蚊取り豚



<オープニング>


 カーネルの森で『蚊取り豚』が暴れている。
 蚊取り豚は口から吐く息で蚊などの虫を気絶させて食べていたのだが、最近になってから毒ガスを吐く奴が現れたため、カーネルの住民がとても困っているらしい。
 もともと蚊取り豚は麻痺キノコを食べていたんだが、毒キノコの味を覚えてしまったため、今回のような事態になっている。
 このまま放っておけば凶暴化した蚊取り豚がカーネルの町で暴れてしまう可能性もあるだろう。
 そうなる前に蚊取り豚を何とかしてくれ。

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参加者
六風の・ソルトムーン(a00180)
蜂蜜騎士・エグザス(a01545)
紫尾の発破娘・スイシャ(a01547)
冥土令嬢・フランシェスカ(a02552)
戦闘執事・リース(a03126)
緑星の戦士・アリュナス(a05791)
死の恐怖・シオン(a16982)
千華繚乱・ティンシア(a18556)
疾風の双剣・ソロル(a18578)
女神に授けられし夜想曲・リフィス(a18780)
駆け出し医術士・サヤカ(a19065)
曖昧な世界抱えし者・ユール(a23000)


<リプレイ>

●蚊取り豚
「……確かこの辺りが蚊取り豚の生息地でござったな。毒キノコを食べて毒吐き豚になっていなければ良いのでござるが……」
 心配した表情を浮かべながら、紫尾の発破娘・スイシャ(a01547)が森の中にいる蚊取り豚を探して歩く。
 蚊取り豚は大変に臆病な性格のため、スイシャ達の前になかなか姿を現さない。
「蚊取り豚さぁ〜ん、いるんだったら出てきてくださぁ〜い」
 とある人から貰ったクッキーを餌にして、風の翼・シオン(a16982)が蚊取り豚の名前を呼ぶ。
 蚊取り豚は美味しそうなクッキーの匂いに誘われ、草むらの中から次々と顔を出しフワフワとした足取りでシオンのまわりを取り囲む。
「こんなに沢山隠れていたとは……。とにかく安全な場所に避難させる必要があるでござるな」
 毒キノコの森から蚊取り豚を遠ざけるため、スイシャが獣達の歌を使って詳しい状況を説明する。
「迷子にならないようについて来てきてくださいね〜」
 一列に蚊取り豚を並ばせ、シオンが足元にクッキーを置いていく。
 蚊取り豚はクッキーをもふもふと食べながら、シオンを見失う事がないようにゆっくりと進む。
「……なんだか胸がキュンとするでござるな。一匹だけなら連れて帰っても……だ、駄目でござるっ!」
 ブンブンと首を横に振り、スイシャが蚊取り豚の誘惑から逃れる。
 蚊取り豚の円らな瞳を見ていると、そのまま連れて帰りたい気分になるが、色々な意味で危険な事になるため我慢した。
「その気持ち……分かりますっ! こんなに可愛いんですものね〜。風船みたいに膨らまなければ、私だって飼いたいですもの!」
 蚊取り豚をひしっと抱きしめ、シオンが瞳をウルウルさせる。
 それと同時に蚊取り豚の身体が膨らみ、シオンが慌てた様子で手を離す。
「や、やはり……お持ち帰りは無理でござるな。しばらく放っておけば、元通りになるようでござるが……だ、駄目でござる」
 蚊取り豚の顔をマジマジ見つめ、スイシャが自分自身に言い聞かせる。
「そ、そうですよね……。可愛いからって連れて帰ったりしたら、みんなに迷惑がかかってしまいますし……」
 袋の中から取り出したクッキーを地面に置き、シオンが蚊取り豚の頭を優しく撫でた。
 また会いに来るねと囁きながら……。

