絵描き人の挑戦!?



<オープニング>


「今日もいい天気です〜♪ 何かいい事ないかな〜です♪」
 冬も次第に近付いてきたある日の昼下がり。
 霊査士のルラルはいつものように、肩に乗った兎の縫いぐるみのうーちゃんと一緒に街を歩いていた。
 こうやって街を歩いていると、霊査士のルラルに何人もの人達が声を掛けてくる。その内容は様々だけれど、ルラルはそんな街の人たちとの会話を楽しみながら街をぶらぶらと歩く。
 彼女いわく、この散歩は。
「うーちゃんと一緒に散歩ですよ〜♪ ね、うーちゃん♪」
 という事らしい。
 そんなルラルの姿をじーっと見つめていたのは、20をちょっと過ぎたくらいの女性。
 まっ白なイーゼルの前に座り、じっと考え事をしていた彼女はルラルの姿を見て。
「……あの子の手に嵌められているのは霊査士の鎖……あんなに小さくても霊査士……ちょうどいいわ。きっとこの依頼、話を聞いてくれる筈……いや、そう信じたいわね」
 そう言ってその女性は、イーゼルと絵筆を片付けると、ルラルの後を追い始めた。

 そしてしばらくして、ルラルが裏道に足を踏み入れたその時。
(むぎゅっ)
 霊査士ルラルに追いつくと、その腕をぎゅっと握る女性。
「え? お姉さん、何か用なの〜?」
 じーっと見上げてくるルラルに、絵描き用の用具を持った女性はにこっと笑って。
「……貴方に一つ、聞いて欲しい事があるの! 貴方しか頼めないの! 御願いっ」
 頭を深く下げる女性に、ルラルは笑顔を浮かべて。
「え? うん、出来る事ならお手伝いしますよ〜♪」
 にこにこと微笑んだルラルが、その女性の話を聞く為に酒場へと向かっていった。

 彼女の名前はボフレ。この街で色々な動物の絵等を書いている絵描きの一人。
 そんな彼女は、ルラルに一枚の絵を見せる。
 その絵は兎の絵で、まるで今まで動いていたのを写真で切り取ったかのような躍動感をその絵は持っていた。
「わぁ〜、綺麗です♪ 絵、上手ですね〜♪」
 ルラルが絵を見て褒めると、うふふ、と嬉しそうに微笑むボフレ。
「そんな事無いわよ。でも……それを描いていた時は、心も身体も充実していたし、絵を描く事に楽しみを持っていたからかしらね」
 溜息を付くボフレ。しかしそんな彼女が、次なる絵の題材に選んだのは……グドンと冒険者達である。
「最近、動物の絵だけを描くのにもマンネリ化してきたのよ……。街の中で見かける動物は、結局大体飼われている動物達。身銭を稼ぐ為に依頼された絵は描いてきたけど、そんなのは動物の真の姿じゃないわ。それで自分の可能性を広げるためにも、新しいジャンルの絵に挑戦してみたいのよ」
 拳を握り締めるボフレ。続けてその瞳に炎を宿しながらルラルに語る。
「そこで、私はグドンと冒険者達の戦っている場面を、私はこの筆で描いてみたいの。でも冒険に出たことも無いし、グドンがどういう姿形をしているかも私は知らない。冒険者の人達がどのように戦っているのかも私はまるで知らない。そこで冒険者の人達のグドン退治に、私を連れて行って欲しいの。自分の身を守れるとは思えないけど……でも、一生懸命頑張るから、さ」
 瞳を輝かせて、ルラルの手を握るボフレ。ルラルはちょっと困った顔をしながら。
「えーっと……グドンと冒険者の人達が戦っている絵を描きたい。その為にその光景をこの目で見たい……そういう事ですかぁ?」
「ええ、端的に言えばそう言う事ね……お願いしていいかしら?」
 もう一度頭を下げ、目をうるうるさせるボフレ。ルラルがマスターに目で助けを求めると、マスターは依頼掲示板の中から一枚の依頼を持って来た。
「ちょうどいい依頼がある。村を襲うグドン退治の依頼だが、これに一緒について行くってのはどうだ?」
 マスターの言葉に、ボフレは激しく頷くと。
「ええ! 是非、是非連れて行ってください! 御願いしますっ!!」
 マスターは頷くと、この依頼の霊査をルラルに頼んだのである。

