メイドの願い〜ご主人様を助け出せ



<オープニング>


「霊査士様はおられませんか?」
 冒険者の酒場に、1人の行商人が困惑しきりの表情を浮かべてやってきた。行商人の傍らには、泣きじゃくる少女。
「いい子だから、落ち着いて話すんだよ」
 応対した霊査士のアリシューザは、泣きじゃくる少女に優しく話しかけた。黒いメイド服に純白のフリルのエプロン姿の少女は、街外れに住むフェートン卿のメイドだった。少女を連れてきた行商人が言うには、行商先のフェートン卿の家を訪れると、毒々しい色をした粘液のような塊の怪物が、屋敷の中に侵入する場に出くわしたのだという。屋敷から飛び出してきた少女を助け出すと、逃げ出してきたと語った。
「ご主人様とエレナ様が……お屋敷に怪物が襲ってきて……早くしないとみんな食べられちゃいます!」
 騒ぎを聞きつけて集まってきた冒険者達が顔を見合わせた。アリシューザは、少女が握りしめていた手紙をそっと取り上げると、中を開いた。走り書きながら、それには助けを求めるメッセージが書かれていた。少女曰く、屋敷のメイド長だったエレナという女性がそれを託したという。
「一体何が起きてるんだ?」
 冒険者の問いに、アリシューザは自分が『見えた』状況を語りはじめた。
「3階建ての屋敷に、巨大なウーズが数匹、侵入しちまってる」
 手紙を置くと、アリシューザは悠然とキセルに火を入れた。
「屋敷の3階に、館の主と老執事、メイドが2人取り残されてるね。ウーズどもは、1階から屋敷の中央にしかない階段を登ってる。3階にたどり着いたら、連中に逃げ場がない……ね」
「窓から飛び降りるとかできないのか?」
 冒険者の問いに、アリシューザは眼鏡の奥からにらみつけた。
「あんたたちと一緒にするんじゃないよ」
 そう言うと、キセルを煙草盆の縁に叩き付けた。
「屋敷に取り残されてるフェートン卿は、老人の上に足が不自由で、介添えがいないと歩けないんだよ。メイドたちは、主であるフェートン卿を守ろうとしてるようだから、自分たちだけ逃げ出すような真似はしないだろう」
 黙り込む冒険者達。
「さらに悪いことに、厨房から煙が上がってる。おそらく料理の火がそのままだったんだろうね。下手すると、かまどから屋敷に燃え移る可能性がある」
 アリシューザは、キセルに火を入れ直すと紫煙を吐いた。
「ウーズは全部で5匹。けど、そのうちの2匹は体長6メートル近くあって、体の一部を触手かわりに伸ばすことが出来る。階段は紫色のウーズがその体を広げて占拠してる。もう1匹、紅色のウーズが、2階をゆっくりと移動して獲物を探してるようだね。あんたたちが駆けつけるころには、3階に到達してる可能性があるよ」
 眼鏡を押し上げると、アリシューザは続けた。
「残り3匹はそいつらの分身で、戦闘能力はあまりないようだね。2匹は煙が上がっている厨房にいて、残り1匹は……あたしにはどこにいるか『見え』なかったから、気をつけな」
「エレナ様は、ご主人様を見捨てて逃げ出せないと言いました。最後までご主人様に仕えるのが仕事なのだと……」
 少女は、目を真っ赤にはらして言った。
「ご主人様とエレナ様とみんなを助けて下さい。お願いします!」
 深々と頭を下げるメイドの少女。アリシューザは、冒険者たちを見回すと言った。
「事態は急を要するよ。あんたたち、しっかり稼ぎな!」

マスターからのコメントを見る

参加者
天速星・メイプル(a02143)
月虹樹の花・ジュナ(a04047)
ドリアッドの重騎士・ミカ(a05562)
熱走・セナ(a07132)
旅の田舎重騎士・オーレイ(a07266)
夜闇を斬り裂く連星の騎士・アルビレオ(a08677)
宵闇月虹・シス(a10844)
咎狗・ガル(a11201)
閃爍の・アスコット(a11579)
三日月に寄り添う戦乙女・アイリッシュ(a12290)
博愛の道化師・ナイアス(a12569)



