≪勇猛の聖域キシュディム≫アイザックの領内探訪−−謎のご老公、出現



<オープニング>


「民草の暮らしぶり、この目でしかと見届けようと思ってな。実はルタにも告げずにこっそりと出立してやろうと思うのだ。何だ、不満か? あいつらに気づかれないうちに戻っておけばいいだけだ。心配はいらん」
 黒水王・アイザックはそう言いうと、細長い顔を横断する赤い亀裂を生じさせた。彼は笑っていた、それも、特に珍しいと思えるほどの愉悦を湛えて。
 背を正して立つ黒髪の青年へ、王は言葉を続けた。
「それに、ある集落で不正が行われているとの報告があってな。これを見てくれベベウ。ちょうど執務机の中央に伏せておいてあったもので、一目見るなり全身に電撃が走ったわ。これなら、おあつらえ向きだろう? 無論、ひと暴れするのに、だ。不正を働く商人、ガッリアーニなる男の悪事を掴み、真面目に働く民のために、一味を『成敗』してやる。どうだ? そこで、幾人かキシュディムの奴等を連れていきたい。隠密行動にも馴れているだろうからな」
 さらに捲し立てるように王は言った。
「この集落にはカンペという別の商人がいてな、ガッリアーニと同じ材木問屋で、どうやらこいつは善人らしい。おルウとう名の十四の娘がいて、ふたりきりの家族のようだ。奴の店は、何者かによって放火され全焼しかけたことがある。柄の悪い連中による言いがかりも受けているようだな。犯人は誰かわからんが、向こうに行けば見えてくるだろう」
「わかりました……何とかしてみましょう。お任せください」
 王からの命を受け、薄明の霊査士・ベベウは静かに頭を下げた。
 そして、踵を返すと、裏露地から去っていった。
 冷たい足音が、伸びる影を追っていた。
 
 
「極秘の任務なのです。12名ほどの護衛士が必要となるでしょう」
 キシュディム護衛士団本部、聖域前広場でベベウは皆に伝えていた。
 さらに、彼はその任務がアイザック王から直々にもたらされた命であること、王が身分を隠して同行し、領内の実情をつぶさに見てとることが目的であることを告げた。
 そして、これらは表向きの理由であることも口にした。
 早々の暴露を訝しがる護衛士たちへ、霊査士は説明を続けた。
「ルタはこうおっしゃいました……陛下は戦場に飢えておられると。そして、王府は現在、財政上の処理に追われ、書類が山積しています。可否はまだ不明ですが、キシュディムが手掛ける特別任務のこともありますからね。そこで……実は、陛下が王宮に留まられている現状が、あまり好ましいとはいえないのです。書類を山積させた執務室で刀剣を振り、お側に控える護衛士たちを相手にしての特訓という名を借りた大立ち回り……もう、おわかりいただけたでしょうか? これらが、今回のお忍びをルタが許した理由、裏の事情となっているのです」
 要するに王が邪魔だったのである。
 王が寝静まったころ、こっそりと執務室に立ち入り、件の報告書を机の中央に広げた人影――護衛士たちには、そんなルタの姿が手に取るようにわかった。
 同じ映像を思い描いていたのだろう、弱々しく微笑んで、ベベウはアイザックの計画を護衛士たちに説明した。
「陛下は身分を隠すことに執着しておられます。隠居した老人の扮装をして、集落を訪れたいとおっしゃるのです。それも、ふらりと、自然に。もう既に陛下は、仮の身分までもご用意されておられます……耕具問屋のご隠居、だそうです。皆さんも、素浪人、町娘、がらっぱち、お供、食いしん坊、謎の美女、暴れん坊、遊び人などに身をやつすようになさってください。そのように厳命されていますので、皆さんの行動如何によっては、僕が陛下からお叱りを受けてしまいます」
 灰色の瞳に冗談めかした光を浮べていた彼だが、真摯な態度を取り戻しながら言葉を続けた。
「どうか、陛下のお戯れにお付き合いください。そうでなければ……たとえひとりであろうとも、お忍びの領内探訪へお出かけになられてしまうでしょうから」
 王はどこで仕入れてきたのか、マウサツの絵物語を広げ、自分に対して小一時間ほど、その魅力を語りに語ったのだと霊査士は言った。
「どうも、マウサツの文化を多分に誤解なさっているとしか、僕には思えないのですが……仕方のないことなのでしょうね。それでは、陛下の身に危険が及ばぬよう、護衛の際には細心の注意を。それから……裏の事情については、くれぐれもご内密に」

