【偉大な影を追い求め】最後の翼を待ち望み



<オープニング>


「にぅ……何か、無いかなぁ……ですぅ……」
 酒場の依頼掲示板の前。兎の尻尾をぱたぱたと振りながら見上げているのはストライダーの医術士・マリス。
 そう、今日もまたマリスは、酒場の依頼掲示板の前へとやってきていた。
 つい先日、母親から冒険者として認められたマリス。冒険者として、母親を助けるためというのもあるけれど、父親の姿を捜し求める事はまだ達せられずにいる。
 だから今日も今日とて、酒場の依頼掲示板を見て、父親の影を捜し求めに掲示板へとやってきていた。
「……うにゅぅ……パパだったら、どう考えるですかぁ……」
 ……とは言うものの、マリス自身、最近父親はどのような考えの下で動いているのか解らなくなってきている。
 今まで何度も父親が受けそうな依頼を受けてきていたが……全てがハズレに終わっている訳で、自分自身を疑ってしまうのは仕方が無い事。
 まぁ……マリスは強くなった。最初の頃のマリスだったらきっと挫けていただろうけれど、色々な人と出会い、そして様々な叱咤激励は、マリスを知らず知らずの内に一回りも二周りも大きくさせていた。
「マリス君、良かったわね。お母さん助かって♪」
 その肩を叩いてきたのはそう、霊査士のリゼル。何度と泣く落ち込んだりするマリスを励ましていたリゼルは、彼を大きくさせた隠された影の功労者かもしれない。
 そんなリゼルの積極さに、ちょっとわたわたしながらもこくり、と頷く。そして再び掲示板を眺める。
「探してるのね。まぁマリス頑張ってね。大丈夫、諦めなければきっとお父さんは見つかるわ。霊査士の私が言うんだから、間違いないわよ♪」
 どこからその自信が出てくるのかは解らないが、まぁ……要はマリスを励ましていると言う訳なのである。

 それから暫く、依頼掲示板をじーっと目で追っていくマリス。
 グドン退治、洋館探索……等など色々な種類のある中で、マリスは自分の成長も合わせて考えながら、父親のいるかと思われる依頼を探す。
 ……考える事数十分。
 マリスは一つの依頼に目を留めた。
 アンデッドに襲われた町の話。
 以前受けた、光物を集めるモンスター……その時に手に入れた父親の残された指環は、そのモンスターから零れ落ちてきた。
 そして襲われた村の位置は、その立地から僅かに南に離れた所。
 同じような事件が起こっている。それも……死した者達アンデッドは、その生存者の姿を追い求めて次々と南方に南下してきている……との事。
 アンデッドというのに対し、父親がもしかしたら……という事が拭いきれないマリス。
 自分の手の仲に握り締められた指環を握り締めながら、マリスはその依頼を受ける事に決めた。
 
「さてと……この依頼だけど、スピードが重要だと思うわ。アンデット自体、陽が落ちてから活動を活発化させる。正直町は何箇所かあるから、どこに出てくるかは断定できないの」
 と、リゼルが依頼の霊査結果を告げる。
「各々の町は貴方達なら走って半時間程でつく程度、大小合わせて4つ程が点在してるわ。避難をしようにも……これだけの人数を一気に避難させる事も無理。させようにも、受け入れられる街なんて近場に無いのよ」
「いい、皆。町の人達を混乱させないように、そして出てくる沢山のアンデッド達を倒してくるのよ。霊査した結果では、どこかにぞろぞろと集まってくるのが見えたの……正直言って寝覚めが悪くなる位……ね」
 そして言葉を区切ると、リゼルは。
「……誤解が無いように、一応言っておくわ。私が見た限り……このアンデッドたちは様々な武器を使ってくる。剣やら、斧やら……。大部分は古びて錆びた物だけど……新しい武器を持っている者もいるみたい。もしかしたら……考えたくない事だけど……」
 呟き、リゼルは口を噤んだ。

