【たぬたぬ戦隊】風の谷のグドン



<オープニング>


 酒盃の霊査士・ラターグ(a90223)は、おもむろに瞬きした。眼を擦ってもみた。
 だが、目前の光景は依然として変わらず。
「それで、如何でございましょうの、霊査士殿」
 白髪の老人の、期待に溢れた口調もそのままだった。
 老人は酒場のテーブルに薄茶の羊皮紙を広げている。強烈な極彩色の大きな文字が一面に踊る。『じぶらる村のドキドキワクワク村興し計画』。読んで字の如くだった。
 確実にアルコールのせいではない頭痛を覚えながら、ラターグは訊ねる。
「一応訊くが。……なんだこれ」
「じぶらる村のドキドキワクワク村興し計画じゃ。あ、ドキドキとワクワクの間には☆が入る予定じゃった」
 そのつもりで読んで下され、と問題の文字をぺしぺし叩いて嬉しそうな翁。ラターグはテーブルを引っくり返したい衝動に駆られるも、なんとか我慢するのに成功した。
「よし、それを踏まえて改めて訊こう。なんだこれ……」
「じぶらる村のドキドキ☆ワクワク村興し計画じゃて。副題は、『夢とロマン 〜たぬたぬ様の足跡を辿って〜』ということになっておるでの」
「そんなこと訊いてんじゃ」
「『夢★ロマン 〜たぬたぬ様の足跡を辿って〜』の方が良かったかの?」
「知るか」
「ワシもそう思っておったんじゃよ。それでは★を加えて」
 老人の夢見る眼つきは留まるところを知らない。ラターグはテーブルに指をかけたが、幸か不幸か、引っくり返すには些か力が及ばなかった。
 結局、全てを投げ出して麦酒を呷り始めたラターグに、聞き手が居ようと居まいと関係ない老人が一席ぶつ。曰く。
 じぶらる村には、たぬたぬ様という狸の神様の言い伝えがある。以前の依頼でたぬたぬ様に扮してもらったら、大変観光客の受けがよろしかった。こりゃ集客になる、村興しになる。
 だから、たぬたぬ様の知名度アップのために、冒険者にグドン退治に向かってほしい。
 じぶらる村の近くに風の谷と呼ばれる場所がある。山々に挟まれた川沿いのキャンプ場で、風がびゅうびゅう唸るからこの名前がついた。グドンが最近出没する。チャンスだ。皆がたぬたぬ様の登場を待っている。
 そんな感じのことを手振り足振り、老人は熱っぽく話した。
「キャンプ場にはキャンプ客が居る。その者たちに見せ付けるよう、格好良く、すたいる良く、ぱふぉーまんす良く、グドンを倒してほしいのじゃ。たぬたぬ戦隊として、たぬたぬ様の名の下に戦う正義のひーろーのような感じでの」
 最早聞こえない振りをしているラターグの隣で、ぴょこぴょこぴょこと、狸の尻尾が震えている。
「……戦隊ものなら、ピンクが必要ですことよ」
 じっと脇で話を聞いていた、英雄見習い・ミラッカ(a90237)が老人の手を握った。顔がすごく真剣だった。

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参加者
分の悪い賭けは嫌いじゃない・リヴァル(a04494)
迷宮の翔剣士・ハツキ(a05208)
赤と黒・シンジュ(a13972)
希望機神ゼファー・レン(a16704)
深緋の蛇焔・フォーティス(a16800)
輝く五星・リティーヌ(a20949)
光と闇の狭間に在る者・ザード(a21491)
戦慄の翼・ハクホウ(a23008)
レア物好きの・ミレイユ(a25024)

NPC:英雄見習い・ミラッカ(a90237)



<リプレイ>

●前振り
 ちょっとあの男、まったく何なのかしら。
 あら奥さんもそう思う? 迷惑よねぇ。
 ほら見てよあの顔。絶対なーんか悪いことしてる顔よ。
 あ、こっち見たわ!
 きゃー怖い!

