≪小料理屋【ふゐぬ】≫サバイバル温泉旅行 そして誰もいなくなったりして



<オープニング>


”さて年末恒例の慰安旅行だけど、喜びなさい。今回は雪を見ながらの温泉旅行よ”
 と、手紙の頭には書かれていた。
 誰あろう、小料理屋【ふゐぬ】の女将、拳で語る医者・ジョゼ(a04564)が愛してやまない団員達にしたためた手紙だ。
 内容は、さらにこう続く。

『皆さんいつもご苦労様。今回の慰安旅行ですが、常連さんのツケなどで売り上げの不振が続いている為、予算が確保出来ませんでした。けれど、だからといってせっかくの皆の楽しみを奪う事はできないわ。だから考えて……そして決めたの。こうしましょう。『全部自力でなんとかする』これよ。貴方達なら出来るはずです。でも、さすがにあんまりだとは思うから、行き先くらいはダーツで……ああいえ、方向の良い所を選んであげるわね。ええと……決まったわ。場所は真冬の山ね。あら、温泉があるみたいよ。よかったわね。じゃあ皆、存分に旅行を楽しんできてね』

 ……と、ここまでが前半部分で、後は注意事項が箇条書きに記されていた。
 以下が、それである。

・温泉は山の中腹あたり、すばらしい眺めの天然露天風呂という話だが、冬場は物凄い雪で、それを掘らないと入れない。雪は3mくらい積もるらしい。
・雪を掘って温泉に入るのと、食料などは現地調達の事。
・テント及び調理器具は楽園に愛されし男・ポンテ(a04838)あたりに謎の大袋を持たせる予定なので、最低限は保証される。ただし、何を用意したのかは不明。ポンテにも知らされていないようだ。
・騒いでいると、冬眠中の熊が起きて襲ってくるかもしれない。
・同じく、雪崩にも注意。
・始終吹雪が吹き荒れています。
・基本的に現地集合、現地解散。
・お土産、よろしくね♪(by女将)

 以上。

 ……というような手紙を眺めつつ、吹雪の中、旅団員達が山の麓に結集している。
 佇む彼等の前には、地元の人間から”魔の冬山”と呼ばれ、畏れられている山がそびえていた。
 曰く、冬にこの山に出かけて、生きて帰ってきた者はいない。
 曰く、昔は山の神様に生贄を捧げていたらしい。
 曰く、不用意に山に踏み込むと祟りがあるとかないとか。
 どこまで本当かさっぱり分からないが、とにかくそんな噂しか聞こえてこないような場所だったりする。
 そして……気がつけば、今やふゐぬの面々を激しい風雪が包み込み、もはや帰り道が分からないという状況の真っ只中。とにかく、もう進むしかない。この山にあるという温泉目指して。
 果たして、彼等の運命やいかに!
 ……今冬、小料理屋【ふゐぬ】の従業員達が贈る、愛と感動の冬山ヒューマンドラマが、この地において繰り広げられようとしていた……。

 …………いえ、慰安旅行ですけどね、一応……。

 健闘を祈る!

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参加者
招きし堕翼・イル(a01415)
紅蓮と白銀の翔剣士・カイ(a03487)
幾穣望・イングリド(a03908)
退屈な世界・ポンテ(a04838)
闇夜を駆ける蒼き刃・リスティア(a05300)
紫眼の月・ヴァルゴ(a05734)
軽やかに跳ねる靴音・リューシャ(a06839)
紅き剣閃・ルティス(a07069)
幸福の記憶・ミストティーア(a07198)
万寿菊の絆・リツ(a07264)
刺シ穿ツ死翔ノ槍・コクト(a07365)
気儘な矛先・クリュウ(a07682)
蒼獣・リュート(a08279)
饗宴の思索者・アレクサンドラ(a08403)
黄昏の幸福論者・アーベント(a09066)
銃と薔薇・アクセル(a10347)
草露白・ケネス(a11757)

NPC:強襲突撃型弐式改・ゼルファルド(a90010)



