イャトの誕生日?〜兄妹喧嘩と緋淡の貝殻〜



<オープニング>


「イャト兄ー。今だいじょぶ……? って、何やってるの?」
 夏のある日、烈斗酔脚の栗鼠・ヤン(a90106)は、彼に確認したい事があって酒場の扉を開いた。
 依頼と冒険者が集まるいつもの酒場で――黯き虎魄の霊査士・イャトはいつもと違う場所にいた。
「……別に」
 テーブルの下で何かごそごそやっているイャトが、淡々と返す。声は平静だが、直前に『ゴツ』と微かな音が響いたのをヤンは聞き逃さない。声が聞こえるまでに暫く間があったことも。
 遠い目をして聞こえなかったフリで、ヤンは席につき、気にすまいと努める。
「とにかくそこから出て来てよ。まともに話が出来ないじゃない」
「イヤダ」
「……」
 ヤンは困り果て……改めて気にすまいと努める。
 己の兄弟子にあたるこの男の事は時々、解らない。昔からそうだ。下手に触るとこじれてしまうこともしばしば。だから追究はせず、本題に入ることにする。
「前に、兄ィにあげた貝殻なんだけどね……? ……覚えてる?」
「貝殻……? ああ――」
 忘れていた口振り。そして思い出す素振り。
「あれな。捨てた」
「捨てた!?」
 椅子を蹴立てて立ち上がり、ヤンはテーブルの下を覗き込んだ。問い詰める目付きから逃れるように、イャトは視線を俯いてかわす。飄々と明後日の方角を見据えて言った。
「女子供じゃあるまいし、俺がいつまでもあんな物……持ってる訳がないだろう」
「最っ低! バカ!!」
 テーブルにありったけの憤怒を叩きつけて、ヤンは酒場を後にする。

「大じょ〜ぶっ?」
 その後もしばらくテーブルの下から出て来なかったイャトに、ストライダーの霊査士・ルラルが声をかけている。
「問題ない」
 気絶していたのではなかろうかと訝るだけの間をものともせず、淡々と、何事もなかったかのように這いずり出て来て、衣服を整えながらイャト。ルラルは困ったように尻尾を揺らして首を傾げた。
「でも、いいのかなぁ〜。今、探してたんでしょ、貝殻? ヤンちゃん怒ってっちゃったよ〜」
「……」
 そう言われてイャトは、しばらくヤンが出て行った扉を見つめていたが、結局何も言わずに席につき、いつものようにいつものゴブレットに、いつもの酒を所望して、口に運び始める。
「もーすぐ誕生日なのに、嘘までついて喧嘩しちゃって……このままじゃダメだよ〜!」
 己の事の様に拳に力を込めてルラルはイャトを揺さぶった、が、無言の一瞥を受けて小さくなりながら、一度「ぴゅーっ」と一目散に退散。

 ――と、言う訳で。みんなには2人の事を何とかしてもらいたいのー。
 20日はイャトちゃんの誕生日だから、そのお祝いも兼ねて、ね♪
 冒険者達にこっそり、そう告げてぺろりと舌を出すルラルであった。

「そうそう。あのね、なくなったのは手の親指の爪くらいの小さな、淡い緋色の貝殻……イャトちゃんにとってはお守りみたいなものなのね。6年前のお誕生日にヤンちゃんがくれたものだって一回、見せてもらったことがあるんだよ♪ 最近、酒場でなくしちゃったみたいなんだけど……」

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参加者
NPC:黯き虎魄の霊査士・イャト(a90119)



<リプレイ>

●波打ち際に潮干狩りの一団です。
 喧嘩する程なんとやら、とは言うけれど。
「何もこんな日に喧嘩する事はないわよね」
 渦中の2人と面識はないが、その日がイャトの誕生日だという事は酒場で聞いた。
 ルティス(a07069)は浜辺を歩きながら苦笑する。レジス(a09204)も同じ心境だ。
「でも、ヤンさんあまり怒ってなかったですね」
 いつもの事なのかも、とは思ったが、逆に気になるあの時の彼女の笑顔。
 浜にやって来たレジスはまず真っ先に、イャトが酒場でなくした貝殻を探していたという事実をヤンに教えた。その時――貝殻探しを手伝うと集った仲間達の顔をしげしげと眺め回したヤンは、
「ゴメンね。皆、手伝ってくれてありがとう」
 と、申し訳なさそうに微笑んだのだった。