<リプレイ>

 森の中にひっそりと建つ館に、音もなく忍び寄る人影。
 天速星・メイプル(a02143)は、破られた1階の窓から中をのぞき込んだ。鼻を突く焦げ臭い匂いと、屋敷の厨房から上がりはじめていた煙に、青ざめるメイプル。ドアに近づき、ドアノブをそっと回してみる。鍵は掛かっていなかった。
「今少し……お待ち下さい」
 メイプルは館を見上げた。
「ご主人様を想うあなた方の気持ち……消させはしません」

「おらとアスコットの2人で、一気に3階へ向かうだ。みんなは、ウーズの方を頼むだよ」
「貴殿らが頼みだ。私たちが3階に到着するまで、なんとか紅いウーズを食い止めてくれ」
 神の黄昏に舞う乙女・アイリッシュ(a12290)の言葉に、微笑を浮かべて頷く、陽光の翼剣・アスコット(a11579)。
「厨房は任せておいて下さい」
 ドリアッドの重騎士・ミカ(a05562)の言葉に、博愛の道化師・ナイアス(a12569)が言った。
「煙が上がっているようです。時間がありませんよ」
「言われなくても分かってらぁ。行くぜ!」
「あ、待ちなさい、ガルさん!」
 月虹樹の花・ジュナ(a04047)の制止も聞かず、蒼穹を断つ苛烈の獣・ガル(a11201)が、ドアを開け放った。
「まあ、元気があってよろしいですね」
 宵闇月虹・シス(a10844)がのんびりと言いながら、それに続く。
「だから……んもう」
 慌ててそれに続くジュナ。

「おぉーい! 返事してけろー!」
 オーレイが、四人が立てこもっている部屋があるという窓の下から、大声で怒鳴った。
「助けに来ただぞぉっ! 聞こえていたら返事をしてけろー!!」
 オーレイは再び怒鳴った。しかし、窓が開く様子はなかった。
「返事、ありませんね」
 アスコットが端正な顔をしかめた。
「紅のウーズに、みんなやられちゃったんじゃ……」
 赤い風・セナ(a07132)が呟く。
「ふむ。メイドさんたちに、窓ば開けて貰おうと思ったが……仕方ないべな」
 オーレイは斧を構えた。
「私が先に行きます」
「気をつけるだよ?」
「ああ、待ちやぁ!」
 セナたちの周囲が柔らかな光に包まれ、フォーチュンフィールドが広がった。アスコットがチェインシュートを放つ。1発目は、壁に命中したものの突き刺さるに到らず、外れた。オーレイが続いてチャレンジするが、これも外れた。3回目の挑戦で、アスコットのチェインシュートが3階の壁に突き刺さった。次の瞬間、アスコットはチェーンに引き上げられた。
「ち!」
 必死の形相で、アスコットが窓のバルコニーにぶら下がった。
「アスコット!」
 悲鳴を挙げるセナ。バルコニーになんとかよじ登り、窓を強く叩クアスコット。引かれていたレースのカーテンの向こうから現れた老執事が、びっくりした表情でアスコットを見つめる。すぐに窓が開くと、アスコットは恭しく一礼した。
「アスコットと申します。フェートン卿と皆さんを助けに上がりました」
 バルコニーからロープが垂らされる。
「んじゃ、おらも行くだよ」
「オーレイ、幸運を! みんなが駆けつけるまで、踏ん張りやぁ」
 セナは3階へと登っていくオーレイを見送ると、厨房へと走っていった。