<リプレイ>

「……ああ、てんごくにいるぎりのおにーさんがよんでいるー……」
 焦点の定まらない瞳でぼんやりと呟いた暗闇の今日に住まう追及者・アーベント(a09066)が、ふらふらと崖の方へと歩き始めた。
「待て、早まるな。気をしっかり持つのだ。さもないとこうなってしまうぞ」
 その肩を、背後から紫眼の月・ヴァルゴ(a05734)が押える。
 反対の手で示したその先では……。
「なんだか疲れちゃったよ、ワルフ……もう眠いや」
 防寒着でぐるぐる巻きのダルマ状態になったペットのワニを抱いた深緑の雑草・カイ(a03487)が、雪に半分埋もれて遠い目をしていた。彼もまたワニの着ぐるみを着ているので、その姿はまるで親子のようだ。彼等の脳裏には、ワニが引くソリに乗ってどこか綺麗な世界に旅立つ自分達の幻影が見えている……ような気がする。
「皆さん、立ち止まっている暇はありませんわ。わたくし達は温泉を目指さねばならないのですから。この慰安旅行……一瞬たりとも気を抜いてはいけません」
 手にした方位磁石で方向を確認しつつ、哉生明・イングリド(a03908)が言う。前向きな意見だが、自分はちゃっかりヴァルゴの陰に身を置いて、吹雪を避けていた。
 ここは、とある冬山。
 物凄い猛吹雪で視界はわずかに数メートル先が見えるだけ、という現状だ。
「寒いですけれども、頑張っていきましょう。せっかくの慰安旅行なのですから。ふぁいとです。おー」
 軽やかに跳ねる靴音・リューシャ(a06839)が、笑顔で片手を上げる。ただ……その顔はちょっと青白くて、身体も少々ふらふらしていた。実は手足の感覚が寒さで段々鈍くなってきているのだが、そんな事は口にせず、笑顔を見せている。健気である。その健気さも今にも凍りそうだったが。
「……」
 そのリューシャの手を引いて、冥府の番犬・ヤヨイがそっとヴァルゴの陰に連れて行った。
「そうですね。温泉に入らないといけません。楽しい事を考えましょう。どうせ今更帰れませんから」
 チラリと背後を振り返り、僅かに首を振る漆黒の字列を覗きし愚者・リツ(a07264)。もう帰り道など分からない。どっちを向いても吹雪の壁しかないのだから。
「折角ここまできたのですから温泉には絶対浸かっていきましょう! さもないと……」
 気侭な矛先・クリュウ(a07682)が、やや空元気っぽい声を出したが……さもないと、に続いて、遭難とか無事に帰れないとか、思わず実に素直に口にしそうになり、慌てて首を振る。
「……なあ、女将から慰安旅行だと聞いてきたんだが、ここどこだ? 山はいいとして、吹雪だし、超寒いし……聞いてないぞこんなの! あ……でも、これがいわゆる秘湯って雰囲気なのかもな。だとしたらアリか……うん」
 深い雪にずぶずぶと沈んでいきながら、饗宴の思索者・アレクサンドラ(a08403)が1人で疑問を解決していた。浴衣姿で頭にタオル、小脇に木桶を抱えているという、ちょっとそこまで風呂に入りに行きます、というような格好だ。粋な姿だが、冬山にはあまり似合っていないかもしれない。
「心頭滅却すれば何とやら……ってやっぱ寒ぃよ馬鹿野郎ーーー!!」
 突然、闇鴉・リスティア(a05300)が大声を出し、ナパームアローを放とうとして、よさんかこらと四方八方から止められた。が、それで止まる事を知らず、近くの絶壁にうぉぉーとか叫んで走っていくと、
「これこそが、我が求めていた試練!! ここを越えれば、新たなる地平が、約束の地が目の前に! 大自然の皆さんありがとうありがとうありがと(以下連呼)」
 ……ちょっぴり体内のスイッチがどこか入ったらいけない具合に入ったっぽい様子で、遮二無二絶壁を登り始め、途中で滑って下まで落下。上から落ちてきた大量の雪に埋まってすぐに静かになった。
「ふっ……若いな」
 その光景を、目を細めて見つめるヴァルゴ。
「早速山の神様への生贄が差し出されたわけですわね……これできっと、この先の道中は安泰でしょう」
「……良い仕事です」
 イングリドとリツが、そっと手を合わせた。
「いえあの、早く助けた方がいいのではありませんか?」
 草露白・ケネス(a11757)が、至極当然な事を述べたが、何故か賛同者は出ない。
「コンペイトウ、食べる?」
 埋まったあたりにリューシャがそっとコンペイトウを差し出してみたが……返事はなかった。
「とりあえず、吹き付ける風でも中和できれば……」
 と、傍らではカイがストリームフィールドを試していたが、風雪に対する効果はなく、こちらもますます遠い目になってワルフを抱き締めるのみだったりする。そろそろ本当に目の前にお花畑が見えそうだ。
「……食材確保に向かった人達の方は……大丈夫でしょうか?」
 ケネスが誰にともなく尋ねる。
「無論だ。心配は無用だろう」
 迷った様子もなく、すぐに頷くヴァルゴであった。

