【微妙対戦ナンジャコリャー】鈴は谷



<オープニング>


 突如現れた巨大な鈴型の怪物!
 そいつは転がる度に大変大きな音を立て、近隣の村々を騒音で悩ませている!
 悩みは一つではない。
  真中辺りのもっとも膨らんだ部分、腹巻のように胴を取り巻く、リング状の刃!
 刃の通った後は、まるで谷みたいに陥没。
 雨が降ったら用水路になりそうな勢いだ!
 途中から水を間引きされては、作物達もたまったものではない!

 奴の武器はそのものずばり、体から発する大きな音!
 あんまりにもでか過ぎて、かなり鈴っぽくない音色だ。
 兎に角五月蝿い。
 五月蝿さの余り、なんと空気が振動する!
 十メートル内でその余波を食らうと、思わず体が麻痺してしまう!
 それ以上離れていれば痺れることはないが、五月蝿いのはそんなに変わらないぞ。
 そしてもう一つ!
 胴に付いた腹巻刃!
 音で動きを止めた所を更に転がって、真っ二つにしようという魂胆だ!
 溝が出来るくらいだから、結構痛いぞ、気をつけろ!

 酒場に集った冒険者達よ!
 この何だか良くわからない鈴の化物を、夏の風物詩にでもしてやれ!

マスターからのコメントを見る

参加者
炎熱の賭博師・ジョーラム(a05559)
光と命の巫女・サラサ(a06105)
れっくすはんたー・ナレカ(a13982)
月葬華・デク(a17997)
空気は読まない・レジィ(a18041)
永久の語り部・ルナ(a18266)
一介の衛生兵・エルム(a18957)
愛と正義と黒バニーの使者・アリス(a20132)
ぽやぽや突撃姫・エフィリフィア(a21317)
白の戦鬼・ブラス(a23561)


<リプレイ>

●登場
 機嫌良く転がる鈴を、突如照らす眩しい光!
「貴方の悪行、そこままでです!」
 何事かととりあえず立ち止まる鈴。
 前後が判らないが、多分どっちでもいい。
「愛と正義と……夏の風物詩といえば、カキ氷!」
 びしりと指差す幻影の舞姫・アリス(a20132)。
「黒バニーの使者! うさライダーのアリス!」
 その姿が眩い七色の光を浴びて、一層輝く!
 今日はなんと、光と命の巫女・サラサ(a06105)による、ホーリーライトでのライトアップ付き!
 ついでに、鈴に負けぬよう、太鼓や歌で応援……とは別に、さっきから何となく周りが五月蝿くなってきているような気がするのは何故だろう。
 お構いなく、そこにでかでか持ち上がる看板!
『ナンジャコリャー始まるよ〜』
 担ぎ上げているのは、ぽやぽや突撃姫・エフィリフィア(a21317)。
 はっとする都市伝説・デク(a17997)。後ろに用意しておいた筈の看板がなくなっている。
 やられた!
 そしてそのまま話し始めるエフィリフィア。
「マンネリと言われようとも私はやめないっ、毎度おなじみ仰天龍をよろしくなぁ〜ん」
 そんなエフィリフィアに合わせて光色が変わる!
「一つ言っておくことがあるっ、なぁ〜ん」
 空いた片手で、ずびしと巨剣を鈴へと突きつける。
「私の髪はピンクじゃなくて銀髪なぁ〜ん!」
 その隣、れっくすはんたー・ナレカ(a13982)の手にしたまんもーの牙らしきものがみるみると変形していく!
「正義の使者、ワイルドファイアから参上なぁ〜ん!」
 すっかり巨大ハンマーと化したそれを担ぎ上げ、ナレカ堂々の構え!
 ……しかし、それにしても。
 先ほどからなんだか物凄く五月蝿いのは何故だろう?
「……紋章使いのレジィ」
 呟くように言った紋章使い・レジィ(a18041)の声は、雑音に掻き消えてしまっている。
 いや、よく見れば、その雑音の元というか、クリスタルインセクトを量産しているのはレジィ本人。
 これはひょっとして……
「やー、一度に一体しか感覚共有できないんじゃないですぅ?」
 今のうちに皆に順番にディバインチャージを掛けて回っていた純白なる聖天使・ルナ(a18266)が不意に気付いて言ってみる。
「どうやらそうみたいね……」
 無念。
 それよりも、このままだと味方が雑音にやられてしまう。
 止む無く、急いで一体ずつ範囲外へ緊急離脱。
 その時。
「……あれ、ひょっとして……」
 上からの光で、今まで気付かなかったが、皆は自分の足元に薄ぼんやりとした光が立ち込めていることを知る!
「いきなり役に立ってた?」
 そう、それは、見習い救命士・エルム(a18957)のフォーチュンフィールド!
 そういえば、既に音にやられたような素振りの人もいたが、何となくすぐに戻って……
「なんじゃこりゃー」
 棒読みで驚いている白の戦鬼・ブラス(a23561)は、何故か隣の炎熱の賭博師・ジョーラム(a05559)をみている!
 戻ってない、戻ってないよ!
「やー、開始前に同士討ちする所でしたー」
 むしろ開始前に静謐の祈りを使うことになるほうが驚きだ!
「それよりも何故俺の隣に女性がいないんだー!?」
 元気出せジョーラム!
 そんな具合で。
『ナンジャコリャー、はじまるよ〜』
 看板を取り返したデクが、獲物を持ち上げた。

