ふわりんとあそぼ



<オープニング>


 あの……今日はみなさまにお願いがあってきたんです。
 フワリンと……遊んでもらえませんか?

 同盟の方々がマザーを倒してくださったおかげで、ホワイトガーデンは平和を取り戻していってます。どこかに隠れていたフワリンもだんだん姿を見せるようになってきて……それはとてもうれしいことなのですけれど……。
 ホワイトガーデンでは、ピルグリムのために、たくさんの人が亡くなりました……。行方がわからなくなってしまった人もたくさん。
 フワリンをたくさん飼っていたフワ村も……住んでいた人達はばらばらにどこかに行ってしまって……帰ってきたフワリンはとってもさびしそうにしてるんです。
 わたしも時々会いに行ってるのですけれど、遊んであげきれないので……。
 いっしょにフワ村に行って、フワリンたちと遊んでくれませんか……?
 いろいろなことが起きていて、みなさまも忙しいでしょうけれど……さびしくて元気をなくしているフワリンを元気づけるために、どうか……力を貸してください。

 それと……飼い主が亡くなってしまったことが分かっているフワリンの、新しい飼い主さんになってくださる方も探してます。
 フワリンの普段のお世話は、村に残っている方がしてくださるのですけれど……その方へのお礼とかフワリンの食べる人参とかが必要なので……そういう面での余裕のある方がいましたら、お願いしたいです……。

 いろいろ……お願いばかりでごめんなさい。
 あの………いっしょにフワ村に……行ってくれますか?

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参加者
NPC:天より舞い降りし翼・ミルカ(a90185)



<リプレイ>


「あぁ、久しぶりの里帰りって感じかなぁ」
 桜色の服をホワイトガーデンの風に靡かせ、ミャアは懐かしそうに深呼吸した。
 ミルカの案内でフワ村へと向かいつつヤイチは手にした人参をポリポリ齧り。フワリンは人参が好物……と日記帳に書き記した。
 待ちきれない気持ちを胸に村へ。着いたら真っ先にフワリンにダッシュ……その前に。
 セッカは村の人々に丁寧に頭を下げた。
「今日は1日宜しくお願いします」
 挨拶を済ませると人参を握り締めて寂しがっているフワリンの元へ。
 アティフは村人に挨拶の後、ピルグリム騒動で連絡が取れなくなった人々の詳細を聞いて書き留めた。GGの仕事で村々を廻る際、行方が探せるかも知れない、と。大切にメモし終えると、にこっと笑って。
「牧草地の手入れや補修の箇所等、折角これだけの人手がある機会、こき使って下さいませ♪」
 それでは、と村人が願い出たのは畑の手入れと、傷んだ小屋の修理。
 ティキは畑を耕し、シリックが大量に持ってきた人参の種や、持参してきた苗を植えた。フワリンと遊ぶ余裕がない程村の人手は足りていないのだろうからと、遊びは他の皆に任せて畑仕事。
 小屋が不備では元気も出ないだろうと、ルヴィンは大工道具片手に修理開始。だが。
「そんなに押したら手元が……ぎゃっ!」
 フワリンに揉みくちゃにされ金槌で手を直撃。うるうる目のルヴィンをフワリンがすりすりと慰めた。