「……なんで俺はここにいるんだ」
 吹き付ける猛吹雪の中、かなり根本的な事を口にする男が1人。
 バシッと決めた黒服には雪がこびりつき、既に唇は紫色で、顔色も額の宝石以上にビリジアンだ。
 ……楽園に愛されし男・ポンテ(a04838)である。
「まあまあ、もう何を言っても遅いし、とりあえずここに来た目的を果たしましょうよ」
「まったくその通りね。建設的に行かなくちゃダメよ。うんうん」
 彼の背後には、対照的に明るい声の黒翼・イル(a01415)がいた。隣でバニーな翔剣士・ミィミーが頷いている。どちらもポンテを雪避けの盾代わりにしているようだ。
「……目的? なんだっけ?」
「楽しい慰安旅行でしょ」
「思い出作りのために温泉に入るの。私達は、食料の調達よね」
「あー……そうだな。そんな話も聞いたような気がするぜ」
 ポンテの背中には、既に仄かな哀愁が漂っていた。顔もますます老け込んでいるようだ。苦労性全開である。
「それじゃあ早速狩りをするの。ええと……とりあえず紅蓮の咆哮?」
「……いや、ミスティ待ちなさい。雪山で大声出すのは危険だから。雪崩とか起きるし。それにだいいち何に対してそんなアビリティ使うっていうの」
「さあ、わからないの」
「あのね……」
 やっぱりポンテをさりげなく吹雪避けにしつつ、魂喰の少女神・ミストティーア(a07198)と紅き剣閃・ルティス(a07069)が、そんな会話を交わしていた。
「なだれって、なに?」
「……今にわかるから。まず間違いなくね」
「?」
 確信めいた瞳で何故かポンテを見るルティスに、小首を傾げるミストティーア。
「それはともかく、仕事を忘れるなよ。見ろ、あれを」
 と……哭・コクト(a07365)が、とある方向を示した。そこには……。
「大変だ! 鍋が盗まれたぞ!」
 目をくわっと見開く銃と薔薇・アクセル(a10347)。
 ちなみにコクトとアクセルも、ポンテの背後にいた。もちろん風雪を避けるために。
 それはともかく、吹雪の中を、何かが移動している。
 よく見ると……猿だ。猿の集団が零式汎用甲冑・ゼルファルド(a90010)を担ぎ上げ、どこかに運び去ろうとしていたのだ!
 ……どうやら、寒さで鎧が凍りつき、動けなくなっていた所を狙われたようだ。
「さっきから姿が見えないと思ったらそういう事か……くっ、ゼルファルドー!!」
「ってか、普通気付くよね」
 劇画調で叫ぶポンテの背後で、イルがごもっともな一言を呟く。
「待て、俺の鍋……じゃなくてゼルファルドくん、今助けるぜ!!」
 アクセルもすぐに追おうとしたが、雪が深くて急げそうもない。
「こんな時に何か役に立ちそうな道具とか、ないの? 女将から色々持たされたんでしょう?」
「そ、そうだな。よーし」
 ルティスに言われ、背中に背負ったやたらでかい袋に向き直るポンテ。早速広げて中を見てみると……。
「あったぞ! 分厚い遺書がきっちり人数分!」
「こっちはローソク……何故か荒縄と蝶のアイマスクがセットね」
「見て見て、サンオイルと日焼け止めがあったの」
「これは……何故に同人本が入っているんだ? しかもこれはポンテと……ああいや、見なかった事にしよう」
 ……次々と取り出される品物は、およそ役に立ちそうもない、アンド雪山にはまるで関係のないものばかりだ。
「だー! 埒があかねー! 俺は行くぞ! 待ってろ鎧!」
 がぁーと叫んだポンテが走り出そうとしたが、それをコクトが押し留めた。
「俺にいい考えがある。任せろ」
「……いい考え?」
「うむ」
 自信満々で頷くコクトだったが、何故かその表情に嫌なものを感じるポンテさん34歳。
「何をする気だ?」
 そう問うと、コクトは真面目な表情のまま、
「舞えポンテ、雪野に舞い散るメロンパンとして」
 仲間を信頼する漢の目で語ると同時に、巨大なハンマーでポンテをぶっとばした。ハンマーには、どういうわけか『ポンテ専用』と書かれていたりする。
「だー!?」
 弾丸となったポンテは真っ直ぐに猿の群れのど真ん中に剛速球で突っ込み、吹き飛ばす。言うまでもなくゼルファルドごと。
「……さすがだぜポンテ。今この瞬間から、フライングドリアッドの伝説が始まるんだ!」
 最高の笑顔で、アクセルが親指を突き立てた。
 ……が。
「ふっ、1人で決めようとしてもそうは行かない! 勝負はこれからよ!」
 雪の中に半分めりこんだポンテを、今度はルティスが巨大なハリセンでコクトへと打ち返す。
「ほう……俺とやる気か。面白い」
 飛んでくるポンテを見つつ、コクトが戦士の顔になった。
「ならば、温泉を掘る為の技として使うつもりだったこれで……相手をしよう」
 言いながら構え、躊躇わずに撃つ。その技とは……。
「あ、ナパームアローはまずいんじゃないかな」
 と、イルは言ったが……当然遅かった。
 大気に響く爆音にわずかに遅れて、ゴゴゴゴゴゴ……と地面が低く鳴動し始める。
「さて、じゃあ逃げる準備して。雪崩が来るから」
「わあ、私、なだれって見るの初めてなの♪」
 ミストティーアは嬉しそうに笑っていた。

