サムシングフォー 〜マリッジリングを取り返せ!〜



<オープニング>


 サムシングフォー――4つの『何か』を身に着けた花嫁は、必ず幸せになれる。
 いつからとも、どこからとも知れぬ、けれど、ロマンチックな夢と共に乙女達に語り継がれる……古い古いおまじない。

「お呼びでしょうか、旦那様」
「ああ、エルマ……こちらに」
 振り向いた老主人は、静かに微笑んだ。
 夏も近く、火の気のない応接室。開け放った窓から吹き込む風は爽やかだ。
「準備は、もう出来たのかな?」
「はい……旦那様には、本当に良くして戴いて」
 暫時の沈黙。
「…………やはり、私の事を父とは呼んで貰えないのだろうかね?」
「あ、あの……」
 言いよどむ彼女に、彼は穏やかに言葉を続ける。
「子に恵まれぬまま、妻にも先立たれて20年。だが、この6年間は本当に楽しかった。それもエルマ、お前が傍にいてくれたからなのだよ」
「勿体ないお言葉です。でも……」
「判っている。ご両親の事を思えば……だが、この老いぼれの最後の我儘を、聞いて貰えないかな」
 俯くエルマの顔を覗き込み、彼は慈しむようにその髪を撫でる。
「同じ花嫁を送り出すなら……私の夢なのだよ。一緒にバージンロードを歩いて、娘を送り出す事が」
「旦那様……」
 涙ぐむ彼女をそっと抱き寄せて。幸せにおなり、と老主人はそっとその背中を叩いた。

「急ぎの依頼や。誰か頼めんやろか」
 明朗鑑定の霊査士・ララン(a90125)は困った表情を浮かべていた。
「フォルネウス・クウィンリーと申します」
 老いて尚、矍鑠とした紳士が頭を下げる。その横顔に焦燥の色。
「結婚指輪を、取り返して戴きたいのです」
 クウィンリー家には、家宝の指輪がある。フォルネウスは早くに妻を亡くし、子供もいない。子供が伴侶を見付けて独立する時、その指輪も受け継いでいくという伝統は、彼で絶えてしまう筈だったのだが。
「漸く、エルマが養女になる事を頷いてくれましてな……あの子が我が家に勤めてくれたお陰で、ここ数年がどんなに楽しかった事か。人生の最後に、最高の幸せを得たも同然ですよ」
 メイドとしてフォルネウスに仕えていたエルマ・リディは、近々結婚する。それで、急ぎ家宝の指輪のサイズ直しを頼んだのだが。
「その指輪を職人さんトコへ取りに行った従僕が、未だに帰って来ないんやて」
「どうやら、ネコババしちゃったみたい」
 ラランの隣で肩を竦めたのは、ヒトの霊査士・リゼル(a90007)だ。そう言えば、ラランの両腕に霊視の鎖がない。今は修理中だとかで、それで先輩のリゼルに代打を頼んだようだ。
「その従僕さん、カロンっていうんだけど……誰かに脅されたようです。脅迫したのは……何か、金髪の胡散臭いお兄さんだけどそれはさて置いて。そいつに持って行く前に、よりにもよって盗賊に捕まっちゃったのよねぇ」
 指輪はシンプルだがプラチナのペアリングだ。紫紺のビロード張りの箱に納められていて、一見して価値がある物と知れる。
「身なりもそれなりだったから、身代金でも取れると踏んだのかしら。今は縛られて、その盗賊のアジトに転がされているわ……怪我してるわね。衰弱も酷そう」
 盗賊のアジトは、街から離れた所にポツンと建つ2階建ての廃屋を占拠したもの。周囲の見晴らしは良く、物見櫓も作って始終見張りをしているらしい。
「盗賊の数は20人。エルフが多いみたい。カロンさんは……地下かも。真っ暗な所にいるようですから」
「1番の仕事は、指輪を取り返してエルマさんに届ける事。エルマさんはもう嫁ぎ先のルベリア村に行ってるさかい、そこまでのお使いになる」
 この際、盗賊やカロンについては問わないが、指輪は大切な結婚式の為の物。幸せに影を差すような事態は避けた方が良いかもしれない。
「カロンは、エルマ以上に長年仕えてくれていました。こんな事になるなんて、一体何があったのか……ですが、カロンの事情はどうあれ、急いで指輪を取り返さない事には」
 漸く授かった娘の式なのです。どうぞ宜しく御願いします――フォルネウスは真摯な眼差しで冒険者たちを見渡すと、再び深々と頭を下げたのだった。