「凄い……本当にフワリンが…沢山いる」
 アルムは瞳を輝かせ、肩掛け鞄一杯に詰め込んできた人参を取り出してフワリンの間を回った。甘えてはむっと手を噛むフワリンを優しく撫で。
「フワリン……今までちゃんと見たことなかったけど……ぅん、本当にかわいいなぁ」
 一見すると白、良く見ると淡い茶のフワリンを、シェルティは嬉しそうに撫でた。名前は……エクリュ、なんてどうだろう。
「えへへ♪ どのフワリンちゃんも可愛いです〜♪ たくさん遊びましょうね〜♪」
 ミライはムギュムギュとフワリンを抱きしめ、明るく弾むような歌を口ずさんだ。歌にあわせて、肩に乗せた蒼い鳥のミユキもよく響く声で囀る。
「♪ ブラッシングが終わったらボールで遊ぶなぁ〜ん?」
 ブラシをかけてもらって気持ち良さそうにしているフワリンに、ジャジャは獣達の歌で話し掛けた。初めて見るフワリンは、ノソリンと似ていてとても可愛い。
「わ〜、本当に浮いてます〜。どういう原理なんでしょ〜? 寝てる時は〜、降りるんですか〜。仰向けは? 見た事ないですか〜。水の上にも〜、浮くんですか〜」
 パルミスは村人に質問を重ね。
 デューンはどうやって遊べばいいのかしばらく迷った後、おいでおいで〜とフワリンに近づき。嫌がられない事にほっとしながら撫で撫で。
 ニケーは人参と角砂糖を持って、少し離れた場所からフワリンに呼びかけた。
「♪ お友達にならなぁい?」
 ふわふわ寄ってきた仔フワリンに駒鳥のロビンを紹介して。撫でて、一緒にお弁当食べて、歌って。沢山沢山遊ぶ。
「ふわり〜ん♪」
 黄金のりんごを抱く黒翼・エリスはフワリンの背中にだきゅっ。横向きにした頬に感じる温もりに、久しぶりの故郷にいる実感がひしひしと。そのまま、昔良くしていたように目を閉じて……ふわふわお昼寝。
「た〜んとおたべ〜……あっ」
 差し出した人参をぱくりと食べられ、ウィンディアは慌てて手を引っ込めた。まだ人参が欲しそうにのんびり待っている食いしん坊のフワリンに、どこか自分に似た処を感じてみたり。
「フヮンファリド1世、こっちだよっ!」
 ナタクはウェンブリンのボールを空に蹴り上げた。最初は怖がっていたフワリンも、遊んでくれるのだと解って寄ってくる。ぺち、とフワリンが蹴るボールは落ちる勢いがついて地面で弾む。
 フワリンと追いかけっこするレオンの脳裏に、ふと、リアルフワリン落としをしてみたいという考えがよぎり。その途端、ぼふっと頭にフワリンがぶつかった。
「はぅぅ〜、羽はやめて〜」
 懐いたフワリンに甘噛みされたルミリアはくすぐったさに涙目になり。
 草の上にスカートを広げてフワリンと寄り添っていたニクスは周りの賑やかさに微笑しかけ……あ、と声を挙げた。フワリンが何頭も目の前を横切る。その先頭には必死に逃げるワイドリィ。
「……?」
 不思議そうに動きを止めたニクスの手のクラッカーを、フワリンがぱりん、と齧った。

「やっぱむっちゃ可愛いなぁ」
 薄青のフワリンをテンオーは綺麗に拭いてやりのんびりたわむれる。旅団に連れ帰れないのを残念に思いながら、また来るからなと笑顔で撫でれば、フワリンは気持ち良さそうに目を閉じ。
「名前は……ぷりんにしようかな」
 カリュウトは淡い黄色のフワリンに美味しそうな名前をつける。
「う〜ん、ポカポカ、っていうのはどうかな?」
 人参を食べさせつつ、コウイチも首を傾げて名前の思案。出来ればいい名前をつけてやりたいのがオーナー心だ。
 ヨタナンは名づけに全く悩まず。
「僕の愛する女性の名前をあげますね。エリスさん、です。よしよし、可愛いね〜♪ これからよろしくね〜♪」
 ずっと変わらない自分の気持ち、誰に隠すものでもないから堂々と。
 レオニードはじっくりと目を合わせ、会話するようにフワリンを選ぶ。腕を後ろから甘噛みされる感触に振り返れば、そこには小さなフワリン。
「ん、ちびすけ、どうした? 今はちょっと遊んで……」
 いられない、と言いかけてフワリンと目が合い。お見合いのように見つめあう。
 次々に組み合わせが決まっていくフワリンとオーナーを、シアンは羨ましそうに眺めた。いつかは裕福になってオーナーに。願いを胸に、森の草と薬草をブレンドした元気になるごはんを食べさせ。
 スウはフワリンと獣達の歌で話をし。
「優しいオーナーさんと会えるといいですねー」
 ごんごんと頭でつついて甘えるフワリンを、私はなれないんです、と残念そうに撫でた。
 そんな交流の様子を村人は目を細めて見守っていた。小屋への水運びを手伝っていたセントは足をとめ村人に話しかける。
「沢山の人が集まって良かったわね」
 これで元気になってくれるといい。フワリンもフワ村の人も。大変な時期があった分もどうか……幸せに。

 この大陸にはいないはずのノソリンが、と見ればそれはナナの変身した姿。
「なぁ〜ん」
「な、なぁ〜ん♪」
 フワリンとノソリンが戯れあう夢の競演。
 後ろからすぃ〜っと近づいてきたフワリンに、サーリアは人参を見せ。
「半分こして食べましょうなぁ〜ん」
 ぽきっと折れた人参は大きさがあまりにも違い。何となく名残惜しそうな顔でサーリアはフワリンに大きい方を渡し、自分は小さな方をぽりぽりと齧った。その様子を楽しそうに眺めた後、ティトレットは恐る恐るフワリンの身体に手を置き。
「の、乗せてくれるかなー?」
 どきどきしながら乗った背中はとても心地良かった。