 ……数秒後。
「あれは……雪崩ですわね」
「雪崩……みたいですね」
「うむ、間違いないな」
 轟音と共に押し寄せる雪の津波を前に、イングリド、リューシャ、ヴァルゴが頷く。
「あ、みんなー! みてみてー! なだれなのー♪」
 その前には、懸命に逃げてくる仲間達の姿もあった。いいかんじにミディアムに焼けた鎧とポンテをコクトが引きずっている。周りには鹿やら熊やら猿やらといった野生の動物達もいて、一緒になって走っていた。そんな中、唯一ミストティーアだけは笑顔で手を振っていたりする。楽しそうだ。
「……私、ちょっと急用を思い出したので失礼しますね」
 一礼して、リツも走り出す。
「ぬぅ、またしても我に試練が訪れたか!! だが、ここを切り抜ければブレイクスルー出来ること間違い無し!! ゆくぞぉぉぉ〜!!」
 リスティアは真正面から雪崩に突っ込んでいき、真っ先に巻き込まれた。
「ああ……ついにお迎えが来たのかなぁ……」
 とか言いながら、よろよろと立ち上がるカイ。
 その彼を、
「じゃあ私が迎えてあげる!」
 走ってきたイルが思いっきり蹴倒すと上に乗り、スノーボードみたいな形で滑走しはじめた。
「酷い酷すぎるワニィィィィ!!」
 雪原に流れる悲鳴が、凄い勢いで遠ざかっていく……。
「ふふ……こんな事もあろうかと、ちゃんと手を考えてきました」
 ニヒルに微笑むと、クリュウはおもむろに目の前の雪原に大根棒をチェインシュートで叩き込む。邪竜の力が篭る武器の威力は凄まじく、深々と雪に食い込んだが……すぐに何事もなく、手元へと巻き戻された。
「ええと……しっかり固定するものに打ち込まないと、やっぱり駄目なのでは……?」
「…………ふっ」
 遠慮がちに言われたケネスの言葉に、多少冷や汗を浮かべつつ、髪の毛をかきあげる彼だ。
 やがて……ほどなくその場は、巨大な雪崩によって何もかも押し流されていった……。