「許せないなら、今度はペンダントにでもしてイャトの尻尾に結んでやりゃ良い」
「それって、なくしても一目で解りそうで良いわね」
 ティキ(a02763)の発案に悪気はないが、同じ女性としてヤンに同情を感じ貝殻探しに参加したナナ(a00225)は何やら至極乗り気の表情。リューシャ(a06839)は手の平に掬った貝と砂を波に晒しながら神妙に唸る。
「でも背面は…もしまた失くした時、本人がかえって気付き難い所かもしれません。あ、すみません…」
「いや、まあ、一理ある」
 返る言葉にほっとしてリューシャは少し離れた所で黙々と砂浜を掻くヤンを見る。つられて視線を移すナナ。ティキは一人、沖へと向かう。
「にしても一生懸命ね…ヤンはどんな意味でイャトに貝殻を贈ったのかな」
 ナナの素朴な疑問だった。男性へ貝殻の贈り物というのは、珍しい気がした。
「それだけ大切な思い出だったというのは確かね」
 ルティスの言葉に頷く。ただ綺麗で同じ色というだけでは、きっと意味がない。

(「可愛い貝殻、見つけました」)
 波を蹴り小走りにヤンを探すアリーシャ(a04067)は胸に白い巻貝を抱き締めている。少女が貝殻探しに込めたのは、自分と友人達――3人分の想い。そして見つけたのは、耳に当てると波の音が聞こえる貝殻。ふと立ち止まり、アリーシャは自分の耳に貝を宛てがう。
(「こうして目を閉じれば、自分の心深くからの声が聞こえるようです…だから」)
 これを誕生日の贈り物にしよう、と思う。
 小声で呼ばれた気がして見遣ると、そこにはキョウマ(a06996)が何故か身を潜めて手招きしていた。彼はそのまま唇の前に指を立て、アリーシャにも隠れるように促す。
「え? …えっ」
 何の事やら解らずにきょろきょろするアリーシャの視界に映ったのは岩場にいる男女――クロエ(a07271)とヤンの姿だ。しかし、キョウマはここで一体何をしているのだろう?

「まったく、素直に本当のことを言えば良いのに」
「えー?」
 クロエの嘆息を背中で聞き、振り返るヤンの手に握られているのは白い貝殻。
「いや。…貝殻……」
 探していたのは緋淡色の小さな貝殻だった筈だが、今ヤンの手にあるそれは掌の半分程の大きさの白に茶斑の斑点模様で、可愛げがあるとは言い難い物だ。
「ああ。これ? 今年はこれで充分よ」
 本人は納得している様子。クロエは首を傾げながらも、「そう」とだけ呟いた。
 水平線に近づきつつある西日。陽を反射する水面は黄金一色。白い潮頭は浜辺に触れ沖へと還り、波の音を響かせる。
「酒場に帰る前に少し聞いてもいい? 前に貝殻をあげた時の経緯や思い出」
「つまらない話よ」 と前置きして、ヤンは話し始めた。
 兄妹共に挑んだ初めての冒険。それがこの浜で、記念に持ち帰ったのが貝殻だった。正確には帰ってから渡されたのだが。
「私は依頼をこなす事に一生懸命で、それ以外に気を回す余裕なんてなかったし」
 そこは今でもあまり変わっていない気がするが、まあ、それはそれ。
「だからそれなりに思い入れもあったのよ。でも、私ってこんなにちっぽけなの?見てなさいよ! って後から突っ返してやったのよね」
 冗談めかして言う――元々自分が贈られた貝殻を、贈った相手の、しかも誕生日に返す形の深意はどこにあれ――ヤンにとって貝殻探しは自分探しの様なもの……兄への定時連絡といった所か。
 楽しげなヤンを見て安堵したクロエは思わず口を滑らせる。
「良かった。あなたが泣いてなくて」
「泣く? えー。どうして……泣く!? 私が!?」
 繰り返す内にその言葉を理解したヤンは慌てふためき、心外、と真っ赤になる。
「そ、か」
 ルティスがこっそり頷きながら聞いている。岩陰にギャラリーが増えていた。
 ナナ、リューシャ、一度ヤンに挨拶をして通り過ぎた筈のシュシュ(a09463)までがそこにいる。アリーシャとレジスは要領を得ない顔。ティキはそんな彼らを横目に我関せずだ。
「聞くつもりはなかったんですよ。ほんとです」
 シュシュは困惑気味に弁解したが、果たして。
 少々割に合わない事をやっているかもしれない、と感じるキョウマであった。