 黙々と香草をバーベキューに投げ入れながら、勝負師・リヴァル(a04494)は額を拭った。
 これは汗。火が熱いんだから仕方がない。眼を擦る。そう、これは眼汗……。
 キャンプ場の最奥、最も登山道に近いところで、リヴァルは独り淋しくバーベキューをしていた。グドンが襲ってきた時に一般客へ被害が出ないよう、敵の注意を惹き付ける狙いだ。
 一つだけ、問題があった。
 ここは風の谷。風がびゅうびゅう唸る山峡。匂いは物凄い勢いで拡散する。
 リヴァルは香草を燃料にして。カレー粉をぶちまけた肉を炭になるまで焼いている。およそ匂いのチャンピオンとでも言うべき代物だ。
 香草だけでも充分だと彼は主張したのだが、白と黒・シンジュ(a13972)が「ベストを尽くさないでどうするのです」などと言うものだから、思わず丸め込まれたのであった。
 リヴァルのバーベキューが始まってからというもの、周囲の家族連れが「う!」と鼻を歪ませながら離れていくために、周囲のスペースが極端に開いている。少しばかり怖い人相であるから、誰も直接には彼に言ってこない。
「他人をなんだと思ってるのかしら、あいつ」
「自分さえ良ければ何やっても良いと思ってるのよ」
「まったく許しがたいわね」
 風に乗って耳に届く罵詈雑言に耐えつつ、リヴァルはひたすらカレー肉を炭化させ、匂いをばら撒いていく。
 もう一人の準備班、シンジュが何をしているかと言うと。
「ほらほら、あんまり大きな声だと聞こえますよ」
 素知らぬ顔で悪口大会に参加しているのであった。
 キャンプ客と仲良くなっておけば避難誘導もしやすいですから、という理屈は解るが、どうにもこうにも釈然としないリヴァル。ああ、煙が眼に染みるぜ。

 そんなこんなで、グドンの群れが山からひょっこり顔を出した時、リヴァルは安堵の息さえ漏らしたのだった。
「うお、グドンだ!」
 大声で皆の注意を喚起するよう叫ぶ。グドンらはカレー肉に突進し、バーベキューを引っくり返した。リヴァルの苦労の甲斐あってか、差し当たり醜悪な食欲は大方がカレー焼きだけに寄せられているようだ。
 グドンの群れとキャンプ客とを結ぶようなラインに下がる。後は適当に時間稼ぎをすれば。
「信じられない。あの男、グドンまで呼んだわッ!」
「何アレ、剣なんか振り回しちゃって。自業自得でしょうに!」
 眼汗を流しながら、リヴァルはキャンプ客の方へ向かおうとするグドンを必死に足止めする。
 何時の世も、縁の下の力持ちというのは辛い役回りなのである。みんなが忘れても、僕らはリヴァルの努力を忘れない。
「皆様、こちらですなぁん」
 シンジュがキャンプ客を後方へ避難させる。手際の良い誘導のおかげでパニックは起きていないようだが、幼児がわんわん泣き始めてしまった。
 その泣き声は伝染病のように広がる。子供が一人、また一人とベソをかきだして、重苦しい雰囲気が垂れ込める。初夏の楽しいキャンプ、貴重な家族の一時を邪魔された悔しさは如何ほどか。大人たちも子供の頭を撫でながら、すっかり肩を落としている。
 そんなキャンプ客の肩を叩いて、シンジュは天高く声を響かせた。
「皆様、こんな時こそ声を揃えて彼らを呼びましょう!」
 彼ら? 首を捻る一般人。シンジュは真っ直ぐ人差し指を立てる。
「民に呼ぶ声あるならば、彼らはどこにでも駆けつけます。今こそ正義の味方の出番なぁん! たぬたぬ戦隊、たぬれんじゃー!」
 一同ちょっと呆然。シンジュが耳に手を当てる。
「あれ、聞こえませんよ? もう一度! たぬれんじゃー!」
 一同、まだ躊躇いが残る。
「声が小さいです。もう一度! たぬれんじゃー!」
 一同、そろそろお約束が解ってきた模様。
「あと少し、たぬれーんじゃー!」
 子供が喉を張り裂けんばかりに叫び、大人が手を丸めて口に当て、グドンがカレー肉をどんどん胃袋に押し込んで。
「たーぬれーんじゃー!」
 不意に、霧の帳が降りた。