●毒吐き豚
「……蚊取り豚をどうにかしろと言われてもな。移住させる訳にもいかんのだろ? とりあえず毒吐き豚だけはキッチリ始末しておかないとな」
 困った様子で毒吐き豚を探しながら、蜂蜜騎士・エグザス(a01545)が愚痴をこぼす。
 毒吐き豚のいる場所は黒い霧に包まれており、歩いているだけでも気分が悪くなってくる。
「それにしても困ったもんだねぇ。可愛い豚が毒キノコ食べて凶暴化するなんて……。一体どんなキノコなんだろ」
 念のため毒消しの風を使いながら、気侭のゴーイングマイウェイ・ティンシア(a18556)がキノコを探す。
 毒吐き豚の棲む場所には毒キノコが生えているため、少し興味を持ち始めているらしい。
「……元は蚊取り豚だったのなら、少し可愛そうな気がします……。毒キノコさえ食べなければ、こんな事にはならなかったはずですから……」
 少し寂しげな表情を浮かべ、和を祷る旋律の徒・リフィス(a18780)が溜息を漏らす。
「毒吐き豚を無害にする事は出来ないのでしょうかね……?」
 毒キノコがなくなったとしても、毒吐き豚の身体から毒が抜ける事はないため、矛盾抱きし納得者・ユール(a23000)が頭を悩ませる。
 毒吐き豚を放っておけば犠牲者が増える一方のため、現時点では退治する以外に方法はない。
「どちらにしても毒吐き豚の数は多いと聞いている。下手に情けを掛けて犠牲者を増やす訳には行かないだろう」
 遠眼鏡を使って毒吐き豚を見つけ出し、疾風の双剣・ソロル(a18578)が数を数えていく。
 蚊取り豚と比べて毒吐き豚は身体を膨らませやすく、真っ黒な身体をふわふわ揺らし岩に当たって弾け飛ぶ。
「爆発するという事は、これもモンスターなのか? ……という事は元冒険者なのかのぅ? 子供の冒険者だったのかも知れないが、我みたいな髭面のおっさんだったら笑えるな」
 苦笑いを浮かべながら、六風の・ソルトムーン(a00180)がハルバードを握る。
 戦いに躊躇する事は死を意味しているため、例えどんな理由であっても手加減は出来ない。
「とりあえず外見の色で区別がつくのはありがたいな」
 すぐさま鎧進化を発動させ、エグザスが側面から攻撃するため迂回する。
「き、気づかれたみたいだよっ!?」
 毒吐き豚が一斉に膨らみ始め事に気づき、ティンシアが剛鬼投げを使ってワイルドラッシュを叩き込む。
 そのため毒吐き豚は衝撃で一気に弾け、ティンシアが後ろに吹っ飛ばされる。
「だ、大丈夫ですか!?」
 慌てた様子でティンシアの傍に駆け寄り、リフィスがヒーリングウェーブを使って傷を癒す。
「な、何とかね。出来れば毒消しの風もお願い……。き、気分が悪くて倒れそう……」
 青ざめた表情を浮かべながら、ティンシアが気まずくタオルで顔を拭く。
「どうやら毒吐き豚の食べているキノコは駆除するしかなさそうですね。このままだと土壌が穢れ不浄の地と化してしまいます……」
 毒キノコを手に取り、ユールが残念そうに首を振る。
 この種のキノコは有効的な利用法がないため、すべて駆除するしか方法はない。
「あの豚に毒消しの風を使っても駄目だな。身も心もすっかり黒くなってやがる……」
 なるべく毒吐き豚と距離を保ち、ソロルが流水撃を放って後ろに下がる。
 毒吐き豚は勢いよく爆発したが、すぐに離れていたためソロルに全くダメージはない。
「各個撃破は危険だな。……となれば、こうするしか方法はないか」
 出来るだけ毒吐き豚を誘き寄せ、ソルトムーンがボーラを放って絡めとる。
「おっ、これなら一気に爆発させられるな……って、誰がやるんだ、オイ!」
 ホッとした表情を浮かべた後、エグザスがダラリと汗を流す。
「……私は遠慮するね。なんだか洒落にならないような気がするし……」
 だんだん毒吐き豚が膨らんできたため、ティンシアが苦笑いを浮かべて首を振る。
「一匹残らず仕留めなければ……沢山の人々に迷惑がかかるだろう……。やはり……やるしかないな」
 ようやく覚悟を決めたのか、ソロルがコクンと頷いた。
「せめて最後は苦しまず……」
 悲しげな表情を浮かべ、リフィスが眠りの歌を歌いだす。
 毒吐き豚はとろんとした表情を浮かべると、幸せそうな表情を浮かべてスヤスヤと眠る。
「……安らかに眠れ」
 それと同時にソルトムーンがハルバードを放ち、毒吐き豚が音を立てて次々と弾けていく。
「……ごめんね」
 破裂音の響く中、ティンシアが毒吐き豚に謝った。
 瞳に涙を浮かべながら……。

●毒キノコ
「後は毒キノコを処分するだけですね」
 戦いによって舞い上がった胞子を吸い込まないように口元を覆い隠し、駆け出し医術士・サヤカ(a19065)が毒消しの風を発動させる。
 大量の胞子が待っているためか、妙に身体がズキズキ痛む。
「とにかく早めに作業を終わらせてしまいましょう。この森を死の森にしないためにも……」
 胞子から身を守るためフードを被り、碧の異邦人・アリュナス(a05791)がスコップを使って穴を堀る。
 毒キノコの生えている土壌自体が穢れているため、菌糸の流れを確かめながら草を抜いて風通しをよくしておく。
「蚊取り豚にとって毒キノコは麻薬のようなものでございます。これさえなくなれば、凶暴化する蚊取り豚もいなくなる訳でございますね」
 フェイスマスクを装着し、戦闘執事・リース(a03126)が定期的に毒消しの風を使用した。
「毒吐き豚に落ちたジャンキーなトン吉達の供養も込めて、残らず容赦なく根絶やしにするっぺよ」
 対胞子用の帽子を被り、破綻令嬢・フランシェスカ(a02552)がキノコを抜いて籠の中に放り込む。
 毒キノコの生えている場所はある程度限られており、その辺りの地面は妙にじめじめとしていて気持ち悪い。
「……なんだかアンデッドでも現れそうな雰囲気ですね」
 怯えた様子で辺りを見回し、サヤカが再び毒消しの風を使用した。
「ははっ……、まさか。こうやってきちんとやっておけば、アンデッドなんて現れませんよ」
 苦笑いを浮かべながら、アリュナスが消毒のため松明を使って地面をあぶる。
「念のため花の種でも撒いておきましょうか。この地に綺麗な花が咲くように……」
 手のひらをポンと叩き、リースが持参した花の種を撒く。
 種は色々な種類があるのか、いくつかの袋に分けられており、ずっしり重い。
「それは名案だべさ♪ おら達も手伝うべ」
 リースから花の種を分けてもらい、フランシェスカを辺りにむかってバラ撒いた。
「それにしても妙な形をしている種ですね。一体、何の花なんですか?」
 種を撒いている途中で異変に気づき、サヤカが不思議そうに種を見つめて首を傾げる。
「……」
 気まずい様子で視線を逸らし、リースが無言で種を撒く。
「一体、何を……撒いたんですか」
 リースの肩をがしっと掴み、アリュナスがダラリと汗を流す。
「今日は天気がいいですね」
 アリュナスの問いには答えず、リースが爽やかな笑みを浮かべて汗を拭う。
 リースの撒いた不思議な種。
 もう少しすれば、この地に何かの花が咲くだろう。
 人畜無害なアレの花が……。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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