≪密林の楽園Gパンポルナ≫ちくちくぶんぶん



<オープニング>


「街道の途中に、今度は大きな蜂の巣ができたらしい。例の巨大蚊の騒動を片付けた礼にヒトノソリンの長老殿達がうちに来ていたわけだが、どうやら来る途中で蜂の大群に追いかけられたらしくてな。まだ特に被害は出ていないのだが、このまま放置しとくのもいかんと判断したわけだ」
 ……と、新たな依頼の説明を始めるヴルルガーン。今度の仕事は、どうやら巨大蜂退治のようだ。
「ただな、通る者を無差別に襲う、というわけでもなくて、甘いものや酸っぱいものなどの臭いを出すものを持っていると、それにつられて大群で寄って来るようだ。ヒトノソリンの一行は、ここに持ってくる宴会の物資を大量に運んでいたので、それに誘われてやって来た蜂に襲われたようだな。彼等の話によると、ワイルドワインの入った箱を何箱か置いて囮にして、それに蜂がたかっている隙に抜けてきたらしい。もったいないので、それを回収するのも依頼に含めるぞ。無事に持って帰れたら、うちの旅団ショップの売り物に加えようかとも思うしな」
 ……なるほど。
 甘いものや酸っぱいもの等を持っていれば、それに引かれて寄って来るらしい。
 ということは、逆にそれらを持つ事で、故意に引き寄せたり誘導したりも可能、という事だろう。
 次に、霊査士は肝心の蜂についての説明に入った。
「この怪獣蜂は、大きさがヒトの頭くらいある。巣はジャングルの中にあるらしいが、細かい場所まではよくわからんな。まあ、スズメバチのでっかいやつ、と思えばよかろう。ワインの入った木箱も、巣の近くまで運ばれたものと思われる。うまくおびき出し、誘導しながらジャングルの中にある巣をみつけ、これを叩いてくれ。まあ、簡単に言えば、ハチミツとかを身体にぬったくった囮でも仕立てて蜂の大群に追いかけさせ、その隙に別の者達が巣を攻撃、というのが一番安全だろうな。少なく見積もっても蜂は数十匹単位か、あるいはもっといると思われるので、とにかく頑張れ」
 ……との事だ。相変わらず、えらい作戦指示である。
 もっとも、そういう手を取るかどうかを決めるのは、最終的には現場へと赴く護衛士達の判断によるわけだが。
「あとな、この蜂に刺されると、麻痺の効果がある。あまり冒険者には効かないとは思うが、そうやって捕えた獲物を、エサとして巣に持ち帰る習性があるようだな。巣に入らない大きな獲物は、巣の近くの地面に穴を掘って埋め、保存するらしい。ワインの入った木箱も、おそらくは近くの地面に埋まっているはずだ。まあ、掘った跡があるので、すぐに分かるだろう。運悪く蜂に刺されまくって麻痺してしまった囮も、巣の近くに運ばれて埋められる恐れがあるので気をつけろ。そういう奴が出たら、救助も頼むぞ」
 ……どうやら、万が一刺されて麻痺したら、巣の近くに埋められるようだ。
 囮は大変である。まあ、とはいえ囮は毎回そんな感じではあるが。
「俺からは以上だ。では頼んだぞ。勇敢なる密林の護衛士達よ、出動だ!!」

マスターからのコメントを見る

参加者
重拳の反逆者・アルシー(a02403)
赤き月夜に荒れ狂う魔狼・グレン(a08909)
陽溜まりの福音・ユウリ(a09611)
紅い魔女・ババロア(a09938)
天武の申し子・シュラ(a13883)
夢見るノソリン紋章術士・ルルノー(a14011)
黒衣の天使・ナナ(a19038)
煩悩満載な鳥頭・オーダタ(a21187)
NPC:赤い実の・ペルシャナ(a90148)