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参加者
星影・ルシエラ(a03407)
牙商人・イワン(a07102)
琥珀の狐月・ミルッヒ(a10018)
新鮮あったか羽毛布団・ティート(a21134)
紅輝の珠玉・クウェル(a21988)
ミンストレルレヴァリー・カルフェア(a23806)
星天の舞姫・マリウス(a27603)
雄風を纏いし碧眼の黒猫・ユダ(a27741)


<リプレイ>

「う〜ん、結婚するんも色々大変やなぁ……」
 しみじみと呟いたのは新鮮あったか羽毛布団・ティート(a21134)。確かに結婚はその準備だけで一大イベント。今回はその極めつけ、冒険者の十八番のトラブルバスターという辺りが、大変さに更なる拍車を掛ける。
「まぁ、乗りかかった船や。最後まで手伝わせてもらうで♪」
「ホント、結婚指輪をぱくるだなんて、酷い話だよねぇ。おめでたい門出にそんなトラブルがあるなんて……1番の幸せをぶち壊される悲しみ、盗賊にはわかんないのかなぁ?」
 まあ、盗賊にしてみれば、金目の物ならどれも同じ。結婚指輪だろうが形見の指輪だろうが関係なかろうが。
 憤慨する普遍たる名も無き旋律・カルフェア(a23806)に、雄風乱舞・ユダ(a27741)も同意する。
「結婚式に欠かせない指輪を奪うとは。悪行を働く盗賊は絶対許さん。早々に奪還し、式に間に合わせたい所だな」
「幸せの道行きに野暮はいらないよね。2人の大切な約束の証だもん。何より幸せを願うクウィンリーさんの為にも、返してもらわなきゃね♪」
 尤も、琥珀の狐月・ミルッヒ(a10018)自身は、盗賊の他にそもそも結婚指輪を横取りしようとした「金髪の胡散臭い奴」が気になる所。
「あー、せやな。なんで結婚指輪なんてもん、横取りしよ思うた奴がおるんやろ? わざわざ人を脅すなんてよっぽどやで」
「うん……お金目当てで式の邪魔したいとかじゃなければいいなぁ」
「そうだね。出来たら、脅されたっていうカロンさんの方もフォローしてあげたいな」
 頷き合う冒険者達だが、まずは指輪を取り戻すのが先決か。フォルネウスの愁眉を見れば、その心中は察して余りある。
(「何となく、ずっと私を育てて下さった義父さまと義母さまを思い出します」)
 そんな依頼人を前に、祈石の姫君・クウェル(a21988)の脳裏を過ぎるのは養父母の面影。
(「お2人とも、とても良くして下さって。私が笑顔で居られるように……本当の両親のように」)
 けして、自身と境遇が似ているからというだけでは無いけれど。
「エルマさんには、是非幸せになって頂きたいですよね……」
「ええ……どうか、宜しく御願い致します」
「古いもの、今の気持ちと周りの想いも積み重なった大切な物だよね。うん、取り戻すよー!」
 頭を下げるフォルネウスに元気良く星影・ルシエラ(a03407)が頷き、冒険者達は出発した。

