≪息抜き隊♪≫息抜き隊♪の夏休み



<オープニング>


 息抜き隊♪の一行が暮らすシルキス湖に夏がやってきた。
 夕食を終えた、とある晩のことである。
「そう言えば、あの洞窟の奥の水源、調査の方がまだでしたわね」
 緋炎を狩る者・チェリム(a03150)の言葉に、最強乙女・エリオット(a04328)が答えた。
「でも、泉は沈んじゃったんでしょお?」
 それをきっかけに、わいわいと小島について話し始める息抜き隊♪の旅団員たち。全員を制するように、団長のニュー・ダグラス(a02103)が立ち上がって言った。
「よし、引っ越しも一段落したみてえだから、小島についていろいろ調べるとするか」
 にかっと笑ったダグラスの言葉に、全員が頷いた。

「小島……ねぇ」
 霊査士のアリシューザは、ダグラスと傍らの二つお下げの戦乙女・シフォン(a90090)を横目にキセルをくゆらせた。
「小島の洞窟の泉は、水が張ってて入れなくなっちまってるんだが」
「それなら心配いらないよ」
 アリシューザは紫煙を吐いた。
「あたしが『見た』限りじゃ、泉を沈めてる水は、仕掛けを作動させれば抜けるようだね。どこかにからくりがあるよ」
「ホントですか、アリシューザお姉さま?」
 シフォンの問いに頷くアリシューザ。
「一度行ったから分かってると思うけど、深さ数メートルのすり鉢状の低くなった1番底にある泉の回りに、4体の石像があるだろ?」
「ああ、魚の頭をした人間の石像がな」
 ダグラスが答える。
「石像が怪しいかもしれないね。断言は出来ないけど」
「じゃあ、水を抜くためには、泉の底に潜らないと駄目なんですね?」
「そういうことになるね、シフォン」
 アリシューザは、キセルを煙草盆の縁にたたき付けた。
「二人に言っとくことがある」
 アリシューザの言葉に、ダグラスとシフォンは顔を見合わせた。
「泉の奥に、隠し部屋か隠し通路があるはずだよ」
「何だと?」
 ダグラスが真顔になる。
「それが何を意味するのかはあたしには『見えなかった』けどね。それと、そこには怪物が潜んでるから気をつけな」
「怪物……ですか?」
 アリシューザは、キセルに火を入れ直した。
「バカでかいトカゲが2匹いる。体長は3メートルちょいあるね。あたしが『見た』ところ、こいつら、見た目がまるっきりうり二つだから注意しな。でも、2匹はそれぞれ違う特性を持ってる」
「特性?」
「片方は、体液を口から飛ばすよ。大した射程距離はないけど、そいつの体液は猛毒で、食らうと一発でマヒしちまう。もう片方も体液を飛ばすけど、そっちには毒性が全く無い。せいぜいべとべとしちまうくらいだろう。けど、体液は2匹とも全く同じ色をしてる。大した相手じゃなさそうだけど、用心しとくんだね」
「分かった」
 ダグラスとシフォンは頷いた。

「……ていうのが、アリシューザの霊査結果だ。というわけで、みんなそれぞれ準備の方、頼むぞ」
 にかっと漢笑いを浮かべたダグラスの言葉に、一同は顔を見合わせると、それぞれの思いを巡らせた。男子全員褌着用だな、と考える者、やっぱり団長は褌なのだろうかと想像して赤面する者、秘密基地の建設について真剣に考える者、今度の水着はどうしようかと考える者、お弁当のおかずについて思案を巡らせる者。お互いの顔を見つめあってから、相手の手をそっと握って無言で頷く者。一人冷たいお茶をすすりつつ、喰えない老人・ジュラン(a01956)が目を細めて言った。
「ほっほっほ、旅団の夏休みってところかのう」

マスター:氷魚中将 紹介ページ
氷魚中将です。
今回の旅団シナリオの中心舞台は、一応シルキス湖に浮かぶ小島ということになっています。表向きは小島の洞窟調査となっていますが、それにこだわらずに思い思いの夏休みを過ごして下さい。水着着用の方は、出来れば水着の色や形を指定してくれると助かります。怪物トカゲは強くありませんが、御注意のほどを。小島の洞窟については、前回のリプレイを参照して下さい。諸般の事情で、不参加を表明した方の分の参加枠は敢えて開けてありますが、参加は任意ですのでご安心下さい。では、楽しい夏休みをお過ごし下さい(敬礼)。