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参加者
縁・イツキ(a00311)
聖闘士・シシル(a00478)
戦闘執事・リース(a03126)
螢火夢幻乱飛・メディス(a05219)
同盟の昼行灯・アクシオン(a06333)
蒼風の旅竜・シン(a11942)
赤雷・ハロルド(a12289)
斑の弓師・クナ(a15657)
ダンディ・クロコ(a22625)
最果ての戦神・ガイア(a23171)
NPC:黒水王・アイザック(a90110)



<リプレイ>

●リザードマン王の御戯れ
 ご隠居     黒水王・アイザック  
 ミギさん    蒼穹の風竜・シン(a11942)
 ヒダリさん   聖闘士・シシル(a00478)
 ウッカリさん  同盟の昼行灯・アクシオン(a06333)
 ウッカリちゃん 蛍火夢幻乱飛・メディス(a05219)
 カザグルマ   ダンディ・クロコ(a22625)
 シルバー    縁紡ぎ矢・イツキ(a00311)
 ゴリラ     蒼黒の水蛇・クナ(a15657)
 素浪人     赤雷・ハロルド(a12289)
 御役人     最果ての戦神・ガイア(a23171)
 バイト     戦闘執事・リース(a03126)
 
●峠の道
 のどかな水田地帯を見はるかす峠の道を往くは、キシュディムのご老公一行。
 楽しげな歌を口ずさみながらの、旅行きでございました。
 両腕をぶんぶんと回転させて、ヒダリさんは楽しそうでございます。
 ミギさんはご隠居の冷たい視線を感じておりましたが、これだけは譲れぬと丸い硝子のついた帽子を頭に載せております。
「アイザ……じゃなかったご隠居」
「なんだ、シン……じゃねぇ、ミギさん」
 ふたりとも、まだ不慣れなようでございますな。
 ミギさんはうねる道の向こうに、ひとすじの煙を見つけておりました。
 そこで、一休みしようというのですな。
 ぐったりと肩を落して歩いていた、ウッカリさんとウッカリちゃんは、茶屋と言う言葉を耳にするなり、途端に元気にいっぱい。
「ご隠居〜、材木では腹はふくれませんよお。私の調べでは、あの集落は材木の廃材を利用したキノコの実験栽培も行なわれているんですよお」
 ひらひらの可愛らしい服を着込んだウッカリちゃんが、こう続きましたな。
「茸が名物……焼き茸といえば酒ですよご隠居! んで、酒といえば温泉なのです。ご隠居、温泉で一杯ですよ!」
 ウッカリちゃんは、ご隠居にお背中を流しますからと申し出ております。青い鱗をうっすらと赤らめて、ご隠居は柄にもなく照れておりますが、ウッカリちゃんは平気なのですな。なにせ、胸に隠すものがございません。普通にいけるので? ございます。
 騒がしいご老公一向を、すみやかな足取りで追い抜いた影がふたつ。
 背に四角い箱を追った巨躯の男と、実年齢以上にいぶし銀の男でございます。
 片手に赤い風車を下げたカザグルマは一向をちらりと見遣ると、ゴリラに目配せいたしました。そうして、先を急いだのでございます。
 カンペ親子の窮状を調べ上げ、ガッリアーニの悪事を掴むことこそ肝要。それに、先回りは地味ではあるが美味しい役どころでございます。ごちそうさまペロリとも思っていたのでございますな。
 峠の茶屋では、黒髪を結い上げ、朱塗りのかんざしを飾ったおなごがお盆を胸に抱えておりました。
 ウッカリさんは茶屋の娘を呼び止めて、強引な注文を繰り出しておりますな。
「キノコを、名物のキノコを!」
 茶屋の娘は困った様子でございましたが、茶屋の奥へと消え、裏口から出ると、そこらへんにあったキノコのなかで、もっとも鮮やかな発色のを掴みましたな。
 騒がしくがっつきはじめたお供を、何やら生あたたかい眼差しで一瞥するご隠居の元へ、黒髪の女性が歩み寄りました。
「よいところじゃの」
 こうご隠居がおっしゃいますと、茶屋の娘は明るい口調でおしゃべりをはじめます。名物のキノコ、豊かな自然に囲まれた故郷の自慢といったものでございますな。ところが、楽しそうに話していたバイトの顔が曇ってしまいます。
「材木問屋のカンペさんが、店をたたむそうです……」
 ガッリアーニの悪事を聞き及ぶに連れ、赤い帽子をかぶったご隠居の口元がゆがんで参ります。
 大暴れの予感に身を振るわせておいでなのでございました。
 