 後日、ルラルが霊査をした結果。
 このグドン達は、目標とする村から僅かに離れた深い森に住んでいて、その数は10数匹と結構な数が居る事、そして彼らを見つけるためには灯りが必要だという事が判った。
 そしてここのグドン達は、火を使って村々を襲っていたという事も分かる。ルラルの中に、火の矢を使うグドンの姿が見えたのだ。
 情報を整理しながらルラルは、冒険者達に話す。
「この依頼にはボフレさんっていう絵描きのお姉さんが付いていくから、お姉さんを護ってあげて欲しいの。一般人だから、殆ど戦う力も無いし、飛び道具を使うグドンだから、後方に隠れていたとしても油断できないと思うの。あともう一つ……ボフレさんが、戦闘中に勝手に出歩かないよう、見張ってた方がいいかもしれないの。それじゃあみんな、頑張ってきてね♪」
 ルラルはそう、冒険者達ににっこりと微笑んだ。

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参加者
大樹で遊ぶ曲芸師・タロット(a00134)
六風の・ソルトムーン(a00180)
語る者・タケマル(a00447)
永遠の・フルヱ(a00598)
緋の剣士・アルフリード(a00819)
ちっちゃな重騎士・パン(a00909)
クリムゾンカラミティ・ファレリア(a01041)
微笑みの風を歌う者・メルヴィル(a02418)
風奏楽師・オルティネート(a03006)



<リプレイ>

●グドン退治へ♪(絵描きつき)
「皆様宜しく御願い致しますですわ♪」
 冒険者達の前に現れた今回の依頼者、ボフレがにっこり微笑んで冒険者達に頭を下げる。
 満面の笑みを浮かべた彼女……そんな彼女の容貌はかなりの美人。
 ここに、その顔に魅せられた人が一人。
「ふぅん……綺麗なお姉さん、こちらこそ宜しくね。ボクはアルフリード、グドンを狩る戦いの中に、ボフレさんの求める芸術的な美はあるかどうかわからないけど……でもボクなりにボフレさんを魅せてあげるよ」
 緋の剣士・アルフリード(a00819)が、膝を突きながらそんなセリフを口にする。そんなアルフリードの対応にボフレは上機嫌に。
「ふふ……ええ。宜しく頼みますですわ♪」
 続けてグドン退治に当たっての注意を、銀の風詠・オルティネート(a03006)が伝える。
「ボフレ、グドン退治についてくる上で、俺達と2点程守って欲しい事がある。まず第一に、勝手に俺たちより前に出ないこと。そして第二に、俺たち冒険者のいう事をちゃんと聞くこと。この二点を守ってくれれば、グドンをお前に指一本触れさせも、危険な目にも逢わせはしない。しっかりとその目に、俺たちの戦う姿を焼き付け、素晴らしい絵を書き上げてくれ」
 ボフレはうふふ、と笑いながら。
「勿論ですわ。だって無理して付いて行くんですもの。それくらいの事、守って見せますわよ♪」
「……その言葉、信じているからな?」
 しかしオルティネートの頭に、ルラルから言われた言葉が頭を過ぎる。
(「ボフレさんが戦闘中に勝手に出歩かないよう、見張っていたほうがいいかもしれないの」)
 きっとこんな事を言っていても、ほいほいと出歩く……それは十分に予測できた。
「しかし何故ボフレはそんなグドンを題材にしようとなど思ったのかね? お主だって知らないわけではないであろう? グドン達が村人達を襲い、その血肉を食べているなどという事を」
 永遠の・フルヱ(a00598)が、おどろおどろしい声で話しかける。勿論グドンが血肉を食べるなんていうのはフルヱの捏造の部分もあるだろうけれど。
 しかしボフレはフルヱの言葉にも全く動じなかった。
「そのグドンの恐ろしさの中にこそ、真の美しさがあるのですわっ♪ 今までたくさんの絵を描いてきた私だからこそ分かるんですのっ!」
 そんなボフレの言葉を聞いて、先行きにフルヱは溜息を付くのであった。