参加者
明告の風・ヒース(a00692)
陽だまりの風に舞う・シルキス(a00939)
喰えない老人・ジュラン(a01956)
ニュー・ダグラス(a02103)
お日さまの匂い・リトル(a03000)
跳ねっ返りエルフの医術士・ミリアム(a03132)
真白に閃く空ろ・エスペシャル(a03671)
銀の竪琴・アイシャ(a04915)
NPC:二つお下げの戦乙女・シフォン(a90090)



<リプレイ>

「サンタナ、大丈夫か?」
 小島探検に向かう日の朝、ニュー・ダグラス(a02103)は、テントの中で横になっていた氷輪に仇成す・サンタナ(a03094)を見舞っていた。
「夏風邪を引くとは、お前らしくないな。小島探検の方は、俺達だけでも出来るから、アイシャの言うこと、ちゃんと聞いておとなしくしてろよ?」
 ダグラスがにかっと笑ってからテントを出ようとすると、碧藍の瞬き・アイシャ(a04915)と入れ違いになった。
「おはようございます、ダグラス様」
「サンタナのこと、頼むぜ」
「はい」
 にっこりと微笑むアイシャ。ダグラスを見送ってから、アイシャはサンタナの前に腰を下ろすと、自分の額をそっとサンタナの額に当てた。
「あ、アイシャ殿?」
 どきまぎするサンタナに、アイシャはくすりと笑った。
「熱は引いたようですわね? でも、今日はゆっくりしないと駄目ですわ」
 サンタナを寝かせ、冷たい水で絞ったタオルをサンタナの額に置くアイシャ。
「すまぬですじゃ、アイシャ殿。風邪を引かなければ、みんなと一緒に小島探検にゆけたものを」
「私は、サンタナ様とご一緒なら……いいえ、なんでもありませんわ」
 アイシャは恥ずかしそうに微笑んだ。 

「息抜きだぜ、全員集合!」
「全員集合だよ!」
「全員集合なのね!」
 腕を組んで、団員たちに宣言するダグラスに、陽だまりの風に舞う・シルキス(a00939)とお日さまの匂い・リトル(a03000)が、真似をして同じように腕を組んで宣言した。
「ダグ、バルモルトがいないじゃない」
 エルフの医術士・ミリアム(a03132)の言葉に、喰えない老人・ジュラン(a01956)がヒゲを撫でながら答えた。
「バルモルトなら、とっくに小島に渡っとる。秘密基地を作るための大きな木を探すのに忙しいようじゃからな」
「サンタナは風邪で倒れるし、アイシャはサンタナとラブラブだし。全然全員集合じゃないじゃない」
 ぶつくさ言うミリアムに、笑うジュラン。
「ふむ。お主にはラブラブな相手はおらんしのぅ」
「何よ、ジュラン。あたしに喧嘩売るの?」
「ま、頭数は少ねえが、なんとかなるだろうよ」
 にかっと笑うダグラス。
「団長さん、ヒースちゃんがいないのね」
「え? オウヂ様?」
 リトルの言葉に周囲を見回すシルキス。
「ヒースさんは、テントの中で転がってた。夏バテみたい」
 真白に閃く空ろ・エスペシャル(a03671)の言葉にえー?となるシルキス。
「だらしねえなぁ。シルキス、ヒースを呼んでこい」
「ボクが?」
「リトも行くのね」
 リトは無邪気にシルキスの手を引っ張って、ヒースのテントへと走っていく。
「オウヂ様、探検行かないの?」
 シルキスがテントをのぞき込むと、明告の風・ヒース(a00692)はテントの中を転がりながら答えた。
「なんか夏バテしたみたいで」
「ヒースちゃんも行くのね。リトもシルキスちゃんも水着新しくしたのね」
 リトルの言葉に、がばっと飛び起きるヒース。
「ホントですか?」
「とってもとっても可愛いのね。だからヒースちゃんも一緒に行くのね」
「ちょっと、リト。恥ずかしいよぉ」
 顔を真っ赤にしたシルキスが、ヒースの視線におずおずと頷いた。
「い、行きます。すぐ準備します」
 ヒースは、生き返ったかのように準備を始めた。