●酒場には少し異様な光景が広がっております。
 椅子に座ったまま霊査士が無表情に呟く。
「……暇なのかね?」
「誰の為に皆、集まってると思ってるんだー?」
 そういうお前は一体何を? と振り返るイャトの瞳。
 遠くを見つめてジェイ(a00838)はイャトの肩叩きをしている。
 ぼやいた所でどうなる物でもない事も解ってはいるが。
(「本当、何してるんだろうなー俺」)
「一番身近な女の子泣かしてたら、ダメじゃんイャト。もてないぜー」
「お前こそ。ここで野郎の肩叩きなど、している場合なのか」
「痛たた。それは言わないお約束」
 キモを突かれて痛がるジェイに「何を」と浅く吐息したイャトの足を掴みテーブルの下に引きずり込むのは、酒場の床に這いつくばってイャトの『小さな落し物』を探していたシュウ(a00014)。
「高みの見物してないでイャトもほら探す!」
 彼だけではない、ニューラ(a00126)など素足・虫眼鏡という気合の入れ様で床石の隙間まで見落とさないよう動き回っている。床にぴったりねそべって貝殻を探すルシエラ(a03407)がイャトを見て満面の笑みを浮かべた。少々、かなり、物凄く奇妙な光景だ。
 無言で床上に視線を流しながら、それとなく輪から遠ざかろうとしたイャトをルシエラが四つん這いで追い、シュウが前方から額を付き合わせる。
「まったく、もう少し妹弟子には優しく応対しても良いんじゃないか?」
 シュウの言葉にイャトは唇を歪め、ゆるりと頭を振った。
「…それは俺の役目じゃないな」

「そんな小さな貝殻、今さら見つかるとは思えないけど」
 偶然酒場を訪れたアストリア(a09506)は当初冷たく言い放ったものの結局放ってはおけずにブーツと手袋を脱ぎ、貝殻探しに加わっている。カンテラの灯りを反射する物を丹念に確認しながら、周囲の会話を拾い、見えて来た事のあらましに「なるほどね」と相槌1つ。
「それにしても、やっぱり妙な光景よ、これ」
 言わずにはいられなかった。何人かが反応してテーブルの裏に頭をぶつける音が響く。
 自分も含め、冒険者達がこぞって床に張りついて蠢いている様子は奇妙この上ない。