「お邪魔しますね」
 ミカは厨房に飛び込んだ。かまどの上では、鍋から激しく煙が上がっていた。
「げほっげほっ!」
 せき込むナイアス。
「ナイアス!」
 煙の向こうから飛んできた薄赤色の触手を、ミカは斧で叩き潰した。見ると、かまどの正面で小さいウーズが触手を伸ばしている。
「私たちの邪魔をする者は、容赦しません!」
 ナイアスのニードルスピアがウーズの体を次々と貫くと、ウーズは動かなくなった。手元にあった水桶を取り上げたナイアスを、ミカが止めた。
「いけません! 水を掛けたらますます炎が大きくなります! そこにあるテーブルクロスを濡らして鍋の口をふさいで下さい!」
 ナイアスは濡れたテーブルクロスを鍋の上にかぶせた。その瞬間、煙は消えた。ミカが、隣で煙を上げていた別の鍋に濡れタオルを無理やり被せると、鎮火に成功した。
「やれやれ……ですね」
 ナイアスが安堵したその時だった。頭上から何かが「降って」来た。
「ミカさん!」
 ミカに覆いかぶさるようにして、別のウーズが襲いかかった。必死にウーズを振りほどこうとするミカ。身構えたナイアスだが、ミカが邪魔してニードルスピアが撃てない。と、ナイアスの目の前を銀狼が駆け抜けた。それは、ウーズをねじ伏せると、ミカから引きはがした。
「セナさん!」
「遅れてすまにゃあ」
 ウインクするセナ。ナイアスはウーズにスキュラフレイムを撃った。黒い炎の中でのたうつウーズに、ミカがとどめの一撃を振り下ろすと、ウーズは動かなくなった。
「厨房はこれで大丈夫のようですね」
 ナイアスが厨房を見回した。
「もう1匹の雑魚ウーズは、ここにはいないがや?」
「いないようですね。2階に向かったみんなが心配です。急ぎましょう」
 厨房を飛び出すミカたち。

「ウーズはどこだ?」
 先頭切って2階へ駆け上がったガルが見たのは、3階へ続く階段全体を覆うかのように、その体を広げる紫色のウーズだった。ガルを見るなり、紫ウーズは素早い動きで触手を突きだした。まともに攻撃を食らって、ガルが階段を転げ落ちた。その横でショーテルを身構えたジュナが、紫ウーズ目掛けて突進する。
「シス、アイリッシュ、援護して!」
「承知した!」
「援護します!」
 シスの放ったニードルスピアが触手を引き裂き、次々と紫ウーズの体を貫いた。アイリッシュの放ったリングスラッシャーが紫ウーズに命中する。
「一撃……必殺!」
 ジュナのショーテルに紋章が浮かび上がり、ショーテルの一撃が紫ウーズに叩き付けられた。紫ウーズが、反撃とばかりに触手を突きだした。ジュナはそれをステップでかわす。だが、ウーズは階段から動こうとしない。
「普通の攻撃じゃ無理だな」
 アイリッシュが歯ぎしりする。
「みんな、お待たせだみゃあ!」
 セナたちが駆け込んできた。
「厨房はいいのですか?」
 シスの言葉に頷くミカ。
「みんな、時間がない」
 アルビレオが言った。
「俺とガルがウーズに突っ込む。その間に、メイプルとセナとアイリッシュ、それとミカ、お前らは3階に行け」
「え?」
 メイプルがアルビレオを見た。
「こいつは、生半可に階段から引きずり下ろそうとしても無理だ。3階にはオーレイとアスコットしかいない。そして、3階には別のウーズがいる」
「へへ、そうこなくっちゃな」
 ガルが、両手に付けたフィストガントレットを鳴らす。
「時間……ないんですものね」
 シスの目が細くなった。
「援護は私にお任せ下さい」
「私も援護するわ」
 ミカが一歩前に出る。
「女性ばかりに戦わせては、冒険者の名折れですね」
 ナイアスが言った。
「私たち術士で援護します。アルビレオさんは一斉に攻撃して下さい」
 全員が、紫ウーズを見上げた。

「下がるだよ!」
 ドアに何かを叩き付ける音がした。メイドたちが体を震わせ、オーレイとアスコットが前に出た。
「下にいるみんなは、まだ来ないだか?」
「相手が相手ですから、てこずってるかもしれません」
 saber-toothed tigerの柄に手をかけたまま、身構えるアスコット。
「なら、おらたちだけで紅ウーズを片づけんといかんだな」
「冒険者様……」
 メイドの呼びかけに、アスコットは微笑んだ。
「心配しないで下さい。貴方達は、私が命に代えても守ります。貴方のご主人もね」
 ドアの向こうで、何かが粘るようないやらしい音が響き、再びドアを激しく叩いた。掛けられた鍵がきしむ。オーレイは、ちらりとフェートン卿を見た。杖を握りしめたまま、椅子の上で微動だにしない。
「こん人……肝が座っとるだな」
 