●決戦!
 予定外の状況に案外手間取ったりもしたが、気にせずばばっと散らばる戦士達!
 忙しなく続くインセクトの雑音。
「負けないで、インセクトさん……!」
 しっかりと耳栓をして、頭上のライトを点滅させながら、戦場を見つめるサラサ。
 そこへ遂に鳴り響く鈴の音!
 そんな音波範囲に容赦なく入ってる前衛達!
 あえて殲術の構えで臨んでいたエフィリフィアであったが。
「跳ね返ってくれないなぁ〜ん」
 残念そうなその周囲で、振動にやられたインセクトが、痺れながらも一斉に攻撃形態に変化する!
「ここで最初の一回のはずだったのよね」
 痺れたりどさくさに混乱していた中間達を、戦闘で雰囲気を一変させたルナの静謐の祈りが次々元に戻していく!
「直接凹ませるしかないのなぁ〜ん」
 緑の耳に大きな耳栓を突っ込んで、ウェポン・オーバーロードでの変形に加え、ルナのディバインチャージで神々しさを得た特大ハンマーを振りかざし、ナレカが鈴の側面へ迫る!
 ずがばーん!
「いい音だぁー」
 棒読みで解説するブラス!
 ちなみに後衛集団は音の範囲外なので、皆余裕の表情。
 医術師が多いので心理的に安心なのも一因か。
「さっさと潰れろー」
 そして村のお嬢さんとあははうふふ!
 そんな気持ちの篭ったジョーラムのソニックウェーブが鈴に襲い掛かる!
 そしてもう一撃!
「こっちからもくらえですぅ!」
 射程ぎりぎりから放たれたアリスのソニックウェーブも、見事に鈴を捕らえる!
「まるで二段攻撃だー」
 やはり棒読みだなブラス!
「それはそうと、だいじょぶ?」
「はぁい、大丈夫ですぅ」
 射程ぎりぎりの間合いを維持して動くアリスの怪我を、レジィが心配そうに見ている。
 その時!
 もう既に結構凹んでいる鈴が、腹巻刃と共に転がり始めた!
「なっぁああ〜ん!」
 この時の為に重装備で構えていたナレカは、盾と鎧を上手く使い、切られず弾き飛ばされる。
 続いてジョーラムがずんばらりんと!
「消えたー」
 谷の底に消えるジョーラムにブラスが叫ぶが、やはり棒読み!
 一瞬驚いたが、仲間を見回しエルムはほっと一息。
「抱擁あるから大丈夫だよね」
 そして未だ転がる鈴の進路の先。
『良い子の皆、元気にしてたかな? そろそろ夏本番だね!』
 看板を掲げるデクの鎧は、鎧聖降臨によって未だかつてない形に!
『長期休暇だからって髪や性格を劇的大改造するような大冒険は、友達に大爆笑されるからお姉さんはお奨めしないよ!』
 鎧の背中から伸びるのは、図太いつっかえ棒。
『四番、一打席目から西瓜を渾身の本塁打』
「敵の形が違うー!?」
 ブラスの叫びと共に投げ捨てられる看板。
 振り上げられた斧が、転がる鈴に打ち下ろされる!
「減り込んだぁー」
 兜割りの一撃を受けた鈴がなんと、半分くらい地面に埋れたではないか!
 そして、動きの止まったそこへ駆け込んでくるエフィリフィア!
「とつげき〜なぁ〜ん」
 小細工はなしに、手にした巨剣で、減り込む鈴を、叩く、叩く、叩くなどの暴行を加える!
 そのんな鈴の後ろに出来た谷から、消えたはずのジョーラムが這い上がってきた。
 かなり血塗れだ!
「……なんで、あんな近距離でソニックウェーブ使ったのかな」
 首を傾げるエルムの目の前。
 答えは、彼が這い進む先……そう、そこには、ルナとサラサが!
「か、回復を頼む……!」
 女性に癒して欲しいらしい。
 だが、返事をしたのはエルム!
「いいよー。心置きなく敵に突進してねー」
 そして現れる癒しの聖女!
 がっかりした途端に元気になったり、今日のジョーラムは忙しい。
「緊張感がないわねぇ」
 インセクトを喚び尽くしたレジィが、飼い猫と戯れつつ戦場を見遣れば、一斉に飛び掛ったインセクトに、埋れた鈴が悲しいまでに蹂躙されている光景が目に映る。
「……ご飯に群がってるみたいね」
 なんとなく晩御飯の献立が気になるぞ。
 そんな中、吹っ飛ばされたナレカにはサラサが癒しの聖女を派遣、すぐに元気はつらつ。
 再びハンマー片手に鈴へと迫る!
 ごしゃーん!
「更に埋れたぁーっ」
 やっぱり棒読みのブラス。
 しかし、その言葉どおり、電刃衝の力を帯びた巨大ハンマーの一撃に、鈴は凹みながら更に地面の奥へ!
 掘り進むことは出来ても上には上がれず、いびつに凹ん上に、狭すぎて音も鳴らせず、もう本当ににっちにもさっちもどうにもブルドック!
 だからといって容赦などするはずもなく。
「そろそろ終わりそうね?」
 祈りの必要なしと判断したルナが、スキュラフレイムを撃ち放つ!
 食らいつき、燃え上がる黒煙! それを飛び越えて、全力で吹っ飛んでくるソニックウェーブ!
「もう一丁くらえですぅ!」
 用心に用心を重ね、あえて射程ぎりぎりからのアリスの一撃!
 そして鈴は。
 べこべこのままぱっくり割れて、遂に動きを止めたのであった。