<リプレイ>

「はい、整列なぁ〜ん♪」
 ピッ、と、お散歩ノソリン紋章術士・ルルノー(a14011)が、手にした笛を吹き、造り出した土塊の下僕を横一列に並べる。
「え〜と……囮班と巣破壊班に別れて、囮が蜂を惹きつけている間に巣を壊して、蜂退治って流れっすよね?」
 そのルルノーに、今回の作戦が書かれたメモを手にした、煩悩満載な鳥頭・オーダタ(a21187)が、小首を傾げつつ尋ねた。
「そうなぁ〜ん。間違いないなぁ〜ん。作戦の成功は、囮の私達にかかっているといってもいいなぁ〜んよ。というわけでがんばるなぁ〜ん」
「おうっす! 蜂は怖いっすけれど、雄(オトコ)オーダタ、頼まれたからには頑張るっす! ルルノーさんやシュラさんの身も、守ってみせるっす!」
「わぁ、かっこいいなぁ〜ん♪ お願いするなぁ〜ん♪」
「はっはっは! ずどぉーんと任せて欲しいっす!!」
 胸を反らせて笑うオーダタ。
 その身は、蜂が攻撃しやすい色だと言われる黒の全身タイツ姿であり、さらにルルノーと土塊の下僕達が、彼の全身にぺたぺたと蜂蜜や酢を塗り始めていた。

「罠の準備はできたなぁ〜んよ!」
 黒衣の天使・ナナ(a19038)が笑顔で振り返る。
「こちらも準備できました」
 紅蓮の守護神・シュラ(a13883)も頷いた。
 シュラの方は頭の上に乗っている文鳥のハットが蜂蜜を塗られて複雑そうな顔をしている。自分自身は鎧の隙間に布を詰めたりして、蜂の針対策としていた。
 一方のナナは、モチの木の皮を叩いて潰して作った大量のトリモチをそこら中の木や草に塗りつけた罠を設置済みだ。罠の中心にはアルシーから預かったチョコ入りの木箱をエサとして置いてある。
「これでバッチリなぁ〜んよ」
「そうですね……でも、えっと……」
「うん、何なぁん?」
 シュラがふと、ナナのシッポを指差した。
「あ゛……」
 ナナの目が点になる。
 作業中に彼女のシッポにもトリモチが付着していたようで、木の枝やら葉っぱやらが大量に貼り付き、大きなホウキみたいになってしまっている。
「はぅ……どうりでいつもよりシッポが重いと思ったなぁ〜ん」
「あの、取るの手伝いますから」
 肩を落とすナナに、困ったように微笑みながら助力を申し出るシュラであった。

「こっちも準備できてるっすね! じゃあ早速作戦開始っす!」
 ナナ達の所に、オーダタとルルノーがやってきた。茂みの中に身を潜めた彼等の前方、200mくらいの位置にある大木の幹に、でっかいコブみたいな物が張り付いている。それが、問題の巨大蜂の巣だ。まだ距離があるので、気付かれた様子はない。
「あのへんに罠を仕掛けたから、あっちに逃げて欲しいなぁ〜ん」
「というわけなぁ〜んよ。怖くてもオーダタさんが守ってくれるから、頑張るなぁ〜ん♪」
 ナナが罠の方向を示し、ルルノーが下僕達にそう告げる。
「おう! レディとチビッ子ちゃん達の安全は俺が保証するっす!」
 力強く胸を叩くオーダタは、全身ハツミツでベッタベタだ。
「……それでは、始めましょうか」
 大丈夫かな……と内心思ったシュラだったが、それは口に出さなかった。
「オーダタさんと下僕ちゃんズ、とっつげきなぁ〜ん!」
「おぉー! やぁってやるっすー!!」
 ルルノーの元気な声と同時に、オーダタと土塊の下僕達がバタバタと突撃を開始。
「さあ来やがれっす! 俺が相手になってやるっすー!」
 鎧進化で防御力を上昇させ、まっすぐに蜂の巣へと突っ込んでいくと、ほどなく蜂達にも気付かれたようだ。巣の中から次々に巨大蜂が現れ、周囲をぶんぶんと飛び回り始める。
 それはもう、次から次へと出現し、ぶんぶんぶんぶん。ぶんぶん、ぶんぶん……。
「蜂さん蜂さんこっちなぁ〜ん……って、何か凄い数じゃないかなぁ〜ん?」
 ナナの笑顔が、ちょっとひきつった。
「私のハットも囮として出しますね。というわけで、お願い、ハット」
 シュラが頭の上の文鳥に告げる。すぐに飛び立ったハットは、しばし蜂の群れを難しそうな顔で見つめていたが……やがて高度を上げ、まったく別方向へと飛び去っていった。さすがにヤバイと思ったようだ。
「あ! こら! もうーっ!」
 それを見て、シュラが頬を膨らませる。
「オーダタさん達が戻って来るなぁ〜んよ。おーい♪」
 笑顔で手を振るルルノー。
 その視線の先に……。
「だーーー! ヤヴァイっす! 超絶的に危険が危ないっす! 逃げるっすーーー!!」
 脱兎、というか、脱鳥と化したオーダタが、必死の形相で砂煙を上げて走ってくる姿。
 背後には、言うまでもなく巨大蜂の大群を引き連れている。
「やったぁ! 囮作戦大成功なぁ〜ん♪」
「喜んでいる場合じゃないなぁ〜ん! なんでこっちに向かって一直線に走ってくるなぁ〜ん!!」
「私達も逃げましょう! 早く!」
 女性陣も慌ててその場から撤退を始める。
「待って欲しいっす〜〜〜!!」
「だからこっちじゃなくて罠はあっち! あっちなぁ〜ん!!」
 大騒ぎしながら、彼らは多くの巨大蜂と共に密林の中に消えていった。