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参加者
蒼の閃剣・シュウ(a00014)
宵咲の狂華・ルビーナ(a00172)
六風の・ソルトムーン(a00180)
霊帝・ファントム(a05439)
武装戦闘野良メイド・ステラ(a05867)
死者の守人・レイ(a07113)
地霊星・リュウカ(a08056)
侍魂・トト(a09356)
煉刃暗手・セイジ(a15891)
幼き眩惑の狐姫・セレス(a16159)
NPC:人を癒す道を信じて・マリス(a90124)



<リプレイ>

●危機の前
 急ぎ準備を整えた冒険者達は、アンテッド達の近づく街々へと急いで向かう。
 リゼルから告げられた時間が無い……そして、装備の新しいアンテッド達が居るという二つの事実。その内の一つは、ストライダーの医術士・マリス(a90124)の心に、重くのしかかる。
 立ち止まるマリスに対し、地霊星・リュウカ(a08056)が背中を強く叩いて。
「……頑張りましょうね、マリスさん。いえ……朋友」
 リュウカの言葉には、一人前の冒険者として信頼しているという意思が込められている。
 マリスがその意思を汲み取れたかどうかは分からない……でも、確かにリュウカの言葉にこくりと頷いたのは確か。
 いつも以上に緊張していると思ったのか、侍魂・トト(a09356)もその肩をぽんと叩きいて。
「おいおい、途端から力みすぎてるんじゃないのか? しゃっちょこばってちゃ、普段出来る事も出来なくなるぜ?」
「ちゃっちょこ……ばる……ですぅ?」
 トトの言葉に?を浮かべるマリス。トトは頭をぽりぽりと掻きながら。
「ああ、緊張しすりるんじゃないって事さ。な、硬くならずにリラックスリラックスだぜ」
 そんなトトの言葉に頷くマリス。同様に、舞い降りる黒き翼・セイジ(a15891)と幼き鬼界の狐姫・セレス(a16159)の二人も次々とマリスに。
「お前がマリスって言うんだな。俺はセイジ……今回は頑張ろうな?」
「マリス君、宜しくねっ♪」
 暗い気持ちを吹っ飛ばしてやろうという心があったかどうかは定かではないけれど……そんな二人の挨拶の言葉に、マリスはやっと微笑を浮かべるようになる。
 ……そんなマリスを横目にしながら、改めて六風の・ソルトムーン(a00180)が作戦の確認を込めて仲間達に告げる。
「いいか……先に滅んだ村の位置は覚えているな? 各町に分散後、各自その村に向かって進軍を展開する。勿論気配を探しながらな。道中、敵と遭遇する事も考えられるが、その際にはアビリティか呼子にて他の仲間達に合図し、援軍が来るまでは逃げの一手で時間を稼げ」
「反撃が出来そうになった次第、街の攻めを開始。勿論合図を受けた者は、自分も合図を放ち急行する事……これを忘れてはならない」
 この作戦、二つの事項を的確に行わなければ、いつまで経っても援軍は来ない。
 誰かがこの合図を忘れてしまえば、敵が現れた事さえも伝達されないのだから。
 そのソルトムーンの作戦に頷く蒼の閃剣・シュウ(a00014)、そして宵咲の狂華・ルビーナ(a00172)。
「まぁともかく時間も無い事じゃ、急がないとのぅ。何としても、アンテッドが街に襲い掛かる前には食い止めねばならぬ」
「そうだな……本当に早く片付けなければな」
 霊帝・ファントム(a05439)もその言葉に頷き……そして更に進んでいった。

