≪初心者集団『蒼』≫農園倶楽部の攻防!



<オープニング>


●団長の憂鬱
「またですか……」
 『農園倶楽部』と書いてある立て看板。
 その横で、1人佇み溜息をつく賓人之武人・スカイ(a07708)。
 農園を見つめるその姿には、何だか哀愁が漂っていて……。
「どうした? スカイ」
「あ……シギルさん。見て下さいよ、あれ」
 後ろから聞こえて来た白夜の射手・シギル(a90122)の声に振り返り、スカイが悲しげに農園を指差す。
 シギルは言われるままにその先を見て……。
「こりゃまた随分派手にやられたなぁ……」
 旅団・初心者集団『蒼』の中にある『農園倶楽部』はそこそこ規模ある農園だ。
 団員達によって日々丁寧に手入れがされているのだが、それにも関わらず最近何者かによって荒らされると言う事件が頻繁に起きていた。
 残っている足跡や作物の食い荒らされ方を見るに、犯人は獣であることは判っているのだが……。
「何とかしなくちゃですよね……」
 溜息混じりにスカイが呟いた時。
「スカイ兄ちゃーん!」
 後方から子供達がトテトテと走って来る。その手に抱かれているのは、1匹のウリ坊で。
「どうしたんですか? この子」
「うん。怪我してるみたいだったから、連れて来たの」
「そしたらね、他にも5匹、小さいイノシシがついて来ちゃったんだ」
「あっちにウリ坊がたーくさんいたんだぜ!」
 スカイの問いかけに矢継ぎ早に答える子供達。それに、彼はにこにこと笑って頷いて。
「そうですか。皆エライですね! じゃあ、この子は旅団で手当てして……」
「……待て。スカイ。この足の形……」
 そう言いかけたスカイの言葉を遮るように、シギルが呟く。
 シギルの目線の先……ウリ坊の足を、スカイも見て。
「あ! 畑に残っていた足跡と似てますね」
 彼の言葉にシギルが頷いて、子供達を覗き込む。
「なあ、お前達。このウリ坊どこで見つけたんだ?」
「あっち」
 子供達が指さした先は、犯人の足跡が続いていた方向と同じで。
「うーん。このウリ坊は犯人の手掛かりになりそうですね……」
 呟くスカイ。そして彼の心に、ある1つの決意が宿るのだった。

●農園倶楽部の攻防!
「さて、皆さんに提案があります」
 場所は変わって旅団・初心者集団『蒼』本部、秘密の集会所。
 スカイは早速団員達を集め、会合を開いていた。
「皆さんもご存知の通り、最近何者かによって農園が荒らされています。このままでは、旅団の名誉に関わりますし、何よりここに出入りする子供達に危険が及ぶかもしれません」
 言葉を切って、仲間達を見渡す彼。その顔には気合が漲る。
「今迄何もなかったのに、最近被害が出るようになったのには何か原因があるはずです。……僕はそれを解決したい。皆さんの力を貸して下さい!」
「よっしゃ。良く言ったスカイ。俺も協力するぜ」
 スカイの熱弁にニヤリと笑うシギル。
 旅団の仲間達もそれに力強く頷いて。
 ……こうして、初心者集団『蒼』の威信と旅団内の安全を賭けた、農園倶楽部を守る戦いが幕を開けるのだった。

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参加者
裏方活動家・シャーリー(a05234)
業の刻印・ヴァイス(a06493)
蒼之賓人・スカイ(a07708)
リザードマンの吟遊詩人・コロ(a08028)
蒼き鱗の蜥蜴・フィル(a08462)
ルードボーイ・ヒュー(a09996)
百之武・シェード(a10012)
そよ風が草原をなでるように・カヅチ(a10536)
ヒトの武道家・パラナ(a11184)

NPC:白夜の射手・シギル(a90122)