●この世に悪がある限り
 風の谷に霧が出ることは極めて珍しい。それを知る大人たちが、さざめいている。
 刹那の後、一陣の風が吹いた。平素のような打ち付ける風ではなく、優しく皆を包み込むような風だ。霧が洗い流されていって、今度は子供も含めて騒然とする。谷へ張り出した高台に4つの人影と4つの塊があった。
 右端。輝く五星・リティーヌ(a20949)が白の聖衣の裾を持ち、ぺこりとお辞儀をする。
「一つ。弱きを助け、強きを挫く」
「一つ。善を救って悪を討つ」
 一輪の薔薇を咥え、薔薇吹雪と共に現れる薔薇のドリアッド、迷宮の翔剣士・ハツキ(a05208)ことブラック。霧と風の演出は、彼女ら2人によるものだ。
 舞飛ぶ幻想的な蝶の中から覗くは蒼髪と青の瞳。光と闇の狭間に在る者・ザード(a21491)がノリノリでグドンを見下ろす。
「一つ。呼ばれりゃ何時でもやって来る」
「たぬたぬ戦隊、変身!」
 英雄見習い・ミラッカ(a90237)の合図で4つの塊が進み出た。一斉に被ったマントを脱ぎ捨てる。
「いつもは唯のレア物好き。しかし、その正体は――たぬたぬオレンジっ!」
「たぬたぬ様の忠実なるしもべ……たぬたぬパープル」
「ハート爆発♪ たぬたぬピンクッ!!」
 レア物好きの・ミレイユ(a25024)が橙色のタヌキに変身すれば、深緋の蛇焔・フォーティス(a16800)は瞼を落としたまま紫色のタヌキへ変身――いずれも鎧進化で着ぐるみを着ているということだけど、ともかく。タヌキの尻尾をつけた、無称号・レン(a16704)のフルアーマーは桃色に塗り潰されていた。
 わー、とその変わり身に、幼い感嘆の声が上がる。
 ちょっぴり恥じらいに揺れる翠緑の瞳で、最後の塊だった、戦慄の翼・ハクホウ(a23008)がグドンを睨む。
「キミたちもここまでだ。これ以上勝手なマネはさせない」
「8人揃ってたぬれんじゃー、ここに参上ですことよ!」
 ミラッカがリーダーらしく締める。かなり満足気な表情だった。余り物の赤色に体よく祭り上げられたこととか、リーダーの役割がこれだけなことは内緒である。
「ヒーローって本当にいたんだ!」
「ええ、そうね……」
 感動にきらきら輝く子供の瞳と、なんだか生暖かく見守っている大人たちの眼。ハクホウはその微妙な温度差を感じ取って、少し泣きそうになった。観客の方へ混じっていても、おかしくはない年齢だ。なるべく眼下を見ないようにする27歳。
 一方、心底楽しんでいる者の代表が18歳のザード。
「かーぁ、この視線がたまらんなー。れんじゃーの中でもブルーは一番人気やもんなー!」
 一番人気かどうかはさて置き、注目を浴びることが楽しいらしい。まるっきり対照的な二人だ。これがいわゆるジェネレーションギャップというやつなのかもしれない。観客に社会的感性を養わせる、教育的な戦隊ヒーローたちだった。
 ただの性格の違いなのかもしれないけど。
 高台のおかしな8人を他所に、グドンはひたすら食欲を満たしている。そろそろカレー肉も尽きてきたようだ。
「よーし、たぬたぬ様の名の下に、ボク達が成敗しちゃうよっ!」
 ミレイユの宣言で、正義の味方は一斉に高台から滑り降りる。ようやく彼らを敵と認識したように、悪者グドンが迎え撃たんと身構える。
 たぬれんじゃーの見せ場がやってきた。

