≪幻想旅団『朱月の宴』≫ミュージカルを貴方に☆ 〜スノーホワイト〜



<オープニング>


「ふう、こんなもんじゃな……」
 そう呟いて、羽ペンを置く輝石の皇子・クウォーツ(a00767)。
 お茶をすすって、溜息1つ。目の前に置かれた羊皮紙から目を離し、遠くを見る。
 彼は今日も旅団管理に奔走しつつ、ある計画を進めていた。
 ――不良団長が新婚旅行と抜かして旅団を飛び出して行って早2ヶ月半。
 3ヶ月で帰って来ると言っていたが……ハッキリ言ってアテにならない。
 それでもその間、旅団は変わらず維持しなければならないし、何よりあの不良団長が戻って来た時に『頼りない』と思われるのは、ものすごーーーーく! 不本意かつ癪だ(ぇ)。
 仕事も旅団管理もこの企画も、しっかりと進めなければ……。
「ゅ……クウォ。だいじょうぶ……?」
 綿雪の人形姫・ドール(a02765)にひょこっと顔を覗き込まれて、我に返るクウォーツ。
 知らぬうちに表情が険しくなっていたらしい。心配そうな顔をしている彼女に、大丈夫だと言う意味を込めて微笑み返す。
「それ……なぁに……?」
 可愛らしく小首を傾げているドールの指先を目で追うと、テーブルに置かれた羊皮紙の山。
「ああ……これか? 今度のミュージカルの台本じゃ」
「……ミュージカル、やるの?」
 クウォーツから羊皮紙の山……台本を受け取るドール。
 表題には『スノーホワイト』と書かれていて。
「ぅ……?」
 ページをめくると、すぐに自分の名前を見つけて。彼女は大きな目でクウォーツを見上げる。
「……ドールを主役に据えたいんじゃが。どうじゃろう?」
「……ゅ……みんなも、いっしょ?」
「ああ。みんな一緒じゃ。王子役はシャルム。鏡の悪魔役は……何故かポチョムキンじゃがの」
 今度は反対側に小首を傾げたドール。それにクウォーツが答えつつ……反射的に髭執事の顔が思い浮かんで、また眉間にしわが寄る。
 真面目にやらなかった日にはシメる……とか。そんな物騒なことを考えて。
「……クウォ、何だか大変そうだから……ドール……お手伝いする……」
 それを悩んでいると判断したのか、真剣な顔で言うドール。
 クウォーツはその返答にほっと安堵の溜息をついて。
「ありがとう。主役は決定じゃな……と言う訳で。おぬしも手伝え」
 そしてそのままくるりと振り返って。後ろで2人の様子を見ていた白夜の射手・シギル(a90122)に声をかける。
「んー? それは構わないが……裏方でいいんだろ?」
「いや、おぬしは王様の役じゃ」
「は……? 聞いてねーぞ!?」
「当たり前じゃ。今決めたのだからな。台本をしっかり読んでおけ」
 そう言って彼に本を投げて渡すクウォーツ。
「さて、忙しくなりそうじゃの……」
 続いたシギルの抗議など知らん振り。
 こうして、出演者の様々な思惑や事情を乗せて、幻想旅団『朱月の宴』の第3回公演が幕を開けるのだった。

マスターからのコメントを見る

参加者
笑顔の舞娘・ハツネ(a00196)
トマトなお姫様・ロザリンド(a00198)
風睡星・クゥリッシュ(a00222)
蒼輝の珠玉・クウォーツ(a00767)
竜翼の聖女・シノーディア(a00874)
天真爛漫颱風・シャルム(a00964)
白髭卿・ポチョムキン(a01214)
邪神・ドラゴ(a02388)
綿雪の人形姫・ドール(a02765)
伝説の白鱗・ゴードィ(a07849)
饗宴の思索者・アレクサンドラ(a08403)
桃百合の四葉姫・メルクゥリオ(a13895)
NPC:白夜の射手・シギル(a90122)



<リプレイ>

●本日公演! 『スノーホワイト』

 幻想旅団『朱月の宴』第3回公演!
 美しい小さな姫、スノーホワイトの運命や如何に?

