも、仕方がなかったかもしれない。

 旅団『Relic Searchers』の拠点は、ホワイトガーデンにある小さな町。
 かつてピルグリムの襲撃で廃墟となった過去があるが、『Relic Searchers』の尽力もあり、最近になって漸く住民も戻って来ていた。
 エンジェルの子供達の遊ぶ姿が見られるようになった町の一角の邸宅は、以前と変わらず『Relic Searchers』が使っている。
 今日も柔らかな日差しが降り注ぐ庭園で、団員達は思い思いに過ごしていたのだが。
「団長が飛んで行きましたし〜」
「おや、そうですか……え?」
 龍騎艦隊・イマージナ(a18339)のいっそのんびりした口調に危うく聞き流しそうになった放浪する地図士・ネイネージュ(a90191)は、思わず羽根ペンを取り落とした。
 慌てて庭園を見回すが……確かに、団長であるエンジェルの少女の姿はない。
「風向きは……あっちだな」
 早速、屋根の風見鶏で風向きを確認した探索士・エルヴィン(a36202)は苦笑を浮かべた。
 風は町の外に向かって吹いている。邸宅自体が町外れにあり、既に町の外へ流されてしまっているかもしれない。
「確か……団長は、光の海に落ちた事があるのではなかったか?」
 閃光の射手・イオリ(a43829)の呟きに、何とも言えない沈黙が落ちる。
 たとえ光の海に落ちたとして、エンジェルが死ぬ事はない。何れは風に運ばれて戻ってくるが……それが何時になるかは、神すらも与り知らぬ正に風任せな訳で。
「兎に角、追い掛けましょう」
 ネイネージュの言葉に、取るも取り敢えず風下へ駆け出す団員達だった。

 ――果たして、ルミリアはすぐ見つかった。
 エンジェルの翼は光りっぱなし。見通しの良い原っぱの上空を、今もふよふよと流されている。
 氷剣探求者・ニール(a66528)の腕にも羽根はあるが、それで飛べる訳でなし。チキンレッグの彼にも不思議な光景だ。
「ふむ……この距離なら、グランスティードの早駆けなしでも追い付けるな」
 すぐにでも駆け寄ろうとした黄昏の疾風・ブリュネル(a37293)だが、城壁の姫騎士・サクラコ(a32659)に押し留められ、怪訝そうに眉を顰める。
「何だ?」
「ネイネージュさん、この風向きだと光の海はまだ当分先ですよね?」
「……ええ、そうでしょうか」
 町の位置を地図で確認した藤色の髪のエンジェルが頷けば、緑髪に桜咲くドリアッドの少女は何やら企み顔。
「じゃあ、このまま追い掛けましょ〜♪」
「……は?」
「だって、気になるじゃないですか♪ この先に何があるか、ルミリアさんが何処まで飛んでいくか」
「楽しそうですな〜。うちもこの辺りに何があるか、よく知りませんし〜」
 唖然となった男性陣を尻目に、女の子達はきゃいきゃいワクワク。
「素敵な処が見つかったら、そこで団長を起こしてピクニックしましょ♪」
「それはまあ、面白そうだけど……何の用意もしてませんよ?」
「果物も色々収穫の頃やし。集落が近くに見つかれば、お菓子とか分けて貰えばいいですし〜」
 確かに、人も土地柄も温和なホワイトガーデンなら、現地調達でも何とかなる……かも?

 こうして始まりは突然に――『Relic Searchers』団長主催(?)ホワイトガーデンぼんやり風の旅はじまりはじまり?