 小一時間は過ぎただろうか。
 こんな所に絶対無いという所にあるのが失せ物、という信念の元、人一倍張り切っていたバイケン(a07496)が疲れきった顔で大きく息を吐く。
「見つからぬでござるな」
 返事の代わりに聞こえてくるのは溜息ばかり。そんな中、途中から酒場の掃除へと目標が転化したらしいシュウだけが、一人やり遂げた顔で汗を拭っていたりする。
「実は貝殻はイャト殿の服のどこかに引っ掛かっていたというのは無しでござるよ〜?」
 空気を盛り返そうと明るく言ってみるバイケン。だが、冗談にはならなかった。盲点だったのだ。
 疑うような視線がイャトに集まり始める。駄目で元々。服を振る。
「おい?」
 襟や裾を捲って確かめる。尻尾を握る。
「…ぅにゃっ…誰だ、どさくさ、…っ!」
 ころん。――
「「「!!?」」」
 視界の下に消えるピンク色の何かを追うように落とす視界。足元には、件の貝殻が。
「「「……」」」
「…何だ。その目は…」
 蜻蛉玉が柄に揺れる浅葱色の扇をパタパタ、涼しげな表情で。だが何処かわざとらしく見えるのは皆、冷めた目で彼を見ているせいだろうか。もしかしたら先ほどテーブルの下に潜った時に運良くくっついたのかもしれない。のだが、そんな偶然で納得できるかと言えば、否。今までどれほど親身に、どれほど汗だくになって貝殻探しを手伝っていたか!
「まあ…その」
 こほん、とバイケンが控え目に進言。
「この際、酒代はすべてイャト殿の奢りということで!」
「だな! イャトの罰ゲームだ!」
 申し訳なさそうに出て来た割に切り替えは早い。すかさず貝殻を拾ったジェイが諸手を上げて賛同する。
「ぱーっとやるなら、おあつらえ向き。こんな所にこんな物が」
 シュウがにこやかに転がしてきた酒樽は、どうやらイャトへの誕生日の贈り物。
 仕込み終わったばかりのさくらんぼ酒だと言うが、持って来た当人が早速開けている。オンザロックにするために氷室から出してきた氷もある。
「貝殻も見つかったし、皆で乾杯ね」
 これが冒険者としての初仕事となったアストリアはその事を少々疑問に感じているが、祝いの席だ。気にしない事にして笑顔で手を打つ。

●パーティーの準備が始まりました。が、その前に――
 表に出せない言葉や表情があっても、誰かの傍に行く・居られる身体に足は付いているもの。
「海へ――待つ人の元へ、行きませんか」
 レネ(a01876)の言葉に一瞬怪訝な表情を過らせたイャトの腕を取り、ルシエラも笑顔で「行こう」と誘う。そこへ海に行っていた一団が帰って来た。丁度良かったと微笑み合う二人。
「謝れなんて言いませんが。何もしないで伝える言葉もなかったら…伝わらなかったら、有っても無いことと同じ、ですよ」
 それは残念な事ですよね? レネに言われ、イャトは無言。
 貝殻をイャトに返そうとしない誰かさんがその視界に映っている。ヤンの手に貝殻を握らせ、何事か耳打ちするジェイ。が――レネはヤンがこちらに向き直ったのを見て身を引いた。そっとイャトの背を押す。一瞬静かになる酒場。
「これは、何?」
 ヤンが緋淡の貝殻を見せつけながら口にしたのは仲直りの言葉でも祝いの言葉でもなかった。
「捨てたと言ったのはな、ヤン。あれは嘘だ。………。引っ掛かったな」
「引っ掛かっ…? 最っっ低!!」
 いきり立ったヤンが振り上げた平手をキョウマが掴んで止める。すかさずレジスが、用意した花束をその手に握らせた。
「これで殴るの?」
 違う違う違う。慌てて頭を振るレジス。
「イャトさんのお祝い! 仲直りから始めましょう」
「よせばいいのに余計な事まで言うんですから、女性にこんな風に殴られても仕方ないんですよ?」
 キョウマは苦笑をイャトに向け、「こんな風に」と花束を持つヤンの手を軽く振らせて。
「さあ、仲直りです」 
 手をぱん、と合わせる。憮然と花束を渡すヤンを、それを受け取り目を細めるイャトを、見守る冒険者達。アストリアはぼんやりと思う。
(「何だかんだ言って、これだけの人に世話を焼いて貰ってる2人って幸せよね」)
 花束贈呈に畳み掛けてジェイがにっこり、手彫りの青い小鳥の置物をイャトの掌に乗せた。
「このデコと鳩胸のラインがポイントでさ、幸せを呼ぶ事になってるから」
「はい。これは僕からのプレゼント」
 クロエは、笑みを深めて小さな包みを。イャトが受け取ると出現するシャドウロックは、彼へのちょっとした悪戯心。続けてレネから贈られる櫛は、色々『解けるように』。ナナはしっぽのお手入れ用にとブラシ&オイルセットを。仄かにラベンダーの香りが小瓶から漂う。
 ニューラが添えたのは、先日贈った扇を入れる浅葱色の布袋。そして――
「もうこんな『暇人』に話題を提供するようなことになりませんよう、大事なものはちゃんとしまっておいてください」
 手の平に納まるほどの小さな淡い緋色の巾着袋をその手に受けて、イャトは俯き苦笑を隠す。