 小島の中央部にあるタライ・ラマの遺跡にたどり着いた一行は、真っ先に地下洞窟の泉へと向かった。
「やっぱり、水に沈んだままだ」
 エスペシャルが、水の底に沈んでいる泉をのぞき込む。澄んだ泉の底に、4体の石像と祭壇が沈んでいるのが見えた。
「前回は、チェリムが石像を動かしたら水が出たんだよな。となると、また石像を動かすしかないのかねぇ」
 腕を組むダグラス。だがその石像は、数メートル下の水底にある。
「団長、これって潜らないと駄目なんじゃ?」
 二つお下げの戦乙女・シフォン(a90090)が言った。
「じゃあ、ボクが行くよ。泳ぎ得意だし」
「あ、リトも一緒なのね! 泳いでいって、半魚どんを押したいのね」
 シルキスとリトルは水着に着替えていた。リトルは、ちょっぴりワイルドなネイビーのビキニの水着。
「オウヂ様見てみて〜」
 シルキスは、ザリガニのアップリケのついたパステルグリーンのワンピースの水着だった。
「か、可愛いですね」
 直視出来ず、真っ赤になるヒース。
「何を赤くなっとるんじゃヒースは」
 ジュランは赤い褌姿だった。その隣でにかっと笑うダグラスは、虹色に輝く褌を締めていた。
「ヒース。お前も潜るんだぞ?」
 ダグラスが虹色の褌を差し出すと、ヒースは飛び退いた。
「褌は勘弁して下さい。それに水着はもう着てます」
「そうか」
 残念そうに肩を落とすダグラス。
「シャルは水着着てないの?」
 シフォンの問いに、エスペシャルは答えた。
「んー、私はいいや」
「シャルちゃんも、そんな暑苦しい恰好してないで水着になればいいのね」
 と、リトル。
「水着忘れたのか? なら、こいつを貸してやるぞ?」
 ダグラスが虹色の褌を差し出したのを見て、いつもはあまり感情を見せないエスペシャルの頬が引きつった。
「エスペシャルに褌なんてかわいそうよ。団長じゃあるまいし」
 エスペシャルをかばうミリアム。
「潜る時は、このまま、潜るから」
 不思議そうな顔をしていたダグラスだが、にかっと笑うとそれ以上の詮索をやめた。
「よし、じゃあ泉に潜るぞ。何が起こるか分かんねえから、気をつけろよ。命綱を付けてもらって、先に……」
「行ってきまーす」
「シルキスちゃん、待ってなのねー」
 ダグラスの背後で、泉に飛び込むシルキスとリトル。
「行っちゃった」
 シフォンとエスペシャルは、顔を見合わせた。