 そして冒険者達は、グドンの出てくる森に出発する。
 その旅路の中で、微笑みの風を歌う者・メルヴィル(a02418)は首を傾げながら、思い切って尋ねる。
「あの、えっと……ボフレさんは、何の為に絵をお描きになるのですか?」
 尋ねられたボフレは、良くぞ聞いてくれたといった感じに話し始める。その口から出てくる言葉は流れる湯水のように止まる事はなかった。
「何の為にって……そうね、まず生きるため。そして絵を描くのが好きだから。私のこの一本の筆からたくさんの世界が紡ぎ出されていくのよ、素晴らしいと思わない?」
 メルヴィルは、ボフレの言葉に頷きながら。
「あの……私もこの横笛で奏でる音や歌で喜んでくれる人がいるから、私ももっと歌い続けたいって思う事があります……ボフレさんの言っている事、これと似ているかもしれませんね? ……そう思うと、ボフレさんの言っている事が、なんとなく分かるような気がします」
 恥ずかしそうに笑うメルヴィル。ボフレもうんうんと頷いて。
「そうね、貴方の言っている事と同じかもしれませんわ。自分の芸術を喜んでくれる人が居る。その人達の為に、更なる素晴らしいものを提供してあげたいと思うのは自然の流れですの♪」
 ボフレのウィンクに、彼女が芸術家として、そして絵描きとしての心は十分にあると語る者・タケマル(a00447)は思うのであった。

 そしてグドン達の居ると言う森へと辿り着いた冒険者達。
 ボフレはリーダーっぽい雰囲気を漂わせる六風の・ソルトムーン(a00180)に、そのはやる気持ちで尋ねた。
「グドンはどちらにいるんですの? グドンの住処を探さないでいいんですの?」
 ボフレの言葉に、ソルトムーンは渋い声で。
「住処を探す? それは無用だ。これがあれば、向こうから襲い掛かってくるさ」
 と言って、事前に準備していた道具−−棒の先にカンテラを付け、その手前にマントを掛けた物−−を見せる。
 一見しても分からない道具に、ボフレが目を丸くする。
「このマントを冒険者と思って、グドン達は勝手に襲い掛かってくる。グドンは所詮獣だからな」
 ソルトムーンの言葉にボフレは。
「これが、冒険者の知恵という訳ですのね♪ わくわくしますですわっ♪」
 と目を輝かせていた。

 そして森の中に入り、夜を待った。
 ボフレ達より先行してグドンを探すのは、雑林に潜む翠風・タロット(a00134)とちっちゃな重騎士・パン(a00909)、そしてソルトムーンの三人。
 パンの手には、グドンの好む匂いの香草と足元だけを照らすカンテラ。そして周囲を二人に守られながら、エルフの夜目を使いグドンの姿を探していた。
 そして、パンの目に森の中で蠢く姿が、おぼろげに見え始める。
「グドンさんたち……見えますです。あっちの方から、こっちに向けて歩いてきている……です」
「ソルトムーンの罠が功を奏してるみたいだね。さてと……それじゃ伝えてくるよ」
 パンの言葉に頷いたタロット、グドン退治に執念の炎を燃やすクリムゾンカラミティ・ファレリア(a01041)は、目前にいるグドンを(姿は見えてはいないけれど)睨みつける。
「美しさなど関係ない。ともかくグドンの殲滅よ……斬りまくってやるわ」
 剣を構えるファレリア。そしてパンが手に持ったカンテラの火を吹き消して、グドン達がやってくるのを息を潜めて待った。

●いざ、華麗なる戦いへ?
「グルルゥ……」
 ソルトムーンの作った道具に誘き寄せられたグドンは、じりじりと近付いてくる。
「あれがグドンですの?」
「静かにしろ。せっかくの罠が台無しになる」
 ボフレの言葉を遮ったのはファレリア。
 戦いの前の静けさがその場を包んでいたが、その雰囲気をボフレは全く読めていない。
 ファレリアの言葉に口を尖らせるボフレではあるが、先にオルティネートとの約束がある手前上、ファレリアの言葉に逆らうわけにも行かず、ファレリアの言う通りに静かにする。
 そして……道具に攻撃を仕掛けようとするグドン。後ろには弓矢持ちのグドンも構える。
 先制攻撃を打ったのは、冒険者達であった。
「それじゃ、護衛は任せたよっ」
 タロットの言葉に、タケマルとメルヴィル、そしてオルティネートは頷くと、ボフレを取り囲むように配置に付く。
 グドンが壊したカンテラのほのかな灯りの中で、ボフレの目の前で戦いが始まった。