●撤収
「正義は勝つ! ですぅ♪」
 ポーズを決めるアリスを、始めと同じようにサラサのホーリーライトが眩く照らす。
「この玉、頂きなぁ〜ん」
 割れた鈴の中にあった、丸い玉を拾い上げるエフィリフィア。外側はナレカがべこべこにしてしまっている。
「強敵だったわね……」
 インセクト召喚しかしていないような気がするが、まぁいい。
 レジィは飼い猫と戯れながら、今晩のおかずを色々思案中。
「大丈夫でしたか?」
 皆の様子を順に確認して回るサラサ。
 怪我は治っているような気がするのだが、腹巻刃にやられて血塗れなジョーラムは、ここぞとばかりに。
「出来れば情熱的な命の抱擁を」
 膝枕付きで。
「判りました、今、命の抱擁をします」
 サラサの言葉に、うきうきしながら横になるジョーラム。
 あぁ、なんだか……硬いぞ?
 目を開けてみれば、そこには筋骨隆々の雄々しい蜥蜴さんが。
「ふむ、生憎と大人の事情というものでな」
「鱗は嫌だぁあぁあー!」
 超高速離脱!
「やー、元気になりましたねー」
『微笑ましい光景ナリ』
「抱擁はブラスさんしか用意してないしね」
 小さくなる後ろ姿を見送りながら、皆も戦場を後にするのであった。

 有難う冒険者!
 君達の活躍を忘れない!


マスター:BOSS 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:10人
作成日:2005/06/01
得票数:コメディ37 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。