 ──その頃、小料理屋ふゐぬでは。
「そろそろみんな、温泉に入っている頃かな……」
 暖かくした部屋の中、煎餅を齧りながら1人そう呟く蒼獣・リュート(a08279)。
「あ、私もお風呂に入ろうかな。やっぱり寒い時にはいいよねぇ」
 などと言いつつ、立ち上がると……棚に置かれていた皿がひとりでに落ち、床に当たって粉々になってしまった。
「……今朝からこれで5枚目、かぁ……みんな、無事だよね。うん、きっと無事だ」
 そちらを見ないように、そそくさとお風呂へ急ぐ彼であった。

「いやはや……一時はどうなる事かと思ったな」
「そうですわね。ですがやはり、最後は正義が勝つのですわ」
「正義というか……偶然のような気もしますけどね」
 湯気立つ温泉につかりつつ、ヴァルゴ、イングリド、リューシャがそんな事を話していた。
 雪崩の去った後、なんと、雪に埋もれていた温泉がぽっかりと顔を出したのだ。神の悪戯か、はたまた悪魔の報酬か……それは不明だが、とにかく、一行は目的地に到着を果たす事に成功したのである。
 とはいえ……温泉の外では、今も『発掘』が続いていた。
「おおーい、ポンテだ! ポンテがいたぞー!」
 アレクサンドラの声が響く。
 彼の足元の雪の中から、緑色の頭髪と、スミレの花が覗いていた。
「大丈夫だ、傷は浅いぞ。ほら、新しい頭だ!」
 と、アクセルはレタスを差し出し、
「大丈夫ですか〜? 眠ってしまうと危険だとこの本に書いてあります! 寝てはいけない!」
 リツが『デンジャラスラス雪山登山攻略法<入門編>』という本を片手に呼びかける。
「よし、掘り出すのは任せておけ」
「私も手伝うの」
 直ちにコクトがナパームアロー、ミストティーアがファイアーブレードの構えに入った。
「ならば私も力を貸そう!」
 アレクサンドラはワイルドラッシュをやる気だ。
「……あの、埋まってる人の無事は考えてますか皆さん?」
 ケネスが尋ねたが……その返答の前に、全ての技が放たれた。
 近くでは、雪から突き出た鎧の腕とか、リスティアの足とかの臭いを、各人が連れてきたペット達がくんくんと嗅いでいる。
「……うん、良い出来だ」
 クリュウとアーペントは、皆が造り出した土塊の下僕達と、カマクラや雪像制作に精を出していたようだ。
「さてと、ちゃーんとお土産持って帰らないとね」
 湯の中で、リュートの身代わりに彼の帽子を被って同行してきたペットの狼の頭を撫でつつ、イルが微笑んでいる。傍らには、なんだかちょっと体が削れたようなカイがプカプカ浮かんでいた。
 後は……ヴァルゴの作った温泉卵入りカレーを堪能したり、たまにまた雪崩が起きて流されたりしつつ、一行はこの慰安(?)旅行を楽しんだようである。
 ……なお、皆が旅行から帰って後、しばらくはふゐぬの前に、なんとなくリュートに似た雪像(中身入り)が、飾られたようだ。

■ END ■


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