 ボフレから一番見える位置に立って戦っていたのは、アルフリードであった。
 華麗な戦いを見せる為、アルフリードは単身、グドンの群れの中にライクアフェザーを使って突っ込んでいく。
 グドン達の攻撃を、まるで舞い踊るかのようにかわし続けるアルフリード。そして幻惑の剣舞でグドン達を倒していく。そんなアルフリードに対し、後方に控えていたグドンは仕留めようと弓矢を構える。
 しかしフルヱが、エンブレムシュートを弓グドンに対して放ち、ファレリアが大地斬を続けざまに放つ。
 自分の身を呈して立ち向かってくるグドンに対しても、タロットが気高き銀狼を放つ。銀狼はグドンの喉和に噛み付いてその場に叩き伏せる。
 ソルトムーンも護りの天使と武具の魂を使った後に、着実に一匹ずつ倒す。一匹目には居合い斬りで抜き身の剣を放ち、二匹目には華麗なる一撃を放つ。
 大きな太鼓の音がその場に轟くと、グドン達にプレッシャーをかける為にソルトムーンが不敵に微笑みながら。
「グドンなんぞ、いくら数が集まろうと同じ事。慢心などではない、正当なる評価だ」
 ソルトムーンの言葉と睨みに恐ろしさを感じたグドン。
 持っていた松明の火を、矢の頭に付けて、弓矢を構える。
「させはせんよ」
 火矢を打って逃げようと構えるグドンに、盾を投げつけるフルヱ。
 快音が鳴り響き、その場に倒れる弓グドン。
「あと……数匹……ですっ」
 パンは不動の鎧を発動させて、グドンの群れの中に突っ込んでいき、そしてファレリアは敵のど真ん中で砂礫陣を放ち、敵の混乱に乗じてグドンを殲滅していった。

 一方ボフレの護衛の方は、三角形の陣形になりボフレを護っている。
 ボフレは目の前で繰り広げられる戦いに目を奪われる。ボフレの口にした言葉。
「描かなきゃ……もっと良く見える所にいかなきゃ、いい絵が描けないわ……」
 タケマルがその声に気づいた時には、ボフレは既に走り出していた。
「……! ボフレさん、危ないですよ、下がって下さい!」
 タケマルの声に反応する事無く、ボフレはそのまま歩を進める。
「チッ! やっぱり無駄だったか」
 舌打ちを打つオルティネート。ダッシュで近付き、その腕の中に抱きしめたままその場に伏せさせる。
「いかなきゃ……行かなきゃいけないのよぉ……ふふふ」
 明らかにその瞳は、いつものボフレとは違うモノ。狂気とでもいった所か。
「ボフレ、しっかりしろっ! 死んだら何にもならないだろうがっ」
 そう言いながらボフレの頬を平手打ちするオルティネート。するとボフレは。
「痛っ! な、何をするんですのっ!」
 自分を組み敷くオルティネートに怒りを露にするボフレ。
「つべこべいっている暇は無いんだよ、ここは危ないんだぜ」
 こくりと頷くボフレ。僅かな頭痛を覚えながら、オルティネートはボフレと後方に戻ったのであった。

 そして目の前で繰り広げられた戦いも終盤。次々とグドンが血を流しながら倒れていく姿。
 最初は華麗なスタイルの戦い方をしていたアルフリードも、既に効率的なスピードラッシュを主体にした戦い方に変わっていた。
 そんな戦いを見るボフレの肩をぽんっと叩くと、タケマルは。
「私達の戦闘はこんなものです。戦いは美しさだけではないのですよ。いいですか? 絵は心に映ったイメージを記録するものだと、私は思います。貴方の心にこの戦いがどう映ったのか……それを絵にして見せて下さいませ」
 ファレリアが血飛沫を浴びながら最後のグドンを倒した時。
 ぺたんと、倒れたグドン達の前に座るパン。
「グドンさんたち……本当に、ごめんなさいです……」
 と悲痛な表情を浮かべ、謝罪の言葉を口にした。