「……ちょっと目論見とは違うけれど、まずは第一段階成功ね」
 それを見送って、重拳の反逆者・アルシー(a02403)が、違う茂みから顔を覗かせる。
「囮のみんな、大丈夫かなぁ〜ん……」
 赤い実の・ペルシャナ(a90148)が、首を傾げたが、
「大丈夫よ。仲間を信じましょう」
 その肩を、紅い魔女・ババロア(a09938)が、ぽんと叩いた。
「そう、ですね……皆さんの、冥福……ではなく、活躍を……祈りましょう……」
 哀色に輝く涙の欠片・ユウリ(a09611)は、目を閉じ、静かに胸前で手を合わせる。
「ユウリさんの言う通りだわ。貴女達とは、良い関係が築けそうよ」
 なんとなくしみじみと、ババロアが言う。その視線は何故か、ペルシャナとユウリの胸のあたりをさ迷っていたようにも思えるが……定かではない。
「蜂が相手か。ふふ、修行には持ってこいだな」
 腕を組み、蜂の巣を眺めつつ、赤き月夜に荒れ狂う魔狼・グレン(a08909)が小さく笑っていた。既にやる気は十分のようだ。
「準備完了。じゃあ、行きましょうか」
 何やらごそごそやっていたアルシーが立ち上がる。その背後から、もわっと煙が立ち昇った。巣から見て風上の方向に落ち葉や枯れ枝を集めて火をつけ、すぐに厚手の布を被せて不完全燃焼状態にしたようだ。もくもくと沸き立つ白い煙は、僅かな風に乗って巣の方向へと流れていく。
「ちょっと……けむいですね」
「まあ、そうね。でも、蜂は私達以上にまいるはずよ」
「よし、それでは勝利の宴は蜂の燻製をつまみに祝杯を上げられるな」
「それはどうかと思うけど……」
「なんにせよ、作戦開始なぁ〜ん!」
 ……と、そんな感じで、蜂の巣への直接攻撃部隊も行動を開始した。