●お手並み拝見
「オープニングショットや!」
 先陣を切ったのは、派手に撃ち込むザードの火球だった。凝縮された炎が炸裂し、哀れなグドンが宙に散る。
 次いで、光の一閃を彩るように薔薇の花吹雪が踊った。ちょこんとタヌキ耳を頭に乗せたハツキが、グドンの群れに逸早く割り込み、薔薇の棘の如く鋭い突きを繰り出している。
 薔薇をモチーフとする彼女に、少女の憧れるような視線が注がれる。たぬたぬブラックということはおそらく伝わっていまいが、たぬたぬバラ色として記憶に残ることだろう。背後からのグドンの攻撃を風のように受け流し、髪先の薔薇を優雅に揺らした。
 彼女が花なら、こちらは嵐。
「たぬたぬモール!」
 大棍棒を振り回し、レンが豪快にグドンへ乱れ打ち。それで良いのかピンク。後頭部を殴られたグドンが嫌な音を立てて崩れ落ちる。それをさらに滅多打ちにしながら微笑む彼女は、さながら桃色の猛獣のようであったという。
 フォーティスは黙礼すると、黒い針でグドンを屠った。別段大したことをやっているワケでもないのだが、たぬたぬパープルの一挙一動は奥様方の黄色い歓声で迎えられる。身だしなみに必要以上に気を使った彼は群を抜いて人気が高い。
 ザードがハンカチ噛んで悔しがるが、その差はどうにも覆せなかった。残念ながら関西弁な時点で、彼はクールでイカすブルー(本人談)にはなれまい。
「バーニングッ――オレンジィッ!」
 どん、と地を踏みしめるのはミレイユだ。瞬くうちに黒炎が身体に立ち昇り、いきなり必殺技の様相を見せる。
「たぬたぬファイヤー!」
 漆黒の邪蛇がグドンを噛み裂く。ちょっと悪役の攻撃に見えないこともないが、ヒーローは意外にえげつない攻撃を使用するものだ。名乗りが格好よければ大抵のことは無問題である。
 技名を叫ぶことの効用は、もう一つあった。自分の感覚が麻痺することだ。
「くらえ、正義の弓を。ナバームアロー!」
 巻き起こした爆発をバックに、ハクホウが雪月花と名付けた弓矢をかき鳴らした。羞恥心で一杯だったのが徐々に楽しくなってきたらしい。昔憧れたヒーローになった気分で、たぬたぬグリーンはキャンプ客の方を見やる。
 ミラッカを除けば、全員が中堅クラス以上の力を持つ冒険者たちなのだ。武装もしていないグドンに遅れを取るはずがない。圧倒的な戦力差に観客の声が呑まれる。
 地面に倒れ伏すグドンの数が増えていく。折角だからミラッカにも活躍の機会を与えてあげようと、心優しいリティーヌが援護するつもりで紋章から光線を撃つ。
「今ですミラッカさん! 今こそあの必殺技を使うときです!」
「にゃひはふむるぐー!」
 およそヒーローに似つかわしくない応答が返ってきた。慌てて視線を向ければ、あばばば痙攣するミラッカの姿。
「なぁん? 真の英雄たる者、弱点があってはなりませんよ? これも特訓です」
 シンジュが何時の間にやら、タヌキ尻尾を抱えて弄っている。ミラッカは身体を捩ることもできずに、奇声を上げていた。
 レッドはもう使い物になるまい。リティーヌは青ざめる。視聴率(?)を上げるためには、ここらで何か新展開を持ち出さなければいけなかったのに。
 思い余った彼女は、咄嗟に。
「ふっふっふ。リーダーが動けない、このときを待っていました」
 とんでもないことを口走っていた。
「たぬたぬホワイトとは世を忍ぶ仮の姿、実態は愚ルメ推進委員会所属の役職未定。それこそが、私の真の姿なのです!」
 とりあえずエンブレムシャワーで、十把一絡げにグドンの残りを全滅させる。で、恐る恐る仲間の反応を窺えば、みんな口をぽかんと開けたまま驚愕している。
 気まずい沈黙。