<リプレイ>

●迎撃準備
 初心者集団『蒼』内、農園倶楽部。
 綺麗に区画されたそこには様々な農作物が植えられ、季節や時期によって違った様々な実りを見せてくれる。
 しかし、今は少しばかり事情が違っていて。
「食い物荒らしやがって、許せねぇな。ブチブチしばいてやらぁ!」
 無残に荒らされた作物を見て、吼える闘争のハイブリッド・ヒュー(a09996)。
「……って、言いたいとこなんだけど。なーんか裏がありそうなんだよなぁ」
 意気込んでいたかと思えば、突然考え込んだりして。
 コロコロ変わるヒューの表情に、仲間達から苦笑が漏れる。
「ふむ。しかし、ウリ坊達だけ姿を現すっていうのは何故でしょう?」
「さぁ……どうしてかしらね」
 ふと思いついたように呟く未来の護り手・シェード(a10012)の言葉に、裏方活動家・シャーリー(a05234)もまた考え込んで。
 多分、ウリ坊も畑を荒らす奴も、何らかの被害に遭っているに違いないとは思う。
 しかし、下手に情けをかける事は許されない。
 こちらにも生活と信用、そして旅団に出入りする子供達の安全もかかっているのだから。
「最悪の場合は排除……しかないかな」
「できれば血を流さず済ませたいですけどね」
 続いた蒼き鱗の蜥蜴・フィル(a08462)の呟きに、シェードが頷いて。
「とりあえず、事件の背後関係は調査班に任せて、私達は目先の仕事に集中するとしましょう」
「だな! ウダウダ考えてても仕方ねーもんな!」
 シャーリーの言葉に腕まくりをしながら答えるヒューは、考えるより行動する方が得意らしい。
「そうと決まれば、ホラ。これ持って」
「何? コレ」
「えーと。地域住民の方に融通して貰った網ですよね?」
 首を傾げるフィルとシェードににっこりと微笑み返す彼女。
「そ。これで罠張るのよ。手伝ってちょうだいね」
「そうかそうか。頑張れよ、若者」
 それまで彼女達の話を黙って聞いていた白夜の射手・シギル(a90122)。そそくさと立ち去ろうとする彼の耳を、シャーリーがむんずと捕まえる。
「あんたも手伝うの!」
 ……彼女は、どこまでもしっかりした人のようだった。