「それじゃ、行って来ますね……マリス君、気をつけて下さいね」
 シュウ、リュウカに続けて、武装戦闘野良メイド・ステラ(a05867)がマリスの頭を撫で、未だ無事な街へと向かっていく。
 そんなステラに対し、蒼き狂花の獣姫・レイ(a07113)は。
「……ちっと待っててや、すぐ戻るさかい」
 そしてレイは、ステラを追いかける。
 マリスから声も姿も見えない程に離れた所で、ステラを呼び止めるレイ。
「? 何ですか?」
「ステラ……ちとマリスを甘やかしすぎんちゃうか?」
 突然のレイの言葉に、呆気に取られるステラ。そして。
「だってマリス君は、私の弟みたいな存在ですよ、甘やかしちゃ駄目ですか?」
 ちょっと不快感が滲む。レイはステラの両肩に手を置き。
「ステラ……マリスが可愛ええのも、可愛がりたいのも分かる。でも、姉ちゃんってのは、厳しさも持って接することも必要とちゃうんか? 気持ちはこれでもかって位に分かる。でも……このままでいくと、ステラ自信怪我する事になるで? そうしたら……マリスも泣くやろうしな」
 突然のレイの言葉に、少し心が揺れるステラ。
 確かにあのマリスが、自分の為に怪我を負ったと思えば、泣く事は容易に想像できる。
 でもステラは決意をしていたのだ。マリスの為になら、怪我をしても構わないと。
 だが、レイの言葉を聴くと……その決意が揺らぐ。自分はどちらにするべきか。
「ええか? うちから忠告しとく。ただ決めるのはステラ自身や、姉ちゃんとして、自分の身の振りは考えとくんやで」
 そう告げて、静かにステラの下から走り去っていくレイ。
 ステラは大空を見上げ……そして、自分に課せられた使命を果たすために走り始めた。

 ステラ・シュウ・リュウカの三人は、各々の街にたどり着くとすぐに、街の町長や権力者等に面会を願い出る。
 勿論それぞれの街には、近くの村がアンテッドの被害にあったという情報は既に流れてきていて、明日は我が身……危機感をどの街をも持っていた。
 三人は、それぞれの町長に対し、簡単に二つの事項に関してを伝える。
 一つはこの辺りの町が、アンテッドに襲撃する可能性が間近に迫っているという霊査結果が出たという事。
 二つ目は、今晩は街の住民達を、家から一歩も出ないように伝達して欲しいという事。
 冒険者達の真剣な言葉に、各々の町の町長達は早急に街の者達に伝える……と約束する。
 そんな中、話をつけたリュウカに対し、街の住民達が。
「本当に、本当に私達は助かるんでしょうか……?」
 不安で一杯の住民達。リュウカは。
「助かります……その為に、私達が来たのですから」
 と微かに微笑んだ。

 そんな三人とほぼ同時刻。残る冒険者達は、残されたあと一つの村へとやって来る。
 同様に町長への説得、そして、住民達への説得を行う。
 ただ一番村から離れていたこの町は、他の町に比べて危機感はあまり強くない。
 しかし冒険者七人掛かりでの説得は、それが緊急事態であるという何よりもの証明。
 町の人たちは自然とその緊急事態を察知し、一つ、また一つ……と家々のドアが閉じられていった。
 そして街の人達の説得を終えた冒険者達が、続けて始めたのは……アンテッド達の痕跡探し。
 あと数時間で暗くなる。アンテッドの痕跡はその出没を知る重要な手がかりになる。
 お互いの合図が見える程度に横に広がり、微かな痕跡をも見逃さないように、滅ぼされた村に向かって進み、地面、木々の間、石ころなど等……ともかく地面に転がる全ての物を調べ上げる。
「何もないな……」
 ファントムが顔を上げ、右隣、左隣に合図を出すも、同様に手がかりなしの印。
 同様に誰しも何も見つからない事を示す。
「村を滅ぼされたのは確かなんだよな? 何らかの手がかりはあってしかるべきだとは思うんだが」
「ひょっとすると……この街はアンテッドの狙いからはハズレかもしれないな」
 トト、そしてセイジの言葉の通り、この町はアンテッドが次に現れる街ではなかったのかもしれない。
 ……しかし既に時は遅し。
 夜空は夕焼けに染まり、時は宵闇に巣食うアンテッド達の動き始める時へ、刻々と変化してきていたのである。