「ねぇ、ホントに大丈夫?」
「これが私の役目だと思いますから」
 星天の舞姫・マリウス(a27603)のにこやかな、だが断固とした言葉に、心配そうなルシエラだがそれ以上何も言わなかった。
 初夏の日差しはそろそろ強い。それでも、マリウスの格好は今の季節には少々早いだろうか。水着代わりにもなりそうな、露出度の高い踊り子の衣装を纏っている。
「女の一人旅なら、盗賊達もきっと襲ってくるかと思います」
「僕もその時、ハイドインシャドウで一緒に潜入するね?」
 囮となってわざと捕まり、先に潜入する算段のマリウス。ミルッヒはそのフォローで隠密に動くツもりのよう予定だ。
「上手くいくと良いですが……」
 偵察から戻って来た牙商人・イワン(a07102)は、小さく肩を竦めた。
 一面の草海に一条の街道が白く横切っている。盗賊のアジトはその向こうにポツンと立っているという。
「兎に角、見晴らしが良い。警戒さえしていれば、かなり遠くまで判るんじゃないか」
 ユダも同行していたが、遠眼鏡を携帯しておらず戦装束で隠密めいた行動は不向きだ。早々に諦めて戻ってきていた。
「物見櫓の見張りはヒトかストライダーが2人でしたね。遠目だと尻尾が確認出来ませんでしたけど」
 夜の見張りはエルフでしょう、と遠眼鏡片手に考え込むイワン。
「外でたむろしているのも何人か……警戒してという訳でもなさそうですが。出来れば、カロンの身代金交渉で人が減った時を狙いたいですね。当人の衰弱が激しいそうですから、そう長く待てないでしょうけど」
「厄介やな。近付くわいらは弓矢のええ的やで。でも、ストリームフィールドやと、返った矢が盗賊に刺さってまうしなぁ……」
 溜息を吐くティート。奪還する物がモノだけに、流血は避けたい所。
「……しゃぁない。ダメージ覚悟で突っ切って、建物に着いてからケガの回復やな」
 豪快な提案であるが、搦め手は難しい地形なのだからシンプルイズベスト、が1番だろうか?
「じゃあ、まず囮班が潜入して、僕達はマリウスさんの合図で突入すれば良いんだよね?」
「合図、ですか……? それは、一緒に潜入されるミルッヒさんが」
「うん? 僕は出来るだけ中を調べるつもりだよ? 合図って、今初めて聞いたんだけど」
 ……段取りが纏まるまで、もう暫く掛かりそうな気配だった。

 時刻は夕刻。日の入りまで暫くある。
「!?」
 囲まれた――逃げる暇もない素早さが、如何にも略奪に手馴れた連中と窺える。
 上手く釣れた事に内心でホッとしたマリウスだが、表向きは怯えた表情。おずおずと周りを見回す。
「ひょー、結構な上玉じゃねぇか」
「運が悪かったな、ねぇちゃん」
 ニヤニヤと、マリウスの肢体を嘗め回すように眺める男達。
「あ、あの……命だけは助けて下さい。何でも、何でもしますから!」
「何でも、ねぇ?」
 新しい声がした。一歩前に出たヒトの盗賊が、凄みのある眼差しでマリウスを見下ろす。
(「え、女の人……?」)
 髪は短く刈り上げ、筋肉質な身体は並の男より大柄だが、その声は明らかに女性のそれ。
 バシィッ!!
「っ!」
 突然横面を張られ、思わずよろめき膝を突くマリウス。
「あたいは、あんたみたいに野郎に媚びる女狐は大っ嫌いさ。ふん……お望みなら、そうしてやろうじゃないか。こいつらも、そろそろ溜まっていた所だしね」
 ドッと下卑た歓声が、人気のない街道に響いた。