「ガル、行くぞ?」
「おうよ!」
 アルビレオは、じりじりと紫ウーズとの間合いを図る。紫ウーズは、体から伸ばした数本の触手を、アルビレオたちを威嚇するかのように振り回す。
「勝負は1回キリよ。コンビネーションを合わせて、一気に決めるわ」
 ジュナの瞳が、眼鏡の向こうですっと細くなった。
「ドリアードが、ウーズ如きに負けるわけにいかないもの」
「行きます!」
 シスの鈴蛍琥珀が舞い、ニードルスピアを次々と放った。それと同時に飛び出したのはアイリッシュ。
「そこをどきなさい! まかり通る!!」
 飛んできた触手を、アイリッシュはミリオンジェノサイダーで斬って捨てた。
「この程度の動きで、私に触れられると思うな!」
 セナが気高き銀狼を放った。だが、銀狼は触手に弾かれて消えた。
「は、外れたぎゃあ!」
 セナの銀狼に気を取られた隙をついて、ガルが紫ウーズの懐に飛び込んだ。
「往生ぉ…せいやぁぁぁぁぁ!!」
 ガルのソードラッシュが、次々と叩き付けられた。大きくうねる紫ウーズ。そこへナイアスがスキュラフレイムを撃った。黒い炎が炸裂し、紫ウーズの体を大きく引き裂いた。
「邪魔だ、どけぇ!!」
 アルビレオが踏み込んだ。星煌剣が交錯すると、ミラージュアタックがウーズの体に命中した。だが、紫ウーズは大きくその体を引き起こすと、ガルとアルビレオを突き飛ばした。
「メイプル、行きなさい!」
 ジュナが叫ぶと同時に、紫ウーズ目掛けて飛び込んだ。ひときわ大きいウーズの触手の一撃が、アルビレオに振り下ろされる瞬間、ミカが受け止めた。
「天速星の名に賭けて……行きます!」
 メイプルが、一気にウーズの脇を駆け抜けた。アイリッシュとセナがその後に続いた。
「きゃっ!」
 ミカが耐えきれなくなって突き飛ばされた。ジュナのエンブレムブロウが、深々と紫ウーズの体を貫き、その巨体を大きく震わせた。
「お願いだ……間に合ってくれ」
 口から血を滴らせながら、、アルビレオがゆっくりと立ち上がると、紫ウーズをにらみつけた。

「下がって! ウーズが来るだ」
 オーレイの叫びと共にドアが吹き飛び、毒々しいまでに紅色のウーズが、ドアを踏み越えて中に侵入してきた。
「させないッ!」
 アスコットが紅ウーズ目掛けて突っ込んだ。saber-toothed tigerの刃が一閃するや、紅ウーズの体を斬った。オーレイが、渾身の力を込めてアクスを振り下ろす。
「おらの大地斬、受けてみるだよ!」
 紅ウーズの体がひときわ大きくうねり、ダメージを与えたかに見えた。だが、紅ウーズの体が「跳ね」た。
「ぐはっ!」
 壁に叩き付けられるオーレイ。
「オーレイさん!」
「おらに構うな! フェートンさんたちば守るだ!」
 ウーズの触手が、オーレイに叩き付けられた。鮮血を吐いて、崩れ落ちるオーレイ。メイドたちが、部屋の隅に追いやられた。それでも、メイドたちはほうきを握りしめたまま、フェートン卿の側から離れようとしない。
「僕一人で……どこまでやれるか」
 アスコットが呟いたときだ。紅ウーズの周囲に、何かが閃くと、それはウーズの触手を全て切裂いた。
「待たせたぎゃあ!」
 セナだった。その隣で、ミッドナイトチョーカーを構えるメイプルが、にっこりと微笑んだ。
「間に合ったみたいですね」
「セナはオーレイを! 紅ウーズよ、私たちが相手だ!」
 アイリッシュのスピードラッシュが、次々とウーズに命中する。アスコットの一撃が紅ウーズに命中し、大きく体を震わせた紅ウーズが、メイプル目掛けて襲いかかる。メイプルはウーズの攻撃をかわすと、渾身の一撃を叩き込んだ。
「お見事だがや」
 セナから癒しの水滴を貰ったオーレイが呟いた。メイプルのカラミティエッジは、紅ウーズを真っ二つに引き裂いた。紅ウーズは、触手を弱々しく蠢かせていたが、そのまま崩れ落ちた。