「「お待たせしました。ケーキが焼けましたー!」」
「料理も色々あるでござるよ!」
 やがて、明るい声と美味しい空気が運ばれて来た。待ってましたと拍手が起こり、リューシャとシュシュが焼いたシフォンケーキと、クリームたっぷりのバースデーケーキがテーブルに並べられる。隣のテーブルにはバイケンが料理番として腕を振るったディッシュの数々。ティキが祝いに持参したハーブのお茶は酒を飲めない者達にも喜ばれるだろう。
「それで、自分はちゃっかり海水浴? いいねぇ〜」
 にう、とティキの耳を引っ張るシュウはグラスを片手に、乾いた潮を纏わりつかせたティキの髪を見ながら、せっかく炎天下から帰って来る皆の為に氷を用意したのに君一人だけ涼しそうで良いなぁ、と大仰に嘆いてみせた。
「悪者か? 俺は」
 ティキは舌打ちしながら、貝殻を繋げたペンダントを卓上の他のプレゼントに紛れ込ませて置いておく。表に緋淡の貝殻が幾つか縫いつけられた黒灰縞の紬の巾着はハーモニカを入れてもらえればとシュシュから。アリーシャが見つけた白い巻貝も同じく並べられて――
 たたた、と駆けて来たルシエラが酒場の角で壁を背に立つイャトに「はいっ」と差し出すプレゼントは焼きたての桃丸ごとタルトレット。
「桃、嫌いじゃないよね?」
「……ああ」
「良かった!」
 ルシエラの嬉しげな表情はイャトの無表情とは対照的だ。そこへルティスが、リューシャと共にケーキを取り分けた皿をイャトに渡しにやってくる。イャトはタルトを皿に置き、指についた生クリームをぺろりと舐める。
「後でちゃんとヤンに謝っておくのね。言葉にしなければ解らない事もあるわ」
 目を細めて、ルティスからの忠言を受け止めるイャト。ルシエラも拳と瞳に力を込めて頷く。
「そうだよ。せっかくの贈り物、あんな風に言ったら可哀想だもん。ゴメンねって、言えるのが一番!」
「解っている」
 素直ではないと散々陰口を叩かれていた霊査士が、ぽつりと洩らす言葉の一片。
 ルティスとルシエラ、ニューラが並んで見つめる先で、ヤンは友人知人に囲まれ、飲み物と料理を手に手に談笑している。

 シュシュのフォーチュンフィールドが淡く彩る空間にヴィーナの音が響く。ニューラの指と唇から紡ぎ出される祝福の歌声。めまぐるしい一日の暮、明かりが灯る酒場の一角。
「つーわけで、誕生日おめでとね、イャト」
 シュウがさくらんぼ酒のグラスをイャトのゴブレットに軽くぶつけて乾杯。
「「おめでとー」」
 連なる祝いの言葉は否が応にも心に触れる。こんなに賑やかな空気はいつ以来だろう。
 感じ入るように目を伏せて、イャトの唇が形造る言葉。
「……感謝する」
 冒険者達に頭を下げる一礼と共に――始まるささやかなパーティー。


マスター:宇世真 紹介ページ
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星影・ルシエラ(a03407)  2009年12月13日 22時  通報
貝殻をめぐるイャトさんとヤンさんの送り送られの謎な仲良しさが好き☆ 6年前以前二人冒険者だった最初の依頼で、イャトさんがヤンさんに渡したのでしょ。イャトさんの誕生日にああいって渡すなんて、同門だけど…似てるとこあるよねー☆ ルシ飛んでくのがイャトさんだったけど、もっとヤンさんとも遊びたかったなー。
ホイさんとこで遊べるね♪
霊査士になるまでに何かあったんだよね?貝殻戻したのは、訳ありのヤンさんの宣言?