 スノー・ホワイト
 綿雪の人形姫・ドール(a02765)
 異国の王子
 天真爛漫颱風・シャルム(a00964)

 鏡の悪魔
 執事髭の・ポチョムキン(a01214)
 国王
 白夜の射手・シギル(a90122)
 王妃
 天翼の聖女・シノーディア(a00874)

 7人の妖精
 風睡星・クゥリッシュ(a00222)
 気ままな銀の風の術士・ユーリア(a00185)
 笑顔の舞娘・ハツネ(a00196)
 トマトの・ロザリンド(a00198)
 ハマ一・ドラゴ(a02388)
 誇り高き白鱗・ゴードィ(a07849)
 饗宴の思索者・アレクサンドラ(a08403)

 旅の商人兼ナレーション
 清純なる乙女の祈り・メルクゥリオ(a13895)
 ひよひよさん
 空色の風・トウキ(a00029)

 演出
 輝石の皇子・クウォーツ(a00767)

「ふう。なんとか無事に公開を迎えられそうじゃな……」
 大きく張り出されたポスター。そして集まって来る観客を覗き見て、クウォーツが溜息をつく。
 そんな彼が居るのは舞台袖。舞台裏では、出演者達が準備に忙しく。
「可愛い?」
「ひよひよ♪」
 お花をあしらったミニドレスを身に纏い、回って見せるクゥリッシュに、ひよこ着ぐるみのトウキが頷く。
「急で少しびっくりしたけれど、たまにはこういうのも良いかもしれないわね……」
「ドールちゃんの着替えも順調に進んでますよ」
 思案げにそんな事を呟くシノーディアと着替えを済ませ、まさに妖精のようなユーリア。
 そして、熱心に台本の読み合わせをしているゴードィとアレクサンドラに、クウォーツは満足そうに目を細める。
 今回はかなり良い出演者が集まっている。正直とても嬉しいのだが……。
「油断しておれないところがなんともじゃ……」
 ぽそりと呟く彼の目線の先には。
「あたいのキュートでチャーミングな魅力で観客達をばっちり魅了するのだ☆」
 とか、気合十分なロザリンド。
 そして……。
「うーん。王子様に見えるかな?」
「ご立派でございますぞ!」
 髪を束ね、大きなマントを羽織ってポーズを決めるシャルムは、元気な王子様と言った感じで。それを見たポチョムキンがよよよと感涙に沈む(ぇ)。
 そんな髭執事の姿を見て、深々と溜息をつくクウォーツ。
 肩を突付かれて振り返ると、そこにはウェディングドレス姿のハツネが立っていて。
「うふふ。僕にお任せ♪ ……だよ♪」
 満面の笑みを浮かべる彼女に、彼も微笑み返し。
 ――その一方で。
「うぉおぉ!? 拙者の壮大な計画がああぁ!?」
 『スノーホワイト』のパンフレットに煎餅教のパンフレットとお煎餅を挟み、絶大な宣伝効果を狙っていたドラゴの企みはアッサリと見抜かれてあえなく没収。

 そんな様々な思惑を孕みながら舞台の準備も整い、本番を迎える事となったのだった。

●第一幕:王妃様と鏡の悪魔
「……準備はいいかの?」
 クウォーツの言葉に頷くメルクゥリオ。
 ハツネもそれに頷くと、星飾りがついた指揮棒を振り始め、そして元気で伸びやかなメルクゥリオの声が会場内に響く。
「……昔々。とある王国に雪のように美しい小さな姫がいました。姫は優しい両親に恵まれ幸せに暮らしていましたが、ある日……」
 その声に合わせ、幕が上がり……。

 情景は城内。
 菫色のドレスの王妃シノーディアと深紅のマントの国王シギル。そして、王女スノーホワイトことドールが談笑している所に、旅の商人メルクゥリオが現れる。
「……こちらの姿見などいかがでしょう」
「まあ! なんて綺麗なんでしょう……」
 旅の商人が差し出した美しい姿見に、王妃はうっとりと微笑み。
「その妖しい程の美しさ……何だか嫌な感じがします」
 そう呟いた娘の言葉を国王は一笑に伏し。
 それにただ1人、姫だけが不安そうな顔をして……。