●川沿いの町
 胸元を大きくはだけさせた着流し姿で、ひとりの素浪人がふらふらと町を歩いておるようですな。
(「陛下ともあろうお方がこんなお戯れをなさるとはな……ま、ルタが許可してんならいっか」)
 込み上げる笑いを隠そうともせずに、素浪人は肩の関節を回転させて、後々の大暴れに備えておりました。
 すると、そこへ悲鳴が聞こえるではありませんか。
「放ってはおけねえ!」
 かなりのやる気を素浪人らしいセリフに発散させ、彼は声のした路地へと急ぎます。
 ウッカリちゃんが狼藉者の足元にしがみついております。
 お腹をおさえて真っ青な顔で倒れているのはウッカリさんでございますが、乱暴者とは関係はございませんな。茶屋で食べたキノコにやられておるのでございます。
「ご浪人……お腹が痛い……じゃなくて、おルウちゃんを」
「安らかに眠られよ」
 がくっと顎を肩にのせたウッカリさんの瞳を指先でなぞると、素浪人は町娘を押さえつける男どもへ殴りかかったのですな。しかし、多勢に無勢、すぐに背後から自由を奪われ、したたかに頬を殴られてしまいます。
 そこへ、姿を現したのは、ウッカリさんたちを探していたご隠居の一向でございますな。
「ちょ……アイザ、じゃなかった、ご隠居ー!! 無茶しないで下さいー!!」
 物凄い勢いで駆け出そうとするご隠居を羽交い締めにしたのは、ミギさんでございますな。
 ヒダリさんは素浪人を押さえつけていた男を殴り飛ばし、胸のすくような暴れっぷりを披露しております。
 杖を振り回していたご隠居は、蜘蛛の子を散らすように逃げていった悪党たちを、惜しむように眺めたいたのでございました。
「何事だ!」
 静寂を取り戻した辺りに、居丈高な声を響かせた者がございます。
「御役人さま、悪人たちがいたんだお」
 ヒダリさんが事情を話しますが、御役人は渋い顔を変えないのでございました。そうして、彼は立ち去り際にこう、ご隠居に言い放ったのでございました。
「老人は危険だからあまりのこのこ歩き回るでないぞ……」
 再び、物凄い勢いで殴りかかろうとしたご隠居を、ミギさんは辛うじて羽交い締めとすることに成功したのでございました。
 
「あっしが腹痛で倒れていたところを、このおルウさんが助けてくださったんです」
 脂汗をにじませ、ウッカリさんが申しておりますな。
 ご隠居一向はカンペ屋なの敷居をまたいでおりました。
 あの素浪人もご一緒でございます。彼はご隠居に、ガッリアーニ屋の材木が、とても高値で取引されているのだと申しました。
「その原因は、カンペの材木がすべて焼き払われてしまったからなのだ」
 おルウちゃんは泣き出してしまいました。その手にそっと触れた素浪人が優しく微笑みかけると、少女は頬を赤らめて弱々しく微笑みます。
「俺に……じゃねえ、わたしたちに任せておいでなさい」
 ご隠居はそう言うと、グへへへと少し誤った笑い声をあげたのでございました。
 おルウちゃんは訝しげにこう尋ねましたな。
「ご隠居さまはいったい……どちらの……」
 とても嬉しそうに、ご隠居様はおっしゃいましたな。
「なあに、ただの耕具問屋の隠居ですよ。グヘへへ」
 