●ピンチの時には
 そんなとき。
「……裏切り者?」と子供の誰かが呟いた。
 サザナミのようにその発言が伝わっていく。愚ルメ推進なんとかは知らないけど、語感からして悪の結社っぽい響きだよ。たぬたぬ戦隊に裏切り者! そもそも8人ってところからして数が変だったもん。
「おのれ、なんて卑怯な!」
「許さないぞー」
 観客の溢れる義侠心に後押しされて、なんだか7人でリティーヌを取り囲む隊形に。
「え? え?」
 いまいち情勢の変化が飲み込めていない当のリティーヌを置き去りに、レンがわざとらしい溜息をついた。
「残念ねホワイト。良い仲間だと思っていたのに。……コスチューム、パワーアップ!」
 ピンクのフルアーマーが怒髪天を衝くタヌキの形相へと変化する。
「え? ……え?」嫌な予感がするリティーヌ。
「必殺――」
 レンは後ろへ下がって助走すると、未だ芋虫のように震えているミラッカを踏み台に空へ飛び上がる。まるで猛禽のように雄大に両手を広げ、数多のグドンを殴打したモールを振り上げて。
「たぬたぬブレイク!」
 頭から兜割りを喰らわせようとしたところで、間一髪リティーヌが避けた。レンの大棍棒は砂埃と共に地面を叩く。
「ちっ」
「いいいい今、本気じゃありませんでしたかっていうか、舌打ち!?」
 演技よ演技、とレンが囁く。裏切り者を倒す振りだけでもしないと。
 ……まぁ、確かに、とリティーヌも不承不承の納得。
 そんなやり取りを尻目に、シンジュが観客を煽る。
「さあ皆さん。これが最後の戦いです! ヒーローにエールを送ってあげましょう!」
 頬を真っ赤に染めて「頑張れー」と子供が怒鳴る。いつしか、彼らの親までも熱心に声援を送っている。
 ミレイユとフォーティスが眼を見交わし、それぞれ両手を胸元に翳す。
 ……あの、ちゃんと手加減してくださいね、なんて必死の声が聞こえたような気もしたが、瞼を落として集中する2人には知覚されない。
 手と手を合わせ、オレンジとパープルは同時に眼を開く。ちょっと色合いが悪いことは気にしたらダメだ。
「ダブルッ」
「ニードル!」
 巨大な爆発音。リヴァルによるデストロイブレードの演出だ。華麗に発動したコンビネーションの黒い針がリティーヌに雪崩のように降り注ぐ。
「……やられましたー。覚えてろー」
 半分べそをかきながらも、お約束の言葉を吐いてリティーヌは倒れた。巻き上がる歓喜の声に、
「たぬたぬ様のご加護があってこそです」
 リティーヌの治療を兼ねた淡い光の波を発して、フォーティスが微笑する。くらくらっと倒れる女性が出た。
 平穏を取り戻した谷を見回し、ヒーローは頷きあう。
「ふ……ここまでね。この世に明けない夜はない!!」
 格好よく別れを告げると、レンはモールを地に突き立てた。彼女のウインクを残して、荒波のような砂嵐が周囲を包む。
「Catch you later! また会いましょう〜」
 誰かが「痛ーっ」と砂塵の中で呻いていたけれど、ともかく砂礫陣が止むと、正義の味方は山間に姿を消していた。
 キャンプ客はさよならを惜しむように立ち尽くす。誰からともなく発生した、たぬたぬ戦隊を呼ぶ声は、いつまでもいつまでも風の谷に響いていたのだった。

●エンディング
 なお、余談ではあるが。
 事後のハツキの宣伝ビラ及び、ザードの握手キャンペーンは、じぶらる村とたぬたぬ様の知名度上昇に相当の効果を発揮したことと、キャンプ場で一夜を過ごそうとしたフォーティスが奥様方に発見され、徹夜サイン会のような惨状を呈していたことを記しておく。
 たぬれんじゃーの今後の活躍を期待している。


【たぬたぬ戦隊活動報告書・了】


マスター:わや 紹介ページ
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参加者:9人
作成日:2005/06/10
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
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