「姫の予感は的中します。その姿見には、恐ろしいモノが棲んでいたのです……」

「ごきげんよう。わたくしめは鏡の妖精。王妃様の味方にございます」
 鏡から突如現れた人影。
 鏡の悪魔ポチョムキンは恭しく頭を下げ、そして心を痺れさせるような声で続ける。
「王妃様。姫が貴方様の美貌を妬み、恐れ多くも命を狙っております」
「そんな、あの娘に限って……」
「いえいえ。本当に御座いますれば……」

「鏡の悪魔の甘い言葉は王妃の心を捉え、彼女は悪魔の言いなりになって行き……」

 暗転した舞台が戻ると、そこには一転して漆黒のドレスに身を包んだ王妃。
 無数の刺客を従えたその表情は虚ろ。
「……わが娘、スノーホワイトを亡きものにした場合には褒美を取らせよう……」
 冷たい、抑揚のない声。そして照明は城から逃れて行く姫に移り。
「……お母様。どうして……?」
 流転する姫の運命に、観客達も息を飲む。

「無事に済んだようじゃな。……妖精達、待機」
 舞台袖。指示を飛ばすクウォーツに、煎餅を食べていたドラゴとクゥリッシュが頷いて。
 第一幕は静かに引いて、そして次幕へ――。

●第二幕:7人の妖精達
 場所は変わって森の中。
「歩き疲れ、木陰で休んでいた姫。気がつくと餓えた狼達に囲まれていました……」
 始まるナレーション。姫の更なる不幸に観客達が目を覆った、その時。
「……大丈夫か?」
 颯爽と現れたのは、きぐるみを着た白トカゲ妖精ゴードィ。
 彼が一睨みすると狼達は慌てて立ち去って行く。
 たらったらったらった♪
 突然の事態に呆然とする姫の前に、爽やかな緑色の衣装が可愛い食いしん坊妖精アレクサンドラが、軽やかなステップで踊り出る。
「おや。お姫様、迷子かね? こちらにおいで〜♪ 素晴らしき宴が、貴女を待つよ〜♪」
 きぐるみ妖精と共に小さな姫の手を取った食いしん坊妖精は、そのまま軽やかなステップで歩き出し……。

 更に場所は移り、森の奥深くの小屋。
「あれ? お客様?」
「いらっしゃいませ♪」
 笑顔の妖精ハツネとふわふわ妖精クゥリッシュがにっこり笑顔で客人を覗き込む。
「お困りのようだったのでね。連れて来たんだ」
「それはそれは……。拙者、煎餅妖精ドラゴンセンベーと申す」
 ゴードィの言葉に、小さな姫に煎餅を差し出しつつ跪く煎餅妖精。
 ヒーロースーツに赤マフラー。胸にご丁寧に『煎餅妖精』と書いてあるこの妖精、跪いてもあまりスノーホワイトと大きさが変わらない(ぇ)。
 何しろ2m越えの大男。身を屈めていないと舞台の縮尺がおかしく感じるのだ!
「見れば随分お疲れのよう」
「一体どうしたのですー?」
 小首を傾げるハツネとクゥリッシュ。……クゥリッシュの台詞が棒読みな気がするが気にしてはいけない(ぇ)。
 2人の問いに、姫は可愛らしい眉根を寄せて。
「実は……」

「かくかくしかじか。姫は、今までの経緯を妖精達に話しました」

「可哀想に……」
「あんまりな話でござる〜」
 彼女の身の上話に、涙を流す妖精達。
「折角だし、暫くここで暮らしては如何かな?」
「ここは不思議な結界で守られた森。刺客に見つかる事もないでしょう。……ゆっくり、していってくださいね」
 ふかふかな尻尾をフリフリしながら言うゴードィに、花をお部屋に飾りながら銀の風の妖精ユーリアが微笑みかけて。
「ありがとうございます……。お世話になるお返しに……家事は任せて下さい……。恩返しがしたいのです……」
 微笑む姫の言葉に、妖精達は沸き立って。
「そうと決まれば歓迎パーティ♪」
「淋しいときは食事であるよ! お腹いっぱい、心の底から満足なのだ〜♪」
「トマトシチューで歓迎なのだ♪」
「YO! 煎餅入りでござるYO!」
 クゥリッシュの声に答えるように、ワインの栓を抜きながら踊り出したアレクサンドラに続いて、真っ赤なドレスのトマト妖精ロザリンドが華麗な舞を披露する。
 それにドラゴンセンベーの明る過ぎる歌声が重なって。
「れーっつだーんす♪」
 くるりと回って指揮棒を振るハツネに合わせて妖精達が踊り出し。
 一転して明るい雰囲気に、観客達から微笑みと手拍子が送られて。