 一方。
 初心者集団『蒼』内、秘密の集会場。その一角。
「わーっ。危ないったらーっ!」
 走っては壁にぶつかるウリ坊達を慌てて捕まえるヒトの武道家・パラナ(a11184)。
 彼らは落ち着く事なく動き回っていて。
「元気ですねえ」
「ああ、元気なのはいい事だな」
 まったりとその光景を眺めつつ呟く優雅なる冷酷・カヅチ(a10536)と業の刻印・ヴァイス(a06493)。
「あのー。お話始めたいんですけどー……」
 そして、賓人之武人・スカイ(a07708)の声が虚しく流される。
 ポロロン……。
「君達に聞きたい事があるんです。いいですか?」
 そんな中、突如響いたリザードマンの吟遊詩人・コロ(a08028)のリュートの音と優しい歌声。
 それにウリ坊達が一斉に振り返り。
 それを好機と見て取ったスカイが、慌ててウリ坊に話し掛けた。
「ええと。君たちは、以前ここの農園に来た事があるのですか?」
 その言葉をコロが獣達の歌に乗せると、ウリ坊達は頷いて見せて。
『ぅん。おとぅさんと一緒に来たんだょ』
「……お父さん? お母さんではなくて?」
 カヅチの問いかけの歌にも、彼らはこくこくと頷く。
 猪はメスが集まって群れを作る動物だ。
 ウリ坊達が単独行動の父親と一緒にいる事はまずありえない。
 それだけでも、猪達に何か異常な事態が起きているのが判る。
「ウリ坊の怪我は、擦り傷と切り傷だったな……」
「打撲もしてるみたいだよ」
 考え込むヴァイスに、パラナが怪我したウリ坊の包帯を変えてやりながら答える。
 切り傷は抉れた感じから見て、刃物のような鋭利なものではなく、棘や角、牙と言ったもので傷つけられたと言うのがヴァイスの見立てだ。
「農園に残ってた足跡も、不自然だったよね……」
 続いたパラナの呟きに、彼は頷く。
 畑に残っていた足跡は確かに猪のもの。争ったような後はなく、歩いたものである事には間違いないが……それに加えて、何かを引きずったような跡が残っていたのだ。
 その『何か』は場所を考えても農作物以外には考え難い。
 農作物を引きずって、何処に持ち去っていると言うのか……。
「……畑の作物を食べているのは君達ではないんですね。じゃあ、誰が食べたのか知っていますか?」
 ヴァイスがそんな事を考えている間も続く獣達の歌。カヅチの問いに、ウリ坊達はお互いの顔を見合わせたまま黙り込んでいる。
「その怪我はどうしたんです? 何かに襲われたんですか?」
 続く彼の問いを乗せた歌に、やはり何も答えないウリ坊。
 どことなく怯えたような雰囲気を感じて、スカイとカヅチも顔を見合わせる。
「……一緒に来た大人の猪は何処にいるのですか?」
「お母さんはどうしたんです?」
『……ママは捕まってるょ』
 怯えさせないように、極力優しく。スカイの問い(コロ通訳)とカヅチの歌に、ウリ坊はポツリと答える。
「何だって……?」
 思わず漏れるヴァイスの呟き。
 単純に腹を満たす為なら、その場で食べて帰った方が効率がいい。
 にも関わらず農作物を運んでいる理由……それが、見えた気がして。
 冒険者達の中で、疑問符のパズルが形を成して行く。
「ママは誰に捕まってるのかな?」
『……すごくおっきい仲間なんだょ』
『すごーく強くて、恐いんだょ……』
「仲間って、猪のか?」
 パラナの質問(コロ通訳)に口々に答えるウリ坊。続いたヴァイスの言葉(カヅチ通訳)にもコクリと頷く。
「君達のお母さんが捕まってるところは、どこだか覚えてますか? 案内できる?」
『たぶん……』
 スカイの言葉を乗せたコロの歌に首を傾げて暫く考えた後に、頷くウリ坊達。
 何だか頼りない返答だが、子供の記憶力だ。仕方ないのかもしれない。
「ふむ……防衛班の者にも伝えて、明日そこに行ってみる事にしようか」
「はーい! ボク、皆に伝えてくるーっ」
 ヴァイスの呟きに大きく挙手。パラナが集会場を飛び出して行った……と思ったら、程なくして戻って来る。
「あれ? パラナさん、どうしたんです?」
「あのねー。何か、農園の方が騒がしいんだよー」
 リュートを構えたまま首を傾げるコロに、彼女はあっけらかんと答えて。
「ああ、そうなんです……ええっ!?」
 それを聞き流しかけて、ガビーン! とするスカイ。
 何やら、事件は急展開を迎えているようだった。