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参加者
龍騎艦隊・イマージナ(a18339)
聖骸探索者・ルミリア(a18506)
城壁の姫騎士・サクラコ(a32659)
探索士・エルヴィン(a36202)
黄昏の疾風・ブリュネル(a37293)
閃光の射手・イオリ(a43829)
氷剣探求者・ニール(a66528)

NPC:放浪する地図士・ネイネージュ(a90191)



<リプレイ>

●旅立ちの後
 それは、インフィニティマインドが星の海へ旅立って数日後の昼下がり。
「ネイネージュ殿、何を……絵を描いているのか?」
 ガーデンテーブルに広げられているのは様々な画材。スケッチブックを広げていた放浪する地図士・ネイネージュ(a90191)は、肩越しに覗き込んできた閃光の射手・イオリ(a43829)に穏やかな笑みを浮かべた。
「頼まれ物です」
「頼まれ物?」
 小首を傾げたのは氷剣探求者・ニール(a66528)で、装備の手入れをするつもりだったのか透けた刀身が美しい剣を抱えている。
「絵本の挿絵です……元ネタは、この前の」
「ああ」
 合点がいったイオリとニールは顔を見合わせ、思わずニンマリ。
「旅立った皆さんが帰還するまでには、仕上げませんとね」
 表紙は既に出来ている、とネイネージュは2人に見せた。
 その大きめの画用紙に淡い色彩で描かれているのは、1人の少女――背には淡く輝く白い翼。美しい銀髪をなびかせ、流星雨を思わせる模様が豪奢な衣を纏った彼女は目を伏せたまま、風に流されている。
 美しくレタリングされたタイトルは、『眠れる魔王様』と書かれていた――。

●眠れる魔王様を追い掛けて
 ――眠れる魔王様は、風に流されて広々とした白き庭を彷徨っていました。
 のんびり空を往く様子は何だか長閑でとても魔王様には見えませんが、うるさいのにはとても敏感。例えば、近くで子供達が喧嘩をしていたりすると。
『私の眠りを妨げる者は恐ろしい物を見るであろう』
 と強い風の音にも似た寝言が聞こえてくるのです……。

「喧嘩を止めへんと、起きた魔王様が恐ろしい姿でやって来ますしー」
 龍騎艦隊・イマージナ(a18339)の手には、角の生えた『魔王様』を描いたスケッチブック。
 まあ、実際は髪にすごい寝癖のついた聖骸探索者・ルミリア(a18506)が、風に流されるの図なのだが……他愛ない喧嘩をしていたエンジェルの子供達は、首を竦めて黙り込んだ。
「喧嘩を止めれば魔王様は眠ったまま通り過ぎます。魔王様がゆっくり眠れるよう、みんな喧嘩は止めましょう……ですな」
 素直にコクコクと頷く子供達。
(「あんまり怖がらせるのもアレやしなぁ」)
 それで即興で「ほのぼのとした魔王様の様子」を話せば、「じゃあ、魔王様ごっこしよう」とあっという間に新しい遊びを思い付く子供達。
 忽ち喧嘩を忘れて魔王様ごっこに夢中の子供達に満足して周囲を見回せば、当の本人は既にずいぶん流されていった様子。
(「さあ、急いで魔王様観察隊に追いつきますし!」)
 大急ぎでグランスティードに騎乗して、早駆けで通りすがりの村を後にするイマージナだった。

 ――気持ちよさそうにふわふわふわり。眠れる魔王様は、今日ものんびり空をお散歩。
 行く先は風任せ。優しい風に流されながら、今日はどんな夢を見ているのでしょう……。

「ふむ、エンジェルと言うのはぼ〜っとなるとあのように浮くのか」
 今日もホワイトガーデンはいい天気。団長は順調に風に流されているけれど、そのふわふわした様子さえ長閑で、追い掛ける団員の方も切羽詰まった意識はない。
「平和なホワイトガーデンで見掛ける分にはほのぼのとした風景であるが……無防備と言うかなんと言うか」
「風に流されて気持ちよさそうですねえ……あ、助けないと駄目だとは思いますけど、どこまで流されるか見てるのも楽しいかも?」
「まあな……光の海は暫く先という話だし」
 いっそ呑気なイオリの言葉に相槌を打つニールだが、黄昏の疾風・ブリュネル(a37293)の呟きにふと困った表情になる。
「あ、光の海に落ちそうになったら、どうすれば……?」
「わー、たいへんだー。ルミリアさ〜ん」
 城壁の姫騎士・サクラコ(a32659)の心配そうな声は心なしか棒読みちっくで、ネイネージュも苦笑い。
「おおまかな地図で確認はしていますので……ある程度の所で起こしましょう」
「それじゃ、散歩がてら追い掛けましょうか。一体どこまで飛んで行くんでしょうねぇ」
「陽気に釣られて、という訳か……ま、遠出をするにもいい日和だよな」
 やはりのんびりと空を往くルミリアを見上げる探索士・エルヴィン(a36202)は、興味深そうに行く先を眺める。
「それに、こうして見ると風の流れが分かって面白いな」
 風任せの散歩も楽しいもの。とはいえ、肝心の道標は生きているだけに、ずっと観賞している訳にもいかない。
 見失わないようにだけは気を付けて、空を見上げたり周囲に光景を楽しんだり、のんびり忙しくルミリアを追い掛ける団員達だった。