●闇
 宵闇……アンテッド達が蠢き始める頃。
 痕跡を探していた冒険者達。その中で只一人痕跡を見つけられたのはステラだけであった。
 ステラは、村の方向へと歩いてると……微妙に異様な異臭がするのに気づいていた。
 その周囲をくまなく探していると……その背後に、何かの気配が。
 暗闇の中、現れ始めるアンテッド。じり、じり……と街の方向へと歩み始める。
「く、出たわね」
 ステラは急ぎホーリーライトを赤く光らせ、仲間達へ合図を行う。夕闇に激しく光る赤い光は、離れた周囲の数名の冒険者達への合図となる。
 しかしアンテッド達はそんな事に構いもせず、更に街への歩みを進める。ステラが呼び子を鳴り響かせながら、アンテッド達の目前に壁となって立ち塞がる。
 ……しかし、つまりは援軍が来るまで半刻かかるという事。
 アンテッドの数は十数匹にも登り、圧倒的不利以上の状況。死をも覚悟しながら、ただひたすら防戦の手を尽くすステラ。
 ……危険、そんな文字が頭を過ぎったその時、アンテッドの振り落とした手が武器を狙う。
「くっ……!」
 アンテッドの群の向こうに飛んでいくアダマス。
 しかし……そこに。
「女の一人歩きは危ないぞ? 助太刀させてもらうぜ」
 突然現れた冒険者。年の頃は40代半ばといった所だろうか。
 ステラは彼の突然の出現に狼狽える。そんな彼の手にはアダマスが。
「ほら、ぼーっとしてるんじゃない!」
 男から剣を受け取ったステラは、再びアンテッド達と退治する。
 ……攻撃を受けながら、ステラは彼の顔に、何か引っかかりを感じていた。
(「……マリス君から聞いた、お父さんに似ているような……」)
 もちろんその問いを尋ねる事は出来なかった。

 更にアンテッド達は激しい攻撃を仕掛けてくる。
 ただでさえ二人対多勢の状況。街に行かせない様に防戦する一方であっても、着実に街の方へと推されていくと共に、救援部隊が現れるまで半刻以上の時。
 とてつもなく長い時……勿論アンテッドの数も自分たちの十倍以上居る訳で、暗闇の中を右、左から立て続けに攻撃され続けると、流石に交わし辛い。
 そんなアンテッド達の攻撃を受けた部分は、ジュウという音と焦げた匂いを立てて溶けていく。アンテッドの新しい武器が何故溶けないのかは不可思議が残るが。
 ともかく仲間達が来るまでの間、ただひたすらに防戦を続けなければならない。ステラは何度となく、自分自身に呟く。
(「大丈夫……マリス君がいる。怪我を負っても、絶対に大丈夫……っ」)
 例え攻撃を受けても……例え毒を受けようとも、ステラの中の強いこの思いは挫けることは無く、着実にアンテッド達のスピードを緩めていた。
「ステラさん、大丈夫ですか!」
 突然リュウカの声。二人に対しヒーリングウェーブと毒消しの風を掛け、二人の回復を行うと共に、自分自身にも鎧進化を使い、防御を固める。
 リュウカが来た事で、僅かに体勢を持ち直す。ステラは自分の周囲に集まるアンテッド達に対し、流水撃奥義を又使い、なぎ倒す。
 ……しかし吹っ飛ばされる程で、再び動き出すアンテッド達。強靭な耐久力だけは持ち合わせているようである。
「流石に……アビリティがこれは底を突くかも……」
「あと少しで、探索班の方達が来る筈……それまでどうにか持ちこたえれば……!」
 リュウカの叫ぶ通り、探索班の七人が来れば、こちらの人数は倍以上になる。医術士のおかげで減る一方だった体力は下げ止まり、アンテッド達の動きを、多少鈍化させていた。