「こうして7人の妖精に出会い、平和な暮らしを手に入れた姫でしたが、お城に残してきた両親の事が心配でなりません」

「やはりお母様が心配……。一目だけでもお姿を拝見したい……」
「そう言う事なら協力するのだ♪ お城はあっちなのだ!」
 森から出ようとする姫に気付き、トマト妖精がその手を引いて歩き出す。

「台本と違う……」
 舞台袖。過ぎる嫌な予感に顔を顰めるクウォーツ。
 その間も、ナレーションは続く。
「……城の様子を伺う為、森から出てしまった姫。その姿は悪魔に見つかり……」

「ふははは! さぁ、王妃! この毒トマトを姫に食べさせるのだ!」
 黒いローブを翻し、不敵に笑う鏡の悪魔。王妃は言われるがままにフラフラと姫に歩み寄って行く。

「突然目の前に現れた王妃を不審に思わなかった訳ではありません。ですが、それ以上に久しぶりに見た母の微笑みが嬉しくて、姫は言われるがままにトマトを一口……そして」

「……私の、愛しい……小さな姫……」
 情感たっぷりのナレーション。そして操られ、表情は変わらないものの……その場に崩れ倒れた姫の姿に一筋の涙を流す王妃。
 悪魔の勝ち誇った笑みが響き、そして場所は森の中へ。
「ひよひよ!」
「どうした? ひよひよさん」
 デッカイ小鳥、ひよひよさんが物凄い勢いで駆けて来るのを見つけ、消えた姫を探していた妖精達が集まって来る。
「ひよひよー!」
「何!? 姫が……!?」

「ひよひよさんの知らせで倒れた姫を発見した妖精達は、美しい硝子の棺に彼女を埋葬しました。彼らの嘆き悲しむ声は森に響き、旅の途中の隣国の王子の耳にも届いたのでした……」

「あのトマトが怪しいのに、どうして気づかなかったのだ……」
「……何かあったのですか?」
「姫が死んじゃったーっ。わーんわーん」
 心底悔しそうなアレクサンドラに声をかける王子シャルム。
 クゥリッシュが棒読みのまま、硝子の棺を指差して。
「わ〜。ドールちゃん綺麗なの〜♪ ……じゃなくて。な、ナンテ美しい方なのだ……」
 見て思わず本音がポロリと出てしまったシャルム。やっぱり棒読みのまま、慌てて台詞を紡ぐも……。
「……ぅゃ。台詞……忘れちゃった」
「……オイシイでござるな」
 そんな事を囁く彼女に、すかさず入るドラゴのツッコミ。慌ててクゥリッシュが続く台詞を耳打ちする。
「あ……そだ。姫の美しさに一目で心を奪われてしまいました。妖精さん達、姫に触れてみたいのだが構わないでしょうか?」
 その言葉に、妖精達が頷き――。

「王子は妖精の許しを得て、姫を抱き起こします。すると、姫の口からトマトが転がり落ち……」

「……ゅ? ……シャルの王子様、格好いい……」
 瞼をそっと開けて、目に入って来たシャルムの勇姿にドールが思わず素に戻り、頬を染めて呟く。
 シャルムも真っ赤になりつつも、何だか幸せそうな顔。
 姫は慌てて誤魔化すように、王子にそっと抱きついて。
「ありがとうございます、王子様……」
 とても演技とは思えないそれに、観客もドキドキだ。

「こうして、死の淵から蘇った姫。王子から『鏡の潜む悪魔』の話を聞き、優しかった王妃を豹変させた鏡の事を思い出します」

「姫の母上は、きっと鏡の悪魔に魅入られているに違いありません」
「よし。皆で王妃様を助けに行くぞ!」
「えいえいお〜!!」
 姫から鏡の話を聞き、一致団結する王子と妖精達。
 物語はクライマックスに向けて一気に盛り上がる。