「だるまさんがころんだー!」
「えーい! エンブレムシャワーなぁ〜ん!」
 シュラの紅蓮の咆哮で動きが止まり、ポタポタ落ちる多数の蜂。
 密集している空間めがけて、エンブレムシャワーを打ち込むルルノー。
 ……が、
「う〜ん、やっぱりこれだけ数が多いと、時間稼ぎにしかならないなぁ〜んね」
 後ろを振り返りつつ、正直な感想をナナが口にした。
 密林の中を蜂に追われて走りつつ、追いつかれそうになる度に散発的に攻撃を繰り返している囮組の一行である。
「でも、もう少しです。あとちょっとで罠を仕掛けた場所ですから!」
 と、シュラ。確かにその通りだったのだが……その台詞を言い終わらないうちに、全員の足が急停止した。
 何故かというと……。
「や、やばいっす……いつの間にか前に回りこまれてるっすよ」
 さぁ〜っとオーダタの顔が青ざめていく。
 彼の言葉通り、一行の進行方向前方にも、蜂の群れが出現していたのだ。
 もちろん、後ろからも蜂集団が追いかけてきている。
「囲まれちゃいましたね……罠まであとちょっとなのに」
「さすがに、このあたりは蜂さんのテリトリーというわけなぁ〜んね。簡単にはいかないなぁ〜ん」
「とか言ってる場合じゃないっすよ! 絶体絶命っす! 俺のチキンレッグハートが真っ赤に燃えてるっすよ! 安全な方向はたぶんあっちっす! あっちに逃げるっす!!」
 オーダタは罠とは違う方向を指差した。チキンレッグの勘ならば、確かにそれは頼りになるだろう。が、従っていたら依頼は成功しない。
「こうなったら、奥の手なぁ〜んね」
 ペタペタと、ルルノーがオーダタの体に残ったハチミツを全て塗り始める。
「……へ? あ、あの、何をするっすか?」
「オーダタさんの勇気は、きっと後世にも語り継がれるなぁ〜んよ。たぶん」
 ナナがオーダタの手に、アルシー謹製のチョコを持たせる。後で食べようかと思って取っておいたものだ。
「だから、あの、ええっと……」
「オーダタさん、貴方が最後の希望です」
 じっと真面目な瞳で、シュラがチキンレッグの武人を見ていた。最後の姿をまぶたに焼き付けるかのように。
「一体何をするっすか!? 教えて欲しいっすー!!」
 さすがに、オーダタが叫んだ。彼の中のチキンレッグハートが、限界を超えた危険を感じ始めている。
 そして、その勘はもちろん正しかった。
「オーダタさん、頼りにしてるなぁ〜ん!」
「だ〜〜〜〜〜〜っ!!」
 勢いよく突き飛ばされ、オーダタは罠の真っ只中に突っ込んでいく。
 ハチミツにまみれた彼の体は蜂達にとって、とても魅力的だったようで……素早く伏せたシュラ達の上を通り過ぎ、大群は全てオーダタへと押し寄せたのであった。