「もう一度、突撃するしかないわね」
 ジュナの呟きに頷くアルビレオ。
「メイプルたちは、フェートンさんの元にたどり着けたのでしょうか?」
 ナイアスの言葉に、微笑むシス。
「勝ったみたいですよ?」
「え?」
 廊下を走ってくる音がして、メイプルが3階から叫んだ。
「フェートンさんたちはみんな無事ですッ!」
「なら、こっちもそろそろ決めねえとな」
 ガルが再び構える。
「ではお客様、そろそろお帰り頂きましょうか!」
 ナイアスが、スキュラフレイムを撃った。紫ウーズのど真ん中に命中し、その体をぶち抜いた。触手を伸ばそうとするが、その勢いは弱かった。
「もらった!」
 ガルが紫ウーズに一撃を叩き込む。
「そこだ!」
 アルビレオのミラージュアタックが一閃すると、紫ウーズの体が崩れはじめた。
「とどめよ!」
 ジュナの一撃が命中すると、紫ウーズは階段上で崩れ落ちていく。ミカがとどめの一撃を与えると、紫ウーズはそのまま粘液の塊を残したまま動かなくなった。
「やっと……仕留めた」
 がくりと膝をつくアルビレオ。
「大丈夫ですか? 今……癒します」
 駆け寄ったシスが微笑み、柔らかな光がアルビレオを包み込んだ。

「旦那様ぁぁぁ」
 メイドたちが抱きあって泣いていた。
「美人が台なしですよ? ほらほら、涙をふいて」
 ナイアスが優しい笑みと共に、メイドたちを慰める。
「ありがとう。みんなに代わってお礼を言わせてくれたまえ」
 フェートン卿の言葉に、アイリッシュが恭しく一礼した。
「ご無事で何よりでした。我々が外へお連れします」 
 アルビレオがフェートン卿を背負い、メイドたちと共に屋敷を出ようとしたときだった。
「なーんか、私たち忘れてるような気がするみゃあ」
 セナが言った。
「最後の1匹か?」
 ガルの言葉に、全員の顔から笑みが消えた。
「急いでここを出た方がいいわ」
 ジュナがそう言ったときだ。
「上よ!」
 ミカが怒鳴った。はっとなったアルビレオが頭上を見上げる。廊下の天井からしみ出るように現れた半透明のウーズが、アルビレオ目掛けて落ちてきた。
「アルビレオ!」
 ガルが、アルビレオをフェートン卿ごと突き飛ばした。ガルが飛びずさるようにしてウーズをかわすと、半透明のウーズは、一同のど真ん中に落っこちた。
「ちっ!」
 ウーズが触手をメイドたちに突きだそうとしたその時、ナイアスのスキュラフレイムが炸裂し、半透明のウーズは跡形もなく消えた。
「女性に手を出すことは、この私が許しませんよ」
 髪をかき上げたナイアスが、メイドたちに微笑んだ。
「もう大丈夫ですよ?」
「なんか……キザですね、ナイアスさん」
 シスがくすくす笑った。
「さあ、帰りましょう。みんな無事で……本当に良かったわ」
 ジュナの言葉に全員が大きく頷いた。
「これ、掃除大変だがや」
「お屋敷は、私たちが一生懸命お掃除致しますのでご安心下さい」
 セナの言葉に、メイドが微笑んだ。

 それからほどなく、フェートン卿の屋敷では、修理の槌音と、モップ片手に忙しく走り回るメイドたちの姿があったという。


マスター:氷魚中将 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:11人
作成日:2004/11/20
得票数:冒険活劇2  戦闘21  ミステリ1 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。