「やはり謀りおったか……」
 またまた舞台袖。当たってしまった予感に、後で仕置きじゃ……と物騒な事を呟くクウォーツ。
 しかし、トマトの企みはこれだけでは終わらなかったのだ!(ぇ)

●第3幕:対決! トマト王国!
 場所は変わって、城内……だが、やけに赤い。
「万事上手く行きましたな」
「ふっふっふ……全ては計画通りなのだ☆」
 鏡の悪魔が傅いているのは、トマトで囲んだ王座に就きトマトを齧るトマト妖精。
 その後ろには繋がれた王妃と簀巻きにされた国王の姿が……。
「実はスノーホワイトを助ける妖精とは偽りの姿。鏡の悪魔と手を組み王国乗っ取りを企むトマト姫が真の正体なのだ♪」
 ……ご丁寧に説明ありがとうございます(ぇ)。

「えーと。アレでいいんですか?」
「……良いワケがなかろう!」
 首を傾げるユーリアに、ブチキレ寸前のクウォーツ。
「いいなー。拙者も乗り換え……」
 そう言いかけたドラゴだったが、彼の一睨みで黙り込む。
「……構わん。思い切りやってやれ」
「りょうか〜い☆」
 クウォーツ、青筋浮きまくり。そんな彼の迫力に、ハツネの目が不敵に光り。
 シャルムとその他の妖精達はただコクコクと頷いて。
 その間も、トマト王国の暴走は続く。

「んっふっふ〜。王国乗っ取りと言う事は、国王と結婚なのだ。結婚するという事は〜♪」
 そんな事を呟いて、国王に流し目を送るトマト姫。
 彼の頭をガッシと掴むと、そのまま唇を寄せようとして……。
「そこまでだ! トマト姫!」
「むむー! 来たなシャルム王子!」
 そこに颯爽と現れ剣を抜く王子に、トマト姫は不敵な笑みを向けると悪魔に一行討伐を命令する。
 ……しかし。
 一向に反応しない悪魔を不審に思って振り返ると。
「この『古今東西悪魔大百科事典』によると、この執事的悪魔の弱点は……」
「酷いでござるよっ。目立つ時は一緒って言ったでござるに〜!」
「やっちゃえ〜♪」
「えいえいっ!」
「……恨まないで下さいね」
「まあ、何だ。自業自得だな」
「ひよひよー!」
 あ。ボコられてます。
 七色の照明に照らされた6人の妖精と何故かひよひよさんに完膚なきまでボコられてます!
「くっ……かくなる上はっ! 逃げるのだ!」
 己を不利を察したか、逃走を図るトマト姫。
 いつの間にか救出された国王に足を引っ掛けられ盛大にコケる。
 そのまま王子に捕えられ、猫掴みで退場させられ……。
 その一方。いまだ無表情の王妃に取りすがって叫ぶスノーホワイト。
「お母様、しっかりして下さい! 優しいお母様に戻って!!」
「まあ……。私は一体何を……」
 我に返った王妃をしっかりと抱き締める姫の姿は、観客の涙を誘って……。

「……姫と王子は、妖精たちの力を借りて悪魔の鏡を割り、王と王妃を救い出す事に成功するのでした」

 そして、舞台は結婚式へ。
 幸せそうに頬赤らめて微笑み、見つめあう王子と姫の姿。
「……後に、姫と王子は盛大な結婚式を開き、両親と共に末永く幸せにくらしました」
 キスをするフリのはずが、シャルムが躓いて本当にキスしてしまったりしたものの、メルクゥリオのナレーションで綺麗に纏まり。

 こうして、幻想旅団『朱月の宴』第3回公演『スノーホワイト』は、割れんばかりの拍手と共に、幕を降ろした。

 終了後。クウォーツにより、ロザリンドとポチョムキンは朱月の門に逆さ吊りにされたのであった(ぇ)。


マスター:猫又ものと 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:12人
作成日:2004/10/16
得票数:戦闘1  恋愛1  ほのぼの11  コメディ41 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。