●絵は……?
 戦闘を終えた冒険者達は、ボフレの所へと戻る。
 目の前で繰り広げられた本当の戦いに、興奮を隠し切れないボフレはその筆とキャンパスを手にして、早速絵を描き始めた。
 倒したグドンの首を持って来たソルトムーンが、その首をボフレの近くに投げ捨てて。
「よく見えなかったのではないか? こいつらがグドンだ。絵を描くのに要るであろう……? 良く見るがいい」
 と不敵な笑顔を浮かべる。しかしボフレはその言葉に答えることなく、光悦な顔でキャンパスと向き合っている。
「ああ筆が進むわぁ〜♪ 私の頭の中のキャンパスを皆に見せてあげるわよぉ〜♪」
 と言っていたりする。
「……まるで聞いちゃいないよ。芸術魂に火がついたみたいだし、そのグドンの首も目の中に入っていないんじゃないかな?」
 とタロットも苦笑いを浮かべるしかなかった。
「むぅ……仕方ない。気の済むまで書かせてやるしかないか……」
 ソルトムーンも、顎に手を当てながらボフレの絵の完成を待つしかないのであった。

 暫くの間筆を走らせる音が静かな森の中に響き渡る。ボフレの周りには、もう誰にも邪魔させないというような鬼気迫るオーラが。
 そして約1時間後。筆を走らせる音が止み、ボフレが叫ぶ。
「出来たわっ!! 私の新たなる境地の最高傑作がっ!!」
 満面の笑みを浮かべたボフレに、アルフリードとタロットの二人がその絵を覗き込む。
 その絵は、今までボフレが描いた事の無いような、躍動感の溢れるタッチの絵。
 本当に彼女が書いた物なのかと思える程に、今までの彼女の絵風ががらりと変わっていた。
 タロットは彼女の絵を見るなり吐き捨てる。それは彼女の事を思っての事ではあっての事だけれど。
「あのさ……こんな絵はボフレさんらしくないよ。せっかくボフレさんはあんなに動物を優しく描く画風を持っていたのに、どこにもなくなってるよ? ボクは、あの動物の絵を描くボフレさんの方が好きだな」
 しかし、タロットの言葉にボフレは屈する事もなく。
「そんな事無いわ。これこそが私の新たなる境地なのよ。私の中の垣根を越えたのよっ!」
 と全く聞く耳持っていない。そんな彼女の姿をフルヱは。
「全くこりてないようだねぇ……こいつに分からせるのは骨が折れそうだ」
 と一つ溜息を付くしかなかった。
「まぁ……もう危険は冒さなくても、題材は回りにたくさんあるはずだ。冒険は俺達の仕事、ボフレは己の信念を貫き、最後までやり遂げてくれ。応援するからな」
 オルティネートの言葉に、ボフレは強く頷いて。
「ええ、応援してくれる人が居る限り、私は新たなる境地に挑み続けるわねっ♪」
 タロット達の心配をよそに、更なる暴走をボフレは続けるのであった。

 一方、一人でグドン達の墓を作っていたのはパン。
 木の端に穴を掘って、グドン達を埋める。一匹一匹を大事に埋めていく。
 そして全てのグドンを穴に生め、手を合わせるパン。
「グドンさんたち……ほんとうにごめんなさい……なのです。でも何時か……種族の落差の無い、平和な世の中で逢える事を祈る、です……」
 と、誰に対してという訳でもなく呟く。
 そこにやって来たメルヴィルは、パンの作ったお墓へと、静かなる鎮魂歌を歌う。
「パンさんは、優しいですね。本当に……グドンさん達と共に共存する世界、いつか出来るといいですね」
 と優しく微笑むのであった。


マスター:幾夜緋琉 紹介ページ
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わからない
参加者:9人
作成日:2003/11/23
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