●ガッリアーニ屋
 物々しい刃を手に、屈強な男たちが門番をしております。
 そこへ、しゃなりしゃなりと色香を漂わせたシルバーさんが訪れておりました。
「なんだおめえは!」
「お兄さん方の親分さんに用があるのよ、通してくれないかしら?」
 片方の瞬き一発で、男たちはめろめろでございますな。
 奥に通されたシルバーさんは、でっぷりと太った男の前に座らされました。シルバーさんはさらしを外した貫頭衣姿でございましたから、不埒なガッリアーニの全身を舐めまわすような視線に、頬がかっと赤くなったと申しますな。
 見事に雇われたシルバーさんは、ガッリアーニの食事を手に、廊下を歩いておりました。
 そこへ、何やら不気味な声が響きまして、身のすくむ思いがしたのでございます。
「に……にゃー、にゃー、にゃにゃにゃー、にゃー、にゃー」
 地の底から響くようであり、あまりに朗々と伸ばされた声でございます。いくら、にゃあ、と猫を装ってみたところで、誤魔化せるはずもございませんな。
 シルバーさんが窓から外をのぞきこむと、そこには大きな身体を丸めて隠れようとしているゴリラの姿がございました。彼もまた、ガッリアーニ屋に潜入していたのでございます。
 その頃、宴が催された一室の屋根裏で、ひとりごちる御仁がありましたな。
「なるほどな、そういうことかい」
 カザグルマの旦那は、ガッリアーニが自慢気に話す、付け火の事実を確認したのでございますな。
 旦那が顎をしゃくり、「ご隠居にお知らせしなければ」と呟いたその時でございます。 
 ガッリアーニにお酌していたシルバーさんが、肩を掴まれて首を振っております。
「よいではないか、よいではないか。ここには誰もおらんぞ……」
 梁の上からそんな様子を見物しながら、カザグルマの旦那は満足げでございます。当然あってしかるべき展開と予想していたのでございますな。むしろ、起らなければおかしい、そんな類の出来事でございます。起らなければ、シルバーさんの着衣にちょっとしたアクシデントが起るくらいのことをやってのけるつもりでおったのでございますな。
 腕からするりと抜けて、シルバーさんはガッリアーニを右ストレートであしらうと、屋根裏へと視線を向けたのでございます。観察者に気付いていたのでございますな。
 廊下に出るなり、彼女はこう口にしておりました。
「討ち入りタイミングの連絡をよろしくね」
 