 ――眠れる魔王様を、白き庭の風は自由自在に運びます。
 木々の合間にある風の吹き溜まりでくるくる回したり、岩場から吹き上げる風に乗って急上昇させてみたり。勢いよく流れる滝の裏をくぐらせたり……美味しい水を汲みに来ていた村人は、ふわふわ飛んでいく魔王様をビックリ眼で見上げます。
 とある森は、あちこちに季節の果物がたわわに実っていい匂い。その上空を、魔王様はゆったり流れて行きました。果物を齧っていた森の動物達は、鳥の姿でないのに空を往く影を不思議そうに眺めていましたが……すぐに見えなくなったので、また食事に戻りました。
 何だか奇妙な洞窟も、入口から出口まで留まる事を知らない風は一気に魔王様を運んで行きました。薄暗い洞窟は、天井も壁も足元も岩でゴツゴツデコボコしています。もし、魔王様を追い掛ける人がいたら、見失わないようにするのがとても大変だったでしょう。
 そうして、眠れる魔王様が辿り着いたのは……とても無気味な音が響く不思議な場所でした。

「……まだ、団長は起きないのか?」
「よっぽど、気持ちが良いのだろうな」
 ルミリアはまだふわふわと風任せ。野を越え村越え滝越えて、鬱蒼とした森を抜け、薄暗い洞窟まで駆け抜けた団員達の額にはうっすら汗が滲んでいる。
「やっと追い付きましたしー」
「おや、遅かったですね」
 グランスティードで駆け抜けてきたイマージナとニールは涼しい面持ちだったが、聞こえてきた音に怪訝そうに首を傾げた。
「あれ、何の音でしょ?」
「さあ……」
 ――ボエェェ〜〜〜。ブモォォォ〜〜〜。
 まるで怪物のいびきの様な、寝言のような……くぐもった音色が何度も響き渡る。
 辿り着いたのは、元は瀟洒な庭園だろうか。崩れかけた石造りの階段があって、どうやら2層になっている模様。
 回りを見渡せば、幾つもの金属の管が岩壁に張り巡らされ、あちこちで口を開けている。
「何か……ルミリアの好きそうな場所に来たな」
 風任せも侮れないと、面白そうに呟くブリュネル。
「よし、不思議な場所にも辿り着けたし、ここらで下りてきて頂く事に致しましょう」
「でも……あんな高い所を飛んでいるのでは」
 漸くルミリアを起こす気になったサクラコだが、ニールが指差す先はかなり上空。試しにその辺で拾った長い棒でつつこうとしたが、到底届かない。
「影縫いの矢で麻痺したら落ちてこないか?」
「そんなの面白くな……いやいや、あの高さから落ちたら、幾ら冒険者でも怪我しますって」
「……ん、あのまま行けば、あそこの塔に入っていかないか?」
 エルヴィンが顎でしゃくったのは崩れ掛けた小さな塔。なる程、てっぺん近くで口を開けた窓に、ルミリアはふわふわと吸い込まれて行きそうだ。
「わたしにお任せあれ!」
 早速鎧を進化させ、塔へ駆け寄るサクラコ。プロテクトコアまで展開し、勇んで塔を駆け上る!
「ルミリアさん、起きてくださーい!」
 ルミリアがてっぺんの小部屋に流されてくるのと、サクラコが飛び込んできたのはほぼ同時。
 いまだにボンヤリふわふわ浮かぶエンジェルの少女に放たれるタクティカルムーブ!
 次の瞬間、伏せられていたルミリアの双眸がカッと開かれる。
「……あの、遠距離アビと鎧聖降臨で良かったんでは」
「それじゃ面白くないじゃないですか。あ、怒ってる怒ってる」
 フォローに駆け付けたニールの呟きに、笑顔さえ見せる余裕のあったサクラコだが。
「大丈夫、怒ってる時の攻撃はアビを使いませんし、鎧進化で強化してますから大して痛く……痛ぁっ!?」
 魔法的素養の強いエンジェルの医術士であるルミリアと、やはり魔法が得意なドリアッドとはいえ鎧騎士のサクラコ。魔法合戦になれば、分があるのはやはり前者であり……ルミリアが手にしている両手杖『約束の杖』はホーリーライトの力も相まって、直撃すればサクラコの体力を3割方削りそうな威力を秘めていたり。更に言ってしまえば、不幸にもサクラコの装甲ドレスと巨大盾は魔法の衝撃波にはあんまり強くなかったりする。
「……大丈夫ですか?」
 何となく冷や汗混じりのネイネージュからヒーリングアローが飛ぶ間に、慌てて毒消しの風を放つサクラコだが。
「あ、あれ? まだ怒ってる? なんで??」
 半眼で得物を振りかぶるルミリアの攻撃はまだ止まず。
「ああ〜ん、まだ怒ってる〜」
 ドッカァァアンッ!――何か、本当に魔王が暴れでもしたような轟音が響き渡った後に訪れる静寂。
「…………終わったようだな」
「ああ」
 面白そうに塔を見上げるエルヴィンに、呆れたような面持ちで溜息を吐くブリュネルだった。