 いつもはフワリンばかり目立つ村に、今日は人の姿と声が溢れている。賑やかな風景。だけどその中に上手く溶け込めないフワリンもいた。
 メティスは怖がらせないようにそっと話しかける。
「フワリンさんフワリンさん、お話しましょ♪ 怖がらないで、わたしは、あなたとお話したいの♪ 地上のお話、聞いてくれる?」
 フワリンが打ち解けるまで、ランドアースの話を色々。
 トモミはぽつんとしているフワリンの足元にボールを転がし。
「一緒に遊びませんか?」
 ボールに興味を惹かれたフワリンに笑いかけた。
 エンジェルにはなれないけれど、とキャスはホーリーライトの光をフワリンに投げかける。寂しそうなその心に優しい灯りがともるように。
 リュフィリクトは寂しがっているフワリンをぎゅっと抱きしめ、鼻の頭にキスをした。
「これ、お土産。食べてくれる?」
 持ってきた人参を自分の手から食べさせて。
「もう寂しくありませんよ?」
 イツキは慈しむようにフワリンの頭を撫でた。その後2人はそれぞれのフワリンを連れて、散歩に出かけた。かくれんぼうにお昼寝、お茶。今まで寂しかった分も、たくさん遊んであげようと。
「哀しそうな瞳……ご主人様を探してるのね。でも貴女の主人は……」
 陽光を纏いし癒しの姫君・ナオは寂しげに漂うフワリンをふわりと抱きしめる。
「今日からは私が貴女の主人。決して1人にはしないわ……だから、よろしくね?」
 もう悲しい事が起きないように……フワリンに優しき幸あれ。願いをこめたフォーチュンフィールドが淡い光となって広がった――。


「重い物を乗せても飛べるなんて、すごいよな」
 フワリンに乗ってふわふわお散歩。素直に感心するサガに同意するように、赫がひらひら飛んでフワリンの頭に止まる。フワリンと遊べる少ない機会、思いっきり楽しみたい。
「疲れた? ちょっと休む?」
 クラウディットはフワリンの表情や仕草に気を払い、獣達の歌なしで分かり合おうとしていた。良く見ていれば、話せなくても沢山の事が解るものだから。
「ほらほら、人参よ♪」
 フィオリナはフワリンが人参を食べる間も安心させるように撫で続けた。元気をなくしてしまったフワリンにとって、このピクニックが気分転換になってくれますように。
「林檎に蜜柑に苺にさくらんぼ、どれがお好きかしら?」
 エリアノーラは木陰で優雅にフワリンとティータイム。帰巣本能さえなければリディアにいるフワリンと逢わせてやれるのだけれど。出来ない代わり今日はのんびり楽しんで。
 その横をウィスタリアを乗せたフワリンが漂ってゆく。ぽわぁ〜んと眠そうな顔をしているから『ポワン』と名づけられたフワリンと、負けずとぽわぽわしたウィスタリアと。空に浮かんで当て所なく風に流れ。
 ミルッヒの手からさっきまで吹いていたオカリナがこぼれ。フワリンにもたれて夢の世界へといざなわれてゆく。
「……フワリン……たくさん」
 昔は森でよくフワリンと遊んだ。ピルグリムの所為で一度は失われてしまった平和だけれど。
 ……しあわせなゆめ……きっといつかかなう……。

 ホワイトガーデンに来てから大分経つが、フワリンとこんなに遊んだのは初めてだ。アルトはお弁当とおやつの後片付けをすると、半ば眠りかかっているピンク色のフワリンの傍らで目を閉じた。とろとろまどろむ至福のひととき。
 レイクはフワリンの背中で本を片手に仰向いて午後の休息。陽光を全身に浴びながら、気の向くままにふらふらと漂って。何処に行くのかは誰にも分からないけれど……帰巣本能があるから迷子にはならないはず、きっと……多分。
「……おや?」
 昼寝中のフワリンの上で昼寝するオヨ猫キール……という図にシリックはくすりと笑い。そのフワリンにもたれて自分も一眠り。
「名前は……トウニーとでもしましょうか」
 閉じた目の下でフワリンの名を決め。
「……ふかふか……」
 すっかり眠り込んで起きる様子もないルフィリアを乗せ、フワリンは空に浮かぶ。のんびりと過ごすこんな時間の大切さ……。辛い日々を越えた場所にある幸せを見つめて。