(「マリウスちゃん……」)
 思わず飛び出しそうになったのを何とか堪える。小突かれながら連れて行かれるマリウスを、ミルッヒはハイドインシャドウで身を潜めたまま追った。
(「うーん……」)
 本来ならば、アジトの中まで入り込み間取りまで調べるつもりだったのだが。
(「どうしよう……」)
 ゆっくり歩かねばハイドインシャドウは解けてしまう。加えて掛け直すにもこうも見晴らしが良ければ……どうしても遅れてしまうミルッヒ。
(「拙いよね、やっぱり」)
 とっくに閉じていたアジトのドアの前で、内心嘆息する。周囲には酒瓶片手の盗賊が数人。浮かれた様子のお陰でここまで忍んで来られたが、流石に勝手にドアを開ければ異変に気付かれてしまう。かといって、開くのを待って先に視覚外の効果が切れてしまっては洒落にならない。
 仕方なく、ぐるりとアジトを1周する。窓から覗いた中の様子を頭に叩き込み、ミルッヒは物見櫓を避けて仲間達の所に戻った。

 ――やがて、夜の帳が下りる。
 草海の葉擦れの音がさわさわと響く中、身を潜める冒険者達。
 遠くで微かに瞬くのは、アジトの灯だろう。対して、物見櫓の方は闇に沈んで見えない。人がいないのではなく、必要ないからだ。
 遠眼鏡越しにエルフの夜目は効かないので、クウェルをしても見張りの数は判らないが、必ずいる筈だ。
「合図は……無理ですよね」
 溜息を吐くカルフェア。ルシエラは心配そうな面持ちだ。
 突入の時間に猶予はない。カロンの様態もそうだが、囮のマリウスも(色々な意味で)危ないのだ。
「冒険者が来たて逃げられたら困るさかい、一気に制圧を狙うで」
 ティートの言葉に頷き、武器を構える冒険者達。結局、櫓の逆方向に回り込んでの突撃だ。
 3、2、1――!!
 ザワリと、草海がうねる。
「……っ!! おいっ!」
 物見櫓の見張りは3人。走ってくる熱源を感知した1人の叫びに2人が瞠目する。
 カランカランカランッ!
 鳴子が轟くと同時に、反対方向からのユダのスーパースポットライトが連中の目を焼いた。

「始まりましたか」
 陽動の役を果たしたイワンは、その場に留まり弓を構えた。
『大人しく投降せよ!』
 櫓に声の矢文を打ち込む。念の為、盗賊の逃亡阻止の見張り役だ。反対方向では、クウェルがやはり網を張っている筈。
「指輪は、何処だ」
「指輪ぁ?」
 麻痺したまま縛り上げられた見張りに半月槍を突き付けるユダ。
「……吐かないなら、あの世行きだ」
「し、知らねぇっ! 宝は全部御頭がっ!」
 青ざめた顔からして嘘ではなさそうだ。舌打ちして、石突で昏倒させる。
「さーて、いっちょがんばろーか、ユダ君!」
 ユダとアジトに駆け込んだカルフェアは、総立ちの盗賊を見るや眠りの歌を歌った。同時に、再びユダのスーパースポットライトが迸る。
 忽ち、その身を崩す盗賊達。奥の方でガラスの割れる音が聞こえたが、取り敢えず片っ端から縛り上げていく。
 一方、脇目も振らずに2階へ駆け上がったルシエラとティートは、飛び出してきた盗賊にまずスーパースポットライトを喰らわせた。
「どけっちゅーねん!」
 スパパァァンッッ!!
 廊下を塞いで硬直した盗賊に、ティートの二連張り扇が炸裂。力任せのその音はかなり痛そうだが、ひっくり返った盗賊に命に別状はなさそうだ。
「……あ、ここ鍵がかかっとる」
「それじゃ、いっくよう!」
 バキィィィッ!
 躊躇なしのルシエラの爆砕拳に、あっさり砕ける木の扉。
「……ルシエラはん、豪快やなぁ」
 その思い切りの良さに苦笑したティートだが、中の人影にハッとその面を強張らせた。

「……中々扱いが難しいですね」
 六芒星の魔道書『ソネリア』を手に、クウェルはポソリと独り言。
 逃亡阻止を買って出たクウェルだが……見張りに使おうとしたクリスタルインセクトは、集中が切れれば所構わず雑音を発する。複数の召喚は可能だが、偵察状態に使えるのは1つだけ。今回の場合は、寧ろ土塊の下僕の方が使えたかもしれない。
「あっ!」
 それでも――窓ガラスを突き破って飛び出してきた盗賊を、緑の束縛で縛り上げる。
「悪い事をしたのなら、きちんと償いましょうね?」
 もがく盗賊を余所に、クウェルは続いて逃げる盗賊を追い掛けた。