「ふん、貴様等など、針さえ当たらなければ恐れるに足らず!!」
 グレンが目の前に迫ってきた巨大蜂を、軽いフットワークからの心攻撃衝撃波を浴びせて叩き落とす。
「たぁっ!!」
「そこっ!!」
 薄い煙の紗幕を、流水撃の二条の波動が駆け抜け、切り裂いた。
 打ち砕かれた蜂がパラパラと地面に落下し、その向こうからアルシーとババロアが姿を現す。
「やっぱり、囮に全部ついて行くほど都合良くはいかないわよね」
「でもまあ、それも計算のうちですし」
 言いながら、ババロアは持参したお菓子を蜂に投げつけている。ぶつけてダメージを与えるつもりではなく、その甘い香りで蜂をおびき寄せ、あるいは霍乱するのが目的だ。なるべく同じ場所に固まって落ちるように狙いもつけている。
「なぁ〜〜〜〜〜〜ん!!」
 ペルシャナが前に進み出、紅蓮の咆哮。周囲にいた蜂を一気に麻痺させ、地面に落とした。すぐにアルシーとババロアが流水撃で地面を薙ぎ払い、回復も許さない。
「よし、一番槍は任せてもらおうか!!」
 蜂が消えた空間に、グレンが飛び込む。目標は言うまでもなく木に張り付いた巨大な巣である。
「食らえ!!」
 一杯まで拳を振りかぶり、渾身の力を込めて叩きつけた。
 ──ゴッ!
 巣ばかりか木全体が大きく揺れ、拳が表面を砕いて中にまでめり込んだ。が、それだけだ。
「チィ、思った以上に頑丈だな」
 舌打ちしつつ、ならばもう一発……と思ったグレンだったが、
「……あ゛」
 引き抜いた拳に、巨大蜂が一匹張り付いていた。
 慌てて払い落とし、一旦後方に飛び退く。
「大丈夫……ですか?」
 ユウリが尋ねると、
「こ、こんなモノ……きき、効かぬ! つつつつ通じぬ!!」
 ……舌が上手く回らないらしい。動きもなんだかカクカクしている。典型的な麻痺の症状だ。どうやら刺されたようである。
「毒消しの風……使いますね」
 にっこり微笑むユウリであった。
 そうしている間にも、巣に開いた穴から、新たな蜂が顔を覗かせる。
「後は……一気に!!」
 ババロアが、その穴めがけて電刃衝を突き入れた。
「いっくなぁぁぁぁぁん!!」
 さらに、ペルシャナのファイアブレイドが続く。
 ごっ、と爆ぜる音がして破片が飛び散り、巣の下半分が下に落下した。
 中に残っていた蜂が一斉に飛び上がったが、それはユウリのニードルスピアが迎撃する。
 そして──。
「見つけた!!」
 アルシーが地面に落ちた蜂の中から、特に大きな一匹へと駆け寄り、ワイルドラッシュの拳を打ち込んだ。
「……女王さん、ですね?」
 ユウリが尋ねる。
「ええ、これで後は放っておいても自然に数が減るはずよ。唯一卵を産める個体が巣から消えたのだから」
 頷くアルシー。
「蜂に持っていかれたっていうワインは?」
「うむ、それなら掘り起こしたぞ。たぶんこれだろう」
 ババロアが聞くと、グレンが大きな木箱を持って現れた。
「……これで、依頼の目的は達成……ですね」
「そうなるわね。あと、やる事はひとつだけよ」
「確かに、ひとつよね」
 シリアスな顔で頷き合う一同。
 その背後には、巣を破壊され、怒りに燃えているらしい巨大蜂の群れが黒雲のように沸き立っている。
「逃げろーーーーーー!!」
 後ろも見ずに、彼らは全力で走り出した。ファイアブレイドの影響で麻痺して固まっているペルシャナは、ババロアとアルシーが2人で担いで走る。とにかく走る。
「あ、みなさーん! そっちの首尾はどうですかー!」
 と、声。シュラだった。囮組の他の面々もいる。無事合流が果たせたようである。
「ペルシャナさん、どうしたなぁ〜ん? お注射するなぁ〜ん?」
「……」
 ナナに問われたペルシャナが、麻痺しながらも必死で首を振った。
「はて、誰か1人足りなくないか?」
 ふと尋ねるグレン。
「大丈夫なぁ〜ん。勇者さんはどんな場所からも笑って生還するのが仕事なぁ〜ん♪」
 元気良くこたえたのは、ルルノーだ。
「仲間の力を信じるのも、私達の仕事だわ」
「まったくその通りよね」
 アルシーが重々しく言い、ババロアが頷く。皆も納得したようだった。
「これで街道も安全ですね……では、依頼の……全員無事での成功を祝って……ばんざーい」
 微笑みつつ、喜びを万歳三唱で表現するユウリ。
 護衛士達の鮮やかなチームワークの勝利であった。

 ──同じ頃。
「……おぉーい。助けはまだっすか〜……」
 麻痺した体を蜂達に運ばれ、巣の近くに首まで埋められたチキンレッグの勇者が細い声を上げていた。
 なんかいっぱい刺されたせいか、先程からご先祖様が綺麗なお花畑の向こうからおいでおいでしている幻まで見え始めていたりする。
 そんな彼の力強い仲間はというと、ルルノーが造り出した土塊の下僕達だ。一生懸命にオーダタの周りの地面を掘り、さらにオーダタを埋めようと努力している。少々間違っている気もするが、大事なのは気持ちだ。おそらく。
「心の友よ……俺達はいつまでも一緒っす」
 目をキラキラさせながら、オーダタは告げる。
 ああ、それはまさに、生物の垣根を越えた友情……。
 とはいえ、土塊の下僕なので、それからすぐにただの土に戻ってしまったのは言うまでもない。
 愛と勇気に満ちたチキンレッグの武人は、それから3日後に無事救出されたようである。

■ END ■


マスター:U.C 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:8人
作成日:2005/03/01
得票数:コメディ20 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。