●猪突猛進・一網打尽
 場所は戻って初心者集団『蒼』内、農園倶楽部。
「いっちょあがりィ!」
「ああ……皆でお酒でも飲みながらゆっくり犯人のお出ましを待っていようと思ってたのに……」
 夕暮れ時。夕日をバックにビシッ! と決めるヒューに、シェードの哀れっぽい呟き。
「……何か言った?」
「いいえ。何でもございません」
 シャーリーの睨みに、シェードは慌てて微笑みを返す。
「早めに罠を張っておいて正解だったね」
 そんな2人のやり取りに笑いを堪えながら言うフィル。
 そう言う彼の目線の先には、網の中にいる3匹のオス猪。
 防衛班の面々は、事前に張った罠が功を奏して侵入者の捕獲に見事成功していた。
 集めた網と紐を引っ張ればシャッターが開くように細工したカンテラを猪の足跡が残っていた場所を始点に囲うように張り巡らせ、通り道と思われる場所はあえてあけておく。
 こうする事で、猪の侵入経路を1つに限定させたのだ。
 その上で、猪達が侵入し終わるのを待ち、完全に入り込んだところでシャーリーが入口にアビスフィールドを展開。
 怪しい雰囲気を発生させ退路を遮断し、シェードが畳み掛けるようにカンテラのシャッターを開けて。
 アビスフィールドと灯りに怯えた猪をじわじわと中心に追い立て、網を狭めて行き……投網を放って一気に捕獲したのだ。
 1匹、恐怖のあまり突進して来た猪が居たが、それはシェードの投げとヒューの杖の一撃で目を回している。
「あー。別にあんた達を鍋にしちゃおうって訳じゃないのよ」
「手荒な真似をしてしまってごめんよ」
 網の中から怯えた目を向ける猪達に声をかけるシャーリーとフィル。
 しかし、それは通じるはずもなく……シェードが獣達の歌に乗せる。
 ヒューがそれを、ジロジロと眺めて。どうやら、彼はこのアビリティを見た事がなかったらしい。
「あなた方は何故ここへきたんですか?」
 そんな彼を、面白いな〜とか思いつつも口には出さず、シェードは歌を続ける。
 念の為にシャーリーが猪達にヒーリングウェーブをかけてやると、少し警戒心を解いたらしい。彼らは素直に語り出した。
『アイツに……餌を取って来いって言われたチョー』
「……アイツ? 餌に困ってここに来ている訳ではないんですね?」
『そうだチョー。アイツ、群れのメス達を囲ってて……それで仕方なくなんだチョー』
 シェードの歌に、口々に答える猪達。
 その会話を、ヒューが目を輝かせて見つめていて……相当、獣達の歌が珍しいようだ(ぇ)。
「ふむ……何か、深い事情があるようだね」
「みんなーっ! 大丈夫ーっ!?」
 考え込むようなフィルの呟き。
 そこへパラナが凄い勢いで駆け込んで来て……勢いが良すぎて止まれず、そのままヒューに頭から突っ込む(ぇ)。
 絡まり合って倒れた2人をシギルが引きずり起こしたところで、残りの仲間達も到着と相成り。
 そして、その場で情報交換が始まって。
「そうですか。……ウリ坊達と言ってた事とほぼ同じですね」
 シェードの話を聞き終わったカヅチがうんうんと頷く。
 冒険者達はコロに通訳して貰い、ウリ坊達は旅団の仲間達が責任を持って保護している事、可能なら猪達と共生して行きたい事を伝えた。
 その上で、ウリ坊達曰く凄く大きい仲間の事を詳しく聞くと、オス猪達は冒険者達を敵ではないと認識したのだろう。彼らはポツリポツリと語り出した。
 アイツは、仲間達の中でもずば抜けて身体が大きくて、力が強い事。
 仲良く暮らしていたのに、ある日突然大怪我をして帰って来て以来様子がおかしい事。
 メス猪を囲い込み、オス猪達はおろか、ウリ坊達でさえ近づけさせない事。
 彼らは、アイツに命令されてメス猪の為に餌を運んでいた事。
 囲われている仲間を助けたいが、自分達では力が及ばない事……。
「ふぅん。猪の世界にも色々あるのね」
 猪達の身の上話に、溜息をつくシャーリー。
「要は、その大きくて強くて恐い猪を何とかすればいいって事か?」
「……そうでしょうね。聞いた感じ、原因はその猪のようですし」
 聞いた話を整理しつつ言うヴァイスにシェードも頷く。
「何でそんな事するのかな? ボク、その猪さんにお話聞いてみたいな……」
 少し悲しそうに言うパラナ。コロとカヅチもそれに頷き、意見を求めるように仲間達を見渡して。
「おう。どーしようもなく悪いヤツなら俺がシバいて根性叩き直してやらぁ!」
 それに答えるかのようにヒューが意気込むと、フィルはやれやれ、と言った感じで肩を竦めつつ、異存はない事を告げた。
 スカイは仲間達の意思を確認すると猪達に向き直り、その顔をそっと覗き込む。
「僕達はこの農園を、旅団の安全を、そして君達の生活も守りたいんです。その為に……アイツのところに案内してくれませんか?」
 真摯なスカイの言葉(コロ通訳)、そして静かな決意を胸に秘めた冒険者達。
 それを見た猪達は、力強く頷いたのであった。