「『即興楽団・悠久の風』から歌のプレゼント。楽しんでいってね」
 ヒトの医術士・ナオは集まってくれた人々に呼びかけると、加護の縦笛を吹き始めた。賑やかしにと、護りの天使も呼び出して浮かばせて。
 ヨアフはギターを演奏し、人とフワリンの両方に楽しんでもらえるよう、獣達の歌も取り混ぜる。ヨアフのフワリンのミサトも、なぁ〜んなぁ〜んと、歌っているつもりの鳴き声を挙げ。
「フワちゃんも…参加するか…?」
 アルスは傍らから離れないフワリンを撫でると、皆の演奏に合わせてオカリナを吹き始めた。温かみのある音が風に乗り、村を巡る。
「♪ リトス、聞いていてね」
 ケラソスはフワリンに語りかけると、銀糸の張られたパンドゥーラを奏でた。熟練の指先から生まれる音に合わせて歌うのはランドアースの歌、そしてミルカに教えてもらったホワイトガーデンの歌。
 ククルは歌詞は歌わずに、曲調に合わせて適当に……だが美しい歌声を響かせる。
「ふわふわ〜♪」
 海のないホワイトガーデンに、海を愛するククルの歌声が流れ。その横に品のあるフワリンがそっと寄り添う。
 普段はどこかおどおどしているミルカも、歌う時はのびのびと。
 重なり流れる音と歌にあわせ、ルチアとナルが踊る。
「ヴァルムも一緒に踊る?」
 ルチアはフワリンに手を差し出した。ミルカはフワ村の村人や一緒に来た他の冒険者を誘い。
 ユエルダははしゃぎすぎてぐったりしている仔フワリンを木陰でぱたぱた扇ぎ、水を飲ませて介抱しながら演奏会を楽しんだ。フワリンとこうして遊べるのも平和になった証。まだ完全にではないけれど、それでもこうして過ごせるようになった事は素直に嬉しいと思う。
 様々な声、様々な踊り。様々な笑顔がフワ村に満ちる――。


 楽しかった日も終わりに近づき。
 遊び疲れたフワリンをパフィシェは村人に教えてもらいながら洗い、掃除した小屋に戻した。思い思いに休むフワリンの満足した様子に、笑みがこぼれ。
「御伽でも夢でもないですね……幸せです」
 残った人参は役立てて欲しいと村人に託し。
「お世話にかかる代金は定期的にお届けすればよいですね。ユキのお世話をよろしくです〜」
 エリスが村人に挨拶する間も、小さな白いフワリンは服の裾を噛んで離さない。その頭を撫でて宥め、エリスは今度会う時までの身代わりとして、縫いぐるみをユキに渡した。
「ワシがいない間は、子供や荷運びの必要な方に開放して欲しいのじゃが。空蝉も人の役に立てた方が嬉しいと思うでのお」
 スルクは空蝉を村人の判断で貸し出してくれるように頼んでおいた。
「また来るからね?」
 名残惜しそうなフワリンにナルはちゅっとキスをする。いつかこのフワリンにグリシナを乗せてあげたい。帰ったら今日の事をグリシナに話して聞かせよう、などと考えながら。
「次は彼女を……コーシュカを連れてくるよ」
 きずなという意味の名をつけたフワリンに約束し、ヴァルはその白い肌を撫でた。
 フワリンとの名残は尽きないけれど、こんな楽しい1日の終わりに湿っぽいさよならは似合わない。レオは大柄な白いフワリンを撫で。
「♪ パンジャ、これからもよろしくだぜ! また遊びに来るからな。元気でいろよ!」
 獣達の歌を使って笑顔で挨拶。
「ヒーリィはどうもこの菓子が気に入ってしまったようだから……」
 後で食べさせて欲しいと、カイルはましゅどらごんを村人に預けてからフワリンに向き直り。
「私は二度とお前に寂しい思いはさせん。また来るさ……」
 それは、君を守ると誓う、の言葉。
 大切な人と会えなくなるのは何より悲しい事だから。もう決してそんな思いはさせない。それこそが。
「なぁ〜ん、なぁぁ〜ん」
 鳴きながら見送ってくれるフワリンへの最大の愛情なのかも知れなかった――。


マスター:香月深里 紹介ページ
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作成日:2005/06/02
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