<リプレイ>
●ダンスパーティーが始まるよ! 「みんなスゴイ……レドビイもあんなのが好きなのか……」 今日はダンスパーティー、ホールではドレスアップを済ませパートナーを待つ人達で溢れていた。 その人垣に埋もれる様に待つ永遠の蒼・イルイ(a01612)……彼女の視線は、何かが零れそうなドレス姿の想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)や大人な女性陣の方を彷徨い、そして徐にワンピースデザインのパーティードレス姿の自分を見下ろす……女の子らしいデザインのドレスは彼女の容姿とマッチし、大変可愛らしい姿である。しかし…… 「(やはり男は……お、大きい方が、こ、好みらしく、それに比べて……)」 すこし悲しくなり始めた彼女の元に彼が駆け寄ってくる……爆炎纏いし紅の旋風・レドビイ(a00542)だ。 「遅くなってゴメンねイルイちゃん! ……待った……よ………」 途中で止まったレドビイにアレっと思ったイルイが顔を上げると、真剣な顔をした彼が口を開く。 ……それを聞いたイルイは耳まで真っ赤になり、ぎゅっと彼の手を握りしめた。
「うん、やっぱり後でヤギミルクとケーキ、奢りだね」 ……そんな2人を柱の影から覗いていた喜劇の舞姫・ジャルナ(a02784)、レドビイに今日のパーティーの事を教えた彼女は、彼の首尾を見て後で奢らせる事を固く決意したのだった。 ちなみに、彼が何と言ったのかはここからでは聞こえなかったのが心残りである。
●秘密の花園は乙女の戦場 「オレ……コレを着るのか………マジかよ」 当たり前だが男子禁制、女性の園であるドレッサールームでは、雪花の剣姫・アルフィール(a00226)が目の前に飾られたドレスを前に苦悩していた。 普段女性らしい衣装を着る事が無い彼女に、自らドレスを纏う事は一大決心である……それはどんな強敵よりも手強かった。 「……これなら彼に喜んで貰えるわね」 反対にイキイキとしてるこちらは氷桜の舞姫・アヤメ(a02683)、買ったばかりの紫のドレスを纏った彼女はスカートの裾をなびかせ、満足そうに頷いた。
「綺麗だ……」 ドレス姿で出て来たアルフィールに、銀の風詠・オルティネート(a03006)が、信じられないと言う表情でそう呟いた。 普段の男勝りな彼女しか知らない彼は、彼女のまったく違う一面を、それも普段とは違い恥ずかしそうに頬を染めた彼女の姿に驚きを隠せない…… 「これは……失敗したのかもな」 彼女の新たな一面に、もう逃げだせないかもと思ってしまうオルティネートであった。
「それでは、今宵は楽しい一夜を過ごしましょう、アヤメさん」 そっと跪き、光栄ですと手を差し出す深遠を視通せし者・ユイス(a03427) アヤメが差し出されたその手を取った瞬間、ダンスホールにメロディが流れ出した……舞踏会の始まりだ。
●楽しい舞踏会 「ボ、ボク、ダンスって初めてだから……ゴメンなさい!」 慣れないダンスにバランスを崩した夢幻・フュール(a00031)がお相手である色なき風・ルフティエ(a00763)に向かい倒れ込む彼を、優しく包み込むように抱き締め受け止めた彼女は、微笑みながら囁いた。 「大丈夫です、肩の力を抜いて……そう、リズムに身を任せ、そっと……」 寄り添ったその状態でリードする彼女リードされ顔を真っ赤にしながら踊るフュール……今日の事は彼にとって一生の思い出になるだろう、多分。
「イサヤ……これで良いの?」 綿雪の人形姫・ドール(a02765)は、紅鎖に抗う碧き風・イサヤ(a02691)にダンスを教えて貰っていた。 「もっと自由に踊ってもいいんだよ」 彼に言われるまま、ステップを踏むドール。彼の地方に伝わる踊りらしく、独特の振り付けだが慣れてくると結構楽しかった。 「レナも踊ろうよ!」 「一緒に……ね」 2人が1人踊っていたレナに向かい手を延ばした……
会場の一画から歓声が上がる、翡翠色のレスキュー戦乙女・ナタク(a00229)が舞踏劇を始めたのだ。 引込まれる様な彼女の舞いに魅了される観客達……何時しか彼女の舞いは終盤に差し掛かり流れる様にクライマックスへ……彼女が舞いを終えた時、思わず涙する者もいた。 別の方からも声が上がる、エルフの邪竜導士・フロイデッド(a02868)が強いお酒を使い火を吹き、炎髪の大番長・フィル(a00166)が激しい踊りで釘付けにする。 そうこうしていると、踊り疲れたのか休憩する人達の姿が見え始めた。
●壁の花にも刺がある? 「舞姫降臨だね、さぁ踊ろうよ!」 陽光の後胤・ナル(a01122)へ微笑みながら手を差し出すナナイロ・ハチャック(a02091) 喜んでと誘われた彼女が差し出された手を取ろうとしたその瞬間…… 「やあ奇遇だぜ、奇遇ついでにちょっとそこまで顔を貸して貰おうか?」 闇狐・サルヴィナ(a00591)がハチャックに話し掛ける。同時に羽交い締めにされ拘束される彼……拘束した腕の持ち主は冷笑の道化師・デューイ(a00099)だ。 「まあ、なんだ……ナルに手を出すお前が悪いんだぜ、諦めな」 そのままズルズルと引きずられて行くハチャックに、呆然とした顔のナル……突然の展開に、どうやら付いて行けない様子だ。 その後何が起ったのかは、誰も知らない……