●孤高の猪
 その猪は、独り。小高い丘の上に佇み。
 ――翌日、オス猪達に案内され、大きな猪の元を訪れた冒険者がまず見たものは、そんな光景。
 威圧するような雰囲気。2mを超える巨体にはいくつもの傷跡。
「あの……こんにちは!」
 意を決して話し掛けるパラナ(コロ通訳)。
『……あいつ等も俺を裏切ったチョ』
 素直に挨拶が返って来るとも思っていなかったが……意外な返答に冒険者達が驚いた顔をすると、大きな猪はブヒ、と鼻を鳴らした。
『仲間達に頼まれて、俺を殺しに来たんだチョ? やるならやるがいいチョ。俺もそう簡単にやられはしないチョ!!』
 そう息巻いて、突撃の体勢を取る巨大猪の目は、恐怖と憎しみ、そして諦めのようなものが入り混じって。
「待って下さい! 私達はあなたを殺しに来たんじゃありません!」
『嘘だ! 信じないチョ!!』
 敵意はないと、両手を広げるカヅチの必死な歌に、猛然と言い返し、問答無用とばかりに突撃して来る巨大猪。
「聞く耳持たずか……仕方ない」
「皆、下がっとけ!」
 ヴァイスとヒューが仲間達を庇うように立ち塞がると、それに合わせたように響くシェードの紅蓮の咆哮。
 巨大猪は成す術もなく、その場に凍りついた。
「全く、こんなに怪我で動き回ったりして……」
 巨大猪の身体のいたるところに残る傷。そして比較的新しい傷や化膿している傷を見て取って、シャーリーが呆れた声をあげてヒーリングウェーブをかける。
『……何故、殺さないチョ』
「僕達は、あなたが囲っているメス猪さんを解放して欲しい、とあなたにお願いしたいだけなんです」
「……仲間や人間が信じられなくなってるみたいだね」
「一体何があったのか……と聞いても、答える気はありませんか」
 スカイの言葉(コロ通訳)、そして続いたフィルの言葉(カヅチ通訳)とシェードの歌に彼は何も答えず、ただ悔しそうに瞳を閉じる。
『……メス猪共は解放してやるチョ。それでいいんだチョ……?』
 巨大猪は頑なに閉じていた目を開けると、それだけ搾り出すように告げた……。

 麻痺から復帰すると、巨大猪は再び冒険者に攻撃をして来る事はなかった。
「……また、会ってくれますか!?」
 静かに立ち去ろうとする猪の背に声をかけるスカイ(コロ通訳)。
『ぶぎゅるるるーー!!』
 森の中に、巨大猪の嘶きが木霊して……。
「何て言ってたの?」
「……また来るそうです」
 首を傾げるシャーリーに、にっこり笑って答えるコロ。
 巨大猪の心の傷は深そうだが、また会ってくれるのなら。
 いつかきっと判り合えるはず……。
 冒険者達はそう信じて、明るい足取りでその場を後にするのだった。

 そして。
「なかなかなお手並みだったじゃないか」
 新人の監督と言いつつ、結局何もしなかったシギルに、仲間達からジト目が向けられる。
「そう言えばシギルさん、女性の口説き方教室を始めたって聞いたんですけど。本当ですか?」
「ま、待て。身に覚えがないぞ!?」
 スカイの言葉。必死に弁解するシギル。彼に、更に集中する仲間達のジトーーッとした目線。
 こちらの誤解を解くのもなかなか骨が折れそうだった……。

 こうして、冒険者達の活躍によって、農園倶楽部と旅団内の安全は無事に守られた。
 そして、これ機に旅団に沢山のウリ坊が遊びに来るようになった事は、嬉しい事件で。
 今度巨大猪に会ったら、お礼を言わなくちゃ、と。
 そう心に誓う一同であった。


マスター:猫又ものと 紹介ページ
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作成日:2004/09/11
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