 泉の水はとても冷たく、頭がじんじんする、とリトルは思った。シルキスと二人で巧みに潜り、人の手が加えられたすり鉢状の、石畳が敷かれた泉の底にたどり着くと、リトルは四つある石像の一つに取りついた。石像を押してみるが、水中なので思うようにいかない。一つ目はどうやっても動く様子がなく、息が苦しくなってきたので一度水面に浮かび上がる。
「全然動かないのね。また、頑張るのね」
 リトルはそう言うと、再び水底に潜る。シルキスは、リトルよりも長く潜っていた。一つ目の石像を押し押ししてみるがやはり動かない。二つ目の石像に取りついたときだった。シルキスは右足に違和感を覚えた。
(「足が攣った?」)
 水面に上がろうとしたシルキス。だが、思うように動かない。沈み始める体が言うことを聞かず、パニックになる。
「シルキスの様子が変じゃ!」
 異変に最初に気づいたのはジュランだった。カンテラの明かりの向こうで、シルキスが上がってこない。
「僕が行きます!」
 短パンの水着姿のヒースがためらうことなく泉に飛び込んだ。一直線にシルキスの元へと泳いでいくと、もがき始めたシルキスの体をしっかりつかみ、浮上を試みる。もがくシルキスが、ヒースの両腕をつかみながら、石像の頭に左足をつけて蹴った。足元でなにかがずれるような感覚と、何かが動いたような、ズンという音がした。水面に飛び出すヒースとシルキス。シフォンとエスペシャルがヒースに助け出されたシルキスをひっぱりあげる。事態に気づいたリトルも水面に出ると、泉を上がった。
「けがはない? シルキスちゃん?」
 医術士らしく、ミリアムがてきぱきとシルキスを手当てする。左足に傷を見つけると、癒しの水滴で回復させた。
「良かった。シルキスさん良かった」
 本気で涙ぐむヒース。シルキスは、目をぱちくりさせてから、自分を助けてくれたのがヒースだったと初めて理解して、みるみる赤くなった。シルキスが何か言おうとした時だった。
「あ、水が、引いていく」
 エスペシャルの言葉に、全員が泉を見た。音もなく水が引いていき、やがて全く水がなくなってしまった。
「リトは石像動かしてないのね」
 ぺたんとへたり込むリトル。
「まあ、結果よければ全て良しじゃろうて」
「それもそうだな。よし、下りるか!」
 何事もなかったかのように、ジュランとダグラスが泉へと下りていく。
「ジュラン待ってよ!」
「わーい、リトも行くのね」
 ミリアムとリトルが慌ててそれに続き、シフォンとエスペシャルは頷くとランタンを手に下りていく。取り残されるシルキスとヒース。
「大丈夫ですか、シルキスさん?」
「うん。あのね……助けてくれてありがとう、オウヂ様」
 見つめあうシルキスとヒース。ヒースは、シルキスの手をそっと握った。
「水も引いたみたいだし、行きましょうか」
「うん!」
 二人は、手をつないで泉へと下りていった。

 静かな湖畔の岸辺に、アイシャの涼やかな歌声が響く。
 みんなが帰ってきてからいつでも食べられるようにと、湖岸にスイカを浮かべるアイシャ。鳥のさえずりと、湖岸を吹き抜けるさわやかな風のさざめきを聞きながら、アイシャは小島を見つめた。
「皆さん、大丈夫でしょうか」

「隠し扉ってどこだ?」
 泉の壁を調べるダグラスが首をひねる。
 水が引いた後、一同は隠し通路か隠し部屋に通じる入り口を探していたが、それらしいものは全く見つかる気配がなかった。
「ここにも、変な出っ張りがあるのね」
 リトルがそれを見つけたのは、祭壇の側面だった。魚の頭をした人間が刻まれた、小さなレリーフ。それは、周りから数センチでっぱっているようにも見えた。
「これも押してみるのね」
 リトルは、レリーフを押してみた。どこかでカチリという音がすると、リトルの足元で、鈍い音と共に、祭壇の目の前の床が沈み始めた。
「団長ー! 床が沈み始めたのね!!」
 リトルの言葉に、全員が集まってきた。祭壇の前に、さらに下に続く階段が忽然と姿を見せた。
「ほほう、床下か! これはとんだ盲点じゃ」
 ジュランが驚いた表情を浮かべる。エスペシャルがランタンを掲げてのぞきこむと、階段は下りきった先で先に続いているように見えた。
「んー、この下に秘密墓地が?」
「この奥にトカゲちゃんがいるんだよね?」
 シルキスの言葉に、うなずくヒース。
「団長はどう思います?」
「おそらくこいつが、隠し部屋だろうな。よし、気をつけて入るぞ」
 