「私も踊りたいです……どなたか教えて欲しいですぅ」 「……良かったら俺が教えようか?」 壁にもたれてホールを眺め、溜息を付く柳緑花紅・ホカリ(a00802)に、朽澄楔・ティキ(a02763)が話し掛けた。 「本当ですか!?」 の声と共に、よろしくお願いしますと優雅に一礼するホカリ……カップル成立に思えたが、問題がただ一つ………ティキは彼女が彼なのに気が付いていないのだ。 ……まあ、些細な事であるし、本人同士が幸せなら良いのであろう。今が幸せなら無敵だからだ。 それを見ていた何故かパーティーの軽食やドリンクを運ばされていた銀閃の・ウルフェナイト(a04043)の目にまぶしく輝いていたのは錯角ではないだろう。
●レッツダンシング! 「レナさん、妖精さんダンスはどお〜?」 会場内を所狭しと踊り回る看板娘の妖精さん・フェリス(a01728)と、彼女に振り回されてるレナ……フェリスの自由気侭な踊りは物凄い物であったが、本人が楽しいのだから良いのであろう。 「ほら、飛ぶよ〜!」 遂にはジャンプも入る妖精さんダンスは止まらない……むしろもう止まれない? それにさらに加わる踊りと歌声、スーパー脱力系愛ドル・シドゥ(a01699)だ。 「たぁぁのしぃぃくぅぅぅ〜おぉぉどるぅぅぅぅ〜〜」 妙に間延びした歌声と踊りは、彼等彼女等の周囲をある意味楽しい空間にしていた。 いや、実際見てる方も踊ってる方も楽しかったらしいのだが、ホントかどうかは知らないが。
こちらは正当派? 優雅なダンスを披露するのは笑顔の舞娘・ハツネ(a00196)と星辰の爪牙・アンリ(a00482)のペア。 注目を浴びながら満足するまで踊った2人は、ちょっと休憩する事にする。 「どうぞ、ハツネさん」 ドリンクを手渡すアンリ、受け取ったハツネと飲みながら楽しそうに踊る人達を眺めている。 何かを思い付いたハツネは、荷物からハーブを取り出すとアンリの手を引いた。 「ね、一緒に演奏しようよ!」
●時には愛を 曲調が変わる……甘いハーブの音色が会場を支配する。 激しい踊りは控えめになり、ゆっくりとした時間が流れだした。 「お姫様、私と一曲踊って頂けますか?」 葱神様の御使い・リーク(a00987)が、バラの花を一輪差出しながら跪く。 「よろこんでお受け致します、リーク様……」 幸せそうに頬を染めた黎明に詠う金糸雀・セルフィナ(a01034)、2人は中央へと歩み出る。 「……このまま時間が止まれば良いのに」 彼女の呟きは彼に届いていたかは解らない、しかし2人だけの時間が流れたのは確かだった。
「俺達も踊るか」 鋼鉄の護り手・バルト(a01466)が雫菫の結晶・ルシール(a00620)を誘う。 頬を染めたルシールが彼と手を繋ぎ踊り出す……彼女の方は物凄く照れているのが傍目にも良く解る。しかし、目の前で踊る彼女のパートナー……彼はとてつもなくニブかった。尋常じゃ無い程に。 踊り終わった彼女……頬はほのかに染まり、火照ってるのが自分でも良く解った。 そんな彼女を、彼の一言が変えた。 「良い運動になったな?」 ピンクに染まった頬は怒りで赤く変わり、彼女の罵声と乾いた音が響いた……
「何か音がした様な気がするんだけど……気のせいだよね?」 テラスでは紫苑の術士・ニクス(a00506)と若草ノ術士・ピート(a02226)が腰掛けている。 初めて女性と踊るピートであったが、特訓の成果でかなり楽しい時間を過ごせた。 彼女も楽しんでくれたのだろうか? それがちょっと心配で彼女の方を向くが、心配は無用だった様だ。 目一杯楽しんで、そして星空の下食べるケーキは格別らしく幸せな表情を浮かべるニクスであった。
●ラストダンス いよいよダンスパーティーもクライマックスに、踊り収めとばかりに男女関係なく踊りに誘う風に遊ぶ者・フィール(a03750) 「レナさん、一緒に踊るでぃすよ」 芽吹の武人・タルト(a03396)がレナを誘い、よろこんで受けるレナ。
別の方向からは悲鳴の様な歓声があがる。 男装の麗人スタイルで女性客を誘っていた金髪の・アゼル(a00436)と、そんなアゼルに対抗していた八卦の武術家・シェン(a00974)が踊っていたのだ。 悲鳴の主は誘われた女性達なのだろう……競い合う様な2人のダンスは最後を飾るに相応しい物であった。
そして……
「それじゃ、踊ろうか?」 会場の外、月明かりが照らす星空のステージ……蒼天に輝く神翼の刃・ティエンが、抱き上げていた脱兎・リヒトン(a01000)をそっと降ろす。 「恥ずかしいですねぃ……」 差し出された手を取るリヒトン、その顔はほんのりピンク色……僅かに聞こえる会場からの音楽に合わせて踊る2人だけのステージは、やがて静かに幕を降ろした……

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参加者:41人
作成日:2003/11/22
得票数:ミステリ1
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冒険結果:成功!
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