「待たせたのじゃ、加勢するぞ!」
 街が視界の際に入りかけたその時、ルビーナを始めとした探索班が辿り着く。
 すぐさまルビーナとファントム、トトとセレスの四人がステラと同じ列に立ちふさがると、数を減らすことに主眼を置いた流水撃や電刃衝を仕掛ける。
 ソルトムーンとレイ、セイジの三人は、そこより僅かに後方に下がった所から、戦況を見極め主グループから離れたアンテッド達を、個別に打ち倒す。
 ……そんな中、マリスは見覚えのある姿を、セレスの隣に見つける。
 間違いない……父親の背中だというのは、すぐに分かった。
「ぱ……パパ……ぁ?」
 驚くマリスに対し、父親はマリスを一瞥するとすぐに視線を前に戻す。
「マリス……お前もなっちまったんだな、冒険者に」
 戦闘中。それ以上の言葉を告げるのはしなかった。ただ一つ……セレスは確かに彼の舌打ちを耳にする。
「侮るな、先走るな! 的確に敵を見極め、突出することなく数を減らすことだけ考えよ!」
 戦場に木霊する、ソルトムーンの威風たる言葉。冒険者達はその言葉の統率の下、着実に敵の数を減り始めていく。
 最後、一番村から至近の街にいたシュウが、やっとの事で現れた。
 すぐさま前衛に立ちふさがると。
「すまん、遅れたな。一挙に倒すぞ」
「マリス、ディバインチャージを頼むのじゃ!」
 ルビーナに応じて、マリスがルビーナの剣へとディバインチャージを掛ける。
 見る見るうちに姿を変える剣を構え、ルビーナはその武器を兜割りの一撃をもって振り落とす。
 二つに割られたのを契機に、冒険者達は次々と各々撃破を繰り出していく。
 既に流水撃等で耐久力を削り取られていたアンテッド達にとって、ここでの大きな攻撃力は致命傷となり、次々と倒れていく。
 そんな中、体躯の大きな敵に向かうファントム。
「その首、貰った!」
 と空中へと飛び上がった瞬間、その敵から掬い上げられる様に振り上げられる手。
「く……っ!」
 よけられないかと思った。しかし次の瞬間、ファントムの体は更に宙に浮き上がる。
 後から飛び出した彼が、ファントムをタックルで押し上げていたのだ。
 勿論その攻撃の手は、父親へと浴びせかけられる。アンテッド達の死した群れの中へ、血と共に跳ね飛び、動かない。
「! 早く殲滅するぞ!」
 シュウはそう叫ぶと、紅蓮の咆哮でアンテッドの動きを止める。
 動きの止まったアンテッド達に対し、次々と攻撃を仕掛け薙ぎ倒す。
 全て倒し辿り着いた時……既に父親の体はアンテッド達の毒が回っていた。

「パパ……パパぁ……」
 自分の前に倒れた父親を、必死に回復するマリス。
 勿論リュウカも一緒になってその手当をしているのだが、アンテッドの傷が深いのか、それとも毒に特殊な物が含まれていたのか……その血は一向に止まる気配は無い。
 泣きじゃくるマリスに、虫の息ながらも父は。
「マリス……こんな仕事、俺だけで十分だってのによ……へへ、俺もマリスも馬鹿だったのかもしれないなぁ……」
 突然のそんな父親の言葉に、ショックを受けるマリス。そんなマリスを庇い、セレスは叫ぶ。
「ちょっと……そんなの勝手じゃないの!」
 突然の叫びにちょっと驚いた風の父親。更にセレスは続ける。
「大人って……大人ってだから勝手なんだよ! ……どうしてお父さんは、家族を置いてまで冒険をする必要があったの!? 両親がいるだけで、どれだけ子供が幸せなのか分からないの? お父さん……どうして分かろうとしないのさ?」
 辛辣に叫ぶセレス。セレスの環境、そしてマリスが冒険者になった理由を知ってるからこそ、父親の馬鹿という言葉は許せない。
 しかし父親は……ふふ、と微かに微笑んだかと思うと。
「見せたかったんだよ、子供達に、名を馳せた俺の姿を……な。もう……どうせ、適わない……だろうけどな。誰だって栄光欲……あるだろう? ……マリスに寂しい思いをさせたのは悪いと思ってるさ……でもな、マリスを惨めにだけは、させたくなかったんだよ……マリスにとって、俺が自慢出来るような父親だって……言わせなきゃ、帰れるはず無かった……のさ」
 自分の息子が強くなる事。それも、自分を抜かそうと、ぐんぐんと伸びてきていた事。
 そんな複雑な心境……が事実マリスの父親を苦しめる結果になっていたのだ……。


マスター:幾夜緋琉 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2004/12/28
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