 隠し部屋の階段は、10段ほど下りたところで奥に続いていた。それからほとんど行かないうちに、あっさり隠し部屋に出た。
「うわぁ……」
 驚きの声をあげるシフォン。そこには、壁一面に絵が刻まれていた。部屋全体はどうなっているのかと、シフォンが明かりを掲げたときだった。部屋の隅で、ずるりと何かを引きずる音がして、2匹の大きなトカゲが現れた。長い間光にさらされていなかったのか、薄汚れた白い色をしている。紅の瞳がいやに大きく見えた。
「出やがったな!」
 ダグラスの言葉に、全員が身構える。
「ホントに、うり二つだ」
 呟くエスペシャル。
「どっちかが毒持ちのはずじゃ、気をつけるんじゃぞ」
 ジュランの言葉に、剣を抜くシルキスとリトル。
「任せてなのね」
「ボク、獣の歌でどうしてここにいるか聞いてみるね」
 シルキスは、獣の歌を歌い始めた。だが、シルキスの歌をまるで無視するかのように、2匹のトカゲは、一同目掛けて突っ込んできた。マンゴーシュを抜いたエスペシャルが、トカゲ目掛けてダッシュする。
「エスペシャル、無茶するな!」
 ダグラスの警告に、エスペシャルは無言で頷きつつトカゲに接近する。トカゲの一匹が、透明の体液を飛ばす。だが、エスペシャルはよけようとしなかった。体液は、エスペシャルにそのまま命中した。
「ん……こっち……だった」
 エスペシャルは、がくりと膝をついた。
「シャル!!」
 飛び出すシフォン。エスペシャルは、毒の体液を飛ばしてきたトカゲ目掛けてマンゴーシュで切りつけた。それは、トカゲの体をかすめただけだったが、白い体に鮮血がにじんだ。
「そっちなのね!!」
 リトルが、毒液を飛ばしたトカゲ目掛けて、小さな袋を投げつけた。トカゲの頭に命中した袋が、赤い粉を飛び散らせ、真っ白いトカゲが赤い粉まみれになった。麻痺したエスペシャルをひきずって後退するシフォン。ミリアムが毒消しの風で、麻痺を回復させた。
「これでもくらえ!」
 ダグラスが放った気高き銀狼が、粉まみれのトカゲを押さえ込む。ヒースが、のたうつトカゲ目掛けて、貫き通す矢を撃った。体を貫かれたトカゲに、リトルが電刃衝を振り下ろすと、毒トカゲは動かなくなった。
「残るは一匹のみじゃな」
 ジュランのエンブレムシャワーが、トカゲに浴びせられると、動きの鈍ったトカゲに、シルキスのスピードラッシュが叩き込まれた。トカゲは、大きく体を震わせると、そのまま息絶えた。
 麻痺から復活したエスペシャルが、隠し部屋に刻まれた絵を見上げた。魚の頭をした人間たちが、祭壇に何かを捧げる儀式を模したような、そんな感じだった。
「はるか昔に、ここで儀式か何かが行われていたのかもしれんのう」
 ジュランが言った。
「魚の頭を姿をした人なんて、見たことないよ?」
 シルキスの言葉に、ダグラスが答えた。
「きっと、こいつぁはるか昔に作られたものなんだろうな……それにしても、結局何も出てこなかったな」
 少しだけ不満げなダグラス。
「でも、夏休みの探検は楽しかったのね」
 リトルが言うと、一同の顔に笑みが浮かんだ。
「そろそろ戻るとするかのう。アイシャがスイカを冷やして待ってるころじゃろうて」
「そうだな。今日はこの辺で戻るとすっか」
 ダグラスは、探検の終了を宣言した。

 小島探検を終えた一行を待っていたのは、とりあえず体調が回復したサンタナと、アイシャの笑顔、そして湖の冷たい水で冷やされたスイカだった。
 スイカを幸せそうにほお張るシフォン。並んでスイカを食べるリトルが、スイカの種を飛ばしては喜んでいた。湖岸では、虹色の褌を締めたダグラスが、ヒースとスイカ割りの勝負をしていた。ヒースが負けると、虹色の褌を締めなければならないとあって、ヒースは真剣な表情で目隠しのままスイカ目掛けて棒を振り下ろす。
「頑張って、オウヂ様!」
 ヒースの一撃は、見事にスイカに命中した。悔しがるダグラスと、歓声を挙げて喜ぶシルキス。その様子を麦茶をすすりながら眺めるジュラン。
「ミリアムさん、お夕食作る、お手伝いお願いしますね」
「うん。任せて!」
 アイシャと共に夕食の準備を手伝い始めるミリアムが、エプロンを手に取った。

 夕焼けに染まる湖岸の岸辺に、一人たたずむエスペシャル。
 水面に反射する夕陽に目を細めながら、波打ち際に揺れる自分の影が動く様子を、ぼんやりと見つめていた。
「シャル、一人で何してるの?」
 シフォンに話しかけられたエスペシャルは、答えた。
「んー、遊んでた」
 え?となるシフォン。
「もうすぐご飯だよ」
「うん、今行く」
 エスペシャルは、沈む夕陽を見て目を細めると一人呟いた。
「また、明日ね」


マスター:氷魚中将 紹介ページ
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