「動くんじゃないよ!」
 マリウスの咽喉にぴたりとナイフを当てて、女盗賊は吼えた。
 もう1人、ぐったりした壮年の男が禿頭の巨漢に吊り上げられている。その身なりからして、恐らく彼がカロンだろう。
「武器を捨てな! こいつらの命が惜しかったらね」
 ルシエラ達冒険者に追い詰められて、女の眼はギラギラと血走っている。
「いい加減にしてよ。どこまで人を踏みにじれば気が済むの? さっさと投降しないと……殺すよ?」
 カルフェアのはったりに、女は只せせら笑う。
「やってみな。どうせあたしらは捕まっても縛り首。けどね、あんたらがあたしを殺るならこいつらも道連れさ。咽を掻っ切る時間はあるだろうよ!」
「く……」
 マリウスは内心で歯噛みした。アジトに連れ込まれて問答無用で地下庫に閉じ込められ、外の騒ぎに脱出の暇もなく引きずり出されれば人質に――自分は冒険者だ。たとえ咽を斬られようがまだ助かる見込みはあるだろう。だが、気を喪ったままのカロンは……。
 行き詰る数瞬間――よもや、盗賊の背後に忽然とミルッヒが姿を現そうとは。
「!?」
 ハイドインシャドウを使った不意打ち。咄嗟に振り上げられた女のナイフをミルッヒの術扇が弾く。
 ドォォン――。
 次いで、流れるマリウスの眠りの歌に抗えず、さしもの盗賊2人は崩れ落ちたのだった。

 速やかな制圧が功を奏し、冒険者達は盗賊の捕縛に成功した。
 肝心の指輪は首領の女盗賊の懐にあり、無事に取り返される。
「ところで、カロンさんが脅された理由って何なの?」
 冒険者の介抱に息を吹き返したカロンは、カルフェアの問いに恥じ入って俯いた。
「……両親の店が、借金で」
 借金の取立てに窮するカロンの両親に、突然振って沸いた肩代わりの申し出。だが、その条件は――。
「よりによって、私にご主人様を裏切れと……ですが、このままでしたら、私の両親は首を括らなければなりませんでした……」
 カロンは卑劣な条件を強要した男とは直接会っていないという。霊査士が視た『金髪の男』の心当たりには頭を振る。
(「親への情を悪用する……狡猾な奴のようですね」)
 考え込むイワンの前で、嗚咽を漏らすカロン。
「……どんな理由にせよ、私がした事はっ!」
 その沈痛な面持ちに、最初は説教のつもりだったユダにも責める言葉は出ない。ここから先は、フォルネウスとカロン2人の問題だろう。
「もう後悔してるよね、後で謝りにいこうね」
 ルシエラの言葉に、カロンは滂沱の涙を流して頷いた。

「ありがとうございました」
 大切に、本当に大切そうにケースを抱き締めて。エルマは深々と頭を下げた。
「お陰様で、無事にサムシングフォーと婚礼の日が迎えられます」
「フォルネウスさんも……エルマさんも、これからまた家族がきっと増えますね」
 古いもの――それは、富の象徴。
 祖先からの幸せを受け継ぎ、これから始まる豊かな生活を願う。
 養父からの贈り物は、尽きぬ愛情と……伝統に彩られたエンゲージリング。
(「……そういえば。私の周りでもお嫁さんになる方が多いです。私にも義姉さまが出来るのですよね……楽しみです♪」)
 エルマの安堵の面持ちに、幸せ振り撒く6月の空気を微笑ましく思うクウェルだった。

 結婚式はもうすぐ。来る好き日を寿ぐように、清かな風が吹き渡った。


マスター:柊透胡 紹介ページ
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