●成敗!
 見張りたちを眠らせ、内側から錠を開け放ったシルバーさんは、髪をわざと乱れさせると悲鳴をあげたのでございます。
「旦那様! 討ち入りです!」
 ミギさんとヒダリさん、そして、ウッカリのふたり組と素浪人も従えて、ずかずかと中庭に入り込んだのは、赤い帽子に白髭のご隠居でございます。
 襲いかかる悪党たちを、びしびしと拳で打ち据えていくのはヒダリさんでございます。そして、癒風の翼剣で峰打ちとするのはミギさんでございます。どうやら、素手と刀剣、キャラの棲み分けができているようでございますな。
「メインデッシュですよご隠居! ……あう、邪魔ですか?」
 ご隠居の腕にしがみついてたウッカリちゃんは、こくんと首肯かれ、戦乱の中に放りだされてしまったのでございます。みー、と弱々しい声を漏らしながらも、ウッカリちゃんとて冒険者でございます、手頃な棒を手に、反撃を試みておりますな。
「おルウちゃんのためだ!」
 と、大立ち回りを披露しているのは、例の素浪人。
 豪快な音が響いて、板の囲いがばらけて倒れます。足を高く掲げた恰好で現れたのは、ゴリラでございますな。忘れられがちなお約束事を、見事に果たした瞬間でございました。
 もちろん、カザグルマの旦那もいぶし銀の美味しい役どころをチョイスしたのでございます、出番を忘れるはずがございませんな。ウッカリちゃんがピンチに陥ったところへ、しっかりと風車を投擲したのでございます。
 ウッカリさんは、まだ青い顔で突っ立っておるだけでございます。彼の隣では、両腕を逞しく隆起させ、杖を握りしめる殺気だった笑顔のご隠居が佇んでおりました。
「そろそろ、いいだろ? な?」
 ご隠居はウッカリさんを睨みつけたのでございます。弱々しい笑顔で、ウッカリさんは首肯く他ないのでございました。
(「今回の目的の一つは欲求不満解消でもありますしねえ」)
 ただの杖を振り上げ、ご隠居は凄まじい勢いの突進を始めたのでございますな。ですが、ご隠居は悪党たちには目もくれずに、ガッリアーニ屋の家屋へと向かったのでございます。
 デストロイブレードで家屋を半壊させたところで、ご隠居はこうおっしゃいましたな。
「ミギさん、ヒダリさん」息も乱れますな。「もういいでしょう……」
 ずずいと歩み出たご隠居の隣へ、ミギさんとヒダリさんが並び立ち、次々に口を開いてこういったのでございます。
「控えおろ!」
「この紋章が目に入らぬかだぉ!」
 ヒダリさんが掲げた紋章は、紛うことなきキシュディムのものでございました。
 外に逃げ出した悪党たちの前に立ちはだかったのは、茶屋のバイトでございました。彼女は男共の身体を麻痺させると、こう申し渡したのでございます。
「ご隠居に平伏して命乞いをしろ、さもなければ……」
 かくして、悪党たちはご隠居の前に整列して平伏したのでございました。
「観念しな、こいつが全て洗いざらい白状したぜ」
 帳面らしき者を持った男を引き立てたのは、カザグルマの旦那でございます。仕上げでございますな。
「ごめんね、こういうわけなのよね」
 なおも観念せずに暴れだそうとしたガッリアーニの胸に触れ、デレっとしたところを口ずさんだ歌で眠らせたのはシルバーでございました。
 そこへ、戸惑いの表情を浮べて御役人が姿を現したのでございますな。
「感謝するが、どちらからの御仁か? 只者ではないようだが……」ヒダリさんの手にする紋章を目にするなり、御役人は平伏しながら言ったのでございます。「無礼の数々お許しください……」
 ガッリアーニ屋を半壊させ、すべての人間を平伏させたご隠居は、気分爽快といった表情を浮べておられたのでございます。
「グヘへへへへ」
 ただ、笑い声だけは間違ったままなのでございました。
 
●帰り道
 ガッリアーニ屋から引き上げたご隠居一向。
 その足取りは峠の道にさしかかっていたところでございます。
「そなたは、あの時のバイトじゃな」
 沿道に待ち構えていたカンペ屋やおルウに並んで立っていた黒髪のおなごに、ご隠居がこう言葉をかけますと、バイトはこう言ったのでございます。
「ありがとうございました、このことはご領主様に連絡を」
 ヒダリさんも帰還を急かせるように言ったのでございます。
「早く帰ってキシュディムで退屈に仕事してるみんなに旅先で聞いた話と称して今回の顛末を語って反応を見よう」 
 ウッカリちゃんも申しました。
「さ、ご隠居帰りますよ。今度は何かなぁ?」
 ミギさんは右手に真っ青なキノコを手に、ご隠居へ進言したのでございますな。
「えーと……ここの名物って……キノコ……なんでしょね? 事件は無事に解決しましたし……早くルタに土産話を聞かせてあげたいですね!」
 ご隠居はもっと諸国を漫遊したい気分を体中から発散させていたが、ルタの名を聞くなり、帰路に着くことを認めたのでございました。
「ミギ! ヒダリ! 野郎共、行くぜ!」叫んだご隠居は、ウッカリさんにこう告げたのでございます。「始末書はお前に任せる」
「おっと、こいつぁ、うっかりだ」
 ウッカリさんが自分の頭をぽんと叩くと、お約束の見事な達成を目の当たりにした皆の口から、感嘆の声が漏れたのでございました。
 
 次に向かうはどこ吹く風と、キノコ片手に老公。
 満面笑顔のご老公なのでございました――。


マスター:水原曜 紹介ページ
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