 ――ちょっぴり寝起きが悪い魔王様。でも、すぐに機嫌を直すと周囲を見回します。
 ボエェェ〜〜〜。ブモォォォ〜〜〜。
 奇妙な音は、どうやら風が吹く度に聞こえるようです。
 不思議に思った魔王様は、耳を澄ませては辺りを調べ始めました……。

(「……みゅ? 久々に本格的にぽ〜っとしてたみたいですぅ〜。とりあえずぅ……光の海では無いようですが、ここはどこでしょう?」)
 ふんわり大きな欠伸を1つ。大きく伸びをしながら見回せば、団員達が顔を覗き込んでいる。
「……ってあれ? 皆様、どうなされましたぁ?」
「おはよう、団長」
「無事で何より」
「あ、はい……おはようございますぅ」
 些か顔が引きつっているサクラコと慌てて後ろに何かを隠したイマージナの様子が気になったが、ブリュネルとイオリに笑顔を見せるルミリア。
「……で、ここはどこでしょう?」
 ――ボエェェ〜〜〜。ブモォォォ〜〜〜。
 相変わらず、風が吹く度に響き渡る奇妙な音。そう言えば、聞いた事があるような気がする……呪われてしまって、廃棄されたとか何かとか。
(「……まあ、呪いなんて、ホワイトガーデンでは有り得ませんけれど」)
「なるほどな……」
 手近の管を調べていたエルヴィンは、やおらに両手をその管の中へ突っ込んだ。
「エルヴィン様?」
「木の葉とか枯れ草とか、色々詰まってるんだ……これを片付ければ、多分」
 フォォォン――。
 俄かに、美しい音が響き渡った。
「な?」
「風琴ですか」
「ああ」
「じゃあ、ここにある管を全部掃除すれば……」
 という訳で、手分けして片っ端から張り巡らされた管を掃除していく団員達。
「綺麗な音色が出始めましたわ〜♪」
 管の口を塞ぐゴミを片付ければ……忽ち、庭園は生き返ったかのように妙なる音色を奏で始める。
「凄い仕掛けですわね。何の為の施設だったのでしょう?」
「探索したら、その理由が判るかもな」
 ルミリアとエルヴィンは風琴の庭園を見回す間にも、「遺跡と言えば」と石器や土器を探し始めたニールだが。
「……あれ?」
 生い茂る草をかき分けて来る人影に思わず首を傾げる。
「!!」
 果たして、庭園に駆け込んできたエンジェルの少女は、思わぬ大人数に驚いたように胸を押さえた。

 ――魔王様と出会ったエンジェルの少女は、ニナと名乗りました。
 庭園を蘇らせてくれた事を感謝して、ニナは魔王様をお茶会に誘います。
 美しい音色に包まれた庭園でのお茶会は、それはそれは楽しいものになりました……。

「じゃあ、この庭園の謂れは知らないんだな」
 イオリの質問に、ニナと名乗ったエンジェルの少女はこっくりと頷いた。
 ニナはこの風琴の庭園の近くに住んでいて、昔から庭園の手入れをしていたという。それが風が強く吹いた日以来、庭園の風琴が変な音を出すようになり困っていたとの事。恐らく、風で撒き上がった木の葉やらが管を塞いでしまっていたのだろう。
「近くに村もあるんですけど、皆気味悪がって調べようにも手伝ってくれなくて」
 尤も、ニナにしても庭園の手入れは両親から受け継いだ仕事で詳しい事は知らないようだ。
「折角だから、少し調べてみようか……壁画とか文字とかがあれば」
「でも、紋章術士もいませんし。今回は庭園が蘇ったという事でいいんじゃないでしょうか?」
 ネイネージュの応答は、神の言い付けも素直に聞くエンジェルらしい言葉だろうか。
 ニナもお礼がしたいという事で、即席のお茶会が開かれる事に。
「屋上は綺麗な庭園ですわね〜♪」
 石段を登れば、そこは秋の花が咲き乱れる空中庭園。やはりニナが手入れをしているそうだ。
「この円卓は……神様が使ってたものでしょうか?」
 古びた石のテーブルにニールが花を飾れば、リュックを背負ったまま団長を追い掛ける羽目になっていたブリュネルが漸く荷を下ろせるとばかりにサンドイッチと米酒を取り出す。
「酒は大人だけな」
 大半の未成年者は、ニナがポットを抱えてきたレモネードと紅茶で乾杯だ。
「えっと……お菓子はクッキーしかなくて」
「うち、おはぎ持ってきてますしー」
「おはぎか……楓華風の抹茶があれば1番だったが、仕方ないな」
 イマージナがお重の蓋を開ければ、イオリが早速お相伴。
 そうして、風が吹く度に色を変える妙なる音に耳を傾けながら……のんびりとお茶会。
(「冒険者になって3年。戦ってばかりだったが、俺ももうのんびりしていていいんだな……」)
 今となっては、リディア護衛士時代さえ懐かしい。見上げるブリュネルの視線の先は、綿雲がふんわり浮かぶ秋の空。その向こうに――星の海がある。
「それにしても、星の世界……どんな所なのでしょうねぇ?」
「本当に、未知の世界ですからね」
 同じく空を見上げるルミリアとサクラコ。
「もうすぐ出発、だな」
 やはりインフィニティマインドの搭乗を決めているエルヴィンもしみじみと独りごちる。
「次に皆で集まるのはいつになるやら……」
 時間は有限で、だからこそ、流れ続ける1日1日に価値があるのだろう。
「私は地上に残って平和を満喫しつつ、その維持に努めようと思うが……星の世界に行く者達は元気に頑張ってきてくれ」
 イオリの言葉の返答は、それぞれの力強い頷き。
「きっと帰ってくるのだぞ」
「お土産話、楽しみにしていますね」
 唐突なお別れ会の様相にキョトンとなったニナにネイネージュが星の海の話をすれば、途方もないスケールに目を白黒。そんな少女の反応がまた周囲の笑みを誘って……。

 ――それは、インフィニティマインドが旅立つ直前の、長閑な秋の昼下がりの出来事だった。


マスター:柊透胡 紹介ページ
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参加者:7